インスタのIGTVがなくなった?過去には広告・投げ銭機能が搭載されていたことも
「動画元年」といわれてから久しく、現に動画アプリは年々増えていっています。「子どもがなりたい職業ランキング」でもYouTuberはいまや上位常連。ユーザーが増えているということは、ビジネスの観点でも見逃せません。
そんなおり、Instagram(インスタ)でリリースされたのがIGTVでした。いわゆる「インスタ版YouTube」です。広告表示や投げ銭機能が搭載されるなど、収益性を意識した作りになっていました。
しかし、インスタの「IGTVどこいった?」という声のとおり、現在はサービスが廃止された状態です。本記事では、IGTVで何ができたのかを解説するとともに、インスタで長尺動画を投稿する方法を紹介します。
目次
Instagram(インスタ)のIGTVはなくなった
繰り返しますが、Instagram(インスタ)のIGTVはサービスが廃止されました。2021年10月にInstagram動画と統合され、2022年3月に完全終了しています。
長尺の動画を投稿したい場合はフィードやリールを利用してください。
IGTVとは(サービス廃止)
先に「インスタ版YouTube」と表しましたが、IGTV(アイジーティーヴィー)とは、Instagramから派生した動画アプリのこと。2018年6月にリリースされ、現在(2020年6月)およそ2年が経過したところです。→IGTVは2022年3月に廃止され、今は完全になくなった状態です。
ただし、当初はそのDL数がInstagramユーザーの1%にも満たないといわれ、Instagramのホーム画面上にあったIGTVボタンも排除され(現在は復活)、正直あまり重要視されることのなかったアプリでした。
しかし新型コロナウィルスの影響で2020年「おうち時間」が増えたことで、Instagramでライブ配信を行うユーザーが70%も増加し、その動画が24時間経過後もIGTVで閲覧できるということで、注目度が高まっています。
それに伴い、前述のとおり現在は広告メニューの実装をテスト運用中なので、動画コンテンツやSNSをマーケティングやプロモーション目的に利用する予定のある方は今のうちにチェックしておいた方がよいでしょう。
Instagramの機能と比較すると、IGTVでは現時点で下記のようなことが可能です。
- 長い動画の配信(最長60分)
- シリーズ化
- 一時停止、早送り、巻き戻し
- ライブ配信のシェア
まず、ストーリーズでは15秒(最長60秒間は続けての撮影が可能)しか配信できないのに対し、最長60分間の長時間の動画作成、配信が可能です。もちろん24時間以上、配信した当人が削除しない限りずっと掲載し続けることができます。
複数の動画がたまったときは、シリーズ化することでそれぞれをより探しやすくすることもできるので、ユーザビリティーも高いです。
また、通常のフィードに上がる投稿と異なり、一時停止や早送り、巻き戻しも可能。ストーリーズでも一時停止しかできないため、意外とユーザーにとって親切な機能ではないでしょうか。
そして、前述しましたが、Instagram Live(Instagram内のライブ配信機能)をそのままIGTVのコンテンツとしてシェアすることもできます。かつては24時間しか残せませんでしたが、現在は無期限です。
IGTVの広告表示とバッジの運用に期待 (サービス廃止)
2020年2月、InstagramはPartner Programの内部向けプロトタイプの開発を発表しました。内容はIGTV内に広告を表示させること、そして配信者を支援する「バッジ」という、いわゆるライブ配信アプリでおなじみの「投げ銭」システムを導入すること。
広告表示
6月より実際にアメリカの一部にて広告掲載を実験的に開始させており、ブルームバーグによると広告収入の55%を配信者に還元するとしています。当面、対象は個人クリエイターに絞られているようなので、企業が介入できるようになるのはまだまだ先かもしれないですが、このシステムによって人気を得た「IGTVer」にプロモーションを委託するという選択肢は考えられるようにはなるかもしれません。
〇参考:ブルームバーグ
なお広告の表示方法は、まずIGTV動画を観る前に15分間プレビューが流れ、続きを再生しようと画面をタップすると、15秒以下の広告が挿入されるというミッドロール広告の予定だそう。
広告を最後まで見ずに再生を途中でやめてしまう視聴者もいるであろうことは想像に容易いですが、現にYouTubeやFacebookでもこの仕組みを採用していて普及が進んでいるので、一般的な形式といえそうです。
バッジ
バッジとは、前述したInstagramにおける「投げ銭」の機能名で、Instagram Liveを配信中のクリエイターに対してサポートをしたいというときに、バッジと呼ばれるものを購入し、送ることで、クリエイターにも還元されるという仕組みです。
バッジには現在0.99ドル(約106円)、1.99ドル(約214円)、4.99ドル(約537円)の3種類があり、視聴者はそれぞれ1回の配信につき1回しか購入できません。そのため、配信者が特定の視聴者に購入を煽るような行為もできません。
バッジを送ると、その視聴者のコメントは上位表示され、配信者がアクセス可能なリスト内に掲載されるといった特典が得られます。
2020年6月現在は広告表示同様、アメリカの一部のみでテスト運用中ですが、今後は数ヶ月中に、アメリカ、ブラジル、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、トルコ、スペイン、メキシコで運用が始まることになっています。現時点で日本は予定に入っていませんが、この機能が有益なものだと判断されれば当然、より多くの国で運用されると見込まれるので、気長に待ちましょう。
IGTV投稿のコツ (サービス廃止)
それでは、IGTVの投稿方法を基本からおさらいしましょう。
投稿方法
IGTVはInstagram同様にスマホ利用を前提として作られているので、縦長動画になるよう撮影しましょう。もちろん横に反転することもできますが、ユーザビリティーを考えるとそのまま気軽に閲覧できるのは縦長動画でしょう。
また、最長60分間を1本の動画として配信可能ですが、長すぎると途中で離脱されてしまうので、できるだけ短めを心掛けるのがベターです。タイトルやカバー写真、概要詳細を自分で設定できるので、ターゲット層が興味を引くことを意識して入力してください。
投稿数が増えたらシリーズ化するとよいでしょう。「シリーズ」とは、ブログでいうと記事カテゴリのようなもので、これを設定することで、視聴者は配信者がどういった動画を公開しているのかがわかり、また、以前観た動画をリピートしたいときにも簡単に探し出すことができます。
特に向いているコンテンツ
ビジネスにおいてIGTVを利用するのであれば、下記のようなコンテンツだと特に向いているのではないでしょうか。
料理
料理動画は実際に既によく閲覧されているコンテンツです。順を追って作り方が見られるので、真似して作りたいと思うユーザーも実践しやすく、動画と親和性が高いといえるでしょう。IGTVなら巻き戻しも可能なので、途中でわからなくなっても見直すことができます。
アパレル
実際に新作発表や展示会風景などをライブ配信しているアパレルブランドも少なくないですが、細かいディティールや着用感、素材感を見ることができるので、写真よりも購入意欲が沸きやすいでしょう。プロモーションビデオなどを作成して配信することでブランディングを確立させることも可能です。
コスメ・スキンケア
コスメも写真だと光の加減などで色が変わって見えてしまったり、質感がわからなかったりするものですが、動画だと細かく伝えることができます。メイクの仕方もわかりやすくまとめられるので、ユーザーも真似しやすいでしょう。美容アカウントと呼ばれる、メイク動画配信を行っている個人ユーザーも多いので、コラボ動画を配信してみてもおもしろい試みになるかもしれません。
トレーニング・ボディケア
トレーニング動画の人気も普遍的ですね。やり方をわかりやすく伝えることができるので、おうち時間の中でダイエットも兼ねて実践する視聴者も多いでしょう。再生しながらトレーナーの動きに合わせて行うことで一緒にトレーニングしているような体験が得られ、リピート再生にも繋がります。もちろんトレーニングやボディケアアイテムの説明にも向いています。
メディア
既に動画コンテンツを取り入れているメディアはかなり多いです。雑誌であれば最新号、webであれば最新記事や特集記事の説明、裏話を編集部員同士で話すというのもよいでしょう。人は「中の人」が見えることで親近感を覚え、そのメディア自体にも好印象を抱くことも少なくないからです。また、付録やプレゼントキャンペーンの説明にも適しています。
IGTVはマーケティングツールとしても使える (サービス廃止)
何度も繰り返しになってしまいますが、現在、広告表示についてもバッジ運用についても実用化はされていません。また、現時点では日本は対象に入っていません。そのため、今後も広告を表示させたりバッジを利用したりすることはできないかもしれませんが、今のうちに導入しておいて損はありません。
動画熱が高まっていることは間違いなく、Instagramのユーザーも高い水準を保っているので、じわじわと注目度を高めている今、早めにプロモーションに取り入れることで、事業の認知度も上昇するかもしれません。
また、もし日本でも広告やバッジが運用できるようになったときに、先に利用していた方が他社と差をつけることができるでしょう。
まずは導入してユーザーの動向を見つめるマーケティングツールとして活用するだけでも今後のためになるのではないでしょうか。
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