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ChatGPTを活用した組織運営とマーケティング戦略入門

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ChatGPTとは何か

皆さんはChatGPTというものをご存知でしょうか。昨今、よく聞く言葉ではありますがいまいちピンとこない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ChatGPTとは一言でいうと、「高度なAI(人工知能)技術によって人間のように自然な会話ができるAIチャットサービス」のことを指します。さらに「使用者の質問にまるで人間のように回答をくれるAI」ということもできます。

そのChatGPTがなぜ話題になっているのかですが、簡単にいうと「ChatGPTをうまく利用すれば簡単に高度なことができるようになる」ためです。ではいったい、ChatGPTを利用して何ができるのか、例をお伝えできればと思います。

ChatGPTでできること

ChatGPTを利用してできることとしてまずは、作業の効率化が図れることが挙げられます。たとえば、「簡単なプログラミングを教えて」とチャットを送信すると、実際に簡単なプログラミングの例とその作成に必要なコードを教えてくれます。

また、文章のテーマを決め、それに沿って文章を作成するようチャットを送信すると、その内容に沿って小説や脚本をすぐに作成することも可能です。ほんの一例に過ぎないですが、冒頭に記載したとおりChatGPTをうまく活用すれば、このように簡単に高度なことができるようになるのです。

では、そんなChatGPTを利用する際にデメリットはないのかというと、もちろんリスクも伴います。活用にあたってどのようなリスクがあるのか、そのリスクはどのように対処すればよいのかについて記していきたいと思います。

ChatGPTを利用する際の注意点

ChatGPTを利用する際のリスクとして挙げられるものは大きく3つあります。まず、1つ目が「情報漏洩のリスク」です。ChatGPTは日々ユーザーの情報を学習しておりますので、個人情報などの機密事項を安易に入力してしまうとそれを学習し、別のユーザーに対してその学習した情報を開示してしまうおそれがあるのです。

実際にサムスン電子のエンジニアが社内機密情報をChatGPTにアップロードし流出するという事象も起こっており、大きな利便性の裏にある情報漏洩の可能性については注意が必要となります。

そして2つ目は「情報が正確でないリスク」です。ChatGPTは日々学習しており回答の正確性は徐々に向上しておりますが、すべてが正しい回答、いわゆる全知全能ではございません。そのため、時折誤った情報や意味の分からない文章で回答が返ってくることがあります。

理由としてはまだ学習したことのない情報についての回答ができなかったり、内部的に数的処理が十分にできていなかったりといったことが挙げられます。そのため、たしかにChatGPTによってできることは非常に多く利便性も高いものですが、その情報が正しいかどうか、回答の根拠に関しては一度確認する必要があります。

最後の3つ目は「規制のリスク」です。先ほどから記載のとおりですが、ChatGPTというものは非常に便利なものではありますが、その反面危険なものとも捉えられています。なかでももっとも危険視されているのがChatGPT等のAI普及による社会構造の変化とそれに伴う失業者の増加です。

この点を危惧してEUではChatGPT等の生成AIを規制する方向で議論が進んでいます。このように便利なものであるからといってむやみに活用することはリスクを孕んでおり、社会構造を変えてしまうおそれもあるため、各国や企業ごとのルール整備(国でいうと法整備)が必要になります。

以上のことからChatGPTについて「個人情報等の機密情報を入力しない」「ChatGPTの回答内容が正しいのか根拠を自身で確認する」「利用する際のルール(法律)を確認したうえで利用する」ということが現状、利用に際して注意するべき大きなポイントといえます。そのような注意点を踏まえたうえで、実際はどのようなサービスにこのChatGPT、ならびにAIサービスが活用されているのか具体的な事例を紹介していきたいと思います。

ChatGPTの活用例

ChatGPTの活用例を2つご紹介したいと思います。1つ目にExcel、PowerPoint、Wordといった各種アプリケーションの自動生成です。まだ試作段階ではありますが、「このWordの文章をもとにPowerPointで資料を作ってほしい」と入力すると、その文章に応じた資料が自動生成されるツールが一部企業で導入されており、近い将来、世の中に広まっていく可能性が高いです。

このツールを活用することにより資料作成の時間が大幅に短縮され、業務時間の短縮及び生産性の向上が期待されています。

そして2つ目の活用例は、社内データとChatGPTを組み合わせたチャットボットの作成です。社内のノウハウをChatGPTに学習させ、それを活用しながら技術承継や新人教育を行うことでマネージャーやエキスパート等が教育に割く時間を削減し、その分、自身の業務に対する稼働時間を割くことができるということです。

そうすることで社内のノウハウがChatGPTに蓄積されていき、経験の浅い従業員は即座に不明点を確認でき、経験豊富な従業員は自身の業務に時間を割けるため、会社としても生産性が上がることが期待されます。

また、24時間利用可能なため、不明点をいつでも解消できるというのもこのチャットボットの強みです。

いかがでしょうか。活用例のほんの一部ですが、ChatGPTを利用することで生産性や利便性が向上するイメージを持たれたのではないでしょうか。もちろんそのイメージは間違いではないですし、私もChatGPTを活用することでより世の中が便利になると考えています。

しかし、冒頭に書かせていただきましたが、あくまでもこのChatGPTは「うまく」利用することが重要なのです。もちろん前述したリスクに対する対策や準備も必要ですが、それ以外にもChatGPTを「うまく」利用するためにはいくつかのポイントがあります。

ではそのポイントとはいったい何なのか、ここまではChatGPTとはいったい何でどのようなものなのかを書かせていただきましたが、ここからはタイトルにもありますとおり、組織運営とマーケティング戦略にChatGPTをどう「うまく」活かすかについて記していきたいと思います。

うまくChatGPTを使うためには

これまで申し上げたとおり、ChatGPTとは非常に便利なものであり、うまく利用すれば生産性の向上に寄与するものです。ではこれを「うまく」使うとはいったいどういうことなのか説明していきたいと思います。

ここでいう「ChatGPTをうまく使う」とは、言い換えるならば「前提条件を整えたうえでChatGPTを利用する」といえます。どういうことかといいますと、組織において社長には社長の、部長には部長の役割が明確である必要があるのと同じように、ChatGPT等のAIを組織に導入する際にはその役割を明確にしたうえで導入する必要があるということです。

つまり、ChatGPT等のAIを組織内に導入する際にこのAIに求める役割を明確にしなければ、何となく便利な機能とだけ社内で認知されてしまい正しく活用されなかったり、導入することで期待していた生産性の向上が果たせなかったりと、せっかく導入したのに意味がなかったなんてことに繋がりかねないのです。

そのため人間と同じようにAIを導入する際には何をそのAIに求めていくのか、そしてAIを使うことによってどのように組織の生産性や成長に貢献させるのかを必ず明確にする必要があります。裏を返せば、そのAIを使う側のリーダーの役割や方針の決定・管理が非常に重要であるということです。

もちろんリーダーがAIの方針決定や管理をする際にも注意するべき点がありますので、次はリーダーとしてAIを管理する際の注意点を見ていきたいと思います。

リーダーがAIを管理する際の注意点

ここからはリーダーとしてAIを管理するための注意点について記していきたいのですが、実は部下のマネジメントの注意点とまったく同じです。どういうことか以下に注意点を3点まとめていきたいと思います。

まず1つ目の注意点は、途中「ChatGPTを利用する際の注意点」にも出てきましたが、根拠を必ず確認することです。たとえば部下が「1日に10件営業先を回ってきます!」と言った際あなたならどうしますか。「OK!行ってらっしゃい!」と言うでしょうか。おそらく「10件も回るってことはそれぞれの営業先は近いのか?」等、10件回ることができる根拠を確認するのではないでしょうか。

AI活用においても同様です。AIを活用していったい何がどれだけできるのかを明確にしたうえで、そのできる根拠はいったい何なのかを明確にしておくことが重要です。

そして2つ目の注意点は、免責発生です。たとえば、部下から「AIが○○と言っていたので、とりあえずそのとおりにさせてみました。」という報告があった場合、失敗したときに誰が責任を取るのでしょうか。責任の所在があいまいにはならないでしょうか。

つまりAIを活用する際には誰が責任者であるのか、また、実際にAIを活用して行動をとるべき人間の責任範囲はどこまでなのかを明確にしておくことが必要です。つまり、前述した各個人の役割を明確にすることと同時に、各個人における責任の所在についても免責の発生を防ぐために、明確にしておく必要があるということです。

最後に3つ目の注意点は経験量の欠如です。一言でいうと、「知っている」と「できる」はまったく違うということです。言い換えるならば「知っている」からといって必ず「できる」とは限りません。

鉄棒の逆上がりを想像するとわかりやすいと思います。学生時代に逆上がりの仕方を先生や親から習った方が多いと思います。そしておそらく今でもその方法については覚えている方も多いのではないでしょうか。そこで皆さんにご質問です。現在の皆様は逆上がりをすることができますか。おそらくできる方もいらっしゃると思いますが、できない方も多いのではないでしょうか。

つまり、頭ではわかっていても実際にできるかどうかはやってみないとわからず、頭でわかっていてもできないこともあるので「知っている」と「できる」はまったく別物なのです。

これはAIの活用においても同様です。とりあえずChatGPTにいろいろ聞いて知識だけが増えていってもあまり意味はありません。PDCAサイクルになぞらえると、P(計画)の部分だけを繰り返しており、次のD(実行・実践)を行わない限りは、C(測定・評価)を行うことができず、結果的にA(対策・改善)も行うことができません。つまり、AIを活用して様々な計画を立てたとしても、それを実践していかなければ成果につながるかどうかはわからず、結果として経験値の不足を招いてしまうのです。

そのため、マーケティング戦略だけでなくすべてに通じることですが、根拠を明確にしたうえでまずやってみるということが重要です。ここまで、大きく3点に分けてリーダーがAIを管理する際の注意点について書かせていただきましたが、これらをまとめてAIを正しく活用できるリーダーとはどのようなリーダーかについて記したいと思います。

AIを正しく活用できるリーダーとは

今までに記してきた内容に当てはめてAIを正しく活用できるリーダーの条件を考えると、大きく4つにまとめられます。1つは組織のルール管理者となること。すなわち、トップの理念、方向に沿ってルールを順守・管理できること。

2つ目は組織のルール構築者となること。すなわち、トップの理念、方向に沿ってルールを構築できること。3つ目は意思決定者となること。すなわち、部下の報連相に対して迅速かつ明確な判断ができること。

そして4つ目に、情報の信憑性を確認できる能力があること。すなわち、現場の情報の精査ができること。この4つがAIを正しく活用できるリーダーの条件です。企業側からすると、AIを正しく活用するためにはこのようなリーダーを育てていく必要があるということです。

まとめ

いかがでしょうか。利便性の高いAIを活用するためには、正しく活用できるリーダーを育成することが必須であることがおわかりいただけたでしょうか。このように、ただAIを導入するだけでなく、そのAIをどう管理していくか、そしてAIに何を求め責任者はだれなのかを明確にしたうえで活用することにより、AIの効果は向上し、それに比例して生産性も向上していきます。つまり、AIをうまく活用するためには、組織運営と同様にAIもマネジメントしていく必要があるのです。

提供:株式会社識学

この記事の著者

株式会社識学

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