最先端のWebマーケティングを発信するメディア

最先端のWebマーケティングを発信するメディア

ビジネスプロセスモデリング表記法(BPMN)とは? 図の書き方やツールも紹介

最終更新日:
SHARE
FacebookTwitterLineHatenaShare

ビジネスモデルの多様化やDX化の広がりといった流れにより、企業のあり方は多様化の一途を辿っています。選択肢が増えたことに伴い、業務フローの見直しを検討している企業も少なくないでしょう。

ビジネスプロセスモデリング表記法(BPMN)を活用すれば、業務プロセスを可視化でき、業務改善のためのヒントを探ることができます。

この記事ではBPMNについての書き方や役立つツールなどについて解説していきます。

BPMNとは

BPMNは(Business Process Model and Notation)の略で、業務プロセスをフローチャートのような形に表し、業務の始めから終わりまでを誰が見てもわかりやすいように可視化する手法です。

オブジェクト指向技術の標準化団体OMG(Object Management Group)が維持しているモデリング言語(システムを表現するための人工言語)で、日本だけでなく国際的にも活用されています。現在のバージョンは2.0です。

※オブジェクト指向技術
モノとモノとの関係性を定義し、システムを作り上げていくシステム構成の考え方。OMGはそれを国際的に標準化しています。

BPMとの関係

BPMは「ビジネスプロセスマネジメント」と呼ばれているもので、現状の業務プロセスを管理・見直しによってより良い状態へと改善していく方法です。BPMNはBPMのPDCAを回すために必要な手法と位置付けられます。

BPMSとの違い

BPMSはBPMNを活かしつつBPMを支援するツールで、ビジネスプロセスの設計・実行・管理を自動で行います。 BPMを実行するための主な4つの機能(ビジネスプロセス・共有と実行・モニタリング・分析)が備わっています。

UMLとの違い

UMLは、BPMN同様OMG に管理されているモデリング表記法です。日本語表記で「統一モデリング言語」と呼ばれており、現在のバージョンは2.0です。

主にエンジニアなどのIT技術者が使うもので、ソフトウェア開発においてシステムの動きなどを理解したいユーザーのために活用されています。一方、BPMNはビジネスシーンで使われており、その点でUMLと違いがあります。

BPMNのメリット

ここではBPMNのメリットについて紹介します。

業務効率の向上

業務の見える化を行いボトルネックの改善を行えば、生産性の向上やコミュニケーション強化といった効果が期待できます。サービスや商品の向上につながるだけでなく、働きやすい環境を作ることができるでしょう。

業務システムを瞬時に見直せる

事業が急激に拡大した結果、業務が増えたり変更になったりすることがあるでしょう。そのたびに業務フローを正確に把握するのは容易ではありません。BPMNを活用すれば、業務の追加や削除を的確に行いやすいです。

作業が共有しやすい

BPMNは誰でも見やすい図となっているため、作業を共有する際にもってこいです。例えば、新しく配属された従業員に対してBPMNで作成した業務フローを共有することで、スムーズに業務を覚えてもらえるでしょう。

属人化を防ぐ

「正しい作業方法」を明確に設けていない場合、担当者によって細かい作業内容に差が出る可能性があります。そのような状況は成果物のクオリティにも差をもたらし、品質管理の妨げになりかねません。

また、特定の社員のみが正しい作業方法を知っているという状況も、その社員に何かあった際に業務がストップしてしまうというリスクをはらんでいます。

BPMNを活用すれば業務フローを残しておけるため、いわゆる「属人化」を防止することができます。

BPMN図の書き方

ここではBPMN図の書き方を紹介します。

BPMNで使用する記号例

ここからはBPMNの記号を一部紹介します。なお、記号の中にはマークが何かしらのマークが入る場合があります。

丸は「イベント」です。通常の丸は開始で二重丸が中間、丸い線が太い場合は終了を表します。

長方形は「タスク」です。業務内容を表します。

菱形は「ゲートウェイ」です。条件分岐や並行処理が必要となった場合、交差する場所に設置します。

実践矢印は「シーケンスフロー」です。アクティビティの順序を表します。

📄

ページは「成果物」です。入力データやデータオブジェクトなどを表します。

BPMN図を書く手順

まずは取り組むゴールを決めましょう。次に業務全体を把握し、どういう情報が必要なのかを洗い出しましょう。

事前の準備が終わったら実際にBPMNを書いてみます。まずは丸を書いてイベントを開始し、矢印で順序を示したら長方形でタスクの内容を書き込みます。これで最初の流れができました。この調子で他の記号も使い、完成させていきます。

BPMNの活用例

人と業務を把握しやすくなり、確認が多く発生する業務や業務フローが複雑な現場でもミスを減らすことができるでしょう。

例えば、複数の人間に業務を任せる場合、業務フローが見えづらいとそれぞれが独自のやり方をしてしまうリスクがあります。しかし、BPMSをうまく活用すれば互いの認識が噛み合い、作業をスムーズに進めることができるでしょう。

BPMN図の作成に役立つツール4選

ここではBPMN図を作成する際におすすめしたいツールを紹介します。ツールは、クラウド型とダウンロード型に分かれており、それぞれ2つずつピックアップしています。

クラウド型

アプリをダウンロードせずに利用できるBPMNツールです。

Ranabase(ラーナベース)

Ranabase(ラーナベース)

業務改善コンサルティングのノウハウから誕生したツールです。ガイドラインやチュートリアル資料が用意されており、業務改善の技法を身につけることができます。また、学習コンテンツやユーザー専用のコミュニティーサイトもあるので、ここで業務フローの描き方などが継続して学べます。

業務に合わせたテンプレートが用意されているため、自力でもBPMN図を作成することができるでしょう。直感的なUIで図を描画できるため、扱いやすいのも特徴です。

料金:フリープラン(無料)
   パーソナルプラン(月額550円)
   ビジネスプラン(年7万2000円〜)

公式サイト:https://lp.ranabase.com/

Octpath(オクトパス)

Octpath(オクトパス)

作業ごとにマニュアルが用意されており、都度確認しながらBPMNの作成が可能。チャットによるヘルプデスクや効果の検証など、充実したサポートも受けられます。

作業結果の自動チェックでミスや漏れを事前に防ぐことができ、作業結果を次の人へ簡単に渡せることからリマインドの手間が省けます。また、チャットツール「Slack」と連携することで、プロセスに関する通知を受け取ることができます。

料金:スタンダード(月額1,650円)※15日間の無料トライアルあり

公式サイト:https://octpath.com/

ダウンロード型

アプリをインストールすることで利用できるBPMNツールです。

EdrawMax

EdrawMax

Office系ソフトに近いUIで、普段Office系ソフトを使用している人であれば直感的に操作することができるでしょう。BPMNに適したテンプレートが充実していて、図形もライブラリに用意されています。必要なものをキャンパスにドラッグ&ドロップするだけで、簡単にBPMN図が自動生成されます。

パスで自由描写が可能なので、イメージのままBPMN図を作成できるでしょう。

料金:無料

公式サイト:https://www.edrawsoft.com/jp/edraw-max/

Microsoft Visio

Microsoft Visio

こちらのソフトは料金プランが2種類ありますが、ここではダウンロード型の「Visio Plan 2」のみ紹介します。

BPMN2.0に準拠するテンプレートや多数の図形・コネクタから自由に作成できます。またExcelとの相性もよく、Excelで作成したプロセステーブルを簡単にBPMN図に変換できます。

料金:Visio Plan 2(1,630円)※どちらも1ヶ月の無料期間あり

公式サイト:https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/visio/business-process-modeling-notation

BPMNは業績を上げることも期待できる

BPMNを活用して業務を改善できれば、作業効率が上がり無駄なコストを減らすことができるでしょう。また、作業フローを見やすくすれば会社全体で業務の理解度が深まり、誰が何を担当しているのかがわかるようになります。これにより部署間でのコミュニケーションが増えれば、新たなアイデアが生まれることもあるかもしれません。

作業フローを見直したい方や、属人化などにお困りの方はBPMNを活用してみてはいかがでしょうか。

SHARE
FacebookTwitterLineHatenaShare

この記事を書いた人

RYUICHI ARAI
神奈川県出身。いきなりフリーランスとしてキャリアをスタートさせ、スポーツ関連の記事を執筆。過去にはHIPHOPライターとしても活動。ライター 以外にもコンテンツ制作や編集などの仕事も行う。趣味はフィールドワーク。

UPDATE 更新情報

  • ALL
  • ARTICLE
  • MOVIE
  • FEATURE
  • DOCUMENT