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デザイン思考

デザイン経営・デザイン思考とは?事例・例題テストで学ぼう

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ビジネスの場面で求められるさまざまな能力のなかでも、相手のニーズを的確に捉える「観察・分析」の力と、目標を達成するための「課題解決」の力は、とりわけ汎用性が高いです。

このような力を組織レベルで高めていくうえで、特定の思考パターンやフレームワークを範型として取り入れ、社内に浸透させていく意義は小さくありません。実際に、創造的な発想により世界をリードする企業のなかには、体系的な思考の方法論を取り入れているケースが多く見られます。

こうした方法論の代表的なものとして、デザイナー的な発想や、設計のプロセスを「ビジネス一般に応用可能な思考様式」へと落とし込んだ「デザイン思考」が挙げられます。

AppleやGoogleにおいても採用されるデザイン思考のフレームワークは、開発や設計といった領域を超え、「現状を分析し、解決策を導く」という普遍的な課題解決モデルとして活用されているのです。

デザイン思考がもたらす創造性や生産性に着目し、これを軸に据える経営のあり方として、現在「デザイン経営」が新たな時代のスタンダードとなりつつあります。AIやIoTといった技術によるビジネスモデルの転換や、仮想空間によるユーザーエクスペリエンスの変革など、めまぐるしい変化に対処するための指針として、デザイン思考は大きな役割を果たしうるといえるでしょう。

この記事では、デザイン思考のフレームワークや、それを経営に取り入れる意義をふまえ、デザイン経営の成功事例を紹介していきます。加えて、実際にこれから「デザイン思考の力を高めたい」という方に向け、「デザイン思考テスト」の概要と対策法についても解説します。

デザイン経営・デザイン思考とは

考える男性

デザイン思考(デザインシンキング)とは、もともとデザイナーがその制作過程において用いる思考プロセスを指す言葉です。

工業製品や広告素材など、デザイナーが制作時に重んじるのは「ユーザーの目にどう映るか」という観点であり、ユーザーにとっての「わかりやすさ・使いやすさ」を実現するため、アイデアを具現化していきます。ここで挙げるデザイン思考は、このようなプロセスに見られるデザイナーの方法論を、汎用性の高い「課題解決のフレームワーク」に落とし込んだものです。

その要点は、「ユーザーの満足度を視野に入れながら、課題の解決に焦点を当て、仮説と実証を繰り返す」ことにあります。つまり、ユーザーが求める体験価値を客観的に分析し、実証的なプロセスを通じてニーズに応える方法を創出していくことが、デザイン思考の本質だといえるでしょう。

経営においても求められるデザイン思考

上述のような「デザイナー的な思考様式」は、デザイン領域だけではなく、「状況分析や課題解決が求められる場面全般において有効に機能すると考えられます。

従来であれば、デザイナーの役割は「企画されたものを形にする」ことであり、具体的には「開発・設計」といった領域に限定されるものでした。ところが現在では、デザイナー的観点の重要性が認知されるようになり、「プロジェクトの立ち上げ」や「組織経営」においてもデザイン思考を取り入れる意義が強調されています。

このような背景から、実際の用法において、「デザイン思考」という言葉が包含する領域は広がっているといえます。デザイン思考を活用した経営のあり方を「デザイン経営」と呼びますが、この場合の「デザイン」は狭義の「デザイナー的発想」だけではなく、より広く「生産的・設計的な思考プロセス」を指して用いられるケースが多いです。

たとえば「ホームページや商品パッケージなどのデザインを重視すること」も、デザイン経営の例として考えられますが、あくまでこれは1つの側面に過ぎません。ユーザーの需要や行動を適切に把握しながら導線を設計する際のプロセスや、さらには組織における「課題解決の枠組み」全般においても、「デザイン」の観点を取り入れることがデザイン経営の本質といえるでしょう。

デザイン思考が注目される背景

今後の社会においては、ビッグデータやAI、IoT技術の浸透により、産業構造の劇的な変化が予想されています。これにともない、効果的なビジネスモデルも変遷していくと考えられますが、その際にはビッグデータを適切に扱いながら、顧客のニーズを満たす手法を確立していくことが求められるでしょう。

さらに、AR・VR技術やNFTなど、仮想空間に関連する技術を通じて、ユーザーエクスペリエンスにも新たな形が生まれてくると考えられます。

このような時代変化のなかでは、ユーザーに対して「どんな価値を」「どのような方法で」提供すればよいのか、技術的かつユーザー目線から答えを導いていく方法論が必要になります。その際、構造的な視点をふまえつつ、実践的な解決策を形にするうえで、建設的・創造的なデザイン思考が重要な役割を担うと期待されているのです。

実際に、デザイン思考は多くの企業に導入されるに留まらず、アメリカ合衆国を中心に「教育プログラムの一環」としても扱われています。ハーバードビジネススクールやマサチューセッツ工科大学をはじめ、デザイン思考を正式科目として取り入れている教育機関も多く、デザイン思考が「次世代を担う人材のスタンダードなスキル」と見なされているといっても過言ではないでしょう。

経済産業省・特許庁による「『デザイン経営』宣言」

デザイン思考を推進しているのは、一般企業だけではありません。経済産業省と特許庁は、デザイン思考の普及による国内産業の競争力向上を目指し、2018年に研究報告書「『デザイン経営』宣言」を発表しました。

同宣言を通じて、デザイン思考の意義や、導入における課題が示され、宣言の後にもハンドブックや事例集の発行など、経営層を中心にデザインの観点を浸透させるための取り組みがなされています。

同宣言においては、デザイン経営を「デザインを企業価値向上のための重要な経営資源として活用する経営」と定義し、そのための必須要件として「経営チームにデザイン責任者がいること」「事業戦略構築の最上流からデザインが関与すること」という2点を挙げています。

組織の中軸からデザインの重要性を認識し、観察によるニーズの発見や、解決策の具体化のプロセスにおいてデザイン思考を取り入れていくよう推奨されるなど、諸産業の発展に向け、新たな思考様式の定着が目指されていることが読み取れるでしょう。

(参照:経済産業省「ビジネスパーソンに向けた、デザイン経営の事例集を取りまとめました」)

デザイン思考のフレームワーク

企画中

デザイン思考のフレームワークは、導入する企業によって形が異なりますが、現状分析から課題解決に至るまでの大きな枠組みには共通するポイントも多く見られます。

イギリスのデザイン研究者であるNigel Cross(ナイジェル・クロス)氏は、デザイン思考のプロセスを「背景の分析と問題の発見・枠組み設定」「アイデアと解決策の創出」「創造的思考と描写」「モデル化と試作」「テストと評価」というように分類しました。

以下ではデザイン思考のフレームワークを概観するため、この分類に則りながらプロセスを解説していきます。

背景の分析と問題の発見・枠組み設定

デザイン思考においては、まず問題を可視化し、その焦点を明確化するプロセスが必要です。解決すべき課題は言語化・可視化されていないところで生じているケースも多く、これを問題として掬い上げることが最初のステップとなります。

不明瞭な問題を明確化し、目に見えるようにするには、さまざまな切り口からの観察・考察が必要です。デザイン思考においては、課題発見の切り口を得るために「共感」が重視されています。

現状のサービスを社員自身が体験してみるなど、ユーザーの目線から「気になるところ」「欲しいポイント」を捉えることが問題の可視化につながります。生の体験をベースにしながら問題を浮かび上がらせ、これを技術的に解決可能な課題として定義し直す思考が求められるでしょう。

アイデアと解決策の創出

一般に、科学的思考においては「発見された問題を深く掘り下げる」ことが重視される傾向にありますが、デザイン思考においては「問題に対する実践的な解決を導く」ことに焦点が当てられます。

「問題の構造がどうなっているか」という点のみを追究するのではなく、あらかじめ解決に向けた視点から問題の骨組みを取り出し、具体的な解決策を検討していく力が求められるのです。

創造的思考と描写

有効な解決策を見定め、それを具体的な行動案として設計していくうえでは、「何が状況に即した策か」を適切に推論する必要があります。この際、デザイン思考においては経験やデータにもとづく「仮説的推論」の手法が重要だとされています。

仮説的推論とはアメリカ合衆国の哲学者・パースの提唱する学問上の思考様式であり、現実に起きている事象に対して、それに該当する規則や原因を仮定し、もっとも蓋然性の高い(ありえそうな)ものを仮説としてピックアップする方法です。

パースの例では、テーブルに白い豆が落ちており、その周辺に違う種類の豆が入った複数の袋が置いてあるとき、「テーブルにあるのは白い豆が入った袋から出たものだろう」と推論する過程が挙げられています。

もちろんこれは推論に過ぎず、テーブルに落ちている豆は「赤い豆と白い豆が混在した袋から、白い豆だけを取り出したもの」である可能性など、実際にはさまざまな選択肢が考えられるでしょう。

このように、仮説的推論はあくまで「もっともありそうな選択肢」をピックアップする方法であり、「正しい選択肢」を確定させる方法ではありません。一方で、ビジネス上の問題において「創造的な解決策」を導くうえでは、この仮説的推論のモデルは有効に活用しうるといえるでしょう。

蓋然性の高い推論を行うためには、その材料として経験やデータの豊富さや発想の豊かさが必要になります。「そもそもどのような判断材料が揃っており、そのうちどの材料をどのように活用するか」といった点を見極めながら、策を選定していくことが重要です。

モデル化と試作

デザイナーがデザインを図面や3Dデータに落とし込むように、デザイン思考においても解決策を可視化し、共有可能な形にすることが重視されます。

アイデアを具体的な形として見えるようにすることで、設計上の問題や懸念点なども発見しやすくなるでしょう。同様に、プロジェクトの骨組みや進行フローを図式化し、メンバーの目に見えるようにすることで、より具体的な問題点や解決策の発見につながると考えられます。

テストと評価

取りまとめられた戦略案を実行に移す際には、事前にテストや評価を行うことが望ましいでしょう。

施策の有効性を客観的に評価するためには、テストの内容やサンプルの規模などを適切に設定し、「策が有効だと判断する基準」をあらかじめ明確化しておく必要があります。たとえば新たな施策によりホームページの離脱率を改善しようとする場合、それが何%の改善であればよいのか、どれだけのユーザー数をもとに是非を判断するのか、といった部分を具体的な数値として設定しておくことが求められます。

最終的なゴールに照らし、その施策によって何を達成すべきかを見定め、明確かつ現実的な小目標を設定する力も、デザイン思考を形成する要素です。

デザイン経営の事例

目標設定

デザイン思考はさまざまな分野でその重要性を知られるようになり、企業経営はもちろん教育・福祉関連の非営利組織など、幅広い場面で活用されています。以下では、デザイン思考を組織の変革やサービスの向上に役立てている事例を紹介していきます。

IBM

コンピュータ関連企業の大手として知られるIBMは、古くからデザインの観点を重んじています。20世紀の半ばにニューヨーク近代美術館のスタッフをデザイナーとして採用したり、“Good design is good business”を理念に据えたりと、早い段階から経営にデザインの観点を取り入れていました。

現在でも、デザイン思考を社内に浸透させることにより、プロジェクトの立案から実践までの能率を高めていることで知られています。

デザイン思考のフレームワークとして、同社は「理解」「探求」「プロトタイプ」「評価」という枠組みに加え、独自の観点として「目標の丘」「スポンサーユーザー」「プレイバック」という基準を採用しています。

「理解」「探求」「プロトタイプ」「評価」は、現状分析を通じて現在地を把握し(理解)、ユーザーニーズを発掘したうえで(探求)、実践的な試作(プロトタイプ)をふまえながらフィードバックを繰り返していく(評価)、といった枠組みとして考えられるでしょう。

一方、独自の観点としての「目標の丘」は、プロジェクトの初期段階において、メンバー間で共有可能な目標を明確に設定することを指しています。「丘」は「目に見えるゴール」を象徴する言葉と考えられますが、大規模なチームにおいても目的地を見失わずに進んでいけるような「明確な目標」が重視されているのです。

次に、「スポンサーユーザー」は、プロジェクトの進行において現実に存在するユーザーの声を反映していく姿勢を示しています。架空のターゲットを設定するのではなく、具体的に自社の商品・サービスを利用するユーザーの目線を通じて、求められる価値を創出していくことが目指されます。

最後の「プレイバック」は、プロジェクトの進行状況をメンバーや経営層に開示することを指す言葉です。進行状況を逐一説明するにあたっては、プロジェクトのプロセスを経営の目線から捉えることが必要になるでしょう。現状を再定義し、目標と照らし合わせることで、実現すべき価値や進むべき方向性を再認できると考えられます。

具体的なサービスにデザイン思考を活かした例としては、法人用メールサービスにおいて、「やり取りの頻度」や「レスポンスの速さ」などの要素を勘案しながら連絡先を表示するシステムが挙げられています。

基本的なデザイン思考のフレームワークに加え、「実際に存在するユーザーの視点から、提供すべき価値などの目標を設定しつつ、進行段階を随時説明していく」という独自の強調点を採用することで、効果的にデザイン思考を浸透させている事例といえるでしょう。

(参照:IBMホームページ内PDF資料「企業に新たな創造力をもたらす 『IBM デザイン思考』」

UberEATS

フードデリバリー業界でシェアを拡大するにあたり、UberEATSは「エコシステム」という観点からデザイン思考を推進しました。エコシステムとはもともと「生態系」を意味する言葉であり、ここでは「UberEATS」「ユーザー」「レストラン」「デリバリーパートナー」の関係性を指すものとして用いられています。

フードデリバリーにおいてはこれらのエコシステムを「いかに効率的に循環させるか」が重要になりますが、ここで大きな役割を担うのがUberEATS独自のアプリケーションです。

ユーザーが直感的に操作できる注文アプリはもちろんのこと、レストラン側がオーダー状況を容易に確認できる管理アプリや、デリバリーパートナーがスムーズに経路を把握するための配送アプリと、それぞれの主体の動きを円滑にするための工夫が凝らされています。

デザイン思考のフレームワークは、アプリそのものの設計・開発において重要になることはもちろん、「エコシステム」という名称のもとに定義されるビジネスモデルの構築にも活かされていると考えられます。

(参照:Medium「How We Design on the UberEATS Team」

スタンフォード大学

スタンフォード大学病院の救急科は、同大学のデザイン研究機関「Hasso Plattner Institute of Design」と協同し、医師や看護師、技術職や学生に対してデザイン思考を浸透させるためのコースを開催しました。患者役のマネキンを用いて、普段は医療提供者として従事する人々に、救急外来を利用する患者の家族の立場を体験してもらう取り組みです。

このコースを通じて、患者の家族にとって「何が起きているかを把握したい気持ち」が切実なものであると体験したことは、参加者に大きな意識の変化をもたらしました。それまで医療提供者の意識が「迅速に診療を進める」ことに集中しがちだったところから、より患者の体験に焦点を当てた対応プロセスについてのヒントが得られたのです。

「患者が何を必要としているか」という観点から、サービスの枠組みを定めていくプロセスは、顧客体験の向上に焦点を当てながらプロジェクトを設計していくプロセスと通じるところも多いと考えられます。スタンフォード大学の取り組みは、「実際のユーザー体験を通じた共感により、デザイン思考の具体性を高められる」ことを示しているといえるでしょう。

(参照:Stanford Medicine「Design thinking as a way to improve patient experience」

デザイン思考を身につけるには

仕事中

これまで見てきたように、「デザイン思考」はもはやデザイナーだけのものではなく、これまでデザインに触れてこなかった人にとっても有効に活用しうる思考法です。

デザイン思考のフレームワークは、私たちが普段行っている仮説や推論の延長線上にあり、それをブラッシュアップすることで汎用性の高い思考法を身につけることができると考えられます。

自らのデザイン思考の力を客観的に把握し、改善のヒントを得るうえでは、専門機関によるテストを受けてみることも選択肢になるでしょう。代表的なテストとしては、VISITS Technologies社によって開発された「デザイン思考テスト」が挙げられます。

このテストを採用基準の1つとして導入している大手企業も複数あり、ビジネスシーンはもちろん求職活動の場面で役立つこともあるかもしれません。以下ではデザイン思考テストの概要や、例題を練習できるプラットフォームを紹介します。

デザイン思考テストの概要

デザイン思考テストは「自ら本質的な課題を発見し、解決策を考え出す力」を測るための試験として位置づけられ、新規事業の立ち上げやマーケティングの推進、マネジメントなど、さまざまな現場で要求される実践力に焦点が当てられます。

具体的な評価項目は、大きく「創造力」「評価力」の2つに分けられます。

「創造力」はさらに2つの能力に区分され、新しい時代のニーズを発掘する「ニーズ発見力」と、それに対する独自の解決策を導く「ソリューション創出力」が測定対象です。

「評価力」も同様に、ニーズの重要性を把握する「ニーズ評価力」と、解決策の有効性を見抜く「ソリューション評価力」の2つに区分されます。

試験は「創造セッション」が30分、「評価セッション」が30分の計60分です。オンラインで、週末を中心に開催されています。

具体的な試験内容について、まず創造セッションにおいては、「誰が/どこで/いつ」に関する選択肢を用いて、具体的な状況を設定することが求められます。たとえば「せっかちな教師が/博物館で/時間を潰そうとしているとき」というように、選択肢を組み合わせて状況設定を行う形式です。

次に、設定上の人物が「何をしたいか」という願望(ニーズ)を記述形式で回答します。さらにこのニーズに対して、「何を使ってどのように解決するか」という案を示すことが、創造セッションの最終的なゴールです。

評価セッションにおいては、他の受験者によって作成された創造セッションの内容について、項目ごとに4段階で評価していきます。「共感性」「新規性」「実現可能性」といった観点から、適切に評価することが求められます。

デザイン思考テストの例題を練習できるプラットフォーム

デザイン思考テストの練習として、テストと同型の問題に対処してみたい場合、VISITS Technologies社が提供する「5d」というSNSプラットフォームが有効です。

5dのテーマは「願い事を叶えるSNS」とされていますが、その本質は「ニーズの発見力」と「解決策の創造力」を磨くことにあります。デザイン思考テストの「創造セッション」と同様の形式で、状況設定とニーズの記述、解決策の提示というプロセスを練習できるのです。

具体的な進め方としては、デザイン思考テストと同じように、「誰が/どこで/いつ」を選択肢から設定し、その状況において設定上の人物が「何をしたいか」という願い事を記述します。

これに対して、「何を使ってどのように解決するか」を考案します。自身で状況設定から解決策の提示までを行うほか、お題形式のようにすでに他のユーザーから提示されている「願い事」に回答することも可能です。 選択肢で答える箇所・記述で答える箇所もテストと同様であるため、創造セッションの例題として活用しやすいプラットフォームになっています。

まとめ

ビジネスにおけるニーズ発見・課題解決の能力を体系的に身につけるうえで、デザイン思考は1つの軸になると考えられます。今後さまざまな技術革新が見込まれるなか、ユーザーエクスペリエンスを高める方法も多様化していくと予想され、多角的にニーズを捉えながら的確に価値を提供する手段を見出す力が求められるでしょう。

潜在するニーズを掘り起こし、それに対処する案を創出するデザイン思考の力は、業種や業態を問わず幅広いビジネスシーンで活用できるものです。問題の把握から解決策の案出、評価までを体系的に実践することにより、プロジェクトの進行はもちろん、経営やチームビルディング、人材開発といった場面でも効力を発揮すると考えられます。

デザイン経営を実践するうえでは、デザイン思考のフレームワークを社内で浸透させていくことが重要です。まずは「デザイン思考はデザイナーに特有のものではなく、論理的に課題を解決に導くためのフレームワークである」ことを認識し、体系的な方法論として示すことが求められるでしょう。

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この記事を書いた人

鹿嶋 祥馬
大学で経済学と哲学を専攻し、高校の公民科講師を経てWEB業界へ。CMSのライティングを300件ほど手掛けたのち、第一子が生まれる直前にフリーへ転身。赤子を背負いながらのライティングに挑む。

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