DM(ダイレクトメール)とは?広告として有効な例文を紹介!
ICTの発達とともに進化し、多様化してきたデジタルマーケティング。さまざまな手法が生み出されていますが、今もなおアナログと思われるDM(ダイレクトメール) には広告効果が期待できます。
この記事ではダイレクトメールの種類やその具体的な手法、例文について紹介します。
目次
DM(ダイレクトメール)とは
DM(ダイレクトメール)とは特定の個人や企業に向けて、宣伝や広告を目的として送付される電子メールやFAX、郵便物全般のことです。
インターネット登場以前の時代は、ダイレクトメールといえば主に葉書やパンフレット、商品カタログでしたが、現在は個人のメールアドレスやSNSのアカウントにメールやメッセージが配信されるケースが多いです。
デジタルデータのほうが低コストで送信でき、しかも瞬時に着信するためタイムラグがほとんどありません。文中にホームページへのリンクを貼っておけば、DMの内容以上に商品情報を伝えることも可能です。
そのため、一通送信するのに数十円から数百円程度かかる「紙」のダイレクトメールから、安価で早いインターネットに主戦場が移行したといってもいいでしょう。多くの人はほとんど毎日のようにEメールでダイレクトメールを受け取っているはずです。
このように企業と顧客が直接コンタクトを取りながらセールスをする手法をダイレクトマーケティングと呼びます。TVCMや新聞広告とは異なり直接顧客と接点を持つため、レスポンスを見ながら柔軟な対応ができ、顧客情報を集めやすいのが特徴です。
ダイレクトメールを広告として活用した際のメリット
Eメールや葉書、パンフレットなど、さまざまなメディアで発信されているダイレクトメール。メディアによって異なる特性があるため、広告として活用する際に期待できるメリットも異なります。
それぞれメリットを紹介します。
EメールやSNSで個別メッセージを送信するメリット
インターネットを活用したダイレクトメールのメリットは、コストが安くレスポンスが早い点にあります。新商品のお知らせや季節のセールなどお得な情報を素早く伝え、購買活動へつなげることができます。
また送信時間をコントロールできるなど柔軟に運用できるため、予約販売(プロダクトローンチ)にも向いています。
葉書を郵送するメリット
葉書のメリットは開封の手間がないため目に留まりやすい点です。紙幅が限られているため多くの情報は伝えられませんが、一瞬であっても裏返してもらうだけで伝えたいメッセージが目に留まります。
大きく鮮やかで見やすいメッセージを心がけて、一瞬でも伝わる内容を表現しましょう。
パンフレットやカタログを郵送するメリット
パンフレットやカタログのメリットは、美麗な写真をはじめとして多くの情報を盛り込むことで、手に取って何度も眺めてもらえる点です。そのためマンションや高級車、貴金属や高級ホテルなど高単価の商品サービスを扱うのに向いています。
パンフレットやカタログは葉書に比べて作成費用や郵送料がかさみます。絞り込まれたターゲットに向けて決め打ちで郵送しましょう。
FAXを送信するメリット
FAXはその普及率から、主に企業あての案件を扱うのに向いています。一通当たりの送信単価は安いですが紙幅はA4用紙1枚、モノクロ印刷と制限があります。葉書と同様、開封の手間がないためほぼ確実に受信者の目に留まるのがメリットです。
FAXでカラーを送信することは可能ですが、受信側が対応しているとは限りません。モノクロ印刷でも商品・サービスの内容が目立つようシンプルにまとめましょう。
ダイレクトメールを広告として活用した際のデメリット
ダイレクトメールも、その使い方によっては下記のデメリットが生じることがあります。
EメールやSNSで個別メッセージを送信するデメリット
低コストで何通も送信できるEメールやSNSへのメッセージですが、頻度が多すぎると購読を解除されたり、ブロックされたりしてしまうリスクがあります。
「特定電子メールの送信の適正化などに関する法律」、通称「迷惑メール防止法」によれば、受信を拒否した人や同意のない人に送信することは禁止されています。したがってメールアドレスの登録を解除した顧客にメールを送ることはできません。
(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律|egov法令検索)
受信を拒否されてしまうと、顧客との接点を失ってしまうため大きな損失を招きます。顧客に悪印象を持たれないよう、内容だけでなく送信頻度にも注意してください。
葉書やFAXを送信するデメリット
葉書やFAXにも送信頻度によって顧客の悪印象を招くデメリットがあります。メールと同様に注意しましょう。
パンフレットやカタログを郵送するデメリット
パンフレットやカタログを郵送する場合、頻度だけでなく、そのボリュームによって顧客に悪印象を与える可能性があります。電話帳のように分厚いカタログを送ると迷惑がられることもあり、顧客にとって興味がない商品だった場合、開封してもらえない可能性もあります。
加えて送付コストの問題もあります。紙質やページ数によって左右されますが、カタログやパンフレットは写真なども豊富に掲載されているため一通当たりのコストが高額です。大量に郵送すると多額の広告費がかかるので注意してください。
高コストをかけてまで郵送して、悪印象を持たれるようなミスは避けましょう。
ダイレクトメールの広告効果について
ダイレクトメールの広告効果を事前に把握することは困難です。ターゲットや取扱商品、送信(郵送)のタイミングにも影響されるからです。しかし過去の資料などを参照することで、ある程度の推測を立てることは可能です。
たとえば「『DMメディア実態調査2021』調査報告書要約版」によれば、「購入・利用経験がある企業・団体からのDMの開封・閲読率は93%」とのこと。既存顧客に対する広告効果としては極めて高い数字だといえます。
また、購入経験がない会社からのダイレクトメールであっても、クーポンやプレゼント、特売・セールの案内であれば51~53%の顧客が開封しているとのことですから、顧客が具体的なメリットを求めていることもわかります。
DMに期待する情報内容に「クーポンの案内・プレゼント」「特売・セール・キャンペーンの案内」「試供品の案内・プレゼント」が上位に挙がっていることから、企業側もメリットを強く打ち出す姿勢が必要であることが読み取れるでしょう。
(「DMメディア実態調査2021」調査報告書要約版|一般社団法人ダイレクトメール協会)
つまり上記の調査から、ダイレクトメールは既存顧客に向けてセール情報を伝える際だけでなく、新規顧客に対しても「何らかのお得情報の広告」であれば有効な手段だといえます。
また自分の属性(プロフィールや嗜好)に合わせてパーソナライズされたダイレクトメールを受け取ったことがある人は全体で65%とのこと。これには誕生日や最近購入した商品に関連したクーポンなどが代表例として挙げられています。
この数字からは、ダイレクトメールの発信者側が顧客情報を整理し、お得情報と合わせて反応率アップに努めている様子が伺えます。
ダイレクトメールを書く際、送る際に注意すべき点
ダイレクトメールの効果を最大限に活用するには、下記の点に注意しましょう。
ターゲットの明確化
ダイレクトメールを送る際、手持ちのリスト全てに送るのはやめましょう。顧客ごとに宣伝すべき商品・サービスが異なるはずです。男性に女性用化粧品のダイレクトメールを送信してもあまり成果は見込めないでしょう。
だれに何を売るのか明確化することで、適切な売り方が見えてきます。まずは顧客の属性を明確にして分類しましょう。
ターゲットに合わせた文面を作成する
売りたい商品やサービスに合わせてターゲットを明確化し、文面を作成します。
男性向けなのか女性向けなのか、若者なのか中高年なのか、経済的に余裕があるのか、安さを売りにすべきなのか?
ターゲットに合わせ、適切な文面で訴求することで、顧客は違和感なくダイレクトメールを受け取ることができます。たとえば下記は若年層向けの訴求の一例です。
例文:リゾートホテルのDM(若年層カップル向け)
今年の夏は〇〇高原で過ごしませんか?
東京から新幹線で1時間、標高1,600mに位置する〇〇高原は夏でも最高気温21度と過ごしやすくおすすめです。
色鮮やかな〇〇の群生地を巡ったり〇〇ランドで遊んだり、〇〇モールでショッピングを楽しんだりと観光スポットが盛りだくさん。温泉でご当地グルメも楽しめます。
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今年の夏は〇〇高原で楽しみましょう!
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上記と同じホテルを中高年の夫婦向けに作成してみます。
例文:リゾートホテルのDM(中高年夫婦向け)
今年の夏は〇〇高原で過ごしませんか?
東京から新幹線で1時間、標高1,600mに位置する〇〇高原は〇〇山脈に囲まれ、〇〇の名産地として知られてきました。
夏でも最高気温21度と過ごしやすいことから、皇室の方々がご静養になる御用邸もあり、歴史的にも多くの著名人が訪れた避暑地です。
〇〇史跡をはじめ文豪ゆかりの宿など多くの観光スポットがあり、〇〇温泉は広く知られています。都会の喧騒を離れゆったりとした上質な時間を楽しみませんか。
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今年の夏はぜひ〇〇高原においでください。
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この2つの例文はターゲットによって訴求しているポイントが異なり、若者にはショッピングやグルメ、デートスポット、中高年の夫婦には皇室の権威や歴史ある避暑地をPRしています。
ターゲットを意識して文面を作ることで反応率が変わります。既存顧客であれば、ダイレクトメールには一定の開封率が見込めるので、開封後のアクションを促しましょう。
ダイレクトメールは今でも有効!成功のコツは顧客にメリットを与えること
ダイレクトメールは現在もごく当たり前に活用されているマーケティング手法です。セールの案内や新商品のお知らせなどのメールは特に日常的で、もっとも身近なマーケティングの一つといってもいいのではないでしょうか。
ダイレクトメールを活用する際は、ターゲットを明確化し、何らかのメリットを提供できる内容を心がけましょう。たとえ今までに取引がない方が対象であっても、自身にメリットが感じられる内容のダイレクトメールであれば、メディアによって違いはあっても平均51~53%ほどは開封してもらえるので、広告効果を発揮できます。
また既存顧客の平均93%は開封してくれるとのことですから、既存顧客のフォローをするのにもダイレクトメールは向いています。ダイレクトメールは広告として優秀な手法です。取り扱い商材に合わせて柔軟に活用していきましょう。
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