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パン屋の集客方法とは?効果的なマーケティング戦略と成功事例3選

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パン屋の集客について、美味しいパンを提供しているのにお客様が増えないと悩んでいる方は少なくありません。ですが、集客に成功している店舗の特徴や具体的な集客方法を理解することで、集客力は改善していきます。

この記事では、パン屋の効果的な集客戦略と成功事例を紹介します。これらの方法を実践することで、集客力を高めるヒントが得られます。効果的なマーケティング戦略を理解し、集客と売上を向上させていきましょう。

ーパン屋を営む方々へー

パン屋の集客にはコツがある!

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集客に成功しているパン屋の特徴とは

パンの支出額は年々上がっており、2000年時点で1世帯あたりの支出額は米よりも多くなっています。ですが、その一方で、2019年にはパン屋の廃業が過去最多を更新したという情報もあります。

パンを購入する人は他の主食と比べても多い一方で、集客に失敗して厳しい経営状況にあるパン屋も少なくないのです。では、この違いはどこにあるのでしょうか。

まずは、集客に成功しているパン屋の特徴を解説します。これらの特徴を理解して実践することで、より繁盛するパン屋に近づくことができます。成功の秘訣を知り、集客力を向上させましょう。

参考:農林水産省「家庭における1世帯当たりの米、パン、めん類の購入量の推移」

マーケティング戦略に基づいている

集客に成功しているパン屋は、明確なマーケティング戦略に基づいています。マーケティングとは、顧客に商品を提供するために企業が行う一連の活動のことをいいます。

基本的に、パン屋として経営を開始する場合はパンを製造するだけでは売上は作れません。どこに店舗をおけば顧客に知ってもらえるのか、同業他社ではなく自分のお店を選んでもらうためにはどうしたら良いのかなど、検討すべきことがあります。そして、マーケティングを疎かにしてしまうと、どんなに美味しいパンを作れても売上が伸びなくなってしまうのです。

マーケティングにおいて特に重要なのが、以下の項目です。

  • 市場の顧客ニーズや他社の状況
  • セグメントの細分化
  • ターゲティング
  • 提供する価値、他社との差別化項目
  • 提供方法、他社にはない強みや差別化項目

たとえばオフィス街でパン屋を出店するとき、ただ「手作りパンのお店です」と宣伝しても、お店の魅力が伝わらず、あっという間に競合他社に負けてしまう可能性があります。

しかしマーケティング戦略を立てれば、競合他社に勝てる方法を導き出しやすくなります。例を見ていきましょう。

項目分析結果
市場の顧客ニーズや他社の状況会社員が多いエリア、パン屋はあるが会社員向けの商品は少ない印象、男性向けのイートイン店が目立つ
市場の細分化(セグメント)オフィス街の会社員向け・女性市場・ランチタイム・片手で食べられる・テイクアウト可能
ターゲティング20~40代の女性、オフィス街に勤務する会社員で、会社の昼休みに利用する、手軽にサッと食べられるランチがほしい、野菜もしっかりとりたい
提供する価値、他社との差別化項目ボリュームのあるサンドウィッチや、野菜の入った総菜パン、女性が手に取りやすい綺麗な見た目、1つワンコイン以下で買える
提供方法、他社にはない強みや差別化項目テイクアウト販売、ドリンクとのセット売り

上記のように細かくマーケティング戦略を立てれば、市場に新規参入しやすくなり、ユーザーの目にも止まりやすいので、集客に効果が出るのは一目瞭然でしょう。宣伝の仕方も決めやすくなります。

届けるべき顧客層にしっかり魅力を伝えるためにも、マーケティング戦略は必ず練ることが大切です。

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リピート率の向上を強化する

リピート率の向上は、パン屋を安定的に経営するために必須の取り組みです。常連客が一定の売上を支えることで、季節変動や一時的な売上減少のリスクを軽減できます。また、リピーターを増やすことで、口コミや紹介を通じて自然に新規顧客が増える可能性が高まります。

リピーターを増やすためには、まず看板商品を生み出すことが大切です。たとえば、フランスパンならこのお店、という認識をしてもらえれば、フランスパンを食べたい時に真っ先に思い出してもらえます。そして、リピートをしてもらえるのです。

また、スタンプカードやポイントシステムを導入することも考えられます。顧客が一定の回数を超えて来店すると特典を受けられるため、再訪を促進できるのです。

季節ごとに異なる商品やキャンペーンを展開することも効果的です。パン屋を始めた飲食店にとって、顧客に「飽きられる」状況は避けなければいけません。そのため、特定の時期に限定のパンやセット商品を提供することで、顧客に「次も来よう」という動機を与えられるのです。

ただし、これらの施策は他店でも取り組んでいる可能性があります。そのため、特典を豪華にしたり、独自性のあるイベント・キャンペーンを実施することも求められます。

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店内のPOPやディスプレイを意識している

POPやディスプレイは商品の魅力を伝える重要なツールです。パン屋の売上において、客単価の向上は欠かせません。そして、客単価をあげるためには「もう一品買ってみようかな」と購買意欲を高めることが重要です。

POPやディスプレイは、顧客の購買意欲を高められるツールです。たとえば、「新商品」や「今週の売れ筋商品」といったキャッチフレーズを使ったPOPは、そのパンを選ぶ理由を生み出すことができます。また、焼き上がりのパンをディスプレイで紹介するのも良いでしょう。

また、季節に合わせた装飾やテーマに沿ったディスプレイを行うことで、顧客にとって楽しい買い物体験も提供できるでしょう。

こうした地道な取り組みが他店との差別化に繋がり、売上の向上に繋がるのです。

パン屋の集客力を上げる5つのポイントとは?

ここでは、パン屋の集客力を上げるために重視したい5つのポイントを紹介します。具体的には以下の通りです。

  • 定番・売れ筋商品をアピールする
  • リピート率の向上を強化する
  • ブランディングを意識する
  • 定期的に新商品を開発する
  • 焼きたての時刻をアピールする

それぞれ、解説します。

定番・売れ筋商品をアピールする

定番商品や売れ筋商品をアピールすることは、パン屋の集客力を高める上で非常に重要です。たとえば、このお店といえばクリームパンという印象を与えることができれば、クリームパンを食べたくなった顧客のリピートが、新規・リピートともに見込めます。

また、時期に左右されることなく売上が見込めることや、食材の仕入れも安定できることから、安定経営の基盤になります。

なお、定番商品は独自の素材や製法など、他店とは明確な差別化を行うことが欠かせません。そのため、事前に周辺の店舗がどのようなパンを陳列しているかを調査し、味やアピール力で上回るようにしましょう。

そして、目立つPOPを設置したり他とは物量を多くしたりして、顧客の視線を誘導することが大切です。

ブランディングを意識する

ブランディングに成功すると、顧客がそのパン屋を選ぶ理由が明確になります。

ブランディングは、パン屋の特徴や価値観を顧客に伝える手段です。たとえば、健康志向のパン屋であることを強調することで、健康に気を使う顧客層に強くアピールできます。また、様々な創作パンを開発し、他では味わえないようなパンが楽しめることをブランドコンセプトにするのも良いでしょう。

ブランドコンセプトは、以下の流れで取り組むと明確になりやすいです。

  1. ターゲットを明確にする
  2. ブランドが提供する価値を明確にする
  3. ブランドストーリーを作る
  4. ブランドコンセプトを言語化する

まずは、ブランドを誰に知って欲しいのかを明確にします。パン屋に来てほしい顧客の年齢層や職業、ライフスタイルなどを定義してペルソナを作りましょう。たとえば駅の近くにあるパン屋であれば、「朝5時には起きて出社する25歳のデザイナー、山田さん。カフェ巡りが好きで、休みの日はいつも新たなカフェの開拓をしている。また、健康にも気を遣ってヨガやジムに通っている」というペルソナを設定します。

そして、自店舗によってペルソナが得られるメリットや価値は何かを検討します。たとえば先ほど設定したペルソナであれば、「家でゆっくり朝食を摂る余裕がないため、仕事の合間に食べられる軽食が必要。また健康に気を遣っている為、サラダやチキンを使ったパンとコーヒーのセットが用意されている」などが考えられます。

また、ブランドにはストーリーが欠かせません。たとえば、「実家が農家を営んでおり、幼少期から無添加で瑞々しい野菜が身近にあった。パン屋を営むにあたり、そうした美味しい野菜を活かして健康に考慮したパンを、世の中の人に食べてもらいたい」というようなストーリーです。なぜ、そのブランドが生まれたか、どのような想いがあるのかなどを明確にして提供することで、ブランドの説得力や顧客からの信頼感を得ることができます。

そして、最後にブランドコンセプトを言語化します。商品の価値やストーリーから、シンプルでインパクトのあるフレーズを検討していきます。たとえば上記の場合は、「無添加野菜の恵みを、手軽な朝食に。」や「一日の始まりを、美味しく健康に。」などのコンセプトが考えられます。こうした流れによって、ブランドが生み出されていきます。

ブランディングは顧客の記憶に残るための重要な要素です。一貫したブランディングがなされているパン屋は、顧客にとって認識しやすく、再訪の動機づけとなるでしょう。

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定期的に新商品を開発する

定期的に新商品を開発することも、集客力をあげるために重要です。パン屋をはじめとした飲食店にとって、対策しなければいけないのが顧客に飽きられることです。

商品が常に同じだと、顧客は新しい味を求めて他のパン屋に移ってしまう可能性があります。そこで新商品を定期的に提供されることで、顧客は「どんなパンなんだろう」と期待し、来店頻度が高まります。これによりリピーター率が向上し、集客力が見込めるのです。

また、新商品はプロモーション活動の材料としても有効です。広告やSNSで情報発信することで、それまで自店舗を知らなかった顧客に対してもアピールできるチャンスとなります。

新商品のパンを開発する際は、まずは日頃からアイディアを考え、ノートにまとめておきましょう。旬の素材や気になっている風味、食感など、まずはキーワードベースでまとめておきます。

そして、新商品発表の2〜3週間前からそのキーワードを組み合わせて試作品を作り、完成させていくのです。新商品開発は、日頃からアイディアを閃くためのアンテナを張っておくことが大切です。そうした地道な取り組みにより、独自のパンを開発できるでしょう。

焼きたての時刻をアピールする

パンが焼きたてであることは、顧客にとって購入する理由となります。そのため、焼きたての時間をアピールすることは集客力の向上につながります。特に、リピーターを獲得しやすくなるでしょう。

実際、焼き上がり時間の目安をスケジュールとして告知しているパン屋は少なくありません。たとえば富士吉田市でパン屋を営む木村屋では、クリームパン9時30分、フランスパンは11時と、焼き上がりの目安をホームページで公開しています。これにより、その時間に行けば焼きたてのパンが手に入ると認識され、集客力を高めているのです。

また、店舗前の立て看板などに時間を指定することで、通行人にアピールすることもできます。

適切な集客施策を選択する

適切な集客施策を選択していることも、集客力をあげるために重要です。

パン屋が多くの顧客を集めるためには、地域の特性やターゲット顧客のニーズに合わせた戦略が欠かせません。

たとえば、都市部は遠方から電車で訪れる顧客も多いため、SNS広告などのオンライン広告が効果的です。

ですが郊外の住宅地では、より地元の顧客にアプローチすることが大切になります。そのため、地元のイベントやフライヤー配布がより適していることもあります。また、地元に特産品を使った商品開発を行い、地元密着型をアピールするのも良いでしょう。

このように、パン屋が成功するためには立地やターゲット顧客に合わせた集客施策を適切に選ぶことが大切です。これにより、効率的に新規顧客を引き寄せ、安定した売上を確保することができるのです。具体的な集客施策とその特徴については、次の項目でご紹介します。

パン屋の集客方法13選

ここからは、パン屋の集客に役立つ13の方法を紹介します。具体的な事例や方法を知ることで、自店の集客戦略を強化できるでしょう。

紹介する内容を参考にして、パン屋の魅力を多くの人に伝えましょう。

SEO対策

SEO(検索エンジン最適化)は、Googleなどの検索エンジンで自社のWebサイトを上位に表示させるための取り組みです。

多くの顧客は、買い物や外食をする際にインターネットで情報を探します。特にパン屋を探す顧客というのは、自宅から近場の店舗を筆頭に、人気の店舗や自分の好きなパンが置いてある店舗を探します。そのため、SEO対策を行うことで検索結果の上位に表示される確率が高まり、新規顧客の獲得につながるのです。

SEO対策を行う場合、まずはどのようなキーワードで上位表示を狙うのかを決定します。たとえば、「パン屋 人気」「パン屋 近く」といったキーワードが考えられます。そして、これらのキーワードを含むコンテンツを制作し、上位表示を目指します。

なお、SEO対策用のWebサイトを運営する場合は、店舗のホームページ内にWordPress等を設定して制作するのが効率的です。実店舗ビジネスのホームページはGoogleから評価されやすいため、ゼロからWebサイトを制作するよりも上位表示されやすいのです。

ただし、SEOの知識がない状態でコンテンツを制作すると効果が出にくく、時間と労力ばかりが発生してしまいます。そのため、まずはSEO施策を専門とした会社に相談するのが安心です。

また、もしホームページがない場合でも、店舗のホームページを制作しつつブログ機能を設置した方が効率的です。簡単なホームページであれば、専門の制作会社に依頼することで、短期間で安くて高品質なホームページが制作できます。

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MEO対策

MEO対策は、Googleマップや他の地図検索エンジンでパン屋を上位表示させるための施策です。SEOが検索エンジンで上位を目指すのに対し、MEOは地図検索で上位を目指す点が異なります。

MEO対策では、主にGoogleビジネスプロフィールの最適化やレビューの管理、写真の追加などを行います。たとえば、パン屋の営業時間や住所、電話番号などの基本情報を正確に入力し、定期的に更新することが重要です。

効果的なMEO対策の鍵は、検索キーワードとの関連性や口コミなどがオンライン上で多く掲載されているかです。特に、高評価が多い店舗はGoogleマップ上で上位に表示されやすくなります。

MEO対策は新たなWebサイトを制作する必要がなく、無料で取り組むことができます。そのため、始めやすいのがメリットです。一つひとつ取り組むことで、地元の顧客に対して効果的にアプローチでき、集客力が向上するでしょう。

SNSの活用

SNSの活用は、パン屋のプロモーション活動において非常に重要です。近年では特に「インスタ映え」や「TikTok売れ」という言葉があるように、SNSを通じて集客・売上増加につながる店舗も少なくありません。InstagramやXを通じてパン屋の最新情報やイベント、新商品の告知を行うことも、多くの人への有効なアプローチ方法です。

Instagramは魅力的なパンを画像で公開したり、ストーリー機能を使って焼きたてパンの時間をリアルタイムで知らせることも可能です。

Xでは、短いメッセージを投稿しながら、フォロワーとのコミュニケーションを図ることができます。これらのプラットフォームを活用することでパン屋のファンを増やし、来店を促進することができます。

SNSで集客を行う場合は、共感や親近感を生み出すことが大切です。店内やパンだけを投稿するだけではなく、コーヒーやサラダと共に食卓に並んだパンや、スタッフと共に画像を投稿することで自分も食べてみたい、行ってみたいという感情を生ませることができます。

また、プレゼント企画などを実施し、当選者に画像をアップしてもらうことも効果的です。店舗が発信するだけではなく、実際の利用者からもパンの情報を発信してもらうことで、パンを中心としたコミュニティを生み出すことができるのです。

ただし、SNSを活用した集客は炎上リスクや、投稿するネタ不足などから伸び悩みの課題を抱える企業が少なくありません。そのため、初めは運用代行などを活用するのも視野に入れておきましょう。

ECサイトの活用

パン屋の集客戦略として、ECサイトの活用も非常に効果的です。自社ECサイトの構築は、直接的な販路拡大だけでなく、ブランド認知度の向上にもつながります。24時間注文を受け付けられるため、店舗営業時間外でも売上を伸ばすことが可能です。

また、BASEなどのECプラットフォームを利用すれば、専門知識がなくても簡単にオンライン販売を始められます。初期投資を抑えつつ、幅広い顧客層にアプローチできる点が魅力です。

さらに、rebake(リベイク)ぱん結びといったパン専門のECサイトへの出店も検討に値します。これらのプラットフォームは、パン好きが集まる特化型マーケットプレイスです。ターゲットを絞った効率的な販促が可能で、新規顧客の獲得につながるでしょう。

ECサイトを通じた販売は、実店舗とオンラインの相乗効果も期待できます。たとえば、ネットで人気の商品を店頭でも目立つように陳列することで、双方の売上増加を図れるのです。販路を拡大し、売上を安定させるという意味でもECサイトを上手く利用すれば、集客に悩むパン屋にとって心強い味方になるはずです。

デリバリーサービスの登録

デリバリーサービスの登録は、パン屋の集客力を高める効果的な方法です。Uber Eatsや出前館などのプラットフォームを利用することで、店舗に来店できない顧客にもアプローチでき、新たな収益源を確保できます。

なお、デリバリーサービスの利用は手数料が発生するため、予想以上に利益率を圧迫する可能性があります。たとえば、Uber Eatsの場合は35%の手数料が発生します。ですが、手数料分をパンの料金に上乗せしたり、セット販売を導入するなどの取り組みにより、対策が可能です。

また、デリバリーサービスを活用しているパン屋は多くないので、パン屋同士の競合が起こりにくいのもメリットです。そのため、デリバリーサービスを利用することで新規の集客を増やせる可能性があります。

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スタンプ・ポイントカードの導入

スタンプカードやポイントカードの導入は、顧客のリピート率を高めるための代表的な手段です。商品を購入するたびにスタンプやポイントが貯まる仕組みを導入することで、リピート来店の動機となるでしょう。

銀だこの赤、銀、ゴールドのスタンプカードいきなりステーキの肉マイレージカードのように、カードのグレードを設けたり特典を増やしたりといった取り組みを行うことも効果的です。カードの積極的な利用を促し、リピート率の向上につながるのです。

また、スタンプカードやポイントカードの導入は、顧客の購買データを収集する手段にもなります。特にカードをデジタル化することで、顧客の属性や来店頻度、単価などをデータで管理できます。

さらに、近年ではカードのデジタル化やLINE公式アカウントなどのデジタルツールも登場しています。デジタルツールは、来店を待つだけではなくキャンペーン情報などの通知を送ることができます。そのため、より積極的な集客が可能です。

似た集客施策としては、クーポンがあります。スタンプカードやポイントカードは、継続的な利用を促しリピーターを獲得する集客方法であるのに対し、クーポンは基本的に数回しか使えない割引券のようなもののため、新規顧客の獲得に適しているといえるでしょう。

チラシやポスティングの実施

チラシやポスティングは、地域密着型の集客手段として非常に有効です。以前に比べてチラシを確認する人は減っていますが、それでも低予算で集客が見込めることや、高齢者などのインターネットをあまり利用しない層にもアプローチできるため、効果的な手段の一つです。

また、ポップな画像やフォントを使用することで、親近感を演出することができます。スタッフの写真を使用するのも良いでしょう。

さらに、クーポンを活用することでより集客力を高められるだけでなく、チラシの効果を測定することも可能です。チラシやポスティングの実施は、現代でも効果的な集客手段といえます。

立て看板の活用

立て看板は、通行人に対してパン屋の情報を視覚的に伝えるための有効なツールです。店頭に設置することで、通行人の目を引くことができ、場合によっては通行人をそのまま来店へと導くことすら可能です。

もし、その時は来店につながらなくとも、看板が通行人にとって印象的であれば、記憶に留めてもらえます。将来的な集客増加につながるという意味でも効果的な手法です。

具体的には、新商品やセール情報、焼きたてパンの時間を知らせる内容を立て看板に記載します。たとえば、「本日限定!焼きたてクロワッサンが11時に出ます!」といった具体的な情報を記載することで、通行人の注意を引くことができるでしょう。

また、手書き風の立て看板を使用することで、親しみやすさや手作り感を演出し、顧客に温かみを感じてもらうことができます。

特に、歩行者の多い場所に立地する店舗では立て看板が効果的です。「あの場所にパン屋があった」と通行人の記憶に残るだけでも、それだけ集客できる可能性は高まります。コストも抑えられるので、積極的に活用しましょう。

季節限定の商品開発

季節限定商品の提供は、パン屋にとって戦略的に重要な集客施策です。顧客に特別な体験を提供するだけでなく、多面的な効果をもたらします。

春の桜を使ったパン、秋の栗のデニッシュ、ハロウィン限定パンなど、季節感溢れる商品は、その時期にしか味わえない特別感を演出します。これにより、顧客は新しい楽しみを求めて定期的に来店するようになるのです。

また、季節限定商品は話題性を生み、SNSでの拡散も期待できます。「次は何が登場するか」という期待感が、顧客の来店頻度を高める効果もあるからです。

しかも、季節限定商品の開発はパン屋の経営面でもメリットがあります。在庫管理の効率化や新商品のテストマーケティングの機会としても活用できるからです。「限定」という付加価値により、価格設定の自由度も高まります。

このように、季節ごとに魅力的な商品を展開することで、パン屋は多様性と創造性を示すことができます。結果として、店舗のブランドイメージが向上し、リピート率の高い固定客の獲得につながるでしょう。

季節限定商品は、顧客満足度の向上と経営戦略の両面で重要な役割を果たし、パン屋の集客力と収益性の向上に大きく貢献するのです。

コラボレーションや地元の特産品を活かしたパンの開発

コラボレーションや地元の特産品を活かしたパンの開発は、地域の顧客に強くアピールをするための効果的な手段です。地域性が強調され、顧客に親しみやすさを感じてもらえます。

たとえば、地元の農家と提携し、新鮮な野菜や果物を使用したパンを季節ごとに提供しましょう。また、地元の有名なレストランやカフェとコラボレーションしたパンを開発することも考えられます。これにより、地元の特産品や人気メニューを通じて新たな顧客層を獲得できるでしょう。

また、特産品の活用は他店との差別化にも繋がります。特に、大手のパン屋ほど地元の特産品とコラボするのは難しくなるため、大手に負けないアピールポイントを生み出せる可能性があります。

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地元のイベントへの参加

地元のイベントへの参加は、地域の顧客に直接アプローチするための有効な手段です。やはりイベントを通して地元の人々とフェイストゥフェイスでコミュニケーションをとり、パンの良さを届けられるのは、大きな強みといえます。

たとえば、地元のフードフェスティバルに出店し、イベント限定のパンやセットメニューを提供することで、認知度を向上させることができるでしょう。

また、地域のマラソン大会やスポーツイベントにスポンサーとして参加し、パンを提供することで、健康志向の顧客にもアピールできるでしょう。このような活動を通じて、地域の顧客との接点を増やすことも可能です。

地域イベントの地域のイベントに積極的に参加することで、顧客に親しみやすさを感じてもらい、リピーターを増やすことができるのです。そして、そうした活動は地元密着型のパン屋として独自のポジションを確立していくことにつながります。

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試食イベントの開催

試食イベントの開催は、顧客にパンの魅力を直接伝えるための効果的な方法です。パン屋ではありませんが、実際に試食専門店 メグダイでは、試食した人の3割が購入につながっているとされています。返報性の原理に代表されるように、試食をもらったら購入という行動で返したくなるという心理を活かせるのでしょう。

なお、試食は店内だけではなく店舗外で行うのも効果的です。参加した顧客にクーポンを提供することで、実際の購買につながる可能性が高まります。特に、新商品の発売に合わせて試食イベントを開催することで、集客や売上の向上が期待できるでしょう。

試食イベントは、実際の味を体感してもらえる良い機会です。試食のタイミングで、コミュニケーションをとりながらパンの魅力を伝えることもできるため、積極的に活用したいパン屋の集客施策のひとつです。

参考:試食専門店「3割がその場で購入」 LTV高める三方よしのマーケ策

パン教室の開催

パン教室の開催は、顧客との関係を深めるための有効な手段です。パン作りの楽しさを伝えることで、参加してくれた人々のパン屋への親近感を高めることができます。

たとえば、初心者向けにパン作りの教室を開催するのも一つの手です。プロのパン職人が講師となり、基本的なパン作りの手順やコツを教える教室を開きます。

さらに、参加者には自分で作ったパンを持ち帰ってもらうことで、家族や友人と共有する機会を創出。こうして、口コミで潜在顧客を生み出すことにつながるのです。

パン教室を開催することで、顧客はパン作りの楽しさを実感するとともに、パン屋への親近感もグッと高まります。売り込むのではなく“あくまでも自然に”リピーターの獲得や顧客の口コミによる新規顧客の獲得につなげられるのが、パン教室開催による集客の特徴といえるでしょう。

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集客に成功しているパン屋の事例3選

集客に成功しているパン屋の事例を3つ紹介します。やはり集客を成功させるには、実際に成功しているパン屋から学ぶのが近道です。

事例に基づいた具体的な戦略を理解することで、自店の集客力向上につなげられるでしょう。ぜひ、実践に役立ててください。

パン工房ふくふく

出典:ぱん工房ふくふく(@smilebakery_fukufuku) • Instagram写真と動画

『パン工房ふくふく』を始め、『ブーランジェリーふくふく』『レトロベーカリーふく福』『ブレッドキャンプふくふく』は、株式会社丸十ベーカリーシャルンが運営するパン屋です。神奈川エリアを中心に地域密着型のパン屋として、店舗ごとに独自の創作パンを開発することで集客に成功しています。

月毎に限定のパンを開発するだけではなく、父の日や海の日など、祝日に合わせた限定商品を開発しているのも特徴の一つです。

さらに、限定パンの情報はInstagramやXを活用して拡散することで、ファンの獲得にも成功しています。その他にも、クーポンの発行や店内イベントなど、積極的に集客イベントを開催することで、集客に成功しています。パン屋の集客として、モデルにしたい店舗の一つです。

ベーカリー兎座Lepus

出典:「メイドインアビス」×兎座LEPUS、度し難い「イルミューイのお子さまんじゅう」販売 – コミックナタリー

ベーカリー兎座(うさぎざ)Lepusは、新高円寺にあるウサギをモチーフにした商品が売りのパン屋です。独自のコンセプトとSNSやブログを効果的に活用することで情報を発信することで、Xのフォロワー数は2.5万人を超えています。

その理由は、積極的なメディア展開にあります。J-WAVEやWebメディアに取り上げられることで認知度を高めたり、アニメ「メイドインアビス」とのコラボ商品を開発して「新宿マルイ メン」で販売するなどの取り組みにより、多くのファンを獲得しているのです。

さらに、うさぎをコンセプトとして「うさぎ食パン」や「うさぎのバンズ」など、特徴的なパンを開発しています。これらはベーカリー兎座Lepusの定番商品として、多くの方に愛されています。ECサイトも運用しており、人気商品はしばしばSOLD OUTの状態という人気ぶりです。

ベーカリー兎座Lepusは、独自のコンセプトと積極的な広告により集客に成功しています。

小麦工房パナシェ

出典:小麦工房パナシェ – 志免町にある焼き立てパンの店

小麦工房パナシェは、福岡県糟屋郡志免町にあるパン屋です。ポイントカードやメール配信を活用することで、多くのリピーター獲得に成功しています。

パナシェもパン工房ふくふくと同様に、毎月新たなパンを開発しています。また、2月の周年イベントを開催したり、季節ごとに企画を行うことで、顧客を楽しませる取り組みを積極的に開催しています。

そして、そうしたイベント情報や新作パンの告知、会員限定の特典をメールで配信することで、新規だけではなくリピーターを獲得しています。

メール配信は、読んでもらうためのテキスト表現や画像の使用が欠かせません。パナシェは、継続的にメール配信を行いながら文面の改善を行うことで、集客や売上の向上に成功しているのです。

パン屋の集客は「美味しい」だけでは成功しない

パン屋の集客方法として、効果的なマーケティング戦略と具体的な集客方法、成功事例を紹介しました。

現代では、新たなパンを開発するだけではなく、SEO対策やSNSの活用のようにオンラインを活用した集客が欠かせません。また、地元イベントへの参加やコラボレーションによる地域密着型のアプローチも有効です。

これらの方法を実践することで、パン屋の集客力を高め、売上の向上を期待できます。パン屋は美味しいだけでは集客できない時代です。ぜひ本記事を参考にして、効果的な集客を実現してください。

ーパン屋を営む方々へー

パン屋の集客にはコツがある!

ネット集客をはじめるにあたって、把握しておきたいことを、分かりやすくまとめました!ネット集客の理解のために、まずはこの資料をご覧ください。

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この記事を書いた人

いけだ
占いライターやエンタメコンテンツ大手のディレクター経験を経て、サングローブへ入社。前職ではメールマーケティングにて、月1億円以上の売上達成に貢献。現在は、SEOとダイレクトマーケティングの間で揺れている。

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