ChatGPTは役に立たない?できること・できないことの比較と上手な活用方法まとめ
求めるような回答が得られず、「ChatGPTが役に立たない」と感じてはいませんか?しかしChatGPTの使い方のコツを理解すれば、ビジネスや私生活がより便利になる良きツールとなってくれます。
この記事では、ChatGPTができることとできないことを比較して紹介していきます。ぜひ参考にしてください。
目次
ChatGPTは役に立たないと言われる理由とは?
X(旧Twitter)上では、ChatGPTに関する以下のようなポストが散見されます。
実際、私自身も「ChatGPTは役に立たない」と感じたことがありました。具体的には、計算問題を誤答したり、指示に従わなかったりなどです。
そうなってしまうには様々な理由がありますが、大元をたどると「生成AIの仕組み」「ChatGPTのバージョン」の2つに行き当たります。
そもそも、ChatGPTをはじめとした生成AIは大規模言語モデル(LLM)という技術のもとに成り立っています。LLMの仕組みは複雑なので、ここでは「確率を割り当てることで正解を予測する」ということだけ把握すれば大丈夫です。
また、ChatGPTには「GPT-3.5」や「GPT-4」のようにバージョンが存在します。それぞれベースとなるデータセットの量に違いがあり、パラメータ数で比較するとGPT-3.5が約3,500億個、GPT-4が約5,000億~1兆個といわれています。つまり、GPT-4のほうが精度の高い応答を期待できるということです。
私の場合も、GPT-3.5からGPT-4に切り替えたあたりから、「役に立たない」と感じる機会が大幅に減少しました。
ただ、GPT-4は有料プランのChatGPT Plusで提供されているバージョンです(※)。ChatGPTが役に立たない可能性を減らしたい方は、有料プランに申し込むといいでしょう。
※ 無料ユーザーでもGPT-4oと呼ばれる最新モデルを利用できますが、回数制限があります
ChatGPTができない・苦手な3つの事柄
ChatGPTができない・苦手な事柄の例は以下のとおりです。
- 最新情報やトレンドの活用
- 計算問題
- プライバシーに関わる質問
それぞれ詳細を解説します。
最新情報やトレンドの活用
ChatGPTは大量のデータセットをもとに回答を生成しているので、インプットされた情報の鮮度に限界があります。
たとえば、GPT-3.5には2022年1月までの情報しかインプットされていません。それ以降の情報を知りたくても、ChatGPTは答えることができないのです。
また最新情報を把握していないので、リアルタイムのトレンド情報を答えることもできません。
ただ、この欠点はGPT-4にアップグレードすることで解決します。webブラウジング機能を利用できるからです。たとえば、「日本の総理大臣は?」と質問した際の回答は以下のとおり。
このように、データセットだけでは回答できない質問に対して、インターネット検索を駆使しながら対応してくれます。
計算問題
計算問題に関してもChatGPTが苦手とする分野です。たとえば、「1238378×829=」で試した結果は以下の通り。
正しい答えは「1026615362」です。
ただ、こちらに関してもGPT-4にアップグレードすることで解決します。詳細はこちらの記事を参考にしてください。
プライバシーに関わる質問
人の住所など、プライバシーにかかわる質問にChatGPTは答えることができません。これはGPT-3.5、GPT-4に共通しています。
参考までに、架空の人物「平本こうじ」の住所について質問した結果は以下のとおりです。
また、有名人や著名人でも同様の結果になります。
ChatGPTができること・得意なこと5選
ChatGPTができること・得意なことの例は以下の5つです。
- 自然な会話
- 翻訳
- 小説や脚本の執筆
- 関数の作成やプログラミング
- 情報収集・整理
それぞれ詳細を解説します。
自然な会話
ChatGPTは自然な会話を得意としています。
これは自然言語処理(NLP)と呼ばれる技術が採用されているからです。
自然言語処理とは、日常的に人間が使用している言葉をコンピューターに処理させる技術のこと。詳細は省きますが、「話し言葉」や「書き言葉」、口調や口癖など、まるで人間と会話しているかのような回答を出力してくれます。
また、ChatGPTに役柄を与えて会話することも可能です。今回は「あなたは大阪出身のお笑い芸人です。今日はいい天気ですね」というプロンプトを入力してみました。結果は以下のとおりです。
与えた役柄に従って回答を出力してくれました。ちなみに、有料プランのGPT-4ではなりきり具合もアップグレードされています。
翻訳
ChatGPTは翻訳するのも得意です。「次の文章を〇〇語に翻訳してください」と指示を出せば、すぐに翻訳してくれます。今回は、マーク・トウェインの名言「All you need in this life is ignorance and confidence, and then success is sure.」で試してみます。
しっかり翻訳されています。
英語以外にも、ChatGPTは中国語・韓国語・フランス語・ロシア語・ポルトガル語など50か国以上の言語に対応可能です。
小説や脚本の執筆
ChatGPTは小説や脚本の執筆も行うことができます。
最近では第170回芥川賞の受賞作「東京都同情塔」の著者である九段理江さんが、生成AIを使って小説を書いたという話題がニュースになりました。
>>>AIが”生んだ”芥川賞「東京都同情塔」誕生秘話を作家が明かす|NHK(外部サイト)
全体のほんの一部にChatGPTを活用しただけですが、AIによる創作活動の可能性を感じさせてくれます。
関数の作成やプログラミング
プログラミングやエクセルに関する作業もChatGPTは得意です。プログラミング言語を指定すればコードを書いてくれますし、目的を指定すればそれにマッチした関数を出力してくれます。すぎに活用できるよう、コピーできるのもポイントです。
さらに、ChatGPTは関数やプログラミングのエラー箇所を見抜くことができます。
情報収集・整理
情報収集がしたいとき、集めた情報を整理したいときにもChatGPTが役に立ちます。何個も情報を集めるのは面倒、というときはChatGPTに相談してみましょう。
たとえば、旬の春野菜を使用したレシピを一覧で出してもらうことも可能です。夕飯づくりに悩んだときは相談してみるのがおすすめです。
またビジネスの情報収集や整理にも大いに役立ちます。取引先や上司から届いたメールを提示し「ToDoリストを作って」とお願いすれば、内容を整理し、今自分がすべきことを一覧に表したわかりやすいリストを作ってくれます。
リストをもとにスケジュールを組むことも可能です。いろいろな予定が重なり優先事項がわからなくなってしまいそうなときにも頼りになります。
ChatGPTを効果的に活用する3つのコツ
ChatGPTを効果的に活用するコツを知っていれば、「役に立たない」「使えない」という事態を回避することができます。具体的には以下のとおりです。
- 明確かつ具体的な質問をする
- 質問を分ける
- ファクトチェックを行う
それぞれ詳細を解説します。
明確かつ具体的な質問をする
ChatGPTを含めた生成AIは、プロンプト次第で出力結果が変動します。つまり、ChatGPTが質問の意図をしっかり理解できるよう、明確かつ具体的な指示を出すことが重要となります。
質問を明確かつ具体的にする際は、以下の点に注意するのがおすすめです。
- 主語をはっきりさせる
- 5W1Hを意識した質問(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)
たとえば「夜ご飯のメインの献立が決まらない」というときに「晩ごはんどうしよう」だけだと、思うような回答が返ってこない可能性があります。
「今日の晩ごはん何にしよう。私が家で作るんだけど」といった具合に、詳細まで記載してあげるとChatGPTも理解しやすいです。
質問を分ける
質問を分けるのも効果的です。一度に複数の指示を出すと、回答の精度が下がってしまう可能性があります。
同僚や上司、友人との会話を思い浮かべてみましょう。一度に複数の質問をされると、一体どれに答えればいいのか、本当に知りたいことは何なのかがわからず戸惑ってしまうでしょう。ChatGPTも同様で、質問を絞ってあげると欲しい答えが返ってきやすくなります。
ファクトチェックを行う
ChatGPTの回答は100%正しいわけではありません。また、誤っているにもかかわらず正しい情報かのように振る舞う「ハルシネーション」が起きる可能性もあります。
先述した通り、ChatGPTは単語ごとの意味を理解して文章を生成しているわけではなく、「ある単語につながりそうな単語を予想して並べる」という確率的な仕組みの上に成り立っています。確率なので外れることもあり、誤った情報が誤った情報が出力される可能性があるということです。
ChatGPTにハルシネーションはつきものだと考え、生成されたコンテンツを利用する際は必ずファクトチェックを行いましょう。
ChatGPTが役に立たないのまとめ
今回は、ChatGPTが役に立たないことに対して解説しました。押さえておきたいポイントは以下のとおりです。
- ChatGPTには得意・不得意な分野がある
- 有料版にアップグレードすれば解決する場合が多い
- 使い方を工夫すればトラブルを回避できる
ChatGPTが役に立たないと感じる原因は、「GPT-3.5を使っている」「ChatGPT自体の仕組み」の2つにわけられます。つまり、有料のChatGPT Plusと契約すれば解決する場合が多いということです。
また、無料版のGPT-3.5を使っていたとしても、ChatGPTの得意・不得意分野を把握していれば問題ありません。
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