葬儀社の集客方法8選!中小でも大手に負けない顧客獲得力をつけるヒント
葬儀社の集客に困ったとき、とりあえず「紹介」という方法にばかりに頼っていないでしょうか?少子高齢化が顕著な今、生き残る葬儀社であるためには、それだけではいけません。時流を読み最適な集客方法を選択してこそ、あなたの会社を知ってもらい、満足のゆく葬儀を提供できるというものです。
そこで本記事では、葬儀市場の動向から最適な集客方法に至るまで徹底解説。中小でも大手に負けない集客力をつけるためのヒントをお届けします。
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目次
集客の前に押さえたい葬儀市場の動向
どんな業界・市場においても、波があります。波の勢いや強弱を見極め、上手くバランスをとってこそ、良い波に乗ることができるのです。葬儀社の集客についても同じことがいえます。
- 葬儀の小規模化
- 終活への関心
- IT化と価格競争
葬儀市場において押さえておきたいこれら3つのトピックスについて紹介します。本格的な集客方法に取り組む前に、葬儀市場の動向を把握しておきましょう。
葬儀の小規模化
かつてはホールを貸切るような一般葬(参列者を限定せず、広く多くの関係者に参列していただく葬儀)が主流だったかと思います。しかしながら、近年ではホールを小分けに区切って行う小規模な葬儀が増えています。
サンケイリビング新聞社が運営するリビング東京Webの調査によると、自身の葬儀は「家族葬を希望する」と回答した人数が57.9%で最も多かったとされます。少子高齢化の影響や核家族化などの影響を色濃く受け、葬儀の参列者数は減少傾向にあるのです。
こうした背景により、全体的な葬儀単価は下落傾向にあるため、葬儀社は新たな集客施策に取り組む必要性が増しています。
出典:サンケイリビング新聞社-リビング東京Web「家族葬や一日葬など小規模化する今どきの葬儀事情とは?」
終活への関心
少子高齢化が進むなか、周囲に迷惑をかけずに人生を終わるための準備をする「終活(人生の終わりのための活動)」への関心が高まっているのにも注目です。元気なうちに準備をしておこうと、高齢者だけでなく中高年世代の方であっても、終活に興味を持っている人々は多いことでしょう。
また、終活への関心はそれだけ葬儀ニーズが多様化していることを示しています。一日葬や直葬、海洋散骨や樹木葬……その形は様々です。こうした終活への関心やニーズの多様化は、葬儀に関する事前相談の増加へも繋がってきます。葬儀社の集客を成功させるためには、こうした需要を取りこぼさないよう、顧客の囲い込みを行うことが求められています。
IT化と価格競争
近年はインターネットを通して葬儀社を探す人々が増えています。それに伴い、自前の会館をもたず、葬儀ポータルサイトなどで集客し葬儀社に紹介する、葬儀仲介事業者も増加傾向にあります。高齢化社会のため、葬儀業界の成長産業としての認識も広まっており、業界参入への障壁の低さも相まって、異業種からの新規参入も少なくありません。
こうしたなか、価格競争も激化し「ただ安価なだけな葬儀社」では生き残ることも難しい現実があります。そこで収益の鈍化を防ぐ手段として、差別化された仕出料理の提供やオンライン葬儀(リモート葬儀)など、新たな葬儀の形が誕生しているのにも注目です。
集客の前に見直したい葬儀社の経営戦略
中小企業の葬儀社において、経営戦略が生半可なものでは、大手葬儀社に太刀打ちできなくなってしまいます。中小企業こそ、綿密な戦略のもと効果的な集客施策に取り組んでいく必要があるのです。
- 選択と集中
- 費用の明確化
- 人材の確保と育成
そこで大切なのが上記3つの視点です。一つずつ解説していきます。
選択と集中
選択と集中とは、特定の事業分野に経営資源を集中することです。とりわけ、企業の競争戦略上、得意とする(あるいは得意としたい)事業分野を絞り込み、そこに経営資源を集中することを指します。たとえば、葬儀事業の中でも遺体の身支度整理を行う納棺に秀でた企業もあれば、お寺や僧侶との長くからの繋がりが売りの企業もあることでしょう。
大切なのは、あなたの葬儀社が得意とする分野を極めていくことです。もちろん、競合とその分野がかぶることがあるかもしれません。しかしまずは、極限までその分野を研ぎ澄ますこと。それが顧客に響く葬儀社としての強みとなり、集客していくうえで打ち出すべき一番のアピールポイントとなります。選択と集中で淘汰されないための武器を手に入れましょう。
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費用の明確化
葬儀社の経営戦略を練るうえで大事なのは、「お客様の立場になって考えること」です。葬儀というのは、何度も経験するものではありません。ゆえになににどれくらいの費用がかかるのか理解しきれていないお客様がほとんどですし、短時間で多くのことを決めなければならないため、見積もり書を出されてもゆっくり検討する時間もないのです。
であれば、最初からホームページなどで費用を明確に示しておくのがユーザーファーストというもの。そうした細やかな気遣いで、葬儀社の口コミは広がっていきます。明瞭会計を意識した運営こそが、愛される葬儀社への大きな一歩です。
人材の確保と育成
需要が高まることが予想される葬儀業界では、サービス品質が問われる時代です。いくら集客できたところで、「人手が足りない」「対応品質が悪い」となれば良い口コミは増えません。同様のサービス・価格帯なら、良い口コミが多く、気持ちの良い対応を期待できる葬儀社が選ばれるのは当然です。
そこで大切となるのが、人材の確保と育成です。近年は、多くの求職者が転職市場に存在します。たとえ葬儀業界が未経験であったとしても、しっかりとした教育体制が整っていれば問題はありません。厚生労働省が公表しているキャリアマップ、職業能力評価シートなどを活用してみるのも良いでしょう。選ばれる葬儀社としてのサービス品質を担保するために、人材の確保と育成にはできる限りのリソースを割くことをおすすめします。
参考:厚生労働省「葬祭業の人材育成のために〜 従業員の能力を見える化し、経営を伸ばす 〜」
葬儀社の集客方法8選
葬儀社におすすめの具体的な集客方法は以下の通りです。
- ホームページ
- Googleビジネスプロフィール
- Web広告
- 葬儀ポータルサイト
- チラシ
- 看板
- 葬儀相談会
- 関係施設からの紹介
インターネット上の人々へアプローチするオンライン集客から、人と人との実際のつながりや実態ある媒体を活用するオフライン集客まで、その特徴・活用ポイントは様々です。では、一つずつ紹介していきます。
ホームページ
人々のインターネット利用が盛んになった今、ホームページは葬儀社にとって「インターネット上の名刺」のような役割を果たします。また、ホームページは一度作ってしまえば、基本的に24時間365日インターネット上に存在するため、継続的な集客につながるのもメリットです。サンケイリビング新聞社が運営するリビング東京Webの調査でも、葬儀に関する情報の入手先について「葬儀社や斎場のパンフレットやホームページ」と回答した人が約7割とされます。
無料でホームページを作成できるツールもありますが、カスタマイズ性に乏しかったり、意図しない広告が表示されたりと、集客には向いていないことが多いため、できる限りコストをかけて、機能やクオリティの充実したホームページにしておくと安心です。より集客力の高いホームページを作成・運用するには、SEO対策に取り組むのがおすすめです。検索順位が高まれば、それだけ多くの人々の目にとまりやすくなります。
出典:サンケイリビング新聞社-リビング東京Web「家族葬や一日葬など小規模化する今どきの葬儀事情とは?」
Googleビジネスプロフィール
あなたの葬儀社はGoogleビジネスプロフィールへの登録は済んでいるでしょうか?地域ビジネスの一面をもち合わせた葬儀社にとって、Googleビジネスプロフィールを活用した集客は欠かせません。Googleビジネスプロフィールへ登録しておけば、GoogleマップやGoogle検索といった、インターネット上の利用者数が非常に多い市場において、あなたの葬儀社をアピールできます。無料で登録可能なのも魅力的です。
なかでも近年は、「○○市 葬儀」「近くの葬儀場」のようにエリアを絞った検索キーワードで、自身の条件に合う葬儀社を探す人々も多くみられます。MEO対策に取り組めば、こうしたユーザーに対しても、効率よくアプローチが可能です。
Web広告
Web広告も葬儀社にとって有効な集客方法です。特に検索キーワードに呼応する形で広告が表示される「リスティング広告」や、InstagramやFacebook、X(旧Twitter)などのSNSプラットフォーム上で表示される「SNS広告」などは、葬儀需要にマッチした集客方法といえます。
ただし、Web広告は基本的に出稿期間が長期化すればするほど、かかるコストも膨大になってしまいます。短期決戦という認識のもと、あらかじめ広告予算を定めて運用してみるのがおすすめです。
葬儀ポータルサイト
葬儀社と葬儀ニーズをもつお客様を結びつける葬儀ポータルサイト。有名なところだと、「価格.com」や「小さなお葬式」などが挙げられます。こうしたポータルサイトは、知名度が高く一定の集客力が担保されているため、掲載しておけば依頼につながる可能性が高まります。
しかし、デメリットも確かにあります。それは「大手やネームバリューのある葬儀社に依頼が偏りがち」という点です。それをひっくり返すためにはやはり、葬儀社としての対応品質を高めるなりして、地道に良い口コミを集めていく必要があるでしょう。
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チラシ
紙媒体を情報収集としているご家庭は、現在も一定数存在するため、チラシのポスティングや新聞折込チラシといった集客方法も効果的な場合があります。まずは商圏エリアの新聞購読率を調べてみるのも良いでしょう。
また、地域のフリーペーパーなどに広告を掲載させてもらうという手もあります。いずれにせよ、地域に密着した葬儀社をアピールするためにはもってこいの集客方法といえるでしょう。
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看板
意外と見落とされがちですが看板は、葬儀社の集客力を高めるツールのひとつです。店舗や事務所の建物に設置する壁面看板だけでなく、道沿いや駐車場に設置する自立・野立看板も、あなたの葬儀社や葬儀場の認知度を高めてくれます。
何しろ看板の良いところは、人々の記憶に残るという点です。街ゆく人々、地域の人々の目に知らず知らずに触れているうちに、「そういえば、あそこに葬儀場があったな」と刷り込まれていくのです。地域シェア率をアップさせる集客方法として、看板を見直してみるのも良いでしょう。
葬儀相談会
葬儀相談会を開催して、実際に見込み顧客となる人々が抱える葬儀に関する悩みや要望をヒアリングするイベントを設けるのも集客効果をもたらしてくれます。また、セミナーという形で、葬儀や終活に関わる講座を開催するのも良いでしょう。葬儀社としての専門性をアピールし、信頼度を高める一助となります。
ポイントはあくまでも前向きな情報や知識を提供する場を設けるということです。そうした相談会やセミナーを通して信頼を獲得できたのなら、仮会員登録など更なるステップへ促すことも可能です。
関係施設からの紹介
企業や組合、老人ホームなどの施設への営業を行い、これらの団体・施設からお葬式依頼の紹介という形で集客を行う方法があります。葬儀社にとってはかなりポピュラーな集客方法といえるかもしれません。
「お世話になったから」という理由でこうした紹介から依頼につながることは少なくありません。地域での認知度が低い場合は、こうした地道な集客方法も大切ではありますが、Webを活用したオンライン集客手法とバランスよく取り組むことを忘れないようにしましょう。
~集客から感謝へ~葬儀社の顧客対応の心得
集客して葬儀を提供して終わり。それだけでは競争が激化する葬儀業界において淘汰されていく可能性が大いにあります。そこで集客後の心得として、以下の三つのポイントも押さえておきましょう。
- 潜在的なニーズを引き出す
- 「やってよかった」葬儀を提供する
- 口コミを増やす取り組み
では、一つずつ解説します。
潜在的なニーズを引き出す
葬儀社を訪れるご遺族のお客様は基本的に「葬儀を無事に滞りなく終えたい」というニーズしかもっていないことがほとんどでしょう。あれをしたい、これをしたいといった前向きかつ建設的なニーズをもっていないのです。それに対して「円滑な葬儀」を提供するだけでは足りません。
そこで綿密なヒアリングを通し、故人の好みや印象、趣味、歴史など、様々な情報をかき集めること。そして、お客様自身も気付いてない潜在的なニーズ(たとえば「父の趣味で合ったギターのイラストをあしらった案内状にしたい」など)を汲み取って実現して差し上げること。こうした洞察力と細やかな配慮こそが、葬儀社の良し悪しに関わってくるのです。
「やってよかった」葬儀を提供する
前述した通り、基本的に葬儀というのはお客様にとってワクワクするものでも、本当にやりたくて意欲的に取り組むものでもありません。冠婚葬祭と並べられる結婚式とは対照的で、義務的な催事でしかないのです。
だからこそ、「やってよかった」葬儀を提供することに、とことんこだわりましょう。価格競争が激しさを増し、競合他社がひしめく今大切なのは、サービスの機能・性能・価格といった「合理的な価値」だけでなく、葬儀体験を通してお客様のなかで醸成される「感情的な価値」です。「やらなきゃいけない」葬儀ではなく、「やってよかった」葬儀を追い求める姿勢を持ち続けましょう。
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口コミを増やす取り組み
葬儀業界において口コミはかなり大きな集客を左右する要素です。潜在的なニーズを引き出し、「やってよかった」葬儀を提供し続けていれば、良い口コミは徐々に増えていくことでしょう。ただそれだけではなく、葬儀社側からも口コミを書いてもらうよう働きかけることが重要です。
特にGoogleビジネスプロフィールや葬儀ポータルサイトの利用者には、口コミ・レビュー・評価を判断材料にして、依頼する業者を選ぶユーザーが多い傾向にあります。口コミを書いてくれた方限定の特典を用意するなど工夫して、口コミを増やす努力をしましょう。
口コミを増やして葬儀社の集客を成功させよう
今まで一般的であった大規模な葬儀は減少傾向をたどり、家族葬や直葬などの小規模化した葬儀の需要が高まったことにより、葬儀社が受注する葬儀単価は下落しています。であれば、少しでも多くの人々へあなたの葬儀社の名前と強みを知ってもらい、魅力的なサービスを提供してくれると思ってもらわなければいけません。
そこで大切なのが、ホームページやGoogleビジネスプロフィールを活用したオンライン集客方法です。地元民にとどまらず、インターネット上の大勢の人々に向けてあなたの葬儀ビジネスをアピールできます。
とはいえ、かねてから葬儀社の集客方法だった紹介やチラシから手を引いて良いというわけでもありません。大事なのは、オンラインとオフラインのバランスです。
本記事を参考にして、集客から顧客対応に至るまでそのすべてをブラッシュアップし、「やってよかった」と感じてもらえる葬儀を提供する葬儀社を目指して頂けたら幸いです。
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