重複コンテンツとは?SEOへの影響やペナルティになるケースとチェック方法
ユーザビリティの高い健全なWebサイトを制作するために、重複コンテンツは避けなければいけません。重複コンテンツが存在すると、状況によってはペナルティを受けることがあるのです。
ですが、そもそも重複コンテンツとは何か、どう対処すればいいのか、疑問を持っている方も多いでしょう。
そこで今回は、重複コンテンツの特徴や生成される原因・ケースを解説しつつ、具体的なチェック方法と見つけた際の対処法を解説していきます。
サイト内外の重複コンテンツの扱いをどうすれば良いのか困っている人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
重複コンテンツとは
SEO対策における重複コンテンツとは、自社のWebサイトや外部のWebページにおいて、用意したコンテンツと既存コンテンツが重複している状態を指しています。場合によっては「コピーコンテンツ」の名前で扱われることもあるため、SEO対策を講じる際は両方の名前で覚えておきましょう。
Web制作では、色違いやサイズ違いの商品紹介ページのように、似た内容を複数のページで扱うことも少なくないため、意図せずに重複コンテンツが生成されてしまう場合があります。
しかし重複コンテンツは、クローラーがどのページを評価すべきか判断しにくいため、結果として、SEOに悪い影響を与える可能性があります。
Webサイトを運営する際は、内容の重複にくれぐれも注意し、独自性のあるコンテンツを提供する必要があります。
重複コンテンツが生まれやすいケース
重複コンテンツが生まれやすいケースは、下記が考えられます。
- 定型文や似た文章・画像などが多く用いられる性質のサイト・ブログである
- URL正規化ができているページとそうでないページがあり、ページの重複が起こる
URL正規化は、URLに付く「www」の有無をいずれかに統一したり、SSL化されたページとされていないページの混在をなくしたりすることです。
URL正規化が施されていないと、全く同じ内容のページでもwww付きのページとwwwのないページがそれぞれ存在するとGoogleに認識され、重複コンテンツが生まれてしまいます。
そのためWeb制作では、正規のURLに統一して各ページにリンクを張り、重複コンテンツを防ぐことが欠かせません。
重複コンテンツがSEO対策に与える影響
重複コンテンツを未然に防ぎ、適切にSEO対策を行うためには、そもそも重複コンテンツがSEOにおいてどのような影響を与えるものなのか理解しておくことが大切です。重複コンテンツがSEO対策に与える影響として代表的なのは、以下の3つです。
- 検索エンジンの評価が分散する
- 被リンクの対象先が分散してしまう
- ユーザーの利便性が下がりやすい
影響の詳細を、一つひとつ解説していきます。
検索エンジンの評価が分散する
重複コンテンツが存在すると、クローラーはどちらのページを検索結果に表示すれば良いのか、判断に迷ってしまいます。そのため評価が分散してしまい、検索順位が上がりにくくなってしまうのです。
また、Webサイトはコンテンツごとの評価を総合して評価されます。そのため、重複コンテンツによってページの評価を得られなくなってしまうと、サイト全体の評価も底上げも難しくなります。
このように、重複コンテンツが存在すると個別のページだけではなく、サイト全体にも影響を及ぼす可能性があります。そのため、適切な対応が必要です。
被リンクの対象先が分散してしまう
重複コンテンツは、被リンクの対象先がそれぞれのページに分散してしまい、SEOの評価を集中できなくなってしまうというリスクもあります。
例えば、本来は10のサイトから被リンクを得られるはずが、5サイトずつ2つのコンテンツに分かれてしまう、という状況が発生します。そして、被リンクの対象先が分散してしまうということはSEOの評価が上がりにくくなってしまうことも意味します。
被リンクは、コンテンツの評価を高めるための重要な要素です。ですが、重複コンテンツがあると十分に効果を得られなくなるため、注意が必要なのです。
ユーザーの利便性が下がりやすい
重複コンテンツは、ユーザーの利便性を下げる原因にもなります。重複コンテンツがあると、全く同じ情報または似た内容の情報をユーザーは複数回目にすることになり、必要な情報を参照しにくくなるためです。
「別のページと内容が被っている」「外部のサイトのコンテンツをコピーしている」という印象を持たれれば、ユーザーから見ても品質の低いサイトだと感じられる原因になります。
品質の低いサイトだとわかれば、情報の正確性を疑われるため、離脱率を高めることにもつながるでしょう。結果、ユーザビリティが低いことから上位表示もされにくくなる可能性もあります。外部サイト・ブログからの被リンクや、SNS拡散なども狙いにくくなるでしょう。
重複コンテンツはペナルティの対象になる
重複コンテンツがあると、そのページやサイトはペナルティの対象になる恐れがあります。外部からコピーした内容ばかりでサイトが構築されていれば、悪質・低品質であると判断される可能性があるためです。
Googleのポリシーでは、重複コンテンツとしてペナルティを受けるかどうかの基準として以下のように紹介されています。
- 引用・出典の記載を怠った状態で、外部サイトのコンテンツをそのまま掲載している
- 若干の修正は施しているものの、明らかに外部サイトのコンテンツをコピーしていると判断できる
- ユーザーに独自の価値を提供することなく、外部サイトのコンテンツをそのまま掲載している
- ユーザーに付加価値を提供していないにもかかわらず、外部サイトの画像や動画などを埋め込んでいる
ペナルティを受けて検索結果に表示されなくなると、上位表示を狙うことは難しくなります。ペナルティを避けてSEO評価を高めるためにも、重複コンテンツの生成は未然に防ぎましょう。
重複コンテンツをチェックする方法
重複コンテンツが作られていないか確かめるためには、専用のツールを利用することが効果的です。
自社サイト内のみで重複コンテンツがないか探す際も、ページ数が多くなればなるほど、手作業では難しくなるでしょう。重複コンテンツをチェックする方法は、以下の3つです。
- Google Search Console
- sujiko.jp
- Copy Content Detector
いずれも、SEO対策やWebマーケティングでは積極的に使用したい重要なツールです。それぞれどのような方法なのか、ツールの特徴も含めて解説していきます。
Google Search Console
Google Search Consoleは、Googleが提供している、サイトの状況を分析するためのツールです。重複コンテンツの有無やペナルティの対象かどうかは、以下の手順で調べられます。
- Google Search Consoleを開く
- セキュリティ機能と手動による対策」のメニューから「手動による対策」を選択
- ペナルティ対象ページが表示されるか確かめる
特に問題がなければ、「問題は検出されませんでした」と表示されるため、Google Search Consoleでのコンテンツチェックは定期的に行いましょう。
sujiko.jp
参照元:sujiko.jp
重複コンテンツの有無は、sujiko.jpという専用ツールを使用する方法もあります。sujiko.jpでは、2つのWebページの類似性をシステムによってチェックできます。具体的な手順は、以下のとおりです。
- sujiko.jpにアクセスする
- 類似性を比較したい2つのページのURLをそれぞれ入力し、「判定」ボタンを押す
- 調査結果から重複コンテンツかどうかを確かめる
URLを入力するのみで調べられるため、サイト内に内容の似ているコンテンツが複数あるときや、競合サイトとの類似性を確かめたいときに役立ちます。なお、文字数が多い場合はチェックにやや時間がかかるため、あらかじめ注意しましょう。
Copy Content Detector
重複コンテンツを調べたい場合は、Copy Content Detectorを使用することもおすすめです。
Copy Content Detectorは、コピーコンテンツかどうか調べられる専用ツールです。作成した文章をチェックにかけることで、類似性を確かめられます。手順は次のとおりです。
- Copy Content Detectorにアクセスする
- チェックしたい文章をフォームに入力する(無料版は4,000字まで)
- 結果を確認し、重複コンテンツに該当するか確かめる
Copy Content Detectorでは、類似率や一致率が高い場合、「要注意」と表示されます。「要注意」の状態でコンテンツを公開すると、重複コンテンツ判定によってペナルティを受ける恐れがあるため、できるだけ「良好」の状態に収めるようにしましょう。
重複コンテンツを見つけた場合の対処法
重複コンテンツを発見した際は、ペナルティの対象にならないように何らかの対処を行う必要があります。主な対処法は、以下の3つです。
- canonicalを設定する
- ページを削除して301リダイレクトする
- リライトを行う
重複コンテンツを放置すると、ペナルティによってサイトが検索結果に表示されなくなり、集客に大きく影響が出るため要注意です。どのような重複コンテンツなのかによって適切な対処法は異なるため、それぞれの内容を以下から詳しく見てみましょう。
canonicalを設定する
重複コンテンツを見つけた際は、canonicalの設定を行いましょう。canonicalはHTMLタグの一つで、SEOにおいて優先的に評価してほしいページを定義できます。
具体的な記述方法は、以下のとおりです。
<link rel=”canonical” href=”評価してもらいたいページのURL”>
※headタグ内に記述
たとえばA・B・Cという3つの重複コンテンツがある場合、それぞれのheadタグ内にAを指定するcanonicalの設定を行えば、SEO評価はAに集中する仕組みです。
canonicalの設定がないと、それぞれのページもしくはサイト全体がペナルティを受ける恐れがあるため、積極的に対処しましょう。
>>>canonical(カノニカル)とは?SEOで重要なURL正規化とタグの使い方
ページを削除して301リダイレクトする
重複コンテンツに対して、一つのページのみを残してほかの重複ページを削除し、かつ301リダイレクトを設定することも効果的です。301リダイレクトは転送処理のことで、URLの変更などがあった際に、指定のページに転送させることができます。
類似度の高いコンテンツそれぞれにユーザーがアクセスできる状態はSEO評価が集約されず、ユーザビリティも下がります。
一つのページに内容をまとめられる場合はほかのページを削除し、削除したページにユーザーが訪れてもリンク切れにならないように、301リダイレクトの処理を行うことで対処しましょう。
>>>301リダイレクトとは?行うべき理由とSEOとの関係、設定方法について網羅的に解説
リライトを行う
重複コンテンツがある場合は、内容のリライトを行うことで、類似度を下げる対処も大切です。リライトによってコンテンツの独自性が高まれば、類似度が下がるため、重複コンテンツによるペナルティは避けられます。
ただし、単純に語尾や表現を少し変更するだけでは、類似度は下がらないため注意が必要です。
リライトのポイントは、競合サイトや自社サイト内にない独自情報を盛り込むことが挙げられます。また、同じ方向性の情報でも、どこよりも網羅性・具体性を高めるなどの対策も重要です。
>>>【初心者向け!】SEOライティングのコツを現役ライターが解説!
重複コンテンツを発生させないための対処法
重複コンテンツをなくすためには、そもそも重複コンテンツを発生させないようにコンテンツを作成していくことが重要です。
定期的にコンテンツの類似性をチェックし、内容を見直していくことも大事ですが、そもそも重複コンテンツを回避する対処法を知らなければ修正もきりがないでしょう。主な対処法は、以下の3つがあります。
- noindexを設定する
- 定型文の繰り返しや類似するコンテンツを減らす
- トップレベルドメインを使用する
上記の対処法について、詳細を以下から解説していきます。
noindexを設定する
重複コンテンツを避けるためには、はじめからnoindex設定を済ませておくことも重要です。noindexはHTMLタグの一つで、検索結果に表示させないように定義できます。
そのため、内容が類似しているページにnoindexを設定しておけば、当該ページをないものとして扱うことが可能です。
あまりにも内容が似通っているページは、公開しなければならないものだとしても、SEO評価に響く恐れがあるため扱いが難しいといえます。「重複コンテンツによるペナルティは避けたいが、非公開にもできない」と困ったときは、noindexの設定を行いましょう。
>>>noindexとnofollowとは?得られるSEO効果と設定方法・使用の注意点を解説!
定型文の繰り返しや類似するコンテンツを減らす
重複コンテンツをなくすためには、定型文の繰り返しや類似するコンテンツの扱いを積極的に減らす必要があります。
どうしても必要でない限りは、定型文をコピー&ペーストしてコンテンツを作成するのではなく、似た内容でもページごとに独自の文章を書くように心がけましょう。
類似するコンテンツが増えてしまう場合は、一つのページにまとめられないか全体を見直し、リライトやページの削除などを適宜行ったうえでユーザビリティの高いサイトを制作しましょう。
トップレベルドメインを使用する
重複コンテンツによるペナルティを避けるためには、トップレベルドメインを使用することも大切です。トップレベルドメインは、国ごとに割り当てられているURLの中の一部分を指しており、日本の場合は「.jp」が該当します。
グローバルにビジネスを展開する場合などは、国別でサイトを構えることも少なくありません。その際に、それぞれの国にURLがあると重複コンテンツだと判断される恐れがあるため、できる限りトップレベルドメインを使用しましょう。
重複コンテンツを対策して健全なサイト運営を実現しよう
健全なWebサイト運営では、重複コンテンツ対策を施し、ユーザビリティの高いサイトを制作していくことが大切です。
重複コンテンツがあるとSEO評価が下がったり、ユーザーの利便性が低くなることで離脱が増えたり、場合によっては外部サイトとのトラブルになったりする恐れがあります。いわゆる「パクリ」のコンテンツは、サイト・運営会社の信用を損なう問題になり得るため、くれぐれも注意しましょう。
重複コンテンツを避け、独自性のあるコンテンツでユーザーの興味を引けば、自然と検索エンジンからの評価も高まります。効率的な集客力アップにもつながるため、重複コンテンツについては概要から対策まで事前に理解を深めておきましょう。
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