SEOにおけるカニバリゼーションとは?起きる要因と確認方法・解消法を解説!
カニバリゼーションは、SEO対策する過程で避けなければいけない状況です。ですが、サイトやメディアが大きくなるほど、発生する可能性は高まります。
そこでこの記事では、そもそもカニバリゼーションとは何か、何が原因で発生し、どう対処すれば良いのかを解説します。また、どのように確認すれば良いのかも紹介しているので、もしカニバリゼーションが起きてもすぐに発見し、対処できるようになるでしょう。
カニバリゼーションを理解して適切に対処することで、SEO戦略のリスクを減らせます。健全な運営を目指すためにも、ぜひ参考にしてください。
なお、もっと簡単に詳細を知りたい方は以下の動画をご確認ください。
目次
SEOにおけるカニバリゼーションとは
SEOにおけるカニバリゼーションとは、似た内容のページが同じキーワードで競合している状況を指します。
この状況が起こると、検索エンジンがどのページを上位に表示するべきか判断しにくくなります。そのため、それぞれのページに評価がつきにくくなり、結果的に検索結果で上位表示されにくくなってしまうのです。
カニバリゼーションは、ネガティブな影響こそありますが、ポジティブに作用することはありません。そのため、常に検索結果の状況を確認しながら、カニバリゼーションが起きていると判断した場合は、早急に対策することが大切です。
カニバリゼーションと重複コンテンツとの違い
カニバリゼーションに近い性質をもつ状態として、重複コンテンツがあります。
重複コンテンツとは、完全に同じ、もしくはほぼ同じ内容のコンテンツが複数のURLで公開されている状態を指します。カニバリゼーションは、内容は違うものの結果的に似た検索結果になってしまう状態なので、その点が異なります。
また、カニバリゼーションは同一のWebサイトのみで起きる現象ですが、重複コンテンツは異なるドメインでも起きる可能性があります。
重複コンテンツはカニバリゼーションよりも問題が大きくなります。特に、スパムの意図を持って作られたコピーコンテンツは、Googleのペナルティの対象にもなります。そのため、サイト全体に悪影響を及ぼす可能性があるのです。
SEOにおけるカニバリゼーションの影響と問題点
カニバリゼーションが起きると、ネガティブな影響が数多く発生します。カニバリゼーションによる影響を理解することで、問題が起きた時にもすぐに対処できるでしょう。
ここでは、SEOにおけるカニバリゼーションの影響と問題点について解説します。
コンテンツの評価が分散する
カニバリゼーションによる最初の問題は、コンテンツの評価が分散することです。競合するページが複数あると、検索エンジンはどちらのページを優先すべきか判断しにくくなります。この結果、どちらのページも十分な評価を得られず、検索順位が安定しなくなってしまうのです。
また、カニバリゼーションはリンク構築にも影響を与えます。例えば、レビュー記事が二種類あった場合、外部からリンクを設置しようと思ってもどちらにすれば良いか迷ってしまい、リンクが分散されてしまいます。そのため、評価が分散することになります。
このような状況が続くと、特定のページだけではなくサイト全体の評価もあがらず、結果的に検索エンジンからのトラフィックが伸びない、もしくは減少する可能性があります。
カニバリゼーションを防ぐことは、SEOにおいて重要な課題です。
意図しないコンテンツが上位表示されてしまう
カニバリゼーションが起こす二つ目の問題は、意図しないコンテンツが上位表示されることです。
例えば、コンバージョン狙いの記事と知識系の記事の二種類があったとします。この時、本来ならコンバージョン狙いの記事を上位表示させたいのに、知識系の記事が上位に表示されてしまうと、成果が発生しにくくなってしまうのです。
こうした状況を避けるためにも、カニバリゼーションが発生しないようなサイト構築、コンテンツ作りが求められます。
余計な制作コストや修正コストが発生する
カニバリゼーションによる最後の問題は、余計な制作コストや修正コストが発生してしまうことです。
カニバリゼーションが発生した場合、多くは記事を修正するか、もしくは片方の記事を閉じる対策が取られます。そうなると、記事を修正するコストが発生したり、そもそも制作したコスト自体が無駄になってしまいます。
特に修正する場合、コンテンツのどこが似通っているのか、修正後に本当にカニバリが改善しているのかなど、少なくない人的コストが発生します。
このように、カニバリゼーションは制作コストと修正コストを増大させます。そのため、適切なキーワード戦略を立て、各ページが重複しないようにすることが重要です。
カニバリゼーションが起きやすい原因
カニバリゼーションが起きる原因は、一つではありません。そのため、コンテンツはいくつかのポイントに注意しながら制作することが必要です。
ここでは、カニバリゼーションが起きやすい原因とその対策をご紹介します。
類似したキーワードを狙っている
最初の原因は、類似したキーワードを狙っていることです。また、カニバリゼーションが起きやすい原因には二種類のパターンがあります。
一つは、似たキーワードで競合してしまうケースです。例えば、「おすすめ」と「ランキング」、「比較」は別のキーワードですが、検索意図が近いため、競合しやすくなります。そのため、それぞれを目的にコンテンツを制作すると、カニバリゼーションが起きやすくなります。
もう一つの原因は、ビッグキーワードとロングテールで競合するケースです。例えば、「ダイエット」と「痩せるダイエット」は別のキーワードに見えますが、「ダイエット」の検索意図に「痩せるダイエット」が含まれているため、これらはカニバリゼーションが起きる可能性があります。そのため、検索結果を見ながらキーワードを選ぶ必要があります。
特に、ビックキーワードとロングテールのキーワードのコンテンツを差別化するのは、他コンテンツも見ながら戦略的に構築する必要があります。コンテンツを制作する際は、検索結果の状況をリサーチしながら適切にキーワードを選びましょう。
>>>ロングテールキーワードとは?具体的な対策方法とメリットについて
タイトルタグの内容が似ている
カニバリゼーションが起きやすい二つ目の原因は、タイトルタグの内容が似ていることがあります。
タイトルタグは、検索エンジンがコンテンツの内容を理解するために重要な要素の一つです。そのため、タイトルタグの内容が似通っていると「内容が似ているのでは?」と判断してしまうのです。
例えば、「東京のおすすめランチスポット」と「東京で人気のランチスポット」というタイトルを持つ二つのページがあったとします。この時、もし紹介しているお店が別だったとしても、タイトルキーワードがほぼ同じなため、結果としてどちらも思ったように上位表示されないことが起きるのです。
このように、タイトルタグの内容が似ていることは、カニバリゼーションが起きやすい原因となります。
>>>SEOに重要なタイトルタグとは?重要な理由、適切な文字数や書き方などを網羅的に解説!
コンテンツの内容が似通っている
カニバリゼーションが起きやすい最後の原因は、コンテンツの内容が似通っていることです。タイトルタグの内容が異なっていても、評価の最終的な対象はコンテンツの内容です。そのため、タイトルタグだけではなくコンテンツの内容も差別化することが大切です。
また、コンテンツの内容が似ていると管理や更新も複雑になります。料金プランや店舗情報などに変化があった場合、それぞれのコンテンツを編集しなければいけません。
そのため、検索意図が近い内容はできるだけ一つのコンテンツで紹介し、異なるコンテンツはできるだけ検索意図が異なる内容で制作することが大切です。
カニバリゼーションが起きているかの確認方法
カニバリゼーションが起きているかどうかは、毎日ではなくても、定期的に確認する必要があります。定期的に確認すれば、いつの間にかカニバリゼーションが起きていたという状況を回避できます。そして、問題が起きた場合でも素早く対処できます。
ここでは、カニバリゼーションが起きているかの確認方法を三種類ご紹介します。内容を理解し、定期的にチェックできる体制を整えていきましょう。
Google Search Consoleで確認する
カニバリゼーションが起きているかどうかを確認するためには、Google Search Consoleを使用するのが有効です。具体的な手順を説明します。
まずは、Google Search Consoleにログインします。次に、左側のメニューから「検索パフォーマンス」をクリックしましょう。このページでは、サイト全体の検索クエリに関するデータが表示されます。
次に、「クエリ」のタブをクリックします。多くの場合、最初からクエリのタブが開かれていることが多いかもしれません。
クエリのタブをクリックすると、どの検索クエリでトラフィックを獲得しているかが一覧表示されます。この一覧から特定のクエリをクリックすると、そのクエリで表示されているページを確認できます。
もし複数のページで表示されている場合は、カニバリゼーションが起きている可能性があります。
また、各ページのクリック数や表示回数、平均順位などのデータも表示されます。もし、特定のページだけが突出して数字が多い場合は、カニバリゼーションが起きている可能性は低くなります。ですが、複数のページでクリック数や表示回数が多い場合は注意が必要です。
Google検索で確認する
次の確認方法は、Google検索を使う方法です。この方法は非常に簡単です。
まず、Googleの検索エンジンを開きます。次に、自分のサイトのドメインと調べたいキーワードを組み合わせて検索します。例えば、自分のサイトがexample.comで、調べたいキーワードが「SEO対策」だとします。この場合は、「site:example.com SEO対策」と入力しましょう。
検索結果が表示されると、自分のサイト内でそのキーワードに関連するページが一覧として表示されます。この時点で、カニバリゼーションが発生しているかどうかを確認できます。
例えば、サーチコンソールでカニバリゼーションが起きている可能性のあるクエリをピックアップし、実際にGoogle検索で確認するなどの流れが考えられます。
検索結果を見ながら、自分のサイト内で同じキーワードを狙った複数のページが競合していないかチェックしてみてください。
検索順位チェックツールで確認する
最後の方法は、検索順位チェックツールを利用することです。具体例として、GRCというツールを使った確認方法を紹介します。
まず、GRCをインストールして自分のサイトのドメインを入力します。次に、調べたいキーワードを設定します。GRCは、このキーワードに対してどのページがどの順位を獲得しているかを確認できます。
検索順位を確認すると、同じキーワードで複数のページが順位を持っている場合があります。例えば、「SEO対策」というキーワードに対して、「SEO対策の基本」と「SEO対策のポイント」というページが、それぞれ5位と7位にランクインしているとします。このような場合、カニバリゼーションが発生している可能性があります。
このように、検索順位チェックツールを使うことで、カニバリゼーションの状況を簡単に把握できます。これにより、効果的なSEO対策が可能になるでしょう。なお、GRCの利用は有料となりますので、ご注意ください。
>>>検索順位チェックツール無料版6選・有料版5選!選ぶポイントも解説
カニバリゼーションに対するgoogleの見解
カニバリゼーションについては、Googleの有名なスタッフであるJohn Mueller氏が、アメリカの掲示板であるredditで見解を述べています。
それによると、自サイト内にほぼ同じ内容のコンテンツがあると、他のコンテンツが上位に表示されてしまうだろうと解説しています。
また、それと同時に、「個人的にはたくさんの弱いページよりも少ない数の強力なページの方が好みだ」とも紹介しています。
このように、Googleはカニバリゼーションを避けるための対策を重要視しています。ページごとに明確に異なるテーマをもたせて、競合しないようにすることが大切です。
参考:reddit
カニバリゼーションが起きた場合の対処法
カニバリゼーションは、記事が増えていくとどうしても発生する可能性が高まります。そのため、日頃からチェックしながら、もし発生したら適切に対処することが大切です。
ここでは、カニバリゼーションが起きた場合の対処法をご紹介します。すぐに対策できることから、取り組みに時間がかかる内容もあります。優先順位をつけながら、着実に対処していきましょう。
狙うキーワードを明確に変更して内容を改善する
一つ目の対処法は、コンテンツ内容を改善することです。そのためには、まずそれぞれのページでどのようなKWを狙うのかを明確にする必要があります。
もし、狙っているKWに対して、検索結果の記事が大きく異なる場合は、カニバリゼーションの原因となっている箇所を削除したり修正する必要があります。ただし、狙っているKWがそもそも似た検索結果になっている場合は、対策するKWの変更を検討する必要があります。
対策KWを変更する場合は、まずサーチコンソールを使いながら、片方にしかないKWをリストアップしてみましょう。その上で、対策する価値のあるKWを見つけ出します。
候補が見つかったら、実際の検索画面を確認することも大切です。調べてみると、同じような検索結果になっていることは少なくありません。もし似ている場合は、他の候補を調べてみましょう。
その上で、コンテンツの内容を改善していく必要があります。その際、どちらのコンテンツを改善するのかが問題になります。基本的には、より上位に表示されている方や、表示回数が多い方は残し、評価が低い方を修正しましょう。こうした取り組みにより、カニバリゼーションを解消していきます。
リダイレクトを使ってページを統合する
二つ目は、リダイレクトを使ってページを統合する方法です。複数の記事がそれぞれ少なからず評価をされている場合は、リダイレクトを活用することで、統合元の評価を統合先に引き継ぐことができます。
リダイレクトを使用する場合、まずはどちらのページがより重要かを判断しましょう。その上で、リダイレクトには主に301リダイレクトを使います。
301リダイレクトは恒久的なリダイレクトを示し、検索エンジンに対してもリダイレクト先のページを評価するように指示します。これにより、リンクジュースや検索エンジンの評価が統合先のページに集中できます。
リダイレクトの設定方法については別の記事で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
>>>301リダイレクトとは?行うべき理由とSEOとの関係、設定方法について網羅的に解説
noindexを使用する
もし、カニバリを起こしている記事の評価が高くない場合は、noindexを使用するという選択肢もあります。
noindexは、特定のページについて、検索エンジンにインデックスさせないようにする設定です。インデックスされなければクローラーの評価対象外となるため、カニバリゼーションが起きることはありません。
noindexの設定方法についても別の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
>>>noindexとnofollowとは?得られるSEO効果と設定方法・使用の注意点を解説!
canonicalタグを使用する
カニバリゼーションが起きた場合の対処法として、canonicalタグを使用する方法もあります。canonicalタグは、複数のページに対して検索結果の優先度を設定する方法です。
canonicalタグの効果はリダイレクトと似ていますが、一方の記事を残すのか残さないのかが決定的に異なります。残したい場合は、canonicalタグが有効となります。
canonicalタグを活用した方がいいシーンは、主にECサイトの色違い商品や、A/Bテストを行う場合、パラメータ付きのURLなどです。こうしたケースは、それぞれのページを残しておかなければいけません。
また、canonicalタグはnoindexとも効果が似ています。noindexは、主に同じコンテンツを異なるドメインで表示させたい場合などに活用します。そのため、同じサイト内で使用する際はcanonicalタグを活用しましょう。
これらの取り組みを行うことで、カニバリゼーションは解消していきます。
まとめ
カニバリゼーションは、同じキーワードで複数のページが競合し合う現象です。この現象が起きると、検索エンジンがどのページを優先して表示すべきか迷い、結果として全ページの評価が低下します。
サイトの規模が大きくなっていくと、カニバリゼーションが発生するリスクは高まっていきます。そのため、定期的にカニバリゼーションが起きていないかを確認し、もし発生している場合は適切に対処することが必要です。
カニバリゼーションの対策を適切に行うことで、SEOパフォーマンスの向上が期待できます。今回の記事で紹介した方法を活用し、サイトの健全な運営を目指しましょう。
RANKING ランキング
- WEEKLY
- MONTHLY
UPDATE 更新情報
- ALL
- ARTICLE
- MOVIE
- FEATURE
- DOCUMENT