AIブームの歴史を解説!いつから始まった?もう終焉って本当?
ChatGPTをはじめとする生成AI業界の盛り上がりは、第三次AIブームと言われています。ただ、「第一次・第二次AIブームを知らないんだけど?」という方は多いはずです。
そこで本記事では、過去3回にわたって起こったAIブームの歴史について解説します。現在のAIブームが終焉するのかどうかにも触れているので、参考にしてください。
目次
そもそもAIとは
そもそもAIとは、Artificial Intelligence(人工知能)の略称です。明確な定義は決まっていませんが、総務省では以下のように述べられています。
人間の思考プロセスと同じような形で動作するプログラム、あるいは人間が知的と感じる情報処理・技術といった広い概念で理解されている。
引用:令和元年版 情報通信白書
つまり、「人間のように複雑な情報処理を得意とするプログラム」ということです。
ただ、専門家の間ではAIの定義についてさまざまな解釈がなされており、明確な定義は存在しません。
AIブームは定期的に発生
人工知能、いわゆるAIの研究は流行と冬の時代を繰り返しています。最初の流行は第一次AIブームと呼ばれ、その後第二次AIブームが続き、現在の第三次AIブームに至ります。それぞれの時期と特筆すべき点は以下の通りです。
AIブーム | 時期 | 注目ワード |
第一次AIブーム | 1950~1960年代 | 推論と探索 |
第二次AIブーム | 1980~1990年代 | エキスパートシステム |
第三次AIブーム | 2000年代~現在 | 機械学習 |
意外かもしれませんが、AIブームの始まりは1950年代まで遡ります。そこから数十年の期間を経て、ChatGPTなどをはじめとする生成AIブームにつながるのです。
AIブームの歴史
ここでは、AIブームの歴史を「第一次AIブーム」「第二次AIブーム」「第三次AIブーム」にわけて解説します。
第一次AIブーム
第一次AIブームは、1950年代後半から1960年代にかけて起こりました。コンピューターによって「推論」「探索」が可能となり、迷路の解き方や定理の証明など、特定の問いに対して解答を提示できるようになったからです。
また、押さえておきたいその他のトピックは以下の通り。
- 1956年:ダートマス会議で人工知能という言葉が登場
- 1958年:ニュートラルネットワークの開発
- 1964年:人工対話システムの「ELIZA(エライザ)」の誕生
しかし、単純な問題を扱うことはできても、様々な要因が絡み合っている現実社会の課題を解くことはできず、第一次AIブームは終わりを迎えます。
第二次AIブーム
第二次AIブームは、1980~1990年代にかけて起こりました。「エキスパートシステム」が開発されたからです。
エキスパートシステムとは、特定分野の専門知識や経験をコンピューターに移植し、課題解決を行うシステムのこと。人間の意思決定能力をAIで表現しようとしましたが、コンピューターの処理能力が足りないなどの理由から頓挫しました。
第三次AIブーム
第三次AIブームは、2,000年代~現在まで続いています。特筆すべきポイントは、ディープラーニングをはじめとした機械学習です。「AIが自分で学習する技術」という認識で構いません。
これにより、ChatGPTなどの生成AIが誕生し、MicrosoftやSoftBankなどの超大企業が莫大な金額を投資する産業へと成長しました。
第三次AIブームが成功した理由
一過性の流行で終わってしまった第一次・第二次AIブームと比較して、第三次AIブームの勢いが止まらない理由は以下の通りです。
- 機械学習とディープラーニング
- コンピューターの性能向上
- スマートフォンの普及
それぞれ詳細を見ていきましょう。
機械学習とディープラーニング
第二次AIブームと第三次AIブームでは、AIに対するアプローチが異なります。
AIブーム | 手法 | アプローチ |
第二次AIブーム | エキスパートシステム | 人間がAIに教える |
第三次AIブーム | 機械学習 | AIに自分で考えてもらう |
第二次AIブームのエキスパートシステムでは、専門知識をAIにインプットする手法が採られていました。しかし、それでは人間特有のクセやコツを再現できないという課題がありました。
一方、第三次AIブームの機械学習では、ディープラーニングという技術が採用されています。人間の脳の働きを模した「ニューラルネットワーク」を何層も重ねることで、AIに自分で考えてもらうというアプローチを実現したのです。
コンピューターの性能向上
コンピューターの性能が向上したのも、第三次AIブームが成功した要因の1つです。第二次AIブームのコンピューターでは、AIによる膨大な量の演算を処理できる性能には届きませんでした。
第三次AIブームでは、グリッドコンピューティング(※)などの技術を活用することで、処理能力の課題を解決しています。
※ 複数のコンピューターをネットワークを介して接続する技術
スマートフォンの普及
最後に、スマートフォンの普及も第三次AIブームの成功に影響を与えています。スマートフォンにはAI技術を活用した機能が多数搭載されているからです。
- 顔認識機能
- 音声認識機能
- レコメンド機能
- 翻訳機能 など
AI関連の産業が巨大なマーケットになったことが、第三次AIブームの盛り上がりにつながっています。
AIブームにまつわるQ&A
ここでは、AIブームにまつわるQ&Aをご紹介します。
AIブームはいつから?
AIブームは「第一次」「第二次」「第三次」の3段階に分けられ、第一次AIブームは1950~1960年代に起こりました。年表にまとめると以下の通りです。
- 第一次AIブーム:1950~1960年代
- 第二次AIブーム:1980~1990年代
- 第三次AIブーム:2000年代~現在
AIブームは流行と冬の時代を繰り返し、ChatGPTをはじめとした現在の第三次AIブームへとつながっています。
現在のAIブームは?
現在は2000年代から続く第三次AIブームです。機械学習やディープラーニングなどの技術により、ChatGPTなどの生成AIが誕生しました。生成AIとAIの違いについてはこちらの記事を参考にしてください。
>>>生成AI(生成系AI)とは?メリットやデメリット、従来のAIと違いを解説!
AIブームは終焉を迎えている?
AIブームは終焉を迎えていません。むしろ研究熱は以前よりも増大しており、世界のビッグテックが莫大な金額を投資しています。
- ソフトバンクG、オープンAIに5億ドル投資へ-米メディア
- ChatGPTを開発する”OpenAI”が史上最大となる$6.6Bを調達し、評価額は$157Bへ
- マイクロソフト、「ChatGPT」開発のOpenAIに1.3兆円を出資か
すでに生成AIを業務に活用している企業も多いです。
今後もこの流れは続くと予想されます。
AIブームに関するまとめ
今回はAIブームについて解説しました。押さえておきたいポイントは以下の通りです。
- AIブームはこれまで3度起こった
- 流行中のChatGPTは第三次AIブーム
- 生成AIの登場により、AIブームはさらに加熱すると予想
AIブームの始まりは1950年代まで遡ります。そこから流行と冬の時代を繰り返し、現在の第三次AIブームにつながるのです。
また、ChatGPTをはじめとする生成AIの性能は凄まじく、一過性のブームに収まらない盛り上がりを見せています。近い将来、ガラケーがスマートフォンに置き換わったようなブレイクスルーが起きるかもしれません。
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