アクセス解析ツール6選を比較!Webサイト分析に役立つツールの選び方とは?
Webサイトを運営していくうえで、どのくらいアクセスされているのか、どんな層からアクセスされているのかといったデータは大切です。ユーザーからのアクセスに関するデータを収集することで、「そのWebサイトに何が求められているのか」を分析できるため、改善の方向性も定めやすくなるでしょう。
Webサイトのアクセスデータを収集・分析するには、「アクセス解析ツール」の導入がおすすめです。ユーザーの利用状況がさまざまな角度から確認できるので、抱えている課題を見つけやすくなります。
この記事では、アクセス解析ツールの種類や選び方をふまえ、おすすめしたい6つのツールについて解説します。アクセス解析ツールのことを知りたい方はもちろん、複数のアクセス解析ツールを比較検討したいという方もぜひ参考にしてください。
目次
アクセス解析ツールとは
アクセス解析ツールとは、Webサイトの利用状況を確認し、分析できるツールです。効果的に活用することで、Webサイトが抱えている課題やサイト改善の要点を明らかにでき、アクセス数の増加やCV率の向上につなげることができます。
また、アクセス解析ツールは自社サイトの分析に主眼が置かれているため、競合を含めた他社サイトまで分析したい場合は異なるツールの導入が必要になる場合もあります。
アクセス解析ツールの種類
アクセス解析ツールは、ユーザーデータの取得・解析方法によって大きく「パケットキャプチャリング型」「サーバーログ型」「Webビーコン型」の3つに分けられます。それぞれのしくみやメリット・デメリットを理解しておきましょう。
パケットキャプチャリング型
パケットキャプチャリング型は、ユーザーとWebサーバーの間を流れるデータ(パケット)を補足(キャプチャ)して解析する方法です。代表的なツールでは「RTmetrics」に採用されています。
リアルタイム解析ができるうえ、JavaScriptが動作しない環境でも解析が行えます。規模の大きいサイトでも難なく解析が可能ですが、基本的にはWebサーバーを自社内で管理できる環境でなければ導入が難しいため、高額な初期費用が必要になるケースが多いです。
サーバーログ型
サーバーログ型は、ユーザーがサイトにアクセスした履歴をWebサーバーに直接保存して解析する方法です。Webサーバーにさえデータが残っていれば、過去のデータを遡って解析することも可能です。
解析用のマシンが定期的にWebサーバーに保存されたアクセス履歴を取得して解析するしくみのため、規模の大きいサイトの場合は解析に長い時間を要する可能性があります。このしくみ上、リアルタイムでの分析はできません。
Webビーコン型
Webビーコン型は、サイトにJavaScriptのタグを埋め込み、そこからユーザーのアクセスデータを取得、解析する方法です。「Googleアナリティクス」をはじめ、数多くのツールに採用されています。
解析を行いたいページすべてにJavaScriptのタグを入れる必要があるので、入れ忘れには注意しなければなりません。リアルタイムの分析にも対応しており、現時点ではもっともオーソドックスな種類です。
アクセス解析ツールの選び方
アクセス解析ツールを選ぶうえでは、「何を一番優先したいか」を明確にしておきましょう。
アクセス解析ツールの判断基準になりうる主な要素は以下の6つです。
・目的
・機能
・使いやすさ
・サポート体制
・お試し期間
判断基準は一様ではありません。自社や運用担当者の都合に合わせて優先順位を決めましょう。
目的
アクセス解析ツールの導入を検討するということは、それによって達成したい何らかの目的があるということです。費用やサポート体制といったほかの要素に惑わされて、導入の理由がないがしろにならないよう注意しましょう。当初の目的を達成できるかどうかということは、最優先事項として検討する必要があります。
費用
できるだけコストを削減したいという場合は、費用が判断基準になる場合もあるでしょう。アクセス解析ツールには、豊富な機能を備えた有料ツールがある一方、高性能な無料ツールも多くあります。無料ツールの導入を検討する場合は、求めている機能が搭載されているかどうかをしっかりと確認しておくことが大切です。
機能
アクセス解析ツールの機能はツールによって異なります。求めている機能をあらかじめ洗い出しておくことで、備わっている機能もツール選びの基準になるでしょう。
とりわけ、無料ツールと有料ツールでは、備わっている機能の幅広さに大きな差があります。無料ツールには自社サイトのアクセス解析に特化したものが多いのに対し、有料ツールには自社サイトの解析機能だけでなく、プラスアルファの機能も備わっている場合がほとんどです。
たとえば、有料ツールである「ミエルカSEO」には学習コンテンツや運用支援サービスも付帯しており、無料ツールに比べて幅広い用途で活用できます。
使いやすさ
ツールを導入するうえで使いやすさは重要です。最初は少しの違和感でも、使い続けるうちに大きな負担になってしまう可能性もあります。
また、ひと口に使いやすさといっても、その正体はさまざまです。操作のしやすさ、UIのわかりやすさ、対応言語といった要素以外に、料金や搭載機能も、広く捉えると使いやすさに含まれるでしょう。
特に複数人でツールを扱う予定の場合は、より多角的な視点での判断が必要になります。「自分が使いやすいかどうか」だけではなく、最低でも「担当者の皆が使いやすいかどうか」もしくは「誰でも使いやすいかどうか」という観点で選ぶことを意識しましょう。
サポート体制
これまでアクセス解析ツールを扱ったことがないという企業や担当者であれば、上手く活用していけるだろうかという不安もあるかもしれません。そういった場合には、サポート体制の整ったツールがおすすめです。
たとえば「RTmetrics」では、スタッフがリモートログインし、設定・レポートの確認やニーズに応じた提案を行ってくれる「リモートサポート」を提供しています。これはわからないこと自体を説明するのが苦手な方にとって、便利なサポートといえるでしょう。
また「ミエルカSEO」のサポートでは、オンラインMTGを中心に平日9:30〜18:30までの操作・機能サポートが受けられるだけでなく、「ミエルカユーザー会」をはじめとした各種セミナーやイベントに参加することができます。
お試し期間
「使用感がわからないとツールを選ぶのは難しい」という方もいるでしょう。無料ツールであれば、本格的な導入を見据えて試しに使ってみることができますが、有料ツールの場合はなかなかそうもいきません。
お試し期間が設けられているツールであれば、たとえ有料であっても「とりあえず使ってみる」ということが可能になります。実際に使ってみてはじめて気づくことも少なくないでしょうし、使用感を確かめてから導入を検討することができるので、導入してからのギャップも少なくなります。
おすすめアクセス解析ツール6選
Googleアナリティクス | Juicer | Ptengine | Similarweb | ミエルカSEO | RTmetrics | |
料金 | 無料 (有料プランあり) |
無料 (有料追加オプションあり) |
無料 (有料プランあり) |
無料 (有料プランあり) |
有料 | 有料 |
特徴 | ・もっともシェア率が高い ・無料プランで豊富な機能 ・大規模サイト向けの有料プランあり |
・ユーザーにフォーカスした分析が得意 ・有料オプションとして個別機能を追加可能 |
・ヒートマップ、サイト解析、Web接客といった複数の作業に活用可能 ・2013年にグッドデザイン賞を受賞 |
・競合分析が特徴 ・個人と企業向けにそれぞれ業界分析機能やアプリ分析機能を搭載した有料プランあり |
・競合分析やカスタマーサクセスにも活用可能 ・学習コンテンツが利用可能 ・コンサルタントによる伴走支援 |
・厚生労働省導入のツール ・「パケットキャプチャリング型」を軸に、「サーバーログ型」「Webビーコン型」にも対応 |
アクセス解析ツールのなかでおすすめしたいのは「Googleアナリティクス」「Juicer」「Ptengine」「Similarweb」「ミエルカSEO」「RTmetrics」の6つです。以下で、各ツールの特徴を解説します。
Googleアナリティクス【無料】
Googleアナリティクスは、Google合同会社が提供している無料のアクセス解析ツールです。日本国内はもちろん世界的にも知名度が高く、もっとも広く使われているアクセス解析ツールだといえるでしょう。
多くの企業や個人が導入しているツールであることから情報も発信されやすく、仮に使い方がわからなくてもインターネット上で活用に関する数多くのノウハウを取得することができます。この点は、操作につまずきやすい初心者の方にとって嬉しいポイントでしょう。
無料でありながらユーザー分析や流入元分析など豊富な分析機能が搭載されており、有料ツールに負けずとも劣らない多角的な解析が可能です。各種Googleサービスとの連携がしやすいため、ほかにもGoogleのサービスをよく活用している方にとっては有力な候補になるでしょう。
また、大規模なサイト向けに有料プラン(料金は問い合わせ)も提供されています。Webサイトのデータ量が膨大で無料プランでは処理しきれないという企業は検討しましょう。
■公式サイト
https://marketingplatform.google.com/intl/ja/about/analytics/
Juicer【無料】
Juicerは、ログリー株式会社が提供しているユーザー分析DMPです。DMPとはデータマネジメントプラットフォームの略で、インターネット上に蓄積したデータを管理・分析して活用するためのプラットフォームのことを指します。つまり、ユーザーごとにフォーカスして分析するしくみがJuicerの特徴です。
アクセスログ分析やユーザー分析、ABテストといった基本機能は無料の基本プランに含まれているため、無料プランでもアクセス分析ツールとして十分に活用できます。
そのほかに、ユーザーひとりひとりの詳細なデータや月間分析レポートなど、利用できる機能・サービスを増やしたいという場合は、機能ごとに料金を支払うことでオプションとして追加できます。
■公式サイト
https://juicer.cc/
Ptengine【無料】
株式会社Ptmindが提供している「Ptengine」は、ヒートマップやサイト解析、Web接客といった複数の作業を無料で行うことができるツールです。無料ツールながら機能を豊富に搭載し、タグをひとつ設置するだけでデータにもとづいたサイト改善をサポートしてくれます。
また2013年には、その優れたUIとUXによりグッドデザイン賞を受賞しています。操作の簡単さと結果が出るまでのスピード感、手厚いサポート体制も備え、コンバージョンの獲得を後押しします。
無料版では月間3000PV以上になると計測できないため、その場合はサイトのPV数に応じて有料版の導入を検討してください。
■公式サイト
https://www.ptengine.jp/
Similarweb【無料】
Similarwebも、無料で利用できるアクセス解析ツールです。競合サイトの分析機能まで搭載されていることが大きな特徴で、WebサイトのURLを入力するだけで検索キーワードやトラフィックソースを分析できます。自社サイトと比較することもできるので、競合サイトにあって自社サイトにないものがすぐにわかるでしょう。
また、無料プランでも十分な機能が搭載されていますが、さらに多機能な有料プランも用意されています。「個人およびスタートアップ向け」と「企業・法人向け」に分かれており、導入することで履歴データの活用や業界分析、アプリ分析といった機能が利用可能になります。7日間の無料トライアルもあるので、有料プランへの移行を考えている方はまず使ってみて使用感を確かめてみましょう。
■公式サイト
https://www.similarweb.com/
ミエルカSEO【有料】
ミエルカSEOは、株式会社Faber Companyによって提供されているアクセス解析ツールです。競合分析やカスタマーサクセスにも活用が可能で、先述のとおり学習コンテンツの側面も持っています。有料ではありますが、そのぶん機能が豊富で多くの用途をカバーできるツールです。
また、手厚いサポート体制もミエルカSEOの特徴です。デジタルマーケティングに特化したコンサルタントが伴走して支援してくれるので、SEOやマーケティングの知識がない企業でも安心して導入できます。
費用やプランに関しては、大まかな情報しか公開されていません。気になった場合はまず資料請求をしてみましょう。無料トライアルも提供されているので、使用感を確かめてから導入を判断することが可能です。
■公式サイト
https://mieru-ca.com/
RTmetrics【有料】
RTmetricsは、オーリック・システムズ・ジャパン株式会社より提供されている有料のアクセス解析ツールです。2020年に厚生労働省がはじめて出したWebマーケター募集において、使用ツールとして名前が挙げられていたことで注目を浴びています。
最大の特徴はそのデータの取得・解析方法で、RTmetricsは先述した「パケットキャプチャリング型」を軸とし、「サーバーログ型」「Webビーコン型」を含めた3つの型すべてに対応しています。状況に応じて最適な方法で運用できるので、ビジネスにおける多様なニーズに対応することが可能です。
料金システムは2種類あり、長期間の利用を想定している場合は「ライセンス買取方式」が、短期間の利用を想定している場合は「サブスクリプションライセンス方式」がおすすめです。くわしい費用は公開されていないので、興味がある場合は問い合わせてみましょう。
■公式サイト
https://www.auriq.co.jp/products/rtmetrics/
アクセス解析ツールでより的確なWebマーケティングを
Webサイトの運営をはじめとしたWebマーケティングにおいては、「ユーザーが何を求めているのか」が非常に重要です。ユーザーの求めているものを把握できていれば、よりニーズに沿ったマーケティングが可能になるでしょう。
また、ただユーザーの利用状況に関するデータを収集するだけでは意味がありません。収集したデータもとに、「なぜこのような行動をとっているのか」「どうすれば思い通りの行動をとってくれるのか」というポイントについて分析し、思い描く成果につながるような施策を展開していく必要があります。
アクセス解析ツールを導入すれば、ユーザーの属性や行動を収集して分析することが可能になります。データにもとづいて得られた仮説は、的確なWebマーケティングを展開していくうえで心強い指針になるでしょう。
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