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CtoC、BtoE、BtoG、GtoCと呼ばれるビジネスモデル

CtoCとは?BtoEとは?BtoGとは?GtoCとは?各取引形態について解説

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ビジネスの現場ではもはやお馴染みの、“〇to〇”(“〇2〇”)と称されるマーケティング用語のうち、本記事では「CtoC」「BtoE」「BtoG」「GtoC」にフォーカスします。

これらに対してはBtoBBtoCに比べると、ややマイナーな印象を持たれている方も少なくないかもしれません。が、実は世の中のあちこちで流通は活発です。

したがって、マーケティング分野に従事する身であれば、上記4つはいずれも無視できないものと考えます。

上記踏まえて、それぞれの定義はもちろん、特徴、メリット、注目されている背景、実際に主戦場としている企業や具体的なサービス事例まで幅広く解説します。

CtoCとは~個人間取引から生まれるビジネス~

CtoCとは~個人間取引から生まれるビジネス~

CtoCとは、「Consumer to Consumer」の略称です。物品やサービスの販売、購入を一般消費者同士で行います。すなわち、個人間取引を意味するビジネスモデルです。

以下、主な特徴をお伝えします。

代表的なCtoCビジネス

「CtoCビジネスの典型は何か?」と問われ、パッとイメージしにくい方もいるかもしれませんが、実は身近に感じられるものも多いといえます。

代表的なタイプは次の通りです。

・ネットオークションやフリマアプリなどの物販サイト
・知識、経験が生かせるスキルマーケット
・個人宅を旅行者に貸し出せる民泊サービス
・自家用車をスマホ一つでマッチングさせることのできるカーシェアリング

企業が行うCtoCを活用したビジネススキーム

CtoCのマーケットでは、主に取引の場となるプラットフォームを企業が用意します。企業の収益源は、サービスの利用料金や、取引価格から一部を得る手数料です。取引が多く成立するほど収益につながる仕組みのため、(プラットフォームを提供する企業側にとっては)ユーザーに登録してもらうことがまず重視されます。

そのため、信頼性を高めるべくさまざまな対策が必要です。具体的には、過去にその商品やサービスを利用した方との双方向に及ぶ「レビュー評価」、写真必須で身分証明書を提示させる「本人確認」、外部のSNSサービスと連携して認証が行われる「SNSコネクト」、決済を仲介して取引の完了後に料金を支払う「エスクロー方式」、安全性を担保する「クレジットカード登録」での決済保証……等々が挙げられます。

CtoCのメリット

CtoCにおいて売り手は、基本、余剰資産や自身の持ち合わせているスキルに応じた制作物を提供するため、わざわざ新商品を作る必要はありません。手軽に対価が得られやすい仕組みは、明らかにメリットといえるでしょう。他方、買い手もお得に欲しいものを入手できる傾向にあります。加えて、たとえ高価でも市場に出回っていない希少商品を見つけられるといったことも期待できます。いずれもCtoCだからこそ叶うことです。

さらには、プラットフォームを提供する企業にとってもありがたいメリットが存在します。それは自社で在庫を持つ必要がないことです。実際に取引される商品は消費者の手元にあるため、在庫が余剰・不良化するリスクがなく、管理する手間もかかりません。したがって、(運営するプラットフォームの)認知度向上や利用者数拡大のためのプロモーション、ユーザビリティの高いシステム構築、改善などに力を注ぎやすい環境下で事業に取り組めます。

CtoCが注目される背景

CtoCの根底には、若年層を中心に広く普及している「シェアリングエコノミー」の価値観があるといわれています。筆者も同感です。なぜなら件の形態は、“所有”でなくあくまで個人間で物品、場所、スキルなどを“共有”する仕組みで成り立っているからです。

個人で稼ぐ時代といわれるなか、この“共有”の風潮は今後さらに浸透していくものと思われます。然らば、CtoC市場の発展、成長はこの先も堅いでしょう。

実際のところ、経済産業省が2021年に発表した「令和2年度・産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、CtoCのEC市場規模は1兆9,586億円で、前年比12.5%の増加がみられます。世相も大きく影響しているとはいえ、やはり注目せざるを得ないビジネスモデルであることは確かです。

CtoCビジネスに取り組んでいる企業

CtoCビジネスを行う企業は数多存在しています。以下、厳選して紹介。
サービスを知ることで、(CtoCに対して)さらにクリアなイメージが持てるはずです。

株式会社メルカリ

もはや説明不用かもしれません。国内大手でありCtoC企業の筆頭格といっても過言ではない「株式会社メルカリ」では、雑貨や衣類、家具、家電……等々、個人が自由に売買できるフリーマーケット市場のプラットフォームを提供しています。会員登録や会費、出品手数料などが無料であるのに加え、匿名配送も可能。これらメリット尽くしの手軽さが人気を博し日々多くの利用者を生んでいます。なお、主な収益源は販売手数料です。

Airbnb, Inc.

Airbnb, Inc.は、民泊を提供する企業です。世界的に有名なため、当然ご存知の方も多いでしょう。プラットフォームの形としては実にシンプル。ホストが空き家・空き部屋を宿泊施設として用意し、利用できる場所を探しているゲストとマッチングさせるシステムです。今や世界220以上の国と地域で400万以上のホストが560万件を超える物件を登録し、10億回以上の取引を成立させているといいます。なお、会員登録や物件掲載は無料です。また、原則、予約確定時にホスト・ゲスト双方から徴収するサービス料が主な収益源に当たります。

BtoEとは~従業員の暮らしを豊かにするビジネス~

BtoEとは~従業員の暮らしを豊かにするビジネス~

BtoEとは、「Business to Employee」の略称です。企業が従業員向けに商品、サービスを提供するビジネスモデルを指します。

以下、主な特徴です。

代表的なBtoEビジネス

BtoEビジネスは買い手が従業員という特殊な形態ですが、意外と多くの現場で見受けられます。具体的には次の通りです。

・自社製品の割引販売
・(大量購入した)生活用品、お菓子、コーヒーなどの格安提供
・食事補助や割引価格での旅行・休暇制度
・自社株を権利行使価格で取得可能ないわゆるストックオプション

企業が行うBtoEを活用したビジネススキーム

導入企業が自社の従業員を対象にコストの全体または一部を負担して物品やサービスを安価に提供することは、いわば福利厚生の一環と捉えてもいいでしょう。とはいえ、一つのビジネスの形であることは間違いありません。従業員の帰属意識向上にもつながる期待が持てます。

BtoEのメリット

従業員の視点において、市場価格よりも割安で物を買えることはただただメリットです。他方、導入企業も同様に恩恵を賜ることになります。お菓子やコーヒーなども気軽に嗜める環境であれば、生産性の向上や働きやすさにつながるでしょう。

従業員はいわば長期的な優良顧客です。なおかつ各自の反応をテストマーケティングに用いることもできます。顧客目線でクリティカルな意見がシェアされることに加え、気に入ってもらえれば実際一消費者としてプライベートで購入される方も出てくるかもしれません。当然、SNS拡散も見込めます。こうして挙げてみると、思いのほかメリットの多さに気付けるはずです。

BtoEが注目される背景

前述したビジネススキームやメリットはまさにBtoEが注目される背景、要因といってもいいでしょう。福利厚生の充実、従業員満足度の向上、イメージアップ、採用戦略にもなり得る……等々、注目しないわけにはいきません。働き方改革も相まって、今後さらに浸透していくことが予想されます。

BtoEビジネスに取り組んでいる企業

BtoEビジネスの導入企業が増えているなか、以下の2社は、とりわけ象徴的あるいはユニークな取り組みをしています。

江崎グリコ株式会社(グリコチャネルクリエイト株式会社)

食品メーカー大手の江崎グリコ株式会社が始めたサービス「オフィスグリコ」(※2016年からは子会社のグリコチャネルクリエイト株式会社が展開)は、文字通りオフィス向け置き菓子サービスです。設置費用は不要。全国11万社以上で導入され、2016年には売上高53億円を突破。エリアによってはオフィスが多く、そこではスタッフが訪問して補充するなど柔軟に対応しています。また、エリア外では専用ボックスを設置。コストを抑えつつ全国で展開されています。回収率は約95%です。ビジネスモデルの優秀さに加え、商品力の高さを感じます。

クックパッド株式会社

大手レシピサイトでも有名なクックパッド株式会社のオフィスには、キッチンが完備されています。毎日新鮮な食材が用意され、従業員はモーニングでもランチでも自炊が可能です。また、自社が運営する置き配型生鮮食品のECサービス「クックパッドマート」で注文した商品は、オフィスの冷蔵庫でも受け取れます。忙しくて買い物できない時、好きな食材をリーズナブルに手に入れられることは、どうしたって便利です。加えて、自社のビジネスとサービスを顧客の立場から理解できる点もメリットに挙げられます。まさに企業と従業員をつなぐ、BtoEの本懐であり好例です。

BtoGとは~行政のシステムを進化させるビジネス~

BtoGとは~行政のシステムを進化させるビジネス~

BtoGとは、「Business to Government」の略称です。企業のサービスを、消費者ではなく行政(政府や自治体)に提供するビジネスモデルを指します。

以下、主な特徴です。

代表的なBtoGビジネス

独特の商慣習といってもいいBtoGビジネス。正直、イメージは難しいかもしれません。

いくつか代表的なビジネスケースを挙げます。

・道路工事や公共施設の建設といった公共事業の入札
・消耗品の販売
・政府や自治体が使用するシステムやアプリの設計

企業が行うBtoGを活用したビジネススキーム

BtoGビジネスでは通常、入札タイプによって取引相手が決められます。たとえば「一般競争入札」は公募により行われるものです。参加資格や条件をクリアしたうえで、提示した見積もり金額などが競合他社と比較されます。
「指名競争入札」は、参加の段階で行政に選ばれる必要あるため、実績のある企業や信頼度の高い大企業に絞られがちです。
「随意契約」ではそもそも入札を行いません。取引相手は端から行政が決定します。

また、BtoGビジネスに取り組む際に気を付けたいのがスケジュールへの目配り(管理)です。
行政や自治体では、予算や発注する企業を年間予定のうち限られた時期で決めていきます。タイミング次第では次年度に先送りすることも多いため、注意が必要です。

BtoGのメリット

BtoGは、与信が十分です。BtoBやBtoCのように、顧客が破産し、取引の対価が回収できず、自社も不利益を被るといったケース、リスクがまずないといえます。安心して取引できるでしょう。

BtoGが注目される背景

地方の行政や自治体は都市部に比べIT化に後れを取っている傾向にあります。たとえ小さな市場とはいえ課題自体は各地方、共通して起きていることが多いため、一つの解決策が複数のビジネスへとつながっていく期待は持てます。

BtoGが注目される理由、背景はまさにそれです。全国展開を視野に入れて積極的に参入する企業は年々増えています。また、税金が使用されることだけあってBtoGビジネスは非常にフェアです。公平・公正・透明なプロセスで以て発注先が選ばれます。チャンスはどの企業にも基本、平等に開かれているといえるでしょう。魅力的なサービスを作ることで、スタートアップ企業も勝負できます。注目が集まるのも納得です。

BtoGビジネスに取り組んでいる企業

BtoGビジネスに取り組むにあたっては、やはり先進からヒントを得るのが得策でしょう。以下、代表的な企業を紹介します。

楽天株式会社

楽天株式会社が展開する自治体向けのサービスに「楽天ふるさと納税」があります。

つい誤解されがちですが、このプラットフォームは、自治体と納税者をつなげる場の提供に留まるものではありません。返礼品の選定から寄付者への対応まで業務を一括代行するプランも用意されています。さらには、クラウドファンディングの仕組みを作ったうえで、災害時の支援募金、地方プロジェクトの資金調達……等々、幅広く活用できる点も特長です。

LINE株式会社

LINE株式会社が自治体向けに展開しているサービス「LINE for Government」では、自治体の公式アカウントを作り、防災・生活情報の配信やキャッシュレス決済(LINE Payを利用した公共料金の支払いなど)といったあらゆる公共サービスの手続きをLINE上で行えるようにしています。たとえば渋谷区の公式アカウントでは、顔認証技術を使ったオンラインでの本人確認により住民票や納税証明書などの申請から手数料の支払いまでが可能です。書類も郵送してもらえるため、区役所に出向かずとも必要書類を取得できます。

GtoCとは~日常生活にITを浸透させるビジネス~

GtoCとは~日常生活にITを浸透させるビジネス~

GtoCとは、「Government to Consumer」の略称です。行政が一般消費者にサービスを提供するビジネスモデルを指します。

以下、主な特徴です。

代表的なGtoCビジネス

普段、民間の企業で働いている方からするとGtoCビジネスは馴染みが薄いものと思われます。が、以下挙げたいくつかのサービスに対しては親近感を覚えることもあるはずです。いずれも日常生活や世間を取り巻くニュース、トピックと強く根付いていることがわかります。然らばこれまで特に意識してこなかったであろうGtoCビジネスも、視野に入りやすくなるでしょう。

・住民票や戸籍謄本、パスポートの発行
・オンラインでの納税や確定申告を可能にする国税電子申告・納税システム(e-Tax)の提供
・地方自治体が運営する図書館やスポーツジムの電子予約
・行政情報の公開
・オリンピック・パラリンピックのチケット販売

GtoCが注目される背景

契機となったのはおそらくデジタル手続法でしょう。この法律によって国の行政手続を原則オンライン化することが定められ、電子署名による本人確認や手数料の電子納付、デジタル化を実現するための情報システム整備が実施されるようになりました。行政サービスの簡素化、効率化も進み、住民票の移転手続きやガス・水道の契約変更、相続・死亡の申請もインターネットで完結。こうした各自治体、そして政府がIT化を促進する潮流は、まさしくGtoCビジネスの盛況を表象しているといえます。

GtoCビジネスの主な事例

本項では自治体、政府が提供している取り組み、サービスを紹介します。

ふるさと納税

すでに多くの自治体がインターネット経由で受付を開始しています。総務省の「ふるさと納税に関する現況調査」(2021年度実施)によれば、2020年度のふるさと納税の受入額は、約6725億円(前年度比:約1.4倍)、受入件数は約3489万件(同:約1.5倍)と、拡大傾向です。

マイナポータル

政府主体の行政手続きポータルサイト「マイナポータル」では、マイナンバーカードを使用することで、児童手当や介護手続きのWeb申請、所得税・地方税の納付情報確認、e-Taxやねんきんネットとの連携などが可能になります。今後はさらに、パスポートの申請、確定申告の際の医療費控除などサービスが拡大、増加していく予定です。

ビジネス理解を深めるCtoC、BtoE、BtoG、GtoCへの知見

ビジネス理解を深めるCtoC、BtoE、BtoG、GtoCへの知見

拙稿で取り上げたCtoC、BtoE、BtoG、GtoCの4つについて知ることは、いずれもビジネス理解を深めるために肝要な学びだと考えます。当然、自社ビジネスに置き換えることも可能です。新たなビジネスモデルを模索している場合はなおさら好都合でしょう。

無論、商売相手を企業、一般消費者に限定する必要はありません。従業員でも行政でも柔軟にターゲットを変えていける体制が整っているのであれば、それは望ましいことです。

手段、方法、戦略はさまざま。さらには、それぞれの特徴は決して独立したものではなく、状況によっては相互に適用できる可能性すらあります。

いずれにせよ、知見が増えることは大きな収穫です。その分選択肢ひいてはビジネスチャンスが広がるものと思われます。

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この記事を書いた人

ヒゴ
無知、無能、無粋、無才、無点法……。SEOやアクセス解析に腐心しつつも、それらはまるで逃げ水のように追いかけては遠く離れ、ようやく掴んだと思った矢先にはシビアな現実を突きつけられる有様です。あるいはライターとして名を連ねることに気後れしながら、日曜大工のスタンスで恣意的かつ箸にも棒にもかからない駄文をまき散らしています。隠し切れない底意地の悪さ。鼻持ちならない言い回し多数。どうかご容赦ください。

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