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データクレンジングとは?具体的なやり方とおすすめツール6選

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マーケティングリサーチや営業活動など、幅広い業務で利用される顧客データ。高品質な状態で維持するためには、記入ミスや表記ゆれ、重複データなどが放置されないよう、定期的にデータクレンジングを行う必要があります。

具体的にどのような作業を行うのか、本記事ではデータクレンジングの意味ややり方、実施するメリットなどを解説したうえで、おすすめのツールを6選を紹介していきます。

データクレンジングとは?

データクレンジングとは、MA・SFA・CRMなどに蓄積されたデータのなかから不具合を見つけ出し、一定の基準に基づいてデータを整理・統一化することを指します。

たとえば、欠損データを補完したり、表記ゆれを統一したり、誤記を修正したり。一見きれいに見えるデータも時を経るごとに品質が低下していくため、高品質な状態を保つためには定期的な整備が欠かせません。

せっかく集めたデータも重複や不備が多発している状態では十分に活用できないため、データクレンジングは組織全体のパフォーマンスを上げるうえで、非常に重要な作業といえるのです。

※MA・SFA・CRMについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>マーケティングツールとは?種類や選び方、運用方法までやさしく解説

データクレンジングとデータクリーニングの違い

類似用語に「データクリーニング」という言葉がありますが、双方に大きな違いはありません。 呼び名が違うだけで、意味はほとんど同じなので、データクレンジングの別名という認識で問題ないでしょう。

データクレンジングと名寄せの違い

また、データクレンジングと混同されがちな言葉に「名寄せ」という言葉もあります。データクレンジングの処理の1つとして捉えられるケースも多いですが、こちらは重複している複数のデータを1つにまとめる処理のことを指すため、少し意味が異なります。

どちらか一方だけでもデータの精度は高まりますが、可能であれば両方行うことが望ましく、順番としては、先に名寄せで重複したデータを消し、その後にデータクレンジング(データクリーニング)でデータを修正するのが一般的です。

データクレンジングを行う3つのメリット

それでは、データクレンジングを実施することにより、どのようなメリットが得られるのでしょうか。

主なメリットとして、次の3つが挙げられます。

①データ分析の精度が高まる
②業務効率が上がる
③顧客との信頼関係を維持できる

上から順に詳しく確認していきましょう。

①データ分析の精度が高まる

データクレンジングを実施する最大のメリットは、データ分析の精度向上が見込める点です。

ノイズの多いデータや古いデータは、分析しても正しい結果を得られない可能性がありますが、データクレンジングによってデータを最適化することで、より正確な分析結果が期待できます。

未整備のデータは高確率で誤記や不備が放置されており、そのまま分析してしまうと、ミスリードを招く恐れがあるため、データクレンジングはデータを活用するうえで欠かせないプロセスといっても過言ではありません。

②業務効率が上がる

整備されていないデータは誤記や重複、欠損といった不具合が多発しているため、検索しても該当データがヒットしなかったり、重複して抽出されてしまったり……と、正確なデータにたどり着くまでに時間がかかってしまいます。

一方、データクレンジングを行ったデータは上記のような問題が少ないため、膨大な顧客情報のなかから必要なデータをピンポイントで探し出せる可能性が高いです。無駄な時間や手間をかけることなく本来の業務に集中することができるので、効率的に業務を進められるでしょう。

③顧客との信頼関係を維持できる

低品質な顧客データを使って営業活動を行ってしまうと、すでに取引のある相手に何度もアプローチしてしまったり、昔の担当者名で連絡してしまったり……と、顧客の信頼を損なうような行動を起こしてしまう恐れがあります。

1度失った信頼を取り戻すのはそう簡単なことではなく、場合によっては、たった1度の過ちで長年の苦労が水の泡になってしまう危険性もあるため、企業の信頼を守るためにもデータクレンジングは行っておいて損はないでしょう。

データクレンジングのやり方

続いて、データクレンジングの大まかな流れを次の3ステップに分けて解説していきます。

Step1.各種データを統合する
Step2.データを整える
Step3.データを活用する

1つずつ確認していきましょう。

Step1.各種データを統合する

まずは、データクレンジングの対象となるデータを1つのデータベースに取り込んでいきます。複数のファイルからすべてのデータを取り込んでクレンジングすることも可能ですが、不要な項目が含まれていると作業効率が悪くなってしまうため、対象外のデータは事前に省いておいたほうがいいでしょう。

なお、Excel、Word、CSV、XML、PDFなど、元々のファイル形式が異なる場合は、取り込む前にすべて同じ形式へ変換しておくとスムーズです。

Step2.データを整える

対象となるデータを取り込めたら、実際に名寄せ・クレンジング処理を施していきます。

ここで最も重要なのは、事前にルールを決めておくこと。たとえば、どのようなデータを重複とみなすのか、企業名の法人格は「㈱」「(株)」「株式会社」のどれに統一するのか、姓名の間に半角スペースは含めるのか、電話番号にハイフンは付けるのかなど、データ活用の目的を踏まえたうえで、細かくルールを設定しておきましょう。

Step3.データを活用する

最後に、クレンジング処理後のデータを業務で活用しやすいよう整理していきます。部署別や目的別などで分類し、販促活動や営業活動に役立てていきましょう。

データクレンジングツール導入時にチェックしたい4つの比較ポイント

データの取り扱いに精通しているスタッフが在籍している場合は、「Excel」や「Google スプレッドシート」などを用いて社内で実施することも可能ですが、扱うデータが膨大だったり、リソースが不足していたりする場合は、専用のツールを活用するのがおすすめです。コストは発生しますが、手作業によるヒューマンエラーが発生する心配もありませんし、膨大なデータも迅速かつ正確に整えることができるので、効率的に業務を進められます。

しかし、一口にデータクレンジングツールといって、製品によってその特徴はさまざまです。安易に導入してしまうと「コストをかけたにもかかわらず、期待通りの結果を得られなかった」という結果にもなりかねないため、導入前に必ず複数のツールを比較検討するようにしましょう。

なお、その際にチェックしておきたいポイントは、主に4つあります。

①保有している企業データの数
②データの鮮度
③補完可能な項目
④費用

上から順に詳しく見ていきましょう。

①保有している企業データの数

まず確認しておきたいのが、各ツールの企業情報の保有数です。データクレンジングツールを提供している会社の多くは、情報の正確性を高めるために独自の企業データベースを保有しています。保有している情報が少ないと補完できる範囲も狭まってしまうため、企業情報を多く保有する網羅性の高いツールを選ぶようにしましょう。

②データの鮮度

データクレンジングの精度を高めるためには、データの鮮度も重要です。どれだけ多くの企業データを保有していたとしても、その情報が古いままでは高い精度は期待できないため、メンテナンスの有無や頻度も忘れずに確認しておきましょう。

③補完可能な項目

データクレンジングツールは、製品によって補完できる内容が異なります。企業名・電話番号・住所・業種といった基本情報のほか、資本金や売上高、従業員数といった詳細な情報を補完できるツールもあるため、目的の項目が補完対象に入っているかどうかも必ずチェックしておきましょう。

④費用

データクレンジングツールは、製品や依頼内容などによって料金が異なります。公に価格が公開されていないケースも多いため、気になるツールがあれば、まず見積もりを依頼し、各社の費用を比較してみてください。

なお、ツールによっては無料トライアルも用意されているため、事前に試用してから導入の可否を決めてもいいかもしれません。

おすすめのデータクレンジングツール6選

以上を踏まえたうえで、おすすめのデータクレンジングツール・サービスを6つ紹介します。

・uSonar
・Valu∞
・Precisely Trillium
・Talend Data Preparation
・Dataprep by Trifacta
・Tableau Prep

各製品の特徴を簡単に見ていきましょう。

uSonar

「uSonar」は、820万拠点におよぶ膨大な企業データベースを保有し、高精度なデータクレンジングを可能とする顧客データ統合ツールです。国内拠点網羅率は驚異の99.7%を誇り、行政・医療・福祉施設など民間企業以外のデータも充実しているため、業種や企業規模を問わず、さまざまな分野で活用できます。

また、年間2,000万項目もの自動データメンテナンスが実施されているのも魅力的です。情報の鮮度にも期待がもてるため、継続的に利用することで、常に高品質な状態を維持することができるでしょう。

公式サイト:uSonar

Valu∞

「Valu∞」は、15年以上の実績とノウハウを持つデータクレンジング・名寄せサービスです。電話帳データベースや姓名辞書、法人名辞書など、さまざまなコンテンツやツールを駆使してクレンジング処理を行うため、高精度な結果が期待できます。

また、プランは4種類用意されており、利用目的や期間、自社の体制に応じて選択することが可能です。オプションで電話番号の照合や属性情報の付加も依頼できるため、あわせて依頼すればデータの品質を大幅に向上させることができるでしょう。

公式サイト:Valu∞

Precisely Trillium

「Precisely Trillium」は、世界で約2,000ユーザー、日本でも約250ユーザーの実績を誇るデータクレンジング・名寄せツールです。各種辞書を用いてクレンジング処理を施すため、精度の高いデータベースに仕上がります。名寄せの条件も柔軟に設定できるため、幅広い用途に活用できるでしょう。

また、「クレンジング・名寄せ受託サービス」や「データ分析受託サービス」も用意されているため、社内にリソースが足りない場合は一括で依頼することも可能です。


公式サイト:Precisely Trillium

Talend Data Preparation

「Talend Data Preparation」は、組織全体でデータ活用しやすくなるように配慮されたデータクレンジングツールです。機械学習機能が備えられており、膨大な情報のなかから異常値を素早く検出できます。

また、ExcelやCSVファイル、クラウドアプリケーションなど、さまざまなデータセットから手軽にデータを取り込むことができるのも魅力の1つ。効率的にクレンジング処理を施せるので、スピーディーに分析業務へと移れるでしょう。

無償試用版も用意されている(2023年2月時点)ので、興味のある方は実際に機能を確認したうえで本格導入を検討してみてはいかがでしょうか。

公式サイト:Talend Data Preparation

Dataprep by Trifacta

「Dataprep by Trifacta」は、Google パートナーの「Trifacta」が運営しているサービスです。多種多様なファイル形式のデータを瞬時に把握し、データの型やエラー(欠損値や重複値など)を迅速に検知できます。データをどのように変換するかを予測して提案までしてくれるため、コア業務である分析に注力できるでしょう。

また、数回のクリックでクレンジング処理を行うことができるため、自身でコードを書く必要がありません。この手のツールを初めて利用する方や、プログラミングが苦手な方でも使いやすくなっているのは大きな魅力といえるでしょう。

公式サイト:Dataprep by Trifacta

Tableau Prep

「Tableau Prep」は、「Tableau Prep Builder」と「Tableau Prep Conductor」という機能の異なる2種類の製品で構成されたツールです。

「Tableau Prep Builder」では、分析に向けたデータの結合・変換・クレンジングができるようになっており、データベースの行・列・全体の3つのプロセスを1画面で同時に確認できます。修正を加えた場合も即座に反映されるため、クレンジング結果をすぐに確認することが可能です。

「Tableau Prep Conductor」では、業務全体のフローを共有・管理をできるようになっています。スケジュールを設定したり、フローに異常がないか監視したりできるため、予期せぬトラブルが発生した場合も落ち着いてスムーズに対処できるでしょう。

公式サイト:Tableau Prep

データクレンジングを実施する際の注意点

最後に、データクレンジングを行う際の注意点を2つ紹介します。

・定期的に実施する
・最後に目視で確認する

それぞれ確認していきましょう。

定期的に実施する

データを高品質な状態で保つためには、定期的な整備が欠かせません。

データベースには日々新しい情報が取り込まれており、1度限りのデータクレンジングで満足して、その後放置してしまうと、徐々に質が下がっていってしまうため、最低でも月に1回はクレンジング処理を行い、データの品質を維持できるようにしましょう。

最後に目視で確認する

データをより正確なものにするためには、目視での確認も不可欠です。

ツールである程度の整備はできますが、機械では判断しきれないものが含まれているケースも多く、ツールに頼りすぎてしまうと、重複や欠損といった不具合がそのままスルーされてしまう可能性もあるため、データクレンジング実施後は必ず目視での確認も行うようにしましょう。

データを有効活用するためにはデータクレンジングが不可欠

今回は、データクレンジングについて解説してきました。未整備のデータは、業務効率の低下を招くだけでなく、最悪の場合は顧客トラブルに発展してしまう可能性もあります。どれだけ入力時に気を配っていても、高確率で記入の抜け漏れや表記ゆれが発生してしまうため、長期にわたって手を加えていない場合は、ぜひデータクレンジングの実施を検討してみてください。

また、後半でお伝えしたように、データクレンジング専用のツールも多数登場しています。費用は発生しますが、企業全体のパフォーマンスを高めるうえで欠かせない重要な作業といえるので、こういった外部ツールの利用も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

ながた
編集プロダクションで旅行ガイドブックの取材・制作に携わった後、Webライターの道へ。お酒と激辛料理をこよなく愛するインドア派。シーズン中はもっぱら野球観戦。

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