ASO対策とは? アプリストア最適化の目的や成功させるポイントを解説
アプリのインストール数を増加させるうえで欠かせないASO対策。気になってはいるものの、専門用語が多すぎて二の足を踏んでいる方は多いと思います。
そこで本記事では、ASO対策に関する基本情報をはじめ、成功させるコツや無料でチャレンジする方法などを徹底解説。アプリのインストール数をアップさせたい方は参考にしてください。
目次
ASO対策とは?
そもそもASOとは、「App Store Optimization」の頭文字をとった略称です。日本語では「アプリストア最適化」と訳されます。
具体的には、Google PlayやApp Storeに表示されるアプリ画像を厳選したり、レビューへの対応を丁寧に行ったりすることで、インストール数の増加を目指す施策を意味します。
ただASOには最適化という語句が含まれているので、本来ASO対策という表現は不適切です。しかし、ASOの目的をより理解しやすくするため、本記事ではASO対策という言葉を採用します。
ASO対策の目的はSEOではない
ASO対策と似た言葉にSEO(Search Engine Optimization)があります。日本語に訳すと「検索エンジン最適化」という意味になります。
同一視されがちな2つの言葉ですが、施策を行う目的が少し異なるのでご注意ください。
施策名 | 目的 |
SEO対策 | webサイトへの流入数を最大化 |
ASO対策 | アプリのインストール数を最大化 |
SEO対策の目的は、webサイトへの流入数を最大化させること。近ごろのビジネスにおいては、事業内容がオンラインであってもオフラインであってもインターネットが主戦場になっています。webサイトへの訪問者を増やせれば売上アップに大きく影響するので、多くの企業がGoogleやYahoo!の検索結果で上位表示(※1)を目指しています。
一方ASO対策の場合、アプリのインストール数を最大化させることが目的。Google PlayやApp Storeの検索結果で上位表示させることも重要ではありますが、あくまでも成果地点はインストール数ということです。
SEOに関して詳細が知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
※1 上位表示とは、Google等の検索エンジンでwebサイトを優先的に表示させることです。
ASO対策を行う3つの指標
ここでは、ASO対策を行う3つの指標を解説します。
- アプリストアでの検索上位表示
- 広告費の最適化
- 良質なユーザーの獲得
それぞれ詳細をチェックしていきましょう。
アプリストアでの検索上位表示
アプリのインストール数を最大化させるためには、アプリストアでの検索上位表示が重要になります。
Apple社が提供している「Apple Search Ads」の解説ページによれば、アプリを探す際にApp Storeで検索するユーザーが70%、検索後に直接ダウンロードするユーザーが65%とされています。
つまり、アプリストアでの検索上位表示はインプレッション数(※2)を上昇させ、ユーザーの自然流入を期待できるということです。
検索上位表示とインストール数の最大化が「=」で結ばれるわけではありません。しかし、ASO対策において優先的にチェックすべき指標の1つであることは間違いないでしょう。
※2 インプレッション数とは、Google Play等でアプリが検索結果に表示された回数のことです。
広告費の最適化
広告費削減もASO対策における指標の1つです。適切なASO対策を行えれば、無駄なプロモーションが減り、広告費の最適化につながります。
新しいアプリをリリースした場合、web広告などを活用する企業も多いはずです。しかし、リスティング広告(※3)などはクリック数に応じて課金される仕組み。インストールされることを目的とした場合、クリック直後にCVせず離脱されてしまうとコスパが見合わない場合もあるでしょう。
ASO対策に則ってアプリページを作りこめば、CVR(※4)が改善し、web広告経由で訪れたユーザーを逃さずにすむかもしれません。
たとえば、クリック単価が10円、広告コストが100万円、CVRが2%アップした場合のシミュレーションは以下のとおりです。
ASO対策 | 単価 | クリック数 | CV | CVR | CPA |
前 | ¥10 | 100,000 | 1,000 | 1% | ¥1,000 |
後 | ¥10 | 100,000 | 3,000 | 3% | ¥333 |
CVRが2%上昇した結果、CPA(顧客獲得単価)が約1/3になりました。もちろん、上表は仮定の話なので、ASO対策が必ずCVRアップにつながるわけではありません。CVRが10%を超えるアプリが存在する一方、ジャンルによっては1%を下回るアプリも存在するでしょう。
しかし、適切なステップを踏むことで広告費の最適化を期待できるのも事実。CVRの改善とASO対策は近しい関係にあるので、本記事を参考にしながら、一つ一つ取り組んでいきましょう。
※3 リスティング広告とは、Google等の検索結果に連動して掲載される広告のことです。
※4 CVR(コンバージョンレート)とは、webサイト等へのアクセス数のうち、コンバージョン(成約)に至った割合のことです。
※5 CPAとは顧客獲得単価のことです。一般的に「広告コスト÷CV数」で求められます。
良質なユーザーの獲得
ASO対策は良質なユーザーの獲得にもつながります。高いLTVを期待できる消費者にアプローチできるからです。
LTVとは「ライフタイムバリュー」の略称で、顧客から生涯にわたり得られる利益を意味します。実際、1か月しかアプリを利用しないユーザーより、1年間アプリを利用したユーザーの方が、コンテンツに課金する頻度が高いと予想されます。
またGoogle Play等でアプリを検索するユーザーは、明確な悩みや目的がある場合が多いです。解決策を能動的に探しているので、アプリ活用への高いモチベーションを期待でき、長期間にわたり継続的な利益を生み出してくれるでしょう。
Google PlayとApp StoreのASOの違い
適切なASO対策を行うためには、アプリストアごとの特徴を押さえておく必要があります。Google PlayとApp Storeでは、効果的な施策をはじめ、各種ルールが異なるからです。
Google Play | App Store |
|
|
ASO対策を成功させる7つのポイント
ここでは、ASO対策を成功させる7つのポイントを解説します。
- キーワード選定
- サジェスト対策
- タイトル設定
- アイコン画像の厳選
- 紹介文の作成
- スクリーンショットや動画の活用
- レビュー対策
それぞれ詳細をチェックしていきましょう。
キーワード選定
ASO対策を成功させるためにはキーワード選定が重要になります。App Storeのアプリランキングを決定する要素の1つにキーワード(メタデータ)が挙げられるからです。
選定するキーワードに関しては、Google社の「キーワードプランナー」、App Annie社が提供する「ASO Keyword Explorer」などを活用します。検索ボリュームをチェックし、アプリを上位表示できそうなキーワードを見極めましょう。
ただ、あまりにも競争が激しそうなキーワードは避けたほうが賢明です。たとえば「ダイエット」「ゲーム」など、一般的な単語は他のアプリもキーワードとして登録しています。ビッグワードはできるだけ避けながら、アプリの特徴やメリットを訴求できるキーワードを選定・登録することが重要です。
サジェスト対策
サジェスト対策とは、キーワードと一緒に検索されやすいサジェストを選定する作業のことです。たとえば「クレジットカード おすすめ」の場合、キーワードは「クレジットカード」、サジェストが「おすすめ」になります。
サジェストの選定に関しては、キーワードと親和性のある単語を選ぶ必要があります。たとえば「タスク管理」に関するアプリのキーワードを登録する場合、サジェストワードに「アメリカ」「道路」などを登録しても無意味でしょう。
仮に「アメリカ」で上位表示できたとしても、「タスク管理」はユーザーの検索ニーズにマッチしないのでインストールされません。サジェストを見極めるためには、ユーザーの目的やニーズを洗い出し、ペルソナ設定(※6)を怠らないことが重要です。
※6 ペルソナ設定とは、商品やコンテンツを利用する架空の人物をイメージすることです。
タイトル設定
アプリのタイトル設定はASO対策で非常に重要なポイント。Google PlayやApp Storeに関わらず、アプリを上位表示させるために必要な作業です。
アプリタイトルには文字数制限があり、Google Play・App Storeともに30文字以内に設定されています。長過ぎるアプリタイトルは、端末画面から見切れてしまう可能性があるのでご注意ください。できるだけ重要なキーワードを左側に寄せることをおすすめします。
アイコン画像の厳選
ASO対策ではアプリのアイコン画像にこだわりましょう。検索結果でもユーザーの目を引く要素になるので、インパクトやセールスポイント、競合との差別化などを意識しながらデザインしてください。
紹介文の作成
紹介文では、アプリの特徴や魅力をユーザーに伝えることができます。セールスポイントを洗い出し、キーワードを意識しながら作成しましょう。
またApp Storeの場合、アプリのプロモーション用テキストが説明の上部に表示されます。170文字以内という文字数制限があるので、期間限定セール、近日追加予定の機能紹介などに活用するのがおすすめです。
スクリーンショットや動画の活用
アプリページ内に表示されるスクリーンショットや動画にもこだわりましょう。どのようなアプリなのかユーザーに一目で伝える必要があるからです。実際にコネヒトが提供する「ママリ」というアプリでは、スクリーンショットの選定にこだわり、114%のCVRの改善を実現しています。
【参考事例】
「CVR114%に改善事例も。Q&Aアプリ「ママリ」App storeスクリーンショットの変遷とノウハウ」
動画の活用も重要です。スクリーンショットや説明文だけでは伝えきれないアプリの魅力を動画は伝えてくれます。ただアプリの特徴を切り抜くだけでなく、ユーザーがもっとも面白い・魅力的と感じるポイントを活かして作成しましょう。
以下の原則を守ることで、動画導入の効果を引き上げられる可能性があります。
- 15~30秒程度のコンパクトな動画
- 冒頭にセールスポイントの訴求
- 動画の最後にインストールを呼びかける
レビュー対策
アプリのレビューはインストール数に大きな影響を与えます。
アメリカ在住のユーザーに対してApptentive社が実施した「Mobile App Ratings and Reviews: Where to Start and How to Win」によれば、評価3のアプリは約半数がダウンロードせず、評価1,2のアプリにいたってはほとんどの方がダウンロードしないという結果になりました。
またApple社の「プロダクトページの作成」では、「評価とレビューは、検索結果にAppが表示される順位を左右し、検索結果でユーザーに興味を持ってもらえるかどうかに影響します。ユーザーから好意的なレビューを受けられるよう、質の高いApp体験の提供に注力しましょう。」と解説されているほどです。
肯定的なレビューはもちろん、否定的な意見にも誠意を持って対応しましょう。
ASO対策を無料で行う方法
専用ツールを活用することで、ASO対策を無料で試すことができます。
たとえば、導入企業数が1,700社以上にのぼるAppTweek。月額20,833円~183,333円など幅広い料金プランが存在しますが、どれも7日間の無料トライアルが用意されています。「ASO対策を無料で試してみたい」という方にぴったりです。
しかし、専用ツールはランニングコストがかかるうえ、フル活用するためには専門知識が求められます。本格的なASO対策を想定しており、ワンストップで対応してほしい方はプロフェッショナルに依頼したほうが賢明でしょう。
ASO対策にかかる費用は?
ASO対策の費用ですが、業者ごとに異なるので一概にはいえません。料金プランをはじめ、初期費用の有無や成果報酬型など、さまざまなバリエーションが存在するからです。また、キーワードの難易度によって、料金が変化することもあります。
一般的には、最低でも年間で40万円~50万円程度は必要でしょう。もちろん、より本格的なASO対策を行う場合は、年間で100万円かかることも珍しくありません。
ただ、ASO対策で重要なのは費用対効果です。
ランニングコストが高くても、しっかりとしたパフォーマンスを期待できるなら、ASO対策を専門業者に依頼するメリットはあります。
ASO対策はプロフェッショナルに依頼するのがベスト
ASO対策はプロフェッショナルに依頼したほうが安心です。おすすめの企業は以下のとおり。
企業名 | 無料診断 | 料金 | コンサル実績 |
アドバン | ◯ | 要相談 | 自社アプリDL数を3万件以上アップ |
G-KIT | ◯ | 要相談 | 1,100アプリ |
スターガレージ | ◯ | 要相談 | 1,500件以上 |
Repro | ◯ | 要相談 | フジテレビジョン、ブックオフなど有名企業と取引 |
Rabo(ラボ) | ◯ | 要相談 | 実績多数、平均改善率190% キーワード・制作のフルパッケージ施策も提供 |
アプリダウンロード数が3.5倍以上になったり、ランキング圏外から1位を獲得したり、豊富な実績に裏付けされた、レベルの高いパフォーマンスを期待できます。
ただ、具体的な料金プランを明示している企業が少ないのも事実です。ヒアリングしてから費用を算出するので、気になる方は無料診断から始めてみましょう。
ASO対策に関するまとめ
本記事では、ASO対策について解説しました。押さえておきたいポイントは以下のとおりです。
- ASO対策の目的はインストール数の最大化
- 広告費の最適化といったメリットがある
- キーワード選定やスクリーンショットの活用が重要
また専用ツールを利用することで、アプリの担当者一人でもASO対策は行えます。しかし、ランニングコストや費用対効果を考慮すると、企業に外注したほうがいい可能性も高いです。
今回ご紹介したRabo(ラボ)、アドバン、G-KIT、スターガレージ、Reproの3社は無料診断を用意しています。興味のある方は一度相談してみてはいかがでしょうか。
※当記事の情報は2022年5月時点のものです。
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