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インタラクティブマーケティングとは?事例や活用方法などを解説!

インタラクティブマーケティングとは?事例や活用方法などを解説!

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マーケティングのデジタル化が進む現代では、「消費者のニーズや行動パターン」をもとに、多種多様な戦略を展開できるようになっています。ターゲットへのアプローチが最適化されるなか、注目されているのが「インタラクティブマーケティング」という手法です。

この手法は「消費者との双方向のコミュニケーション」を重視したマーケティングであり、エンゲージメントの向上やブランドロイヤルティの強化に大きく貢献すると考えられます。

この記事では、インタラクティブマーケティングの概要や導入のメリットをふまえ、具体的な成功事例や活用のポイントについて解説していきます。

インタラクティブマーケティングとは?

インタラクティブマーケティングとは?

インタラクティブマーケティングとは、消費者との「双方向のコミュニケーション」を通じて、消費者の興味や信頼性を高めるマーケティング手法を指しています。

もともと「インタラクティブ(Interactive)」という言葉は、「相互に作用する」「対話型の」といった意味をもっています。たとえばWebサイトでユーザーが質問を入力すると、それに応じた案内が提示されるような形式が代表的でしょう。

このように、企業による一方向的な情報発信ではなく、「消費者の行動や反応」に応じたコンテンツを提供することがインタラクティブマーケティングの本質です。消費者の主体的な関心を引き出すことで、顧客エンゲージメントを高めることを主眼としたアプローチだといえるでしょう。

インタラクティブマーケティングが重視される背景

従来のマーケティングは、テレビCMや新聞広告をはじめ、企業から消費者への「一方向的な情報発信」が主流だったといえます。

一方で現代の消費者は、「自分にとって本当に価値のある情報や体験」を求める方向へとシフトしていると考えられます。インターネットやSNS、AI技術などの発展にともない、「企業のPRが絡んだ情報」よりも、「自分に最適化された情報」を求めているのです。

また企業の側でも、ITやAI技術の進展とともに、近年では「消費者の関心や行動に応じたアプローチ」がより細やかに実施できるようになりました。

インタラクティブマーケティングはこうした技術を活用し、「消費者が今抱えている悩み」や「求めている情報」にダイレクトに訴求できる手法です。

リアルタイムに消費者のニーズに応えていくことで、満足度や信頼感、親近感を高められる点から、時代に即した手法とされているのだと考えられます。

インタラクティブマーケティングの代表的な手法

インタラクティブマーケティングの代表的な手法

インタラクティブマーケティングにはさまざまな手法があり、ターゲットや目的に応じて適切なものを選ぶことが重要です。以下では、とくに採用例が多く見られる手法を紹介していきます。

クイズや診断コンテンツ

まず多く見られるのは、企業のWebサイトやSNS上で、ユーザーの興味を引くクイズや診断コンテンツを提供する手法です。

たとえば化粧品ブランドが「あなたにピッタリのスキンケア診断」を用意することで、消費者の関心を引き、最適な商品を提案するといった形が挙げられます。

こうしたコンテンツはWeb広告やSNS、自社のランディングページなど、さまざまな形で導入されており、消費者の「自分のことを知りたい」「ちょっと気になる」といった気持ちに訴求しています。

チャットボットの活用

AIを活用したチャットボットは、消費者の質問にリアルタイムで対応し、商品やサービス、アフターサポートなどに関する案内を提供します。とくに保険や金融、不動産など、契約内容や手続きが複雑になりやすい業界で導入例の多いシステムです。

消費者としては電話などで問い合わせる手間が減り、いつでも必要な情報にアクセスできるメリットがあります。また企業の側でも、サポートセンターなどの人的なリソースを削減しながら、適切な情報を自動的に提供できるメリットがあるでしょう。

SNS上でのキャンペーン

インタラクティブマーケティングを実践するうえで、消費者側からも情報を発信できるSNSは非常に有効なプラットフォームだといえます。

SNSにはさまざまな活用方法が考えられますが、たとえばハッシュタグキャンペーンや、フォロワーへのアンケートなど、「一般ユーザーを巻き込み、自然な形で自社の商品やアカウントに関心を向ける施策」が代表的でしょう。

また普段から自社商品を紹介する投稿に対して頻繁にリアクションをするなど、消費者と企業が双方向的なやりとりを重ね、それが親近感につながっていく場面は多いと考えられます。

インタラクティブマーケティングと混同しやすい手法

インタラクティブマーケティングと混同しやすい手法

インタラクティブマーケティングは、「消費者との双方向的なコミュニケーション」を重視する手法です。ここには多くの方法論が含まれることから、その他のマーケティング手法との区別が難しくなることもあるでしょう。

以下では、インタラクティブマーケティングと似た意味をもつ言葉との違いを解説していきます。

リレーションシップマーケティングとの違い

リレーションシップマーケティングは「消費者との関係を深めるためのマーケティング」であり、「消費者との関係構築」という面で、インタラクティブマーケティングと重なる部分も大きい言葉です。

一方で、リレーションシップマーケティングは「長期的な信頼関係を築く」という点に重きを置いています。継続的に消費者のニーズを満たしていくことで、顧客1人あたりの生涯価値(LTV:Life Time Value)を最大化することを目的とする観点です。

対してインタラクティブマーケティングにおいては、「消費者のアクションに対して情報を提供する」という点が重視されます。たとえば導線設計や採用するシステムなど、より具体的・技術的な側面に焦点を当てた言葉だといえるでしょう。

パーソナライズドマーケティングとの違い

パーソナライズドマーケティングは、消費者の属性や行動履歴などのデータをもとに、「個々の消費者に最適化された情報を提供する」という手法を指しています。

「消費者にあわせた情報提供」という面ではインタラクティブマーケティングと重なりますが、パーソナライズドマーケティングは必ずしも「双方向的なやりとり」に限定されず、一方向的な情報提供も含む概念です。

ダイレクトマーケティングとの違い

ダイレクトマーケティングは電話やEメール、ダイレクトメールなどの方法により「消費者と直接やりとりする手法」を指しています。

「消費者とのやりとりが生じる」という点でインタラクティブマーケティングと似ているものの、ダイレクトマーケティングは「商品・サービスの購入に向けた直接的な案内や勧誘」といった側面が強い言葉だといえます。

対してインタラクティブマーケティングは、チャットボットや診断コンテンツのように、あくまで「消費者が知りたいこと」を入り口として、消費者の反応や行動に応じて展開されるケースが多いといえるでしょう。

インタラクティブマーケティングのメリット

インタラクティブマーケティングのメリット

インタラクティブマーケティングを導入することで、消費者との関係を深め、マーケティング戦略の幅も広がっていくと考えられます。以下ではより具体的に、インタラクティブマーケティングのメリットを解説していきます。

エンゲージメントの向上

従来の一方向的なマーケティングとは異なり、インタラクティブマーケティングは消費者との「双方向のやりとり」を促進します。

やりとりを通じて「消費者が現実に抱えている悩みや課題」に反応が与えられるため、ブランドに対する興味や愛着の強化といった効果が期待できるでしょう。

またクイズや診断コンテンツなど、直接的に商品の購入に至らない場合であっても、「そのコンテンツが楽しみ」といった形でエンゲージメントを高められると考えられます。

コンバージョンの向上

インタラクティブマーケティングにおいては、消費者の実際の反応をもとに、個別に最適化されたコンテンツを提供できるメリットがあります。

たとえば「あなたにピッタリの商品」を提示することで、購買意欲を高めたり、ユーザー登録などにつなげられたりと、コンバージョンの向上が見込めるでしょう。

また、ユーザー自身が診断コンテンツなどを通じて自分に適した商品を発見できれば、消費者心理として「自分にあったものを選んだ」という納得感が生まれると考えられます。こうした納得感を重ねることで、ブランドへの信頼感も高まっていくと期待できます。

データ収集とマーケティングの最適化

インタラクティブマーケティングを実施することにより、ユーザーの興味関心や行動データを細かく収集できる点もメリットとなります。

たとえば診断コンテンツなどを通じてユーザー属性を入力してもらい、そこで得られた傾向をマーケティングに活かすといった運用がありうるでしょう。

施策の実践とデータ収集を繰り返し、その都度最適化を図っていくことで、ターゲットに応じたプロモーションが可能になっていくと考えられます。

インタラクティブマーケティングの成功事例

実際に成功しているインタラクティブマーケティングの事例を参照することで、自社にとっての効果的な活用方法もより具体的に見えてくるでしょう。

以下では消費者との関係を構築するうえで、インタラクティブな導線やシステムを採用している企業の事例を紹介します。

株式会社カインズ

ホームセンター大手の株式会社カインズは、DIY愛好家向けのオンラインコミュニティ「CAINZ DIY Square」を運営しています。

このコミュニティは、DIYに関する情報交換やサポートの場を提供することで、ユーザー同士の双方向的なコミュニケーションを促進するためのプラットフォームです。

たとえば「作品投稿」のページでは、ユーザーが実際に作成したDIY作品の画像を投稿し、それに対してメンバーがコメントできる機能を備えています。

さらに「DIYレシピ」では、ユーザーによりDIYの手順やコツをまとめたレシピが公開されており、アイデアを共有し、お互いに参考にできるフォーマットになっているのです。

運営側からもコラムなどを通じて情報が随時提供され、それに対してもユーザーはリアクションすることができます。「DIY」という趣味を通じた交流の場を作ることで、エンゲージメントの向上やブランドロイヤルティの強化に成功している事例といえるでしょう。

株式会社フィッツコーポレーション

多様な香水ブランドを展開するフィッツコーポレーションは、消費者の「自分にあう香水を見つけたい」というニーズに応えるため、LINEアプリ上での「ミニモアパフューム診断」を導入しました。

オウンドメディアなどから自然にLINE登録を促すとともに、ユーザーがいくつかの質問に答えることで、好みにあった香水を提案。さらに、診断結果から直接商品ページへと遷移できる導線が設けられているのも特徴です。

従来、香水の販売は「店頭でのテスター利用」や「スタッフの提案」に依存する部分が大きかったと考えられます。

しかしオンライン販売の拡大にともない、デジタル上でもパーソナライズされた購買体験が求められるようになった背景から、こうしたインタラクティブなコンテンツが導入されたものと見られます。

このフィッツコーポレーションの施策は、診断コンテンツを通じてユーザーの「自分を知りたい」という関心に訴求し、自社商品への購買意欲を高めている事例といえるでしょう。

ネスレ日本株式会社

世界最大規模の食品メーカー「ネスレ」の日本法人であるネスレ日本は、「キットカット」の日本発売45周年を記念し、世界中のファンが新フレーバーを提案・投票できる「キットカット 世界総選挙」を実施しました。
(参照:ネスレ日本|プレスリリース

特設サイトを通じて81カ国から約50万人が参加し、自由にフレーバーを提案しました。その後、寄せられた候補を20ほどに絞り、消費者投票を通じて「いちごティラミス味」が優勝し、実際に期間限定発売に至りました。
(参照:ネスレ日本|プレスリリース

このように、消費者が商品開発に直接関わることで、商品やブランドに対するエンゲージメントは少なからず向上すると考えられます。またこの施策は、消費者の嗜好を直接把握できるマーケットリサーチの役割も担っていたといえるでしょう。

こうした消費者参加型のインタラクティブマーケティングは、ブランドロイヤルティを高め、商品開発とマーケティングを融合させた事例として位置づけられます。

インタラクティブマーケティングの導入方法

インタラクティブマーケティングを成功させるためには、導入までに適切なプロセスを経ることが重要です。以下では、インタラクティブマーケティングを導入する際の基本的なポイントについて解説していきます。

目的とターゲットの明確化

インタラクティブマーケティングを導入する前に、「施策を通じて何を達成したいのか」を明確にしておきましょう。たとえば、ブランド認知度の向上を目的とするのか、リード獲得を目指すのかによって、施策の内容も変わってきます。

さらに、具体的な戦略について決定していくには、ターゲット像を鮮明にしておくことも欠かせません。ブランドの特性や、現状の課題をふまえ、「どの層にアプローチすべきか」を念入りに検討しておきたいところです。

具体的な手法の選定

施策の目的やターゲットにあわせて、「どのような方法でインタラクティブなサービスを展開するか」を検討していきましょう。Web広告やSNS、ランディングページなど、予算によっても選ぶべき方法は変わってきます。

たとえば予算を抑える場合には、InstagramやX(旧Twitter)などでハッシュタグキャンペーンを実施し、認知度向上を図るといった策がありうるでしょう。

その他、見込み客に対する案内を効率化したい場合にはチャットボット、自然に自社商品への興味を引き出したい場合には診断コンテンツなど、幅広い選択肢が考えられます。

なおチャットボットのシステムや診断コンテンツの作成は、アウトソーシングも選択肢になります。それぞれさまざまな外注サービスが展開されているので、予算に応じて検討してみるとよいでしょう。

効果測定と改善のポイント

インタラクティブマーケティングの効果を最大化するには、定期的に成果を分析することが不可欠です。その際にはあらかじめ、施策の特性にあわせてKPIを適切に設定しておくことも重要でしょう。

たとえば診断コンテンツであれば、クリック数のほかユーザー登録などのコンバージョンをKPIに据えることが考えられます。またチャットボットであれば、電話での問い合わせ件数の減少率など、手法によってチェックすべき観点は大きく異なります。

思うような成果が出ない場合には、効果測定を通じてボトルネックを特定し、改善を図る必要があるでしょう。「ユーザーの興味がどこで失われているか」といった点を明確にしながら、随時フィードバックを得ていくことが大切です。

まとめ

インタラクティブマーケティングは、消費者と企業が双方向的に関わることで、商品やブランドの魅力を効果的に訴求できる手法です。クイズや診断コンテンツ、チャットボットなどさまざまなアプローチがあり、それぞれの目的に応じて活用できるでしょう。

インタラクティブマーケティングを成功させるポイントは、「消費者からの主体的な働きかけ」を引き出すことにあります。これにより、商品・サービスへの関心を深めるとともに、ブランドに対する信頼感や親近感を高められるはずです。

一方で、マーケティングの手法は多種多様であり、「どのようなシステムを導入するか」は施策の目的やターゲットによって大きく異なります。自社に適した手法を取り入れ、消費者のエンゲージメントを高める戦略を実践していきたいところです。

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この記事を書いた人

鹿嶋 祥馬
大学で経済学と哲学を専攻し、高校の公民科講師を経てWEB業界へ。CMSのライティングを300件ほど手掛けたのち、第一子が生まれる直前にフリーへ転身。赤子を背負いながらのライティングに挑む。

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