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AIアシスタントとは?仕組みや種類から考える最適な役立て方!

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日進月歩の発展を見せるAI(人工知能)関連の諸技術は、今後の産業構造や人々の生活に革新的な変化をもたらすと考えられています。

現段階において、一般にもっとも流通しているAI技術としては、「AIアシスタント」が挙げられるでしょう。音声を通じたタスク処理は、日々の暮らしをサポートすることはもちろん、さまざまなかたちでビジネスの発展に貢献してくれるはずです。

この記事では、AIアシスタントの概要をふまえ、現時点で普及しつつあるサービスの種類や、企業などによる活用例を紹介していきます。

AIアシスタントとは

AIアシスタント(バーチャルアシスタント)とは、ユーザーが発する音声に反応し、求められたタスクを実行するアプリケーションプログラムです。たとえば「今日の天気は?」「近くのカフェを探して」というように、日常的な言葉(自然言語)によって動作することを特徴としています。

認知度の高いAIアシスタントとしては、Appleの「Siri」や、Googleの「Googleアシスタント」、Amazonの「Amazon Alexa」などが挙げられるでしょう。これらはスマートフォンやPC、スマートスピーカーなど、さまざまなデバイスに搭載され、ユーザーによる操作を簡便化する役割を果たします。

AIアシスタントの機能は多岐にわたりますが、普及率の高い上記のプログラムにおいては、テキストメッセージの送信や電話発信、スケジュールのリマインドや家電の操作など、パーソナルなタスクの代理が主な目的とされます。

また、AIアシスタントはビジネスシーンでの導入例も増えており、顧客への窓口対応などを中心に、今後いっそう活用の幅が広がっていくことが期待できるでしょう。

AIアシスタントの仕組み

AIアシスタントがスムーズに稼働するには、日常的に用いられる言葉を「コマンド」として処理する仕組みが必要です。これを成り立たせている主なシステムとして、「音声認識」「自然言語処理」「機械学習」の3つが挙げられます。

まず、音声認識は入力された音声をテキストに変換する技術です。代表的な用途としては、自動の文字起こしなどが挙げられるでしょう。それぞれの音がどの文字に結びつくのか、長い音の連なりがどのように単語として区分けされるのかなど、膨大なデータをもとにしながら音声データを解析し、テキストに落とし込んでいきます。

次に、自然言語処理は、人間が日常的に使っている言葉をコンピューター上のコマンドとして認識させるための技術です。プログラム言語に比べて話し言葉は多分に曖昧さを含むため、特定の意味へと解釈することが困難なケースも多くあります。自然言語処理は、単語の組み合わせパターンなどについての学習をもとに、こうした曖昧な言葉において意図されている事柄を類推するためのシステムだといえます。

さらに、上の音声認識や自然言語処理の精度を高めるうえで、決定的な役割を担うのが「機械学習」の技術です。とりわけ近年では、機械学習のうちでも「深層学習(ディープラーニング)」と呼ばれる高度なシステムが取り入れられるようになりました。

たとえば画像解析を目的とするAIに「リンゴの外観」を覚えさせる場合、通常の機械学習においては「赤い」「球形に近い」といった判断基準をあらかじめAIにインプットします。一方、ディープラーニングにおいては、こうした判断基準をAI自身が見出していくために、学習効率を飛躍的に向上させることが可能です。

音声認識や自然言語処理においても、ディープラーニングを通じてAIが大量の音声データから言葉のパターンを学習することで、ユーザーが「日常的な言葉で何を求めているか」をより正確に把握できるようになっていきます。その精度は学習とともに高まっていくがゆえに、時を経るにつれてAIの認識力・対応力はさらに高度化していくと期待されているのです。

ディープラーニングについては以下の記事でくわしく解説しています。

ディープラーニングとは?仕組みや種類、資格、活用例を紹介

AIアシスタントの種類

世間的にはまだまだ「新しい技術」と認識されているAIですが、現状でも身近なかたちでその技術が利用されているケースは少なくありません。以下では、AIアシスタントやその周辺技術にはどのようなものがあるか、利用シーンなどから大別し、紹介していきます。

スマートデバイスに搭載されるAIアシスタント

現在もっとも一般に普及しているAIアシスタントとしては、SiriやGoogleアシスタントなど、スマートデバイスに搭載されるプログラムが挙げられるでしょう。

これらに共通する機能としては、音声によるインターネット検索や、スケジュール管理、メディアプレイヤーなどのアプリの操作、連携するテレビや照明機器の操作などがあります。

近年では、「音声を通じたデバイスの操作」がますます身近なものになっています。会話型AIについての市場調査などを手がける「Voicebot.ai」がアメリカ合衆国の成人を対象に行ったアンケートでは、スマートフォン上でAIアシスタントの機能を利用しているユーザーは2020年の段階で56.4%に上りました。さらに、スマートスピーカーを所有するユーザーは2年前の2018年から10%以上増加し、34.7%を記録するなど、シェア拡大の傾向が指摘されています。

また、どのAIアシスタントを利用しているかについては、AppleのSiriが45.1%と最多であり、次にGoogleアシスタントが29.9%、Amazon Alexaが18.3%と続きます。

(参照:Voicebot.ai “Voice Assistant Use on Smartphones Rise, Siri Maintains Top Spot for Total Users in the U.S.”)

これらのAIアシスタントによる操作に対応したアプリも多く登場しており、今後も活用の幅が広がっていくと考えられるでしょう。

会話特化型のAIアプリ

スマートフォンアプリの市場においても、AI技術を用いた種々のアプリが登場しています。AIアシスタントのように「音声を通じたタスクの実行」を目的とするもの以外にも、AIとの会話そのものを楽しめるアプリなど、AIの将来的な可能性を窺わせるものが多く見受けられます。

たとえば会話型AIの開発を手がける「mebo(ミーボ)」は、Android向けアプリとして「おしゃべりAIアシスタント」を公開中。対話相手となるAIの見た目を好みに設定できるほか、方言による会話にも対応しており、ナチュラルなコミュニケーションを楽しめることが特徴です。

また、音声認識を主旨とするアプリ以外には、画像解析の技術を用いた手相占いのアプリや、顔写真から似合う髪型を探すアプリなどが人気を博しています。

現状のところ、これらのアプリは「タスクの実行」を目的とするAIアシスタントとは異なる区分に位置づけられています。しかし今後、タスク処理のためのAIと、会話に特化したAI、さらに画像解析を専門とするAIなど、それぞれ別の領域に属するシステムが統合されていくことにより、さらに高度な機能が利用できるようになるでしょう。

たとえば日常会話を楽しみながら、似合う髪型や服装を提案してくれたり、イメージや予算に合った美容院を予約してくれたり、同時に複数の高度な処理ができるようになる未来もそう遠くないのかもしれません。

車載アシスタント

自動車業界は現在、自動運転や電動化などの面で大きな変革期を迎えています。こうした背景から、ドライバー支援機能の充実した「コネクテッドカー」の開発が急がれており、独自のAIアシスタントを車両に搭載するメーカーも登場しています。

たとえば中国の電気自動車メーカーである「NIO(ニオ)」は、産業テクノロジーやデザインを中心にグローバル展開する「Star」との提携により、車載AIアシスタントの「Nomi(ノミ)」を開発。高級SUVの「ES8」にこれを搭載し、ナビやオーディオまわりの操作や、車内カメラを使った写真撮影など、快適で便利なエンターテインメント空間の提供に寄与しています。

(参照:Starケーススタディ「NIOとの共創デザイン」)

自動運転技術が発展するにつれて、ソフトウエアによる車両制御はこの先いっそう「スマート化」していくと考えられます。ナビとAIアシスタントがより強く連携することで、一声で交通状況をふまえたルートを設定したり、ドライバーにあわせて音楽を再生したりといった処理が可能になっていくでしょう。

さらに、バスやタクシーなどの公共交通機関においても、AIアシスタントは有効に活用されていくと予想されます。音声による配車予約や、目的地の設定、周辺の観光案内など、さまざまな方途が考えられるでしょう。

業務効率化に向けたAIアシスタント

近年ではビジネスシーンにおいても、AIアシスタントの導入例が頻繁に見られるようになりました。代表的なのが、店舗における顧客案内や、コールセンターにおける問い合わせ窓口として用いられるケースです。

窓口対応の自動化は社内のリソース削減に大きく寄与するため、これまでにも多くの企業が、定型の質問に対して固定的な案内を行う「チャットボット」を導入してきました。ここから一歩進んで、音声をともなう顧客対応にAIアシスタントを取り入れることにより、現場において顧客のニーズに即した案内が可能になっていくと考えられます。

さらに、顧客への窓口としての活用法のほか、今後は社内業務の円滑化・効率化を目的としたAIアシスタントの導入が進んでいくと予想されます。たとえばルーティン業務を自動化するRPA(Robotic Process Automation)と組み合わせることにより、簡易的な音声コマンドで書類や資料を作成するといった用途がありうるでしょう。

さらに、IoT製品や産業用ロボットとの組み合わせによって工程管理を簡便化するなど、周辺技術との連携が進むにつれて活用の幅も飛躍的に広がっていくと期待されます。

AIアシスタントの活用例

AIアシスタントは今後さらなる発展が見込まれる分野ですが、現時点ではビジネス活用の可能性を各社が模索している段階にあるといえます。今後AI技術が目覚ましく進歩していくなかで、イノベーティブな活用法が続々と登場してくるでしょう。

以下では実際のビジネスシーンにおいて、AIアシスタントを活用している企業などの事例を紹介していきます。

接客業務を代理するAIアシスタント

2018年、飲食事業を手がける「株式会社ロイヤルダイニング」は、AIソリューションを提供する「株式会社ヘッドウォータース」の協力のもと、居酒屋の「天空の月 渋谷店」にてAmazon Alexa搭載のスマートスピーカー「Amazon Echo」を注文端末として導入。スタッフのリソース削減に期待が寄せられます。

(参照:株式会社ヘッドウォータース「居酒屋でAmazon Echoに飲み物オーダー:Alexa(アレクサ)オーダー席」)

また、ホスピタリティ業界向けのAIアシスタントを開発する台湾の「Aiello(アイエロ)」は、ホテルのルームサービスなどの対応を自動化することにより、宿泊業などにおけるリソースの削減に寄与しています。

たとえば台北の「Chez Nous Hotel(シェ・ヌス・ホテル)」においては、スマートスピーカーを通じてホテルスタッフへのリクエストを伝えたり、BGMやリマインダーを起動したりといった処理が可能です。英語・中国語・日本語間の自動翻訳機能も搭載されており、コミュニケーションのギャップを埋める役割も果たしています。

(参照:Aiello「シェ・ヌス・ホテル(Chez Nous Hotel)」)

店舗運営を補助するAIアシスタント

2022年12月、「株式会社ファミリーマート」は人型AIアシスタントを全国の約5,000店舗に導入することを発表しました。2023年度末までに、「クーガー株式会社」が開発した「レイチェル/アキラ」を導入し、売上動向にもとづく発注管理や、未実施業務の確認など、店長業務を補佐する役割を与える予定です。

マクロなデータを効率的に解析することはもちろん、店舗の状況にあわせた情報を提供することにより、店舗の運営に要する負担を軽減することが期待されています。

(参照:ファミリーマート「店長業務をサポートする人型AIアシスタントを 2023年度末までに5000店舗へ導入」)

自治体による活用も増えるAIアシスタント

福井県永平寺町は、観光客の受け入れに向けた永平寺の再構築事業において、観光案内所にAIコンシェルジュを設置。タッチパネルのほか音声入力に反応し、観光スポットについての情報提供や、交通機関の案内を行います。さらに、インバウンド向けに中国語や英語に対応している点も特徴です。

(参照:PDC ピーディーシー株式会社「永平寺町観光案内所」)

AIアシスタント以外にも、自治体のAI活用は増加しています。AIチャットによる窓口業務が代表的ですが、そのほかにも住民の健康情報を解析し、健康診断を促進するためのメッセージを最適化したり、介護のケアプランを提案したりといった用例も見られます。

(参照:総務省「地方自治体における業務プロセス・システムの標準化及びAI・ロボティクスの活用に関する研究会(スマート自治体研究会)」内PDF資料「地方自治体におけるAI・RPAの活用事例」)

このように、ビッグデータから自動的に「最適解」を導き出せる点が、ビジネスにおけるAIの大きな強みです。こうした解析機能とアシスタント機能を組み合わせることで、自治体はもちろん一般企業の業務においても、より高度かつきめ細やかな処理が可能になっていくでしょう。

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この記事を書いた人

鹿嶋 祥馬
大学で経済学と哲学を専攻し、高校の公民科講師を経てWEB業界へ。CMSのライティングを300件ほど手掛けたのち、第一子が生まれる直前にフリーへ転身。赤子を背負いながらのライティングに挑む。

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