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中古ドメインとは?調べ方やメリット・デメリットも解説

中古ドメインとは?調べ方やメリット・デメリットも解説

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企業や個人がホームページを開設する際、「ドメイン選び」に悩むケースは少なくないでしょう。ドメインとは「インターネットの住所」を表す文字列のことであり、どんな文字列を選ぶかによってサイトへの集客効果が左右されることもあります。

ドメインを選ぶ際は、新しくドメインを発行する以外に、「中古ドメイン」の購入も1つの選択肢です。この記事では、中古ドメインの基本的な仕組みやメリット・デメリットをふまえ、ドメイン履歴の調べ方についても詳しく解説していきます。

中古ドメインとは

中古ドメインとは

中古ドメインとは、過去に他の企業や個人が所有し、一定期間使用されていたものの、現在は未使用となっているドメインのことを指しています。

中古ドメインはドメイン取得サービスのほか、中古専門の販売サイトなどで購入でき、日々さまざまなドメインが市場に出回っています。

Webでの集客を考える場合、「URLの文字列」にサービス内容や地域が入っていると、ユーザーからの理解を得られやすいでしょう。こうした”一目でわかるドメイン”は人気が集まりやすい傾向にありますが、中古ドメインを選択肢に入れることで、選べる幅が広がります。

中古ドメインと新規ドメインの違い

中古ドメインが新規ドメインと大きく異なるのは、「過去の運用履歴」をもつ点にあります。新規ドメインの場合は「ゼロからのスタート」となるため、検索エンジンからの評価が定着するまでに時間を要するのが一般的です。

これに対し、中古ドメインは検索エンジンによる評価の面で有利に働くケースがあります。サイトの評価に関わる「ドメインの年齢(ドメインエイジ)」や「被リンク数」を引き継ぐことにより、検索順位を早めに上昇させているケースも少なくありません。

また、過去に著名な企業や団体が使用していた中古ドメインであれば、すでに一定の知名度があり、ユーザーの信頼を得やすい面もあるでしょう。

ただし、中古ドメインの「過去の運用履歴」がネガティブな影響をもたらすケースもあります。たとえば「該当ドメインが過去にGoogleからペナルティを受けていた」などのリスクもあるため、選ぶ際には慎重な下調べが必要です。

総じて、新規ドメインは低リスクではあるものの、SEO対策や認知度をゼロから構築していく必要があります。一方、中古ドメインはリスクもある反面、集客までのプロセスを短縮できる可能性があります。

Googleによる中古ドメインの評価

基本的に、中古ドメインの購入や利用そのものは違法ではありません。ただし、Googleは中古ドメインの使用を禁じてはいないものの、「サービス内容と関係のない中古ドメイン」を使って検索順位の上昇を目指す行為に対しては厳しい姿勢を見せています。

たとえば中古ドメインの使用により、「Webサイト上にあるコンテンツの質」と「検索順位」がかけ離れていれば、ユーザーにとって混乱を生むかもしれません。

実際のところ、強力な中古ドメインを使って従来のサイトとは関係のないアフィリエイトサイトなどを運用し、利益をあげようとする手法は数多く見られます。

そこで2024年3月、Googleは「期限切れドメインの不正使用」に関するポリシーを刷新し、「期限切れのドメイン名を主に検索ランキングを操作する目的で購入し、ユーザーにとってほとんどまたはまったく価値がないコンテンツをホストするために再利用すること」を厳しく取り締まっていく方針を示しました。

ここから、現状では「短期的なSEO効果」のみを見込んで中古ドメインを購入するのは得策ではないと考えられます。SEO上の効果を見込むにしても、ドメイン名と関連性の高いコンテンツや、ユーザーにとって有益なコンテンツを発信していく視点が重要といえるでしょう。

(参照:Google 検索セントラル ブログ|2024年3月のコア アップデートとスパムに関する新しいポリシーについてウェブ クリエイターが知っておくべきこと

中古ドメインのメリット

中古ドメインのメリット

中古ドメインを慎重に選び、適切に運用することで、集客面でのメリットを引き出せる可能性があります。以下ではより具体的に、中古ドメインのメリットについて解説していきます。

インデックス(検索エンジンのデータベース登録)がされやすい

Googleは「クローラー」と呼ばれるソフトウェアにより、世界中のWebサイトを巡回し、見つけたページをデータベースに登録(インデックス)しています。

この際、サイト上に含まれるテキストや画像のデータなどから、「そのページがどんなコンテンツを含んでいるか」といった情報が処理され、検索結果表示に役立てられているのです。

新規ドメインの場合には、サイトの開設からインデックスされるまでに期間が空き、更新内容が検索結果に反映されるまでラグが生じるケースも考えられます。

一方で、過去に長く運用されていたドメインや、最近まで使用されていたドメインであれば、頻繁にクローラーに訪問され、インデックスされやすくなる利点があるでしょう。

ドメインの認知度や権威性を引き継げる

中古ドメインのなかには、過去に有名企業や人気サイトが使用していたものもあります。これらのドメインはすでに一定の認知度を有するため、新規ドメインを取得するよりも信頼性が高く、ユーザーにも受け入れられやすくなる可能性もあるでしょう。

またドメイン名がわかりやすく、かつ自社のサービス内容に合致したものであれば、URLだけで「自社がどんな企業か」を印象づけられるメリットもあります。

被リンクを受け継げる

中古ドメインには、過去に運用されていたサイトの被リンクが残っている場合があります。質の高い被リンクを多く有するドメインは、Googleからの評価が高くなりやすく、検索結果での上位表示も期待しやすくなるでしょう。

一方で、被リンク数は多ければよいわけではなく、リンク元のページの品質や、リンク元とページ内容との関連性なども評価対象となります。

たとえば「かつての運用時に多くの被リンクを得ていたが、現状は異なる内容のサイトになった」というケースでは、過去の被リンク数はほとんど意味をなさなくなると考えられます。

さらには「過去の被リンク数を利用して関連性の薄いコンテンツを上位表示させよう」という行為が、Googleによって「期限切れドメインの不正使用」と見なされるリスクもあるでしょう。

過去の被リンク数についての評価を引き継ぐには「過去のページ内容に則したコンテンツ」を掲載していく必要があります。しかし、そうした行為そのものが過去の模倣と判断され、不正使用と見なされる可能性も考慮しておきたいところです。

このように、2024年のポリシー変更の影響により、「以前のサイトが獲得していた被リンク」の有効性は限定的かつ短期的になっていると考えられます。

中古ドメインのデメリット

中古ドメインのデメリット

中古ドメインにはメリットが多い一方で、運用履歴があることに伴うリスクもあります。購入する際は、以下のようなデメリットをしっかり理解しておく必要があるでしょう。

Googleからのペナルティリスク

過去に「不正な手段で大量の被リンクを獲得していた」など、ブラックハットSEOと呼ばれる手法で運用されていたドメインは、Googleからペナルティを受けている可能性があります。

ドメインに対するペナルティの履歴は運営者が変わっても引き継がれるため、こうしたドメインを購入してしまうと、新しいサイトを作成してもSEO効果が期待しにくくなってしまいます。

スパムサイトの履歴

中古ドメインのなかには、過去に詐欺サイトや低品質近コンテンツサイトなどとして使用されていたものも少なくありません。

このようなドメインは、検索エンジンからの評価が低くなることはもちろん、ユーザーからの信頼性も低下している可能性があります。購入前には必ず、過去の運用履歴を入念に調査しておきたいところです。

法的リスク

スパムやブラックハットSEOなどの問題がなく、適切に運用されていたドメインであっても、「商標権をもつ企業」が使用していたものには注意が必要です。

ドメイン名に商標権の対象となる単語が含まれていると、該当ドメインの利用は商標権の侵害にあたる可能性があり、訴訟問題に発展することも考えられます。

またドメインそのものも商標権の対象となるケースがあるので、該当ドメインの文字列が商標登録されていないかをチェックしておくことが大切です。

取得費用が高額になるケースも

中古ドメインは過去の運用履歴によって販売価格が大きく異なり、評価の高いものだと取得に数十万円の費用を要するケースもあります。

2024年のGoogleによるポリシー変更により、中古ドメインのSEO効果が従来よりも限定的になっていくことも見込まれるなか、「高額な費用に対して十分な効果が得られるか」は見通しにくい状況といえるでしょう。

中古ドメインの調べ方

中古ドメインの調べ方

中古ドメインを安全に利用するためには、過去の履歴やペナルティの有無を事前に調査することが重要です。ここでは、具体的な調査方法や選び方のポイントを詳しく紹介していきます。

過去の運用状況を確認

中古ドメインの履歴を調べるには、Webアーカイブを確認できるツール「Wayback Machine(ウェイバックマシーン)」が有効です。

検索欄にURLを入力すれば、過去の日付におけるページが表示され、コンテンツの内容などを確認することができます。

この際、スパムサイトとして使われていた場合は、検索エンジンから低評価を受けている可能性があるため、そのドメインは避けた方がよいでしょう。

過去の所有履歴を確認

中古ドメインを検討する際は、「Whois(フーイズ)情報」から過去の登録履歴を調べておくことも重要です。「Whois.com」などのツールを使い、該当ドメインの情報をチェックしておきましょう。

日本のサイトの場合には、日本国内のJPドメイン専用ツールである「JPRS」も有効です。URLを入力すれば、そのドメインの年齢や最終更新日などを閲覧できます。

Whois情報においてはとくに「ドメインが登録されてからどのくらい経っているか」「最後に更新されたのがいつか」といった点をチェックしておきましょう。所有者が何度も短期間で変わっているなど、不正利用が疑われる場合には注意が必要です。

現在のインデックス状況を確認

現在そのドメインがGoogleにインデックスされているかを調べるには、Google検索でドメイン名を検索してみる方法がスムーズです。

通常の検索欄で「site:○○.com」というように、「site:」のあとにドメイン名を入力して検索してみましょう。

結果が表示される場合には、該当ドメインは適切にインデックスされています。一方、サイトが表示されなかったり、表示されていても「このサイトの説明はありません」といった説明文があったりする場合、インデックスに何らかの問題が生じている可能性があります。

ドメインの評価を確認

被リンクの量や質など、ドメインの権威性をチェックする際は、Ahrefs(エイチレフス)やMoz Link Explorer(モズ・リンク・エクスプローラー)といったツールが役に立ちます。

いずれのツールにおいても、ドメインが有する被リンク状況から評価点を算出してくれるため、客観的にドメインパワーを把握できるでしょう。

なおどちらのツールも無料で利用できますが、有料版はより詳細な分析が可能です。また、後述の中古ドメイン販売サイトでは、こうしたツールによるドメインパワーの数値をあらかじめサイト上で記載していることもあります。

中古ドメインを購入・運用する際の注意点

中古ドメインを購入・運用する際の注意点

中古ドメインを購入する際には、信頼できる販売サービスを利用し、今一度ペナルティの有無などを確認することが重要です。運用の際にも、ドメイン名や運用履歴と親和性の高いコンテンツを発信していきましょう。

以下ではより具体的に、中古ドメインを購入する際のポイントを解説していきます。

自社のサービス内容に適したドメインを選ぶ

被リンク数が多く、長く運用されてきたドメインであっても、ドメイン名が「これから発信したいコンテンツの内容」に合致していなければ、検索順位の向上は期待しにくくなります。

とくに公共施設のWebサイトなど信頼性の高いドメインを、関係のないアフィリエイトサイトの運営に利用するといった行為は避けましょう。Googleにより「期限切れドメインの不正使用」と見なされ、ペナルティを科される可能性があります。

さらにGoogleが挙げる不正使用の例としては、「以前に非営利の医療団体が使用していたサイトで、医療関連の商品を営利目的で販売する」といったものが挙げられています。

つまりジャンルが近いコンテンツであっても、「非営利組織が蓄積してきた評価を営利目的で利用する」といった運用方法は不正な手段と見なされうるのです。

(参照:Google 検索セントラル|Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー

信頼できる中古ドメイン販売サービスの利用

中古ドメインを購入する際は、信頼できる販売業者を利用することが重要になります。

著名な日本国内の販売サイトとしては、「アクセス中古ドメイン」が挙げられます。販売中のドメインについて、ドメイン年齢や被リンク数など、ドメインパワーを示す指標を表示しているため、権威性のあるドメインを一目でチェックできるのが特徴です。

またGMOインターネットが運営する「お名前.com」においても、中古ドメインの年齢や被リンク数などを確認可能であり、以前にどのようなサイトが運営されていたかもチェックできます。なおこちらはオークション形式が採用されています。

中古ドメイン購入後のチェック

ドメインを購入したあとは、念のため「そのドメインに問題がないか」を今一度チェックしておきましょう。具体的には、「Google Search Console」にドメイン名を登録し、そのドメインがペナルティを受けていないかを確認します。

ログイン後、コンソールのメニュー上にある「セキュリティと手動による対策」から、「手動による対策」を選択してください。ここで「問題は検出されませんでした」といった表示があれば、Googleによるペナルティは生じていないことがわかります。

問題がある場合には、「不自然なリンク」や「価値の低いコンテンツ」といった表示がなされます。状況に応じて再審査のリクエストなどの対処をしていく必要があるので、Googleのヘルプセンターの案内を参考にしながら対応していきましょう。

まとめ

中古ドメインは「過去に運用履歴のあるドメイン」のことであり、適切に選ぶことで「すでに蓄積している評価や信用」を自社のWebサイトに活かすことができます。

一方で、中古ドメインのなかには過去にGoogleからペナルティを受けていたり、スパムサイトの影響を受けていたりするものもあるため、選定には注意が必要です。購入前には必ず、Whois情報やアーカイブなどを確認し、そのドメインでどのようなサイトが運営されていたかをチェックしておきましょう。

なお、従来はSEO面での効果を高く評価されていた中古ドメインですが、Googleが2024年に行ったポリシー変更により、現在では「検索順位の操作を目的として中古ドメインを購入する行為」がペナルティの対象とされています。

今後は中古ドメインの「被リンク数」といったアドバンテージは限定的になっていくと考えられ、過去の運用履歴だけを頼りにSEO対策を進めていくことは難しくなるかもしれません。

あくまでユーザーにとって有益な情報を届けることを前提に、発信する情報の中身や目的に適したドメインを選んでいくことが重要です。

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この記事を書いた人

鹿嶋 祥馬
大学で経済学と哲学を専攻し、高校の公民科講師を経てWEB業界へ。CMSのライティングを300件ほど手掛けたのち、第一子が生まれる直前にフリーへ転身。赤子を背負いながらのライティングに挑む。

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