Instagram(インスタグラム)のエンゲージメントとは?計算方法や見方と向上させる10の施策を解説
エンゲージメントはInstagram(インスタグラム)を運用するうえで重要な要素であり、プロモーションが成功しているかどうかを判断する指標になります。
この記事では、Instagramにおけるエンゲージメントについて、数値の見方や意味するもの、エンゲージメント率を計算する方法を解説します。
また、エンゲージメント率を高める方法やエンゲージメントに関する注意点についてもまとめました。Instagram運用を効果的に進めたいとお考えの場合は、本記事の内容をぜひ参考にしてみてください。
目次
Instagramのエンゲージメントとは
Instagramのエンゲージメントとは、投稿に対するユーザーの反応を意味します。そして、エンゲージメント率は投稿をみたユーザーの何割が反応を示したかを表す数値です。
エンゲージメント率が高い投稿ほど、ユーザーにとって効果的で価値があるものであると判断できます。エンゲージメント率が低いことはリーチしたユーザーに対して投稿に反応したユーザーが少ないことを意味します。
エンゲージメント率が低い場合は、効果的な投稿ができていないことや投稿を表示するターゲットが間違っていると判断できるため、Instagramの運用の方針や施策を改善する必要があるでしょう。
Instagramのエンゲージメント率の計算方法
Instagramのエンゲージメント率はアプリ内のインサイトなどには表示されず、自身で算出する必要があります。
また、Instagramのエンゲージメント率の算出方法に決まった方法はなく、計算式に入力する情報は必要に応じて変更することも可能です。
一般的に、Instagramのエンゲージメント率(%)は以下の式で算出されます。
- (いいね・保存・コメントの総数/投稿のリーチ数)×100
分子はエンゲージメントの総数を意味し、エンゲージメントをリーチ数で割ることで投稿に反応したユーザーの割合「エンゲージメント率」を求められます。
分母にあたる投稿のリーチ数はフォロワー数やインプレッション数に置き換えられます。ただし、リーチ数を分母にしたエンゲージメント率の算出が一般的な方法であることは覚えておきましょう。
Instagramのエンゲージメントの見方
Instagramのエンゲージメントは、投稿をクリックすると表示される「投稿インサイト」から確認できます。
投稿インサイトでは以下の項目が表示されており、エンゲージメント率の算出に必要なデータを得ることが可能です。
- いいね数
- コメント数
- シェア数
- 保存数
また、投稿インサイト画面をスクロールするとリーチしたアカウント数やエンゲージメントとしてアクションを実行したアカウント数も確認できます。
Instagramの投稿インサイトを活用することで、エンゲージメント率の算出やその他分析を効果的に行えるでしょう。
Instagramのエンゲージメント率が重要視される理由
Instagramのエンゲージメント率が重要視される理由として、以下の3点が挙げられます。
- アルゴリズムがエンゲージメント率を重視している
- 新規のフォロワー数上昇が期待できる
- ユーザーの興味や関心を分析しやすくなる
各項目の詳細を1つずつ解説します。
アルゴリズムがエンゲージメント率を重視している
Instagramのアルゴリズムがエンゲージメント率を重視していることから、エンゲージメント率を高める必要性があります。
(参考:Instagram公式「Shedding More Light on How Instagram Works」)
Instagramの価値は「好きと欲しいをつくる」ことであると公式が発表しており、ユーザーが好きなものを共有できるコミュニティや偶発的に好きなもの・欲しいものを発見できる場の提供を目指しています。
そのため、Instagramはユーザーにとって、より適切なコンテンツを表示したいと考えていることがわかります。
ユーザーにとって価値があるコンテンツの指標としてInstagramはエンゲージメント率を採用しており、エンゲージメント率が高いコンテンツほどユーザーに表示される機会が増えるという仕組みです。
エンゲージメント率が高い投稿は「発見タブ」や「ハッシュタグ」からのアクセスが増えやすく、ユーザーに表示される機会が多くなります。そのため、むやみにリーチ数を多くすることよりもエンゲージメント率を高めることがInstagram運用において重要です。
新規のフォロワー数上昇が期待できる
先述のとおりInstagramでは、エンゲージメント率が高いコンテンツは「発見タブ」や「ハッシュタグ」からのアクセスが増加しやすい傾向があるため、エンゲージメント率を高めることで、新規フォロワー獲得の可能性が高まります。
「発見タブ」や「ハッシュタグ」を経由して新しくアカウントをフォローするユーザーは多いため、エンゲージメント率の向上はフォロワー数の増加も期待できます。
ユーザーの興味や関心を分析しやすくなる
エンゲージメント率を重要視することで、ユーザーの興味や関心を分析しやすくなります。
エンゲージメント率を指標に投稿やコンテンツを評価・分析することは、ユーザーの興味や関心がどこにあるのか、何を求めているのかを知るきっかけとして有効です。
これまでの投稿のエンゲージメント率を算出して比較すれば、ユーザーの興味・関心が高い投稿を絞り出し、どの要素が共通しているか調べることができます。また、分析した結果から作成した投稿が実際にユーザーにとって価値があるかどうかもエンゲージメント率で判断可能です。
Instagramでは、エンゲージメント率からユーザーの興味・関心を分析しやすくなるため、エンゲージメント率を重要視した運用が重要といえます。
Instagramのエンゲージメント率を高める方法
インスタグラムのエンゲージメント率を高める方法を紹介します。エンゲージメント率を高める方法として、まずは以下の10の施策に取り組んでみてください。
- ペルソナを設定してニーズにあった投稿を行う
- 発信する内容に一貫性を持たせる
- 同じ曜日・時間に投稿する
- ハッシュタグを活用する
- キャプションを充実させる
- ユーザーと積極的に交流する
- ストーリーやリールを活用する
- キャンペーンを活用する
- インフルエンサーを起用する
- 競合アカウントを分析する
それでは、各項目について詳しく解説します。
ペルソナを設定してニーズにあった投稿を行う
エンゲージメント率を高めるために、ペルソナを設定しニーズにあった投稿を心がけましょう。
ペルソナとは投稿を届けるターゲットを意味し、ターゲットにとって価値があるコンテンツの作成を心がけることでエンゲージメント率の向上が期待できます。
ペルソナを設定する際には、年齢層や性別、価値観、職業などを詳細に想定しましょう。しかし、ペルソナ設定の段階から実際のユーザーとズレが生じていると、期待したようなエンゲージメント率の向上は期待できません。
したがって、本ページで紹介する施策を全て実行してもエンゲージメント率の向上がみられない場合は、ペルソナ・ターゲットを見直すことも重要です。
発信する内容に一貫性を持たせる
発信する内容に一貫性を持たせることでエンゲージメント率の向上が望めます。
発信内容が投稿ごとにブレていると、アカウントの信頼性が損なわれます。また、新規投稿を楽しみにしたり、投稿ごとにいいねや保存といったアクションを行ったりするユーザーが増えることは期待できません。
逆に、発信する情報や内容、発信の方法に一貫性を持たせることでユーザーからの信頼度が高くなるほか、アカウントそのものの認知も高くなり、ファンの獲得も可能です。
アカウントのファンはいいねや保存、シェアといったアクションを行う可能性が高く、エンゲージメント率の向上が期待できます。
そのため、過去の投稿と発信内容や発信の方法に一貫性があるかどうか、確認しながらコンテンツを作成・投稿することが重要といえるでしょう。
同じ曜日・時間に投稿する
エンゲージメント率を高めるためには、同じ曜日・時間の投稿など定期的な更新を心がけましょう。
投稿頻度が高いほどエンゲージメント率が高くなるわけではありませんが、定期的な投稿を行い、継続的にユーザーとのコミュニケーションを図ることでエンゲージメントの向上が見込めます。
同じ曜日・時間に投稿することをユーザー・フォロワーが認知することで、投稿に気づかず、そもそもリーチすらされないといった事態を避けられます。投稿日時を意識するほど投稿に興味・関心が高いユーザーは投稿へのアクションを行いやすいため、エンゲージメント率を高めることが可能です。
ハッシュタグを活用する
ハッシュタグを効果的に活用することで、エンゲージメント率向上につながります。
Instagramは各種SNSの中でも特にハッシュタグの活用率が高いSNSです。ハッシュタグをフォローできる機能や、関連する投稿を表示できる機能もあるため、ハッシュタグの有効活用がInstagram運用における重要なポイントといえます。
ハッシュタグを活用することで、フォローしていないユーザーへのリーチが期待できるのです。また、ハッシュタグからアクセスするユーザーはすでに興味や関心を持っていることから、高いエンゲージメント率が期待できます。
Instagramの運用を行う際は、ハッシュタグを効果的に活用することが大切であるため、どのようなハッシュタグで検索されているのか、検索される回数が多いハッシュタグはどのようなものか調査しておきましょう。
キャプションを充実させる
投稿のキャプションを充実させることで、エンゲージメント率の向上を狙えます。
キャプションは投稿の説明文として画像・動画の下に表示されるものです。画像・動画の内容を補足するものであり、キャプションの内容次第でユーザーの興味や関心をより高める効果が期待できます。
画像だけの投稿と比較すると、キャプションを充実させた投稿は情報量を増やせるため、ハッシュタグも含めてキャプションを工夫してみてください。
ユーザーと積極的に交流する
エンゲージメント率を高めるためには、ユーザーと積極的に交流しましょう。
ユーザーとのコミュニケーションを図ることで、ユーザーが複数回投稿を確認したり、新しい投稿にもコメントを残したりといった効果が期待できます。
ユーザーが投稿に対する質問コメントをした場合、些細な回答程度でも交流を続けることで、ユーザーからの興味や関心を高く保てるでしょう。逆に回答がない場合は質問をしたユーザーの興味関心は徐々に薄れていきます。
エンゲージメント率を高めるためには、できるだけユーザーとの交流を積極的に行うようにしましょう。
ストーリーやリールを活用する
ストーリーやリールを活用し、エンゲージメント率の向上を狙ってみてください。
ストーリやリールといった動画コンテンツは視聴し終わるまで情報が全て伝わらないため、投稿への滞在時間が長くなりやすいといった特徴があります。滞在時間が伸びることで、じっくりとコンテンツを確認するため、結果としてエンゲージメント率が高くなりやすいです。
画像であればすぐに情報を確認してスクロールされる可能性があるため、積極的に動画コンテンツを活用してみましょう。
キャンペーンを活用する
キャンペーンの活用でエンゲージメント率を高めることも可能です。キャンペーンの例としては以下のような施策が挙げられます。
- インフルエンサーとのコラボ企画
- プレゼント企画
- ストーリでの紹介企画
直接ユーザーにコメントやフォローなどのアクションを促せるため、一時的にエンゲージメント率を高めることが可能です。
しかし、キャンペーンや企画でのエンゲージメント率の上昇は継続的な数値ではなく、Instagramが推奨する運用とはいえません。認知の拡大やフォロワー増加を期待する目的であればキャンペーンの活用は有効ですが、エンゲージメント率の継続的な向上は見込めないため注意しましょう。
またInstagramのプロモーションガイドラインにおいて、「規約と資格要件を設定すること」が定められています。そのため、ユーザーが意図せず参加対象になるようなキャンペーンは行うことができません。
(参照元:Instagram公式 プロモーションガイドライン)
そのため、上記に注意しながら、キャンペーンを活用する必要があります。
インフルエンサーを起用する
インフルエンサーを起用することで、インフルエンサーのファンが投稿を確認し、コメントやシェアを含めたアクションを起こしてエンゲージメント率を高める効果が期待できます。
ただし、インフルエンサーの起用によるエンゲージメント率の向上は一時的な数値である点に注意しましょう。
継続的なエンゲージメント率を高める施策を行いつつ、新規フォロワーの獲得や認知度拡大を期待する場合はインフルエンサーの起用も検討してみてください。
競合アカウントを分析する
エンゲージメント率を高めるためには競合アカウントの分析もおすすめです。競合アカウントの投稿とエンゲージメント率を参考にし、どのような投稿の反応がいいかを確認することで、自社コンテンツのアイデアを出すきっかけになります。
競合アカウントの分析では、エンゲージメント率が高い投稿と低い投稿の両方を確認し、それぞれの共通点や相違点について考えることが重要です。
エンゲージメント率が高くなる要因と低くなる要因を論理的に分析し、自社コンテンツの作成に活かすことで効果的なコンテンツ作成につながるでしょう。
Instagramのエンゲージメント率の注意点
Instagramのエンゲージメント率の注意点を3つ紹介します。
- フォロワーが増えるとエンゲージメント率は下がりやすい
- ネガティブな反応でもエンゲージメント率は高くなる
- 過剰な投稿や演出はエンゲージメント率が下がりやすい
エンゲージメント率を重視したInstagram運用を行う際、上記ポイントを押さえることがポイントです。ここからは、それぞれの注意点について解説します。
フォロワーが増えるとエンゲージメント率は下がりやすい
フォロワーが増えるとエンゲージメント率は下がりやすいことに注意しましょう。
アカウントの認知が高まることでフォロワーが増加した場合、投稿のリーチ数が増加し、以下の計算式の分母が高くなるため、エンゲージメント率が低下しやすくなります。
- (いいね・保存・コメントの総数/投稿のリーチ数)×100
フォロワーの中にはいいねや保存などのアクションを行うユーザーもいますが、必ずしも投稿に反応するユーザーばかりとは限りません。
エンゲージメント率が低下した場合、投稿の内容が原因なのか、フォロワーの増加が原因なのか見極める必要があるといえます。
ネガティブな反応でもエンゲージメント率は高くなる
エンゲージメント率はネガティブな反応でも高くなる点に注意しましょう。
投稿に対する反応はポジティブなものでもネガティブなものでもエンゲージメントになるため、エンゲージメント率の向上が必ずしも良い成果になっているとは限りません。
たとえば、不適切な投稿をした場合の批判やシェアはネガティブな反応ですが、エンゲージメント率自体は高くなります。
ネガティブな反応は自社アカウントのファンの増加やポジティブな認知拡大には繋がりません。エンゲージメント率の高低だけでなく、エンゲージメントの内容も確認し、ポジティブなエンゲージメント率の向上を目指しましょう。
過剰な投稿や演出はエンゲージメント率が下がりやすい
過剰な投稿や演出はエンゲージメント率の低下を引き起こす場合があります。
投稿は定期的に行うべきですが、1日に何度も投稿したり、キャンペーン企画を高頻度で実施したりしているとユーザーからの反応が減少しやすいです。
投稿は量よりも質を重視することや、投稿に対するユーザーからのコメント返信などのコミュニケーションに注力することでエンゲージメント率を効率的に高められるでしょう。
また、Instagramに限らずSNSでは宣伝や広告である印象が強いと嫌悪感を抱くユーザーは多いため、ユーザーが求めている情報を提供するコンテンツを重視することがポイントです。
Instagramのエンゲージメントまとめ
Instagramのエンゲージメント率は、投稿をみたユーザーの何割が反応を示したかを表す数値です。
エンゲージメント率を高めることで、Instagramで多くのユーザーにリーチする機会が得られるほか、新規フォロワーの獲得などが期待できます。さらに、エンゲージメント率からユーザーの興味・関心を分析することも可能です。
エンゲージメント率を高めるためには適切なペルソナ設定やユーザーニーズにあった投稿を心がけることがポイントといえます。くわえてリールやストーリーなど動画投稿も取り入れることでエンゲージメント率の向上が期待できます。
投稿の数やフォロワー数ではなく、エンゲージメント率を中心にコンテンツを分析・評価し、より効果的なInstagram運用を目指しましょう。
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