
Difyとは?できることや料金プラン・活用事例を徹底解説
プログラミングの知識がなくてもアプリ開発が行える「Dify」をご存じでしょうか。
ドラック&ドロップで簡単に操作可能で、アプリ開発をしたことがない初心者でも手軽に利用を始められます。開発したアプリは、お問い合わせページやLINE連携などビジネスシーンでも活用できるため、企業の業務効率化に向けたツールとして導入を検討している方もいるはずです。
この記事では、Difyでできることや特徴、活用事例について解説します。「Difyは商用利用できる?」「エラーは何が原因?」などよくある質問なども含めてお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
Difyとは

出典:Dify
Dif(ディファイ)は、AIを活用して誰でも簡単にアプリが作れる生成AIアプリ開発ツールです。Difyでは、アプリを作成する際に欠かせないコードを書く必要がなく、データの処理機能を持つブロックを組み立てるイメージでチャットボットやAIエージェントといったアプリを作れます。
また、備わっているAIモデルやテンプレートを利用して、複雑な機能を持つアプリを生み出すことも可能です。プログラミング経験のない初心者でも手軽にAIアプリを開発でき、公開後の管理もDify内で行えるので、AI導入の第一歩としておすすめです。
Difyで開発できるアプリ

Difyでは、主に以下の3つのアプリ開発をノーコードで作成できます。
- チャットボットの作成
- 自動化アプリの作成
- テキスト生成アプリの作成
Difyでは、チャットフローやワークフローを利用し、より高度な会話を可能にしたり複雑な自動化ツールを作成したりすることもできます。ここでは、主にできることとしてあげられる「チャットボットの作成」「AIエージェントの作成」「テキスト生成アプリの作成」について一つずつ解説します。
チャットボットの作成
Difyを利用すると、ノーコードで簡単にチャットボットを作成できます。
必要な質問や回答を入力するだけで、チャットボットが自動で応答できるようになるので、Difyでのアプリ開発は顧客サポートやFAQのAI化を進めるうえで役立つでしょう。また、チャットボットは、「犬みたいに喋って」「○○の人になりきって」などのキャラクター設定も可能で、企業のコミュニケーション戦略にも活用できます。
Difyで作られたチャットボットは、学習機能を通して持続的に改善していくことが特徴です。ユーザーから問い合わせを受けた際の回答などを通して正確な情報を学んでいくので、複雑な問い合わせにも対応できるようになります。
自動化アプリの作成
Difyでは、在庫管理や顧客対応を行う自動化アプリを作れます。アプリに特定の指示を加えるだけで、一連のプロセスが自動的に処理されるため、ユーザーは簡単に作業効率化を図るためのアプリを開発できるのです。
例えば、在庫管理を効率化したい際、Difyが用意した機能を組み合わせるだけで、商品の入出庫状況をリアルタイムで追跡し、在庫が一定の水準を下回ると自動で発注を行うAIアプリを簡単に構築できます。
また、市場分析や顧客データ分析を自動で行うアプリの開発も可能です。Difyで作ったアプリの導入により、常に最新情報をキャッチでき、時代に合わせた最適なマーケティング戦略を立てられるようになるでしょう。
テキスト生成アプリの作成
Difyでは、マーケティング文書や商品説明文など、ユーザーのニーズに合わせたテキスト生成アプリを作成できます。コアな分野でweb上の情報が少ないものでも、アプリ開発の段階で必要とする詳細情報を独自に組み込めるので、修正の手間がかからない文章を作ることが可能です。
例えば、自社商品のレビュー記事を作るアプリを開発したい際、商品の特徴やユーザーの評価をプログラムに組み込めるので、より説得力のあるレビュー記事を作れます。
また、複数のファイルを同時に読み込み、読み込んだデータをもとに文章作成を一括で終わらせる機能も構築できます。短時間で異なるテキストを大量生成できるので、クライアントに送るお礼文や日程案内文の作成も楽になるでしょう。
Difyの特徴

ここでは、Difyの6つの特徴についてご紹介します。
- 分かりやすく使いやすいUI(ユーザーインターフェース)
- 自由にカスタマイズ可能で複雑なAIを作れる
- 複数のAIモデルを組み合わせられる
- RAGエンジンを活用できる
- 開発テンプレートが用意されている
- アプリの公開作業が簡単
では早速、一つずつみていきましょう。
分かりやすい操作性

Difyは、アプリ開発が初めての場合でも使いやすいデザインを採用しています。どこに何のボタンがあるのか分かりやすく、ドラック&ドロップでアプリ開発を進められるので、一つひとつの操作に迷いません。
また、開発したアプリを確認できるダッシュボードも整理されているため、各アプリにアクセスしやすいです。Difyのユーザーファーストの設計は、開発過程で生じる「どこに何があるかわからない」「操作が複雑で手間がかかる」といった不満を起こしにくく、誰でもスムーズにアプリ開発を進められます。
自由にカスタマイズ可能

Difyでは、アプリに組み込む機能を自由にカスタマイズできます。Dify内に備わっている機能にプラスして、ユーザーが独自のアルゴリズムを設定できるため、業界特有の質問や独自のデータ分析方法に対応可能なアプリを作れます。
また、カスタマイズ機能の操作も分かりやすく、専門的なプログラミング知識がなくても簡単に機能を追加できます。Difyでは、Google検索やslackなどの外部ツールや、企業ごとの独自サービスとの連携も行えるので、カスタマイズによって異なるプラットフォームを効率的に管理できるアプリを開発できるでしょう。
複数のAIモデルを組み合わせられる

Difyでは、OpenAIやAnthropicなど様々なAIモデルに対応しています。アプリの開発目的に応じてAIモデルを使い分けられるので、より専門的な回答を得ることができます。使用するAIモデルは組み合わせることもでき、複数のAIの知識を1つのアプリに取り入れられるため、高度なデータ解析を行うAIアプリを作れます。
また、DALL-EやStable Diffusionといった画像生成AIとの連携も可能です。画像生成AI機能を活用することで、質問をイラストで回答するアプリや一つの分野に特化したイラスト生成アプリを開発できます。
RAGエンジンを活用できる

RAGエンジン(Retrieval-Augmented Generation)とは、情報検索と回答生成機能を合わせたAI技術のことです。RAGエンジンは莫大な情報を検索し、情報に基づいた独自の答えを生成してくれるので、ユーザーは文脈に沿うより正確な回答を得られます。
Difyでは、RAGエンジンが備わっているので、アプリ開発時に独自の情報源を組み込んでおくと、ネット上に存在しない回答も提供できるAIアプリを生み出せます。企業のビジネスレポートの作成やカスタマーサポートの特化など、専門分野での高品質な回答を実現でき、競合との差別化を図れるでしょう。
開発テンプレートが用意されている

Difyでは、初心者でも使いやすいように、さまざまな開発テンプレートが用意されています。例えば、デザイン生成用のテンプレートやYouTube分析用のテンプレートなど、用途に応じた機能を組み込んだテンプレートがあり、1から始めるアプリ開発に不安を覚える人でも使いやすいです。
また、テンプレートは自由にカスタマイズでき、欲しい機能を追加して目的に合ったアプリを作れます。基本的な構造を作る手間がかからず、開発の初期段階で生じるミスも防げるため、開発にかかる作業効率が向上するでしょう。
アプリの公開作業が簡単

Difyでは、開発したアプリをワンクリックで簡単に公開できます。埋め込みタグも用意されていて、外部サービスにアプリを組み込む際もスムーズな設置作業が行えます。また、サイト上での表示スタイルを選んだ上で埋め込みタグを作れるため、既存のサイトデザインを変更せずに統合できる点も特徴です。
さらに、開発したアプリはダッシュボードからアクセスでき、いつでも編集を加えられます。公開後の管理も分かりやすいので、アプリ運用で生じる負担を減らせるでしょう。
Difyの料金プラン

無料で利用することもできるDifyでは、3つの料金プランが存在します。
プラン名 | サンドボックス | プロ | チーム |
---|---|---|---|
値段 | 無料 | 59ドル/月 | 159ドル/月 |
チームメンバー | 1人 | 3人 | 50人 |
容量 | 50MB | 5GB | 20Gb |
ログ履歴 | 30日間 | 無制限 | 無制限 |
開発できるアプリの数 | 5アプリ | 50アプリ | 200アプリ |
Difyの料金プランは、一度試してみたい人はサンドボックス、ビジネスシーンでたまに活用したい人はプロ、部署間で本格的に活用したい場合はチームを選ぶと良いです。また、会社全体で利用したい場合は、企業向けのエンタープライズプランも存在します。エンタープライズプランでは、高度なセキュリティが確保されたり限定機能が使えたりするので、用途に応じて導入を検討してみましょう。
Difyの使い方
ここでは、Difyのブラウザ上での始め方について解説します。
使い方①公式ホームページにアクセス

まずは公式サイトにアクセスし、「始める」を選択します。Difyは、有料プランに加入しなくても無料で利用できるので、誰でも簡単にアプリ開発を始められます。
使い方②アカウント登録

Difyは、「メールアドレス」「Googleアカウント」「GutHub」のいずれかで登録・ログインできます。新規登録をする際は、「メールアドレス」を選択し、利用するメールアドレスを入力した上で「続行」を押しましょう。
使い方③スタジオでアプリ開発

続行を押すと、アプリ開発画面に移動します。上のバーから「スタジオ」を選択し、「最初から作成」又は「テンプレートから作成」から作りたいアプリの種類を選び、「作成」をクリックするとアプリ開発を行えます。
Difyの活用事例

Difyで作ったアプリは、ジャンルを問わず幅広いビジネスシーンで活用されています。以下では、実際にDifyを利用した活用事例を4つご紹介するので、利用時の参考にしてみてください。
- お知らせ更新の自動化
- LINE公式アカウントとの連携
- 動画の文字起こしアプリの作成
- 論文の検索を自動化する
それぞれの活用事例について、くわしく解説します。
お知らせ更新の自動化
とりあえずDifyで論文検索システム作ってみた。APIで取ってきた情報LLMが適当に仕分けしてくれる。
— T⁷ MD,PhD 🇺🇸|アメリカで研究&開発 (@tokitky) June 2, 2024
今までプログラムでやらせていたデータ処理部分をLLMが勝手に処理してくれるのが面白い。#Dify pic.twitter.com/yluzWmA1C4
Difyによって、企業サイトのお知らせ更新を自動化した活用事例です。企業のSNSアカウントに更新投稿をしたい場合、Difyで自動化ツールを組み立てると、記事の更新に伴いAIが文章を作り、自動でSNSに発信してくれるようになります。
手動の更新作業では、お知らせの漏れが発生することがありますが、自動化することでヒューマンエラーの防止につながり、顧客に対して常に最新の情報を届けられるでしょう。
LINE公式アカウントとの連携
1時間ではできなかったけど、Windsurfで2時間以内で、LINE公式アカウントからメッセージ送信、ngrok利用、Dify経由の返答ができました。今日中に複数のLINE公式のマルチテナント対応やsupabase連携、個別チャット対応機能など作成試してみる。#windsurf #AI駆動開発 pic.twitter.com/wRsG3SUgdg
— 空野正輝|シースリーレーヴ代表|新規事業が強みのノーコード・ローコード・AI駆動開発の受託開発会社 (@soranoreve) March 15, 2025
Difyは、LINE公式アカウントとの連携が可能です。例えば、Difyでチャットボットを作った場合、LINEの公式アカウントに組み込むことで、独自の回答を生成できるようになります。お問い合わせの24時間対応が可能になったり、複雑な質問に回答できるようになったりもするので、企業独自のチャットボットの導入はおすすめです。
動画の文字起こしアプリの作成
今日もdifyをやっていく。
— 熊野町のAI使い (@AItsukai_kumano) March 11, 2025
遂にAPIに踏み込んだ。
YouTubeの文字起こしから、テキストを成形して出力する。
多くの時間をyoutubeに使ってるけど、自分の知りたい観点で要約したら、かなり時間を節約できそう!! pic.twitter.com/ltzoknCw5S
Difyを活用することで、動画の文字起こしから文章生成まで、一連の流れを自動化できます。また、必要な部分のみを抽出した要約文も作成できるため、会議やクライアントの動画資料の内容をすばやく文章に書き起こせます。
Difyでのアプリ開発時に機能をカスタマイズすると、「○○について述べている部分だけ切り抜いて」などの指示が出せて、必要な情報のみを抽出した要約文が作れるので、長い動画の文字起こしも楽になるでしょう。
論文の検索を自動化する
とりあえずDifyで論文検索システム作ってみた。APIで取ってきた情報LLMが適当に仕分けしてくれる。
— T⁷ MD,PhD 🇺🇸|アメリカで研究&開発 (@tokitky) June 2, 2024
今までプログラムでやらせていたデータ処理部分をLLMが勝手に処理してくれるのが面白い。#Dify pic.twitter.com/yluzWmA1C4
Difyでは、論文の検索を自動で行ってくれるシステムを構築できます。指示に合わせて最新の研究結果や論文を収集するので、プレゼン資料の作成時のデータ収集などの手間が軽減します。
また、使用するAIモデルは分野に合わせて選べるほか、ChatGPTやGeminiなど複数のAIを組み合わせることも可能なので、より正確な情報収集につながるでしょう。
Difyのよくある質問

ここでは、Difyに関するよくある質問に回答します。
- Difyにスマホアプリは存在する?
- Difyは商用利用できる?
- Difyで起きるエラーは何が原因?
- Difyが連携できる外部サービスは何がある?
ひとつずつみていきましょう。
Difyにスマホアプリは存在する?
Difyにスマホアプリは存在しません。Difyを始める際は、ブラウザ又はローカル環境につなぐ必要があります。ブラウザであれば公式サイトから簡単にアクセスでき、特別なインストールや設定も不要です。お試しで利用してみたい場合は、ブラウザから利用を開始すると良いです。
Difyは商用利用できる?
Difyで作ったアプリは商用利用することができます。ただし、商用利用する際は一部条件があり、「Difyの機能を用いてプラットフォームを作り、複数の企業に提供する」「Difyのロゴや著作権情報を削除・変更して使用する」のどちらかに該当する場合は、Difyに直接問い合わせて商用ライセンスを申請しなければいけません。
商用利用する際に許可がいらないケースは以下のとおりです。
- Difyを社内のシステムに導入する
- Difyで開発したアプリを販売する
- Difyでカスタマイズしたアプリを使用して、特定のクライアントにサービスを提供する
参照:オープンソースライセンス
Difyで起きるエラーは何が原因?
Difyでエラーが発生した場合、システム上のエラー又は操作エラーが原因として考えられます。システムエラーの場合、サービスが正しく起動していなかったり、ネットワーク接続に問題があったりするので、エラーコードが何を指しているのか確認すると良いです。
操作エラーの場合、設定における誤りや操作ミスにより発生するので、開発アプリのワークフローなどを見返し、問題がないか確認したりログを戻してみたりすると良いかもしれません。
主にみられる4つのエラーコードの意味は以下のとおりです。
- odeNodeError:開発の際のコードが間違っている
- System Error:ネットワークに問題が発生している
- DepthLimitError:ネスト制限(プログラムの中にある別のプログラムの構造)が限界数に達している
- OutputValidationError:出力した変数に誤りがある
参照:エラータイプの概要
Difyは日本語に対応している?
Difyは日本語に完全対応しています。テンプレートなど一部英語表記の箇所もありますが、プロンプトは日本語で入力しても問題なく使用できます。Dify自体は、米国に本社があるLangGenius, Incが運営していますが、言語の壁を感じることなく使いやすいです。
Dify(ディファイ)まとめ
Difyは、ノーコードでAIアプリ開発ができるツールです。プログラミング初心者でも操作が分かりやすく、チャットボットやテキスト生成アプリ、自動化アプリなどを目的に応じて作成できます。
また、1から組み立てる必要のない開発テンプレートが用意されていたり、アプリの外部サイトへの埋め込みタグも1クリックで作成できたりするので、誰でも簡単にAIアプリを立ち上げられるでしょう。
Difyは、顧客サポートのチャットボット導入、動画の文字起こし、お知らせ更新の自動化など、幅広いビジネスシーンでも活用されています。機能をカスタマイズすることで、業務フローにぴったり合ったAIアプリを構築できるので、ぜひ活用してみてください。
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