CLOVA Noteで議事録を文字起こし！使い方や安全性を解説

ビジネスや勉強で「メモを取るのが追いつかない……」と感じたことはありませんか？そんな悩みを解消してくれるのが「CLOVA Note」です。

このアプリは、話すだけで音声を自動的にテキスト化し、後で簡単に見返すことができます。忙しい毎日の中でも効率的にメモを取り、情報を整理できるので、議事録の作成やインタビューにぴったりです。

本記事では、CLOVA Noteの魅力とその便利な使い方を紹介します。

CLOVA Noteは議事録を文字起こしするAI

「CLOVA Note（クローバ・ノート）」は、アップロードした音声ファイルをAIが文字起こしするサービスです。LINE WORKS株式会社が運営しています。

録音した会話を自動でテキスト変換できるので、議事録やインタビュー記事の作成に役立ちます。またスマホアプリを利用すれば、録音から文字起こしまでをワンストップで行うことが可能です。

利用時間

CLOVA Noteの利用時間は最大600分/月です。内訳は以下の通り。

• 毎月300分の利用時間を提供
• 「サービス向上のための音声データ収集の同意について」に同意すると＋300分

CLOVA Noteにおける利用時間とは、アップロードした音声ファイルを文字起こしできる時間のことです。たとえば、60分のインタビュー音声をテキストに変換した場合、利用時間が60分消費されます。

利用時間の残りに関しては、「アカウント設定」で確認可能です。

また、CLOVA Noteの利用時間は毎月更新されます。

対応言語

CLOVA Noteの対応言語は以下のとおりです。

• 日本語
• 英語
• 韓国語
• 中国語（簡体字）
• 中国語（繁体字）

日本語だけでなく、幅広い言語をカバーしています。

また、CLOVA Noteは随時アップデートが行われているので、対応言語の種類も増えていく可能性が高いです。

対応ファイル

CLOVA Noteにアップロードできる音声ファイルの種類は以下のとおりです。

• m4a
• mp3
• aac
• amr
• wav

お手持ちの音声ファイルの種類がわからない方は、プロパティでご確認ください。

また、任意にはなりますが、外部サービスを利用して音声ファイルを変換することも可能です。音声ファイルの種類がCLOVA Noteにアップロードできないものの場合、セキュリティや安全性を精査したうえで活用をご検討ください。

ファイルサイズ

CLOVA Noteが対応しているファイルサイズは300MBまでです。

変換可能時間

CLOVA Noteの変換可能時間は180分です。つまり、録音時間が180分までの音声データであれば、1度のアップロードで文字起こしできます。

また、CLOVA Noteのスマホアプリで利用する場合、180分を超えると自動的に録音が終了し、そのまま文字起こしへと進みます。

CLOVA Noteの始め方

ここでは、CLOVA Noteの始め方を解説します。

まずはスマホアプリをダウンロードしてください。アプリの正式名称は「LINE CLOVA Note」です。

次に、LINEアカウントとの連携に進みます。「ログイン」をタップしてください。

認証作業を行います。

CLOVA Noteアプリを開きます。

次に利用規約の同意に進みます。上2つは必須項目ですが、「品質向上のためのデータ取得」に関しては選択制です。音声データを収集・保存されたくない場合はチェックしないでください。

「関心のある分野」を選択します。ここは何でも構いません。

ホーム画面が表示されればセットアップ完了です。

パソコン版のCLOVA Noteに関しても、「サービスサイトにアクセス」→「LINEアカウントでログイン」という流れは同様です。

CLOVA Noteの使い方

ここでは、CLOVA Note（スマホアプリ）の使い方を解説します。

• ノートの作成
• 編集
• 検索
• 割合
• 共有
• その他
• 再生バー（シークバー）

ノートの作成

まずは新しいノートを作成します。この際、録音から始めるのか音声データをアップロードするのかを選択してください。今回は録音から始めます。

今回の録音テーマは「CLOVA Noteの使い心地について」です。インタビュワーとインタビュイーの2人で行いました。

録音の終了ボタンをタップすれば、自動的に文字起こしがスタートします。

インタビューにかかった時間は約5分、文字起こしの所要時間は約1分です。

編集

文字起こし内容を編集する機能です。まずはペンのマークをタップしてください。

「音声記録の編集」画面が表示されます。

修正したい文章をタップして選択します。

好きな文章に変更し、「保存」をタップすれば完了です。

検索

文字起こし内容から特定のキーワードを抽出する機能です。まずは虫眼鏡のマークをタップしてください。

検索窓が表示されます。

抽出したいキーワードを入力すると、該当箇所が装飾されます。

割合

音声データの話者を識別し、話した分量がどれくらいかをデータで確認できます。まずは円グラフのマークをタップしてください。

「出席者の会話占有率」という形で割合が表示されます。

共有

ノートを共有する機能です。まずは矢印マークをタップしてください。

リンク作成ボタンが表示されます。

注意点として、共有リンクとパスワードがあれば誰でもノートにアクセスできるので、情報漏洩のリスクが生まれてしまいます。ノートを共有する際は音声データの話者に許可を取ってからにしましょう。

その他

縦の三点リーダーにはさまざまな機能が用意されています。

音声データのダウンロードをはじめ、フォントサイズの変更など細かな調整が可能です。

再生バー（シークバー）

音声データと文字起こし箇所を紐づける機能です。

画面下部の再生バーをタップすることで、その地点に該当する文字起こし箇所が装飾されます。

「インタビューの中盤で何の話してたっけ？」など、トピックを後から確認したい際に便利です。

CLOVA Noteの安全性・セキュリティ

CLOVA Noteの安全性・セキュリティに関して過度な心配は不要と思われます。その根拠は以下のとおりです。

• LINE WORKS株式会社が運営
• 音声データの収集及び保存にはユーザーの同意が必要
• 音声データは最新のセキュリティ設備がある国内データセンターに保管
• 音声データと顧客データの紐づけは不可能
• 音声データは会話の全体像をぼかすため分割して保存

前提として、「サービスの品質向上のためのユーザーデータの取得」に同意しなければ音声データが収集・保存されることはありません。

また、仮に音声データが収集・保存されたとしても、会話内容を分割したり、顧客データと紐づけができなかったり、第三者が悪用できない仕組みが施されています。

しかし、音声データと顧客データを紐づけられないということは、CLOVA Note側からの参照が不可能ということです。収集・保存された音声データを後から削除することもできない点は覚えておきましょう。

CLOVA Noteでアップロードできない！エラー時の対処法

CLOVA Noteでは、「アップロードできない」「文字起こしでエラーが出る」といったトラブルを耳にします。考えられる原因は以下のとおりです。

• ファイルの種類・サイズが合ってない
• サービス側の不具合

それぞれ詳細をチェックしましょう。

ファイルの種類・サイズが合ってない

CLOVA Noteにアップロードできるファイルをおさらいしましょう。

【ファイルの種類】

• m4a
• mp3
• aac
• amr
• wav

【ファイルサイズ】

• 300MB
• 180分

たとえば、インタビュー時間が4時間に及ぶ音声データなどはアップロードできません。

アップロードできずエラーになる場合、ファイルの種類・サイズを再確認してみましょう。

サービス側の不具合

ファイルの種類・サイズが合っているにもかかわらずアップロードできない場合、サービス側の不具合が考えられます。まずは以下のレビューをご覧ください。

ログインできなくなった
すごく使いやすくて、文字起こしアプリとしては課金なしで使える貴重な存在だったのに、文字起こし編集をして保存したらいきなりフリーズしたのアプリを終了してみたら、ログイン出来なくなってしまいました。LINEアプリを入れていないiPadなのでスマホの方でやってみても、ログイン中に問題が発生したので、再度ログインしてくださいと出たので何度もメルアド、パスワードを入力してやり直したのですがログインできず… LINEのメルアド、パスワードが間違っているのかLINEアプリで確認もしてパスワードを変更したり、アプリを削除し再インストールしたのに全くログイン出来ません！アプリ評価のサイトを検索してみたら同じように怒っている方が多数いました。iOS17 のアップデートに追いついていないからか？今までの音声データ返してください… 本当に困っています。

デベロッパの回答
CLOVA Note運営事務局です。CLOVA Noteのご利用ありがとうございます。ご不便をおかけして大変申し訳ございません。11月12日は、一時的にログインしづらい事象か発生しておりました。万が一、現在も問題が解決していない場合は、お客様センターにお問い合わせください。お問い合わせフォーム『https://share.hsforms.com/1SbgXbnecRTOiz5Xas9FkAA3rwus』からご連絡をお願いします。

引用：CLOVA Noteアプリストアのレビュー

CLOVA Noteはリリースされたばかりのサービスです。軽い不具合は今後も発生する可能性があるでしょう。その点を考慮しながら実務に取り入れてください。

CLOVA Noteの良い評判

ここでは、CLOVA Noteの良い評判をご紹介します。まずはアプリストアでのレビューです。

総合点数は星4.6とかなり高評価です。実際のレビューをチェックしても、べた褒めと言っていいほどの内容が目立ちました。

次に、X（旧Twitter）上での良い評判です。

取材で「LINE CLOVA Note」頼みとなって以来、サービスのクセが徐々に分かってきた。起こしを原本として残して、コピー上でインタビュー原稿としての流れをいったん整理。「ちょっと」「本当に」「なるほど」などのよけいな言葉を「すべて置換」でバスバス切っていくと、記事の原型をザックリと作れる

— カネコシュウヘイ📇企画・編集・ライター (@sorao17) September 16, 2024

すでに実務でフル活用されている方がいらっしゃるようです。

文字起こしツール、いろいろ試したけど無料だとCLOVA Noteが一番使いやすい気がする。分からない単語をカタカナで書いてくれるだけでかなりストレスが減る。

— ささゆき (@neko_ban_cho) September 12, 2024

また、他の文字起こしツールと比較した上で、CLOVA Noteが一番使いやすいという意見もありました。

総じて、ポジティブなレビューがかなり目立つサービスです。

CLOVA Noteの悪い評判

CLOVA Noteの悪い評判をアプリストアで探してみました。

「アップロードできない」というレビューが目立ちました。こちらの考えられる原因と対処法に関しては、前述した「 CLOVA Noteでアップロードできない！エラー時の対処法 」を参考にしてください。

肝心の文字起こし機能に関しては、否定的な意見がほとんどない印象です。

CLOVA Noteの料金プラン

CLOVA Noteに料金プランは存在せず、完全無料で利用できます。

ただ、有料版がないということは、利用時間を課金で延長・追加できないということです。

600分以上文字起こししたい場合はどうすればいいですか？

現在のCLOVA Noteで提供している利用時間は最大600分となっております。
※今より利用時間が増える有料プランについて現在検討中ですので、準備が整いましたらご案内させていただきます

引用：よくある質問|CLOVA Note

MTG（ミーティング）が頻繁にあったり、取材メインで活動していたりする方にとっては、少し時間が足りないと感じる可能性があります。

ただ、CLOVA Noteのβ版は近々終了し、正式版の「LINE WORKS AiNote」がリリースされる予定です。その際の料金プランは以下の通り。

有料プランが用意されており、利用時間が600分/月よりも伸びる可能性があります。

LINE WORKS AiNoteの詳細は後述します。

Cova Noteの沿革

CLOVA Noteの大まかな沿革は以下のとおりです。

1. 2022年5月24日：β（ベータ）版がリリース
2. 2022年6月8日：対応言語に英語と韓国語を追加
3. 2022年9月30日：中国語を追加
4. 2022年10月3日：共有機能を追加
5. 2024年3月6日：フィラー除去機能を追加

また、2024年11月下旬には、CLOVA Noteの正式版である「LINE WORKS AiNote」がリリースされます。今後のスケジュールは以下のとおりです。

1. 2024年9月18日：β期間終了、正式版リリースの発表
2. 2024年11月下旬：「LINE WORKS AiNote」のフリープランがリリース
3. 2025年3月下旬：β期間の終了
4. 2025年春頃：LINE WORKS AiNoteの有料プランがリリース

LINE WORKS AiNoteでは、web会議連携や分析など新たな機能が追加予定です。

また、正式版のリリースを記念して、フリープランで利用時間が1,000分になるキャンペーンも計画されています。詳細は判明次第追記します。

CLOVA NoteとNottaの比較

CLOVA Note以外で人気の文字起こしAIといえば「Notta」です。音声認識の精度が98.86%に上るなど、非常にハイクオリティなサービスを提供しています。もちろん無料プランも存在します。

ただ、CLOVA Noteといくつか異なる点があるので要注意です。具体的には以下の通り。

• リアルタイム機能の有無
• 無料の利用可能時間
• ビデオ会議との連携

それぞれ詳細を解説します。

リアルタイム機能の有無

Nottaはリアルタイム機能を導入しています。ミーティングやインタビューの内容をリアルタイムで文字起こし可能です。

一方、CLOVA Noteは音声ファイルをアップロードする必要があります。インタビューやミーティングが完了し、音声ファイルを一旦用意してから文字起こしが始まる仕組みです。ただ、スマホアプリ版のCLOVA Noteなら、録音が終了した後、自動的に文字起こしがスタートします。

無料の利用可能時間

CLOVA Noteの無料文字起こし時間は最大600分/月です。一方、Nottaの無料時間は120分/月で、かなり差があります。

また、Nottaの無料プランでは1回あたり3分までしか文字起こしできません。CLOVA Noteは180分の音声ファイルを1回で文字起こし可能です。

Nottaの詳細に関しては、こちらの記事を参考にしてください。
＞＞＞文字起こしAIのNottaとは？使い方や料金プラン・評判について解説！

ビデオ会議との連携

Nottaはビデオ会議との連携機能が用意されています。ZoomやMicrosoft TeamsのURLを取得すれば、Notta Botが会議に参加し、喋った内容をリアルタイムで文字起こししてくれる仕組みです。

一方、CLOVA Noteにそのような機能はありません。

CLOVA Noteのまとめ

今回は、AI文字起こしサービスの「CLOVA Note」について解説しました。押さえておきたいポイントは以下のとおりです。

• AIを活用した文字起こしサービス
• LINE WORKS株式会社が運営
• 毎月600分の文字起こしが無料
• 安全性やセキュリティに問題はない
• 正式版の「LINE WORKS AiNote」がリリース予定

AIを活用した文字起こしサービスは、なかなか実用的なものが見つかりません。しかし、CLOVA Noteは今すぐ実務に活用できるレベルといえます。興味のある方は導入してみてください。