百度(バイドゥ)に注目!中国の検索エンジン?SEO?
中国においての検索市場は、世界的なシェア率を誇るGoogleではなく、自国の検索エンジンに該当する百度(バイドゥ)が強い影響力を持ちます。
百度のアルゴリズムは、グローバル基準のSEOと比較すると独自性がうかがえるものです。インデックスの速度やアンダーバーの重要性、情報は質よりも鮮度を優先するなど、おそらく私たちが認識しているSEOのセオリーとは、若干異なる点を含んでいます。
本記事では百度の特徴はもちろん、Googleとの相違点、内部・外部両方のSEO対策のポイント、広告についての話……等々幅広く解説。
そのユニークな検索世界を、ぜひチェックしてみてください。
目次
百度(バイドゥ)の概要
百度は、中国における最大の検索エンジンを提供している企業です。創業開始は2000年1月。北京に本社を置きます。
取り扱うサービスは、オンラインの百科事典である「百度百科」や中国語の文字入力を可能とする「百度入力方法」など含め豊富です。
検索エンジンのシェア率はGoogleおよびYahoo!に次いで世界第3位。(中国)国内のインターネットユーザーの約7割が百度を利用しています(月間のアクティブユーザーは6億人以上を数えます)。
百度が中国において絶大なシェア率を誇る理由に、厳たるインターネットの検閲体制が挙げられます。というのは、法律に則った60個以上もの条例によって、政府やサービスプロバイダおよびインターネット企業が検閲を実施しているため、国内ではGoogleやFacebookといったサービスが利用できないのです。
ずばり、中国に在住する人たちが使えるツールは、百度をはじめ、WeChat(微信)といった自国のサービスのみの状況です。
ちなみに、メインの検索エンジンに位置する百度を、中国のGoogleと呼ぶ向きもあります。
百度(バイドゥ)の特徴とGoogleとの違い
百度のトップページの背景はシンプルな白色です。Googleとはユーザーインターフェースが似ています。そのなかで、画面上部にメニューボタンが露出されている点は異なる要素です。ニュースを取り扱う「新闻」、ナビゲーションサイトを指す「hao123」、SNSに当たる「贴吧」、地図の閲覧は「地图」、動画検索なら「视频」、文化および学術関連の企業サイトを検索できる「学术」、メニューの更新ボタン「更多」……等々が配されています。
また、先述した特定の機関からのインターネット検閲をクリアしなければならない点もGoogleとの大きな違いです。具体的には、以下のルールを守ることが必須条件とされます。
「中国のサーバーを利用していること」
「中国語表記のコンテンツが掲載されていること」
Webサイトの登録やインデックスに関しても、Googleとの違いに戸惑うかもしれません。
たとえば、サイトを作成した際には、中国工信部へ手続きの申請を行うことが必要です。中国工信部ではサイトを一括管理しています。いうなれば、日本における経済産業省です。
手続きの流れのなかでは、ICP番号が発行されます。その数値を対象サイトに掲載して登録完了です。
そして、インデックス。Googleと比べるとスピードが遅く、精度が低いのは正直否めません。クローラビリティを高めていくよう愚直に努めましょう。おすすめは、ページ表示速度の改善です。
検索結果の順位があまり安定しないことも特徴的かもしれません。アルゴリズムの変動具合はGoogleよりもはるかに大きいものです。
インデックスされるまでの期間が長いうえに、頻繁に順位が変わるため、成果を出すのは困難だとお察しいただけたと思います。それゆえ、適切な対策が重要視されます。
百度(バイドゥ)でのSEO・内部対策について
さて、百度におけるSEO対策はどのように行えばよいのでしょうか。
とりわけ、内部対策は非常に有効です。求められるのはコンテンツ。そのなかでも百度は質よりも鮮度が大事です。
情報の定期的な見直しや市場でのトレンドの精査、ターゲット層の動向などを常に意識するようにしましょう。
タイトルの付け方などは、普遍的なセオリーで通用します。
キーワードはしっかり前半に含め、端的に表現し、ページの中身と齟齬がないようにすると評価されやすいでしょう。
一方で、相違点は、アンダーバーの活用です。
たとえば、カテゴリページのタイトル設定には、カテゴリ名とサイト名をアンダーバーでつないでください。コンテンツテーマに該当するキーワードも、カテゴリ名およびサイト名にアンダーバーをつなげることで、百度にサイトの内容を伝える働きを促せます。
メタディスクリプションおよびh1やh2の見出しタグ、アンカーテキストに関してもキーワードを含めることは必要です。なお、ページ内に含めるキーワード出現頻度は、全体の2〜8%程度が適切とされています。現在のGoogleと異なり、百度では今もなおキーワード出現頻度が上位表示のカギを握っている状況です。
また、Google同様、コンテンツのオリジナリティや専門性も重要な評価指標とされます。
そして、重複コンテンツを含めた悪質な行為に対しては、検索結果の圏外へ飛ばされるなど厳重なペナルティが科せられることも珍しくありません。
百度(バイドゥ)でのSEO・外部対策について
百度では外部サイトからのリンク、すなわち被リンクが重要視されています。リンク元の質と量の両方に気を配らなければならない点はGoogle同様です。
良質と定義されるサイトの典型的な例は、政府が関与しているもの、もしくは百度のサービスである「百度知道」や「百度百科」などが挙げられます。
被リンクの獲得については、旧来の方法が主体です。
相互リンクや権威性の高いキュレーションメディアへの投稿、情報サイトの登録などが該当します。百度関連のメディアであれば、より効果が期待できるでしょう。
SNSの活用も有効!
ソーシャルシグナルも重要です。百度の検索結果には強く影響を及ぼします。といっても、FacebookやTwitterではありません。百度の場合は、「人人网(Renren)」や「优酷(Youku)」です。これらソーシャルメディアの活用が、間接的に被リンク獲得につながります。
また、定期的に動画を公開することも、ユーザーとの認知・接点機会を増やす施策として有効です。そうやってエンゲージメントを高められれば、相乗効果が生まれるでしょう。ユーザーから重宝されているサイトは、遅かれ早かれ上位表示が期待できます。
百度(バイドゥ)で利用できる広告
百度で利用可能な広告の内、代表的なものは4種類。
それぞれご紹介します。
百度リスティング広告
とりわけ、中国で人気の高いWeb広告が「百度リスティング広告」です。検索連動型の広告において80%ものシェアを誇ります。仕組みはほぼGoogle広告と同じです。検索ブラウザ上に広告を掲載できるサービスを指します。出資はキーワードに対する入札方式。競争率の高いワードは、当然、金額が高くなります。
百度ブランドリンク広告
検索連動型のタイプではリスティング以外に、「百度ブランドリンク広告」も知っておきたい広告です。商品やサービス名を検索した際、画像付きで掲載される記事広告を指します。リスティング広告との相違点は、ブランドの知名度やイメージの醸成・拡大が期待できるところです。性別・年齢はもとより興味のある分野まで、ターゲットの属性は細かく指定できます。動画表示も可能です。有用性の高さがうかがえます。
アプリを含めて多種多様なWebメディアで活用できる点は非常に魅力的です。
百度アドネットワーク
百度のネットワーク傘下にある60万個以上もの専門サイトに、バナーやテキスト広告を掲載できる「百度アドネットワーク」も主要な広告の1つです(現在は、すべて「百意(BaiYi)」に統一されています)。
ディスプレイおよびリマーケティング広告の配信を可能にします。
百度インフィード広告
モバイル端末向けの「百度インフィード広告」は、ニュースサイトやタイムライン型のページ、アプリに特化した形で配信される広告です。認知度の向上はもちろん、コンテンツ間で自然に表示される仕様のため、ユーザーのストレスを極力刺激せずにすみます。
百度(バイドゥ)の特性や周縁知識をしっかり理解しよう!
グローバルな展開を視野に入れているのであれば、月間約6億人ものアクティブユーザー数を保持する中国市場で活況を呈する施策を打つことが必要だと考えます。
そのため、百度の特性や周縁知識を理解することはもはや必須かもしれません。
Googleとは似て非なる独自のセオリーが中国のSEO、すなわち百度には存在します。中国ひいては世界に向けたWebサイトを作成および運営する際には、しっかりと頭に入れておきましょう。
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