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Apple Intelligenceとは?機能や対応機種なども解説

Apple Intelligenceとは?機能や対応機種なども解説

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「AIの活用」が次世代のキーワードとなり、企業間の開発競争が激化するなか、Appleは自社製デバイスに独自のAI技術「Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)」を搭載しました。

Apple Intelligenceには現在注目されている「生成AI」の技術も導入され、ユーザー体験を一新するシステムとして期待されています。一方で、Apple Intelligenceには数多くの機能が含まれており、全貌が捉えにくくなっている面もあるでしょう。

この記事では、Apple Intelligenceの概要や対応機種をふまえ、目玉となる機能や今後の展望について解説していきます。

Apple Intelligenceとは?

Apple Intelligenceとは?

Apple Intelligenceとは、Appleが提供する「AI技術をもとにした一連の機能群」を指しています。これまでのデバイスにも搭載されていた音声アシスタント「Siri」の機能強化に加え、文章作成や画像編集といった生成AI関連機能や、よりパーソナライズされたタスク補助機能など、非常に多くのテクノロジーを含むシステムです。

Apple Intelligenceの公式ページでは、「AIをみんなのために。」というキャッチフレーズが掲げられています。ここから、AIの創造性や生産性をより身近な形で利用できる点が、今回のリリースにおける大きなポイントだといえるでしょう。

Apple Intelligenceは2024年にリリースされたApple製OS(iOS 18、iPadOS 18、macOS Sequoia)に組み込まれる形で登場しました。2025年1月現在はアメリカ合衆国を中心に、英語でのベータ版が展開されています。

なお日本語をはじめとする他言語への対応は、2025年内に順次進められていく予定であり、対応言語のほか機能面でも段階的にアップデートが加えられていくと予想されています。

Apple Intelligenceが注目される理由

近年ではさまざまな分野でAIを用いた技術が活用されており、スマートフォンにおいてもAppleのSiriをはじめ、ユーザーの操作を補助するコンシェルジュ機能が発展してきました。

一方で、現在ではChatGPT(チャットジーピーティー)による文章作成や、Stable Diffusion(ステイブルディフュージョン)による画像生成をはじめ、「生成AI」が目覚ましい発展を遂げています。

こうした動向から、今後はAIがユーザーを補助するだけでなく、「膨大な学習内容をもとにゼロからクリエイティブを作成する力」が、人々の生活に革新的な変化をもたらすと予想されているのです。

Apple Intelligenceにおいてはこれまでのユーザー補助機能のほか、生成AIに関連する機能も多く取り入れられています。このAppleの動きは、「一般のエンドユーザーが手軽に、直感的に生成AIを使える時代」への変化を予感させるものでしょう。

現状においても、生成AIの活用によって多くのタスクが効率化されており、今後もこの傾向は加速していくものと見られます。こうした状況のなか、スマートフォンなどを通じて「手元ですぐにクリエイティブを作成できる環境」が構築されていく意味は大きいと考えられます。

Apple Intelligenceの対応機種

Apple Intelligenceの対応機種

Apple Intelligenceは現在ベータ版の展開であり、利用できる地域や言語が限られています。以下では現状における対応機種や、日本語対応の予定について解説します。

対応機種一覧

Apple Intelligenceは、現状のところiPhoneやiPad、Macシリーズの比較的新しい機種で利用できます。具体的な対応機種は以下のとおりです。

  • iPhoneシリーズ:iPhone 16の全モデル、iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Max
  • iPadシリーズ:M1チップ以降のiPad AirおよびiPad Pro、iPad mini(A17 Pro)
  • Macシリーズ:M1チップ以降のMacBookおよびiMac、Mac mini、M1 Maxチップ以降のMac Studio、M2 Ultra チップのMac Pro
  • なおOS面での要件としては、iOS 18.1以降、iPadOS 18.1以降、macOS Sequoia15.1以降に対応しています。
    (参照:Apple サポート(日本)|Apple Intelligenceを入手する方法

    対応言語について

    現状のところ、Apple Intelligenceは英語のみに対応しているため、利用するにはデバイスの言語設定を英語に変更する必要があります。

    なお2025年4月以降には、対応言語が順次アップデートされていく予定であり、日本語でも近いうちに利用できるようになる見込みです。Appleの公式ページでは、2025年中に追加される予定のリストのうちに「日本語」が含まれています。
    (参照:Apple(日本)|Apple Intelligence

    日本国内でApple Intelligenceを使う方法

    現段階でApple Intelligenceを日本国内で利用するには、デバイスの言語設定を英語に変更しなければいけません。

    まずは「設定」から、デバイスおよびSiriの言語をアメリカ合衆国の英語に変更します。その後、設定から「Apple Intelligence & Siri」を選び、「Get Apple Intelligence」へと進みましょう。

    ダウンロード完了後、Apple Intelligenceを有効化すると、機能が利用できるようになります。ただし言語設定が英語である以上、多くの機能が日本語の文章や音声に対応しておらず、実際の運用においてはかなりの制限を強いられると考えられます。

    Apple Intelligenceの生成AI関連機能

    Apple Intelligenceの生成AI関連機能

    Apple Intelligenceには多くの機能が含まれていますが、注目度の高いものとして、文章や画像の作成など「生成AI」に関連する機能が挙げられるでしょう。

    以下では主に生成AIに関連するApple Intelligenceの新機能を紹介していきます。

    作文ツールによる文章作成支援

    Apple Intelligenceの作文ツールは、メモアプリなどで作成している文章に対し、AIによる編集を加えられる機能です。Apple純正アプリのほか、多くのサードパーティ製アプリでも実行できます。

    (画像出典:Apple サポート (日本)|iPhoneのApple Intelligenceで作文ツールを使用する

    具体的には、自身で作成した文章の文法ミスを正したり、文体をカジュアルにしたりなど、手軽な操作で文面を整えることが可能です。文章のトーンを選択肢から選んで変更するほか、「もっと詳しく」など個別の指示を反映させることもできます。

    また文章の要約にも対応しており、選択箇所の要点を抽出したり、さらにはリストや表の形に変換したりといった機能も搭載されています。

    「ビジュアルインテリジェンス」でカメラ画面から周囲の事物を調べる

    iPhone 16シリーズには「カメラコントロールでビジュアルインテリジェンス」という機能が搭載されており、カメラに写った対象物についての情報にすぐさまアクセスすることができます。

    たとえば気になる商品をカメラに写し、商品情報や使い方を知るなど、日常の「これは何だろう」という場面でしばしば活躍してくれるでしょう。

    さらに、カメラ画面内のテキストから電話を発信したり、Webサイトを開いたりと、文字の種類にあわせたアクションも実行可能です。

    また、現状ではアメリカ国内の店舗に限られてはいるものの、目の前にある店舗の情報を調べ、そこから予約や注文へと進む機能も搭載されています。

    このように、「AIが画面内の情報を認識し、状況にあわせたサポートを提供する」という機能は、今後ますます進歩していくものと予想されます。

    ChatGPTとの連携

    Apple Intelligenceにおいては、ChatGPTとの連携により、Siriや作文ツール、ビジュアルインテリジェンスといった機能をさらに拡張することができます。

    Siriに対する質問のなかでChat GPTによる回答を参照したり、作文ツールで要件を伝えて文章や画像を作成してもらったりと、連携を通じて「より深い情報や細かいアクション」が可能になります。

    Appleデバイスを操作するなかで自然にChatGPTの機能を利用できるため、使い勝手や拡張性が大きく向上すると考えられるでしょう。

    画像生成機能

    Apple IntelligenceにおいてはAIによる画像生成や画像編集機能も充実しており、大きなポイントとして「Image Playground」というアプリからすぐに画像を作成できる点が挙げられます。

    (画像出典:Apple サポート (日本)|iPhoneのImage Playgroundでオリジナルの画像を作成する

    このアプリでは、簡単な説明文やキーワードから画像を生成したり、カメラロール上にある写真をもとに自由度の高い編集を加えたりすることが可能です。たとえば自分や友人の写真を使い、非現実的な空間にいる友人らの画像を生成するなど、多様な楽しみ方が考えられるでしょう。

    また「画像マジックワンド」の機能においては、メモアプリ上に描いたラフスケッチをApple Pencilで囲い、関連性の高い画像へと精細化することができます。

    (画像出典:Apple(日本)|Apple Intelligence

    イラストが苦手な人でもAIの手を借りてイメージを具体化できるので、プレゼン資料の作成などで役立ってくれるでしょう。

    絵文字の生成

    Apple Intelligenceにおける生成AI関連の機能は、画像や動画の作成に関わる多くのシーンで活躍します。

    コミュニケーションの場面では、説明文や写真から自動で絵文字を生成する「ジェン文字」の機能が役に立つでしょう。文脈にあわせてオリジナルの絵文字を作成したり、「その人物に似た絵文字」を作成したりすることができます。

    (画像出典:Apple サポート (日本)|iPhoneのApple Intelligenceでジェン文字を作成する

    作成したオリジナルのジェン文字は、メッセージアプリのほかサードパーティ製アプリ上でも利用できるため、さまざまなシーンで活用可能です。

    写真アプリの機能向上

    写真アプリの「メモリームービー」という機能では、テーマや雰囲気などを指定することで、AIが自動的に画像や動画を選択し、ストーリー性をもったオリジナルのムービーを作成してくれます。

    さらに、写真アプリのクリーンアップ機能として、特定の写真から任意の対象物を消し、その箇所を自然な形に補う機能も搭載されています。

    なお写真アプリにおいては検索機能も強化されており、人物や日付の指定はもちろん、場面や人物の行為から該当の写真をピックアップできるようになりました。 たとえば「砂場で遊ぶ翔平」など、確認したい写真のシーンを指定すれば、無数の写真から該当するものを提示してくれます。

    Apple Intelligenceのパーソナライズ機能

    Apple Intelligenceのパーソナライズ機能

    上に挙げた機能のほかにも、Apple Intelligenceにはタスクを効率化するための便利な機能が数多く搭載されています。

    とりわけApple Intelligenceにおいては、ユーザーの行動パターンを学習し、提案や自動化を実現する「パーソナライズ」の側面が大幅に強化されているため、時間の節約やストレスの軽減が期待できるでしょう。

    以下ではとくに、タスク効率化の面で活躍が見込まれる機能を紹介していきます。

    優先通知と通知内容の要約

    スマートフォンを利用する際はとくに、「重要ではない大量の通知」が煩わしく感じられることもあるでしょう。Apple Intelligenceは、ユーザー行動をふまえて重要な通知を優先的に表示し、さらにメッセージの内容を要約して表示するなど、「パッと見て確認できる形」へと整理してくれます。

    (画像出典:Apple(日本)|Apple Intelligence

    その他、通知設定の「集中モード」をオンにすると、自動的に重要でない通知を判定し、プッシュ通知すべき内容を選別してくれるようになりました。パーソナライズされた情報をもとに、ユーザーのストレスを軽減し、よりニーズに沿った案内を実行してくれるのです。

    Siriによる音声コントロール

    Apple Intelligenceの搭載により、音声アシスタントのSiriにおける自然言語処理の能力も向上しています。端末内にある連絡先やスケジュール、メールの内容などをふまえ、より直感的なサポートが可能になると期待されます。

    具体的には、画面の内容を認識し、「メール上の予定をスケジュールに追加する」といったアクションも音声によって指示可能です。その他、今日のスケジュールを確認しつつ、行き先の天気を確認するなどの操作にも対応しています。

    このように、さまざまなアプリ上に蓄積されている「個人の行動に関するデータ」を参照しながら、より自然で適切なアシスタント機能が提供されるようになっています。

    メールの要約と下書きの準備

    メールアプリにおいては、届いたメールの内容をふまえて、緊急性の高いものを上部に表示してくれます。長いメールであってもAIが重要なポイントを抽出してくれるので、要点をすぐに把握できるでしょう。

    さらに便利なのが、メールの「スマートリプライ」の機能です。届いたメールの内容から必要な回答を判断し、それに対する選択肢を選ぶだけで、返信の下書きを作成してくれます。

    おおまかな文脈は自動で作成されるため、あとは体裁を整えるだけで済み、長いメールのやりとりも簡単なチェックだけで終えられるようになるでしょう。

    文字起こしと要約

    (画像出典:Apple(日本)|Apple Intelligence

    音声をそのまま文字に起こすだけでなく、内容の要約にも対応しているため、あとから会議の内容などを整理する際にも役に立つでしょう。

    Apple Intelligenceの活用場面

    Apple Intelligenceの活用場面

    (画像URL:https://www.pexels.com/ja-jp/photo/859265/

    Apple Intelligenceは現状のところベータ版の展開であり、今後のアップデートとともに機能を拡充していくと考えられます。

    以下では現状のApple Intelligenceに含まれる機能をふまえ、「どんな場面で活用できるか」について解説していきます。

    資料作成のリソース削減

    Apple Intelligenceのメモアプリにおいては、Apple Pencilを使ってさまざまなアイデアを下書きしていくことができます。

    たとえばプレゼン資料などを作成する際、その原型をメモ上で素描し、資料で使うイラストのラフスケッチを描けば、「マジックワンド」の機能でイラストをすぐさま清書可能です。

    また、Apple Pencilでメモアプリに入力した手書き部分は、自動でテキスト化することができます。そのため資料を簡単に下書きしたうえで、AIによりテキスト化し、さらにイラストを整えることで、共有可能な資料の形に仕上げていけるでしょう。

    その他、作文ツールにより文章の内容を表の形に変換するなど、「アイデアをよりわかりやすい形に整える作業」が非常にスムーズになると期待できます。

    議事録の作成と共有

    会議やミーティングにおいては、議論の内容を記録して共有するための議事録が必要になることも多いでしょう。この際、Apple Intelligenceのメモアプリを使って録音すれば、リアルタイムに発話内容が文字に起こされ、また内容の要約もすぐに作成できるようになると期待されます。

    そのため会議のたびに書記係を任命しなくても内容を記録でき、要点をピックアップして参加者以外に共有することも容易になると考えられます。

    ルーティンワークの効率化

    ビジネス上のコミュニケーションにおいてはとくに、伝達すべき情報のほか、「メールの文体やマナー」といった面での配慮が必要になります。こうしたコミュニケーションコストを削減するうえで、Apple Intelligenceの要約機能やメールの下書き機能は大いに役立つでしょう。

    その他の面でも、たとえば従来、大量のメールから返信が必要なものを見つける際には、PCの大きな画面でないと視認性が悪い場面も多かったといえます。しかしApple Intelligenceのメールボックスにおける優先表示や要約機能により、スマートフォンの画面上からも情報処理が容易になるかもしれません。

    これにより、「出先の空き時間にメールをチェックし、すぐに返信を済ませる」といった行動も楽になると考えられます。このほかにも、「アイデアよりも、とにかくリソースが必要な作業」を処理するうえで、Apple Intelligenceの機能は役立ってくれるでしょう。

    まとめ

    Apple Intelligenceは、Apple製デバイスに搭載されたAI技術の総称であり、日常生活やビジネスの効率化をサポートしてくれるテクノロジーとして位置づけられます。

    Apple Intelligenceにおいては、ユーザーの行動パターンにあわせたコンシェルジュ機能が充実するほか、プロでなくても文章や画像をすぐに作成できる生成AIの機能が導入され、活用の可能性は大きく広がっています。

    ただし現状のところ、日本語版はリリースされておらず、Apple Intelligence自体も発展の途上にある段階です。とはいえ近年のAI関連技術の発展スピードを鑑みると、今後のアップデートにより飛躍的に機能が向上していく可能性も十分に考えられます。

    さらに今後、Apple Intelligenceが多言語に対応していくことにより、日本語での操作性はもちろん、翻訳が必要となる場面においても活用の幅が広がっていくかもしれません。

    これからApple Intelligenceが普及していけば、ユーザーによる新しい使い方の発見や、便利なサードパーティ製アプリの開発も加速していくと期待されます。Appleの対応デバイスを所持している場合はとくに、早い段階から使い方に慣れておくとよいかもしれません。

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    この記事を書いた人

    鹿嶋 祥馬
    大学で経済学と哲学を専攻し、高校の公民科講師を経てWEB業界へ。CMSのライティングを300件ほど手掛けたのち、第一子が生まれる直前にフリーへ転身。赤子を背負いながらのライティングに挑む。

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