
Adobe Experience Managerとは?主な機能や導入事例を紹介
企業のデジタルマーケティングが加速する中、「自社のWebサイトをもっと戦略的に活用したい」「コンテンツ運用を効率化したい」と考える方も多いのではないでしょうか。商用CMSを導入することで、複数の部署やチームでのコンテンツ管理、パーソナライズ対応、多チャネル配信など、マーケティング施策の質とスピードを両立できます。
そこでおすすめしたいのが、Adobe社が提供するエンタープライズ向けCMS「Adobe Experience Manager」です。本記事では、AEMとはどんなのCMSなのか、主な機能や選ばれる理由、導入事例などをわかりやすく解説しています。ぜひ参考にしてください。
目次
Adobe Experience Managerとは

Adobe Experience Manager(アドビ・エクスペリエンス・マネージャー)とは、IllustratorやPhotoshopなどを提供するAdobe社が開発した、商用パッケージ型のCMS(コンテンツ管理システム)です。
マーケティングに関する統合型プラットフォーム「Adobe Experience Cloud」の製品群の1つで、「AEM」「Adobe Systems」という表記をされるケースもあります。
Adobe Experience Managerは、コンテンツ管理(CMS)とデジタルアセット管理(DAM)の機能を兼ね備えており、大量のデータを一元管理できるのが大きな特長です。そのため、大規模なWebサイトの構築・運用で活躍するでしょう。
Adobe Experience Managerの主な機能
Adobe Experience Managerの主な機能をまとめました。
- コンテンツ管理
- デジタルアセット管理
- マルチサイト管理
- パーソナライゼーション機能
- テンプレート機能
- コンポーネント管理
- フォーム機能
- ワークフロー管理
- AI支援による自動化
上記のように豊富な管理機能が揃っているため、編集や配信の自由度が高く、運用効率に優れています。担当者ごとの権限設定やワークフロー設計も行えるため、組織的なコンテンツ運用がしやすいはずです。戦略的に企業の情報発信ができるCMSと言えるでしょう。
Adobe Experience Managerの価格
Adobe Experience Managerの価格は公開されていません。エンタープライズ向けの商用パッケージのため、要問合せとなります。
企業に合ったカスタマイズを行うので、機能やサイト運営の目的などで左右されるでしょう。オンライン見積もりを取れるので、気になる人は1度相談しておくと良いです。
Adobe Experience Managerが選ばれる理由

Adobe Experience Managerが選ばれる理由をまとめました。
- Adobe製品という信頼性がありシェア率が高め
- 他のAdobe製品と統合できる
- 大量のデータの一元管理が得意
- 大規模サイト・グローバルサイトに適している
- ヘッドレスCMSとしても活用できる
- AI機能でコンテンツ作成ができる
- タッチ操作に対応
- 日本語サポートあり
これらのポイントは、Adobe Experience Managerを導入するメリットとも言えます。それぞれの特徴について詳しく解説していきます。
Adobe製品という信頼性がありシェア率が高め
AdobeはPhotoshopやIllustratorなどで知られる、世界的に信頼性の高いソフトウェア企業です。そのため、Adobe Experience Managerも安心して導入できるでyそう。実際に国内外でもCMSのシェア率が高く、導入している企業が多いことが証拠となるはずです。なお、日本国内でのシェア率は第3位となります。
他のAdobe製品と統合できる
Adobe Experience Managerは、Adobe Creative CloudやAdobe Analytics、Adobe Targetなどの他のAdobe製品とスムーズに連携できます。
たとえば、PhotoshopやIllustratorで制作したデザインデータを直接CMSに取り込んだり、Adobe Analyticsで収集したユーザーデータを元にパーソナライズされたコンテンツ配信を行ったりと、各ツールの強みを活かした運用が可能です。
Adobe製品をすでに活用している企業にとっては、既存の環境と連携しやすく、業務効率化やマーケティング施策の高度化を実現できるのが大きなメリットと言えるでしょう。
大量のデータの一元管理が得意
Adobe Experience Managerは、コンテンツ管理(CMS)とデジタルアセット管理(DAM)の両方の機能を備えています。テキストや画像、動画などのコンテンツをアセットとして整理・保存でき、タグ付けやメタデータ管理も可能なため、目的の素材をすぐに検索できます。
これにより、コンテンツ量が膨大なサイトでも編集や更新作業を効率化でき、部門をまたぐ運用やグローバルチーム間の共有でストレスを軽減できるはずです。
大規模サイト・グローバルサイトに適している
先述した通り大量のデータを一元管理できるので、大規模サイトに向いていると言えます。またAdobe自体、世界中で利用されている製品のため、多言語に対応しています。海外に支店や取引先がある、世界中のユーザーをターゲットにしたいというニーズにも応えられるでしょう。
ヘッドレスCMSとしても活用できる
Adobe Experience Managerには、ヘッドレスCMS機能が搭載されています。ヘッドレスCMSとは、ユーザーが見る「フロントエンド」と、データ管理側の「バックエンド」が完全に分離していて、ヘッドにあたるビューがないCMSのことです。APIを経由してコンテンツを作成するので、ページ表示速度が速いというメリットがあります。
また、フロンドエンドのみでサイト編集を行うので自由度が高いのも特徴と言えます。
AI機能でコンテンツ作成ができる
Adobeの生成AI が搭載されているので、コンテンツ作成の手助けをしてもらえます。キーワードやタイトルの提案、ライティング、校正などができるので、短時間で複数のコンテンツを作り上げられるでしょう。
そのほか、コンテンツに関連するタグを自動で付けてくれるといった機能もあります。
タッチ操作に対応
バージョン6.0以降から「タッチ操作対応UI」が採用されています。これは従来のデスクトップ向けUIとは異なり、スマートフォンやタブレットといったタッチデバイスでも直感的に操作できるように最適化されたものです。
これにより、外出先や現場などPCが使えない環境でも、簡単にコンテンツの確認や編集作業が行えるようになっています。
日本語サポートあり
公式サポートが日本語に対応しています。メールだけではなく、平日9時半~18時半の間であれば電話対応も日本語です。購入前のサポートはもちろん、導入後の運用サポートまで相談に乗ってくれます。
また、アドビコミュニティを使えば、他ユーザーと交流しながら悩み解決やスキルアップもできるでしょう。
Adobe Experience Manager導入に向いている企業

Adobe Experience Managerを導入すべきか迷っている場合は、以下の項目に当てはまるか確認してみてください。複数当てはまるようであれば、導入したほうが良いかもしれません。
- Adobe製品を導入している
- 専任のWeb担当者がいる
- 大量のデータを一元管理したい
- 大規模サイト・グローバルサイトを作成したい
- AI機能を使って効率化を図りたい
- コンプライアンス要件が厳しい企業
Adobe Experience ManagerはAdobeの他製品と連携ができるうえ、大量のデータの一元管理に向いています。大規模サイトの構築を得意としているCMSです。また、AI機能が搭載されているので業務効率化も図れるでしょう。教育機関、銀行証券企業での導入実績もあり、セキュリティ面も安心できます。
Adobe Experience Managerの導入事例
Adobe Experience Managerの導入事例を3つ紹介します。どのサイトも、日本国内での導入例となります。
東京海上日動火災保険株式会社
東京海上日動火災保険株式会社では、リアル営業がメインでデジタルマーケティングが弱かったところ、Adobe Experience Manager導入で業務効率化を図っています。Webサイトを構築・運用するだけではなく、デジタルマーケティングに関するさまざまな機能がついていることが選ばれた理由でしょう。実際に保険代理店ごとのコンテンツ配信にも成功しています。
旭化成エレクトロニクス株式会社
旭化成エレクトロニクス株式会社では、製造部品のターゲット市場が海外に移行したため、基盤整備・多言語対応などを行う必要があったため導入を決めたとのことです。その結果、コンテンツの複製が容易になり、急な案件の対応ができるようになり、前年比から案件化数の2倍を達成しています。
株式会社アシックス
公式:旭化成エレクトロニクス
株式会社アシックスは、第一にアセットの一元管理を目的としていました。かつ、グローバルマーケティングを行う、世界で有名なブランドでもあるので、Adobe Experience Managerに焦点を絞ったのでしょう。年間で約4万にものぼるデジタルアセットを登録、トータルで約70万ものデジタルアセットを管理しているとのことです。Webサイトというより、管理ツールとして最大限に利用している良い例です。
Adobe Experience Managerは今後AI機能強化が見込まれる

Adobe Experience Managerは公式が活発で、将来性があるCMSと言えるでしょう。とくに、AI関係の機能が今後はますます強化されるはずです。
現に、「Adobe Summit 2025」というイベントでは、Webサイトの最適化やコンテンツ管理を自動化する「Agent Orchestrator」と、パーソナライズされた顧客体験を提供するAIエージェント「Brand Concierge」という機能が実装される予定と発表されました。
AIによるコンテンツ作成支援だけでなく、コンテンツ管理や顧客管理もAI機能で自動化できるのであれば、ますます業務負担を軽減できるはずです。今のうちに導入を検討してみても良いのではないでしょうか。
まとめ

Adobe Experience Managerは、信頼性のあるAdobeブランドのもと、CMSとデジタルアセット管理を統合した強力なツールです。高機能かつ拡張性にも優れており、大規模サイトや多言語対応、AIによる業務効率化など、企業の成長戦略を支える要素が数多く備わっています。
本格的なCMS導入を検討している方や、既存のWebサイト運用をよりスムーズにしたいと考えている方は、Adobe Experience Managerの導入を視野に入れてみても良いでしょう。
なお、自社に合ったCMSを見つけるためには、他の製品とも比較して検討することが大切です。以下の記事も参考にしてみてください。
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