Lステップとは?利用するメリットや機能・料金・設定方法・よくある質問を解説
Lステップは、LINE公式アカウント(旧LINE@)を活用したマーケティングツールです。
メールマガジンのようにシナリオを作成してメッセージをユーザーに送信したり、ユーザーの流入経路を分析したりと、集客・マーケティングを効果的にする効果が期待できます。
本記事では、Lステップの仕組みや利用するメリット、Lステップの主な機能について解説します。また、Lステップの利用料金や導入が向いている企業、始め方についてもまとめました。
LINE公式アカウントを活用して集客・マーケティングを効率的にしたいとお考えの場合は、本記事の情報をぜひご活用ください。
目次
Lステップとは
Lステップとは、LINE公式アカウントのメッセージの自動化や顧客情報の収集、ユーザーの行動分析などができるマーケティングツールです。
Webでの集客や顧客育成を効率化する有用なツールであり、マーケティングや集客での効果以外にもLINE公式アカウントの運用に割く人員リソースが足りない企業にとっても、便利なツールといえるでしょう。
ステップ配信の仕組み
ステップ配信とは、事前に作成したメッセージを指定した順番のシナリオで自動配信する仕組みです。
ステップ配信の例は以下が挙げられます。
- 登録から数日後にサービスについての情報やアンケートを送信する
- 公式アカウントへのアクションが多いユーザーだけに特別なメッセージを送信する
- 公式アカウント登録時にお得なクーポン情報を配信する
また、シナリオは複数設定でき、配信する時間やシナリオの分岐などを細かく指定できます。
Lステップのステップ配信では、ユーザーの行動に沿って適切なメッセージ配信の自動化が可能です。
LステップとLINE公式アカウントのステップ配信との違い
LINE公式アカウントにもステップ配信の機能はありますが、LステップとLINE公式アカウントのステップ配信の違いは、条件を柔軟に設定できる点です。
LINE公式アカウントの場合、条件分岐は初回のみで一日置きにしか設定ができません。また、時間設定も一時間ごとのみです。
対してLステップは、経過時間で指定ができるため、ユーザーの温度感が高い状態の時にアプローチができます。また、時刻設定も分単位で設定できるため、「◯日後の◯時◯分に配信」といったように細かい設定が可能です。
その他にも、シナリオ分岐ができるのもLステップとLINE公式アカウントの違いです。LINE公式アカウントは、分岐できるタイミングがシナリオの開始しかありませんが、Lステップならシナリオの途中で分岐を作ることも可能です。
LINE公式アカウントよりも詳細に設定できるため、マーケティング効果をより期待できる点がLステップの大きな特徴です。
Lステップを活用するメリット
Lステップを活用するメリットは、大きく分けて以下の3つです。
- 顧客のデータを細かく収集できる
- 行動分析やマーケティング戦略の改善を行いやすい
- ヒューマンエラーやコストを削減できる
各メリットについて説明していきます。
顧客のデータを細かく収集できる
Lステップを利用することで、顧客データを細かく収集し、自社のマーケティングの方針決定や効果検証・施策の改善に活用できます。
LINE公式アカウントでもユーザーの属性をはじめとしたデータを収集可能です。しかし、Lステップでは、ECサイトに訪問したユーザー数やリンクのクリック数、LINE公式アカウントを経由したCV数など、詳しくデータを収集することができます。
また、収集したデータからユーザーをセグメント・分類し、反応率に応じたコンテンツを配信することも、Lステップなら自動化できます。
行動分析やマーケティング戦略の改善を行いやすい
豊富な分析機能が用意されているのもLステップを活用するメリットです。LINE公式アカウントも集計機能は用意されていますが、全体の数が分かるだけで細かい分析はできません。
しかし、Lステップならクロス分析が用意されているため、流入経路ごとの配信の到達率や申し込みの繋がりやすさなど、ユーザーを細かく分類して分析できます。
また、配信するメッセージについても、どの段階で離脱が多いのかやブロックされているのかを可視化できるため、一目で改善すべき箇所がわかります。
マーケティング施策のPDCAを回すために必要な機能が揃っているのも、Lステップの特徴といえるでしょう。
ヒューマンエラーやコストを削減できる
Lステップはメッセージの自動配信が可能であり、LINE公式アカウントを運用するうえでの人的リソースの削減が可能です。
LINE公式アカウント運用担当者を常駐させる必要がないため、人件費を削減できます。また、Lステップの活用でヒューマンエラーを防止できる点もメリットです。
近年では、SNSでの配信内容で炎上するリスクやメッセージの不備によってユーザーに不快感を与えてしまうリスクが高まっています。またクーポンの配信タイミングを間違えることによって、想定外のコストがかかってしまう場合もあるでしょう。
Lステップでは配信内容を事前に確認できる上に自動配信を行うため、ミスが起こりづらくなります。
Lステップの主な機能
Lステップの主要な機能は以下のとおりです。
- シナリオ配信
- セグメント配信
- リマインド配信
- 回答フォーム
- 友だちリクエスト
- リッチメニュー
- 予約管理
それぞれの機能について、くわしく解説します。
シナリオ配信
シナリオ配信は、設定したタイミングでユーザーに対して、設定したシナリオに基づいて自動でテキストメッセージやアンケートなどを配信できる機能です。
配信するタイミングは「経過時間」と「時刻」で設定が可能で、登録してから数分後に配信したり、特定の時間に配信したりできます。
ユーザーのアクションなどによってシナリオを分岐させることが可能で、診断コンテンツやアンケートを作成し、結果に合わせてシナリオを分岐させることもできます。そのため、よりユーザーの状況に最適化させてメッセージを届けることができるでしょう。
さらに、購入した商品によってシナリオを変えたり、キャンペーン期間だけ一時的にシナリオを変えたりできる柔軟性もあります。
セグメント配信
セグメント配信は、ユーザーの行動や属性に応じてグループを絞り込み、より効果的な内容のメッセージを配信できる機能です。年齢や性別、住んでる地域などの情報によってメッセージを変えたり、商品を購入したユーザー限定でクーポンを発行する、などの配信も可能です。
また、アンケート機能を活用することで各ユーザーにタグを設定できるため、より詳細にセグメントを分けることもできます。
シナリオ配信と組み合わせることでよりユーザーに合わせたメッセージ配信ができるようになるため、セグメントを効果的に活用することでコストを削減しながら売上や利益の向上が狙えるでしょう。
リマインダ配信
リマインダ配信は、サービスの予約日やイベント日の当日から数日前の特定の時間にリマインドメッセージを配信できる機能です。
イベントや予約でありがちなドタキャンを予防できるため、イベント会社や店舗ビジネスを展開している方に重宝する機能といえるでしょう。地図を配信することもできるため、場所の間違いを予防することもできます。
LINE公式アカウントにはないため、リマインダ配信を活用したい場合はLステップを活用する必要があります。
回答フォーム
回答フォームはアンケートを作成できる機能です。回答内容はユーザー情報に紐づけることができるため、セグメント配信などの分類で活用できます。入力形式は自由入力やチェックボックス、プルダウンなどが用意されています。
回答結果はCSVでまとめて出力することもできるため、顧客管理やイベントなどの満足度調査などに役立てることもできるでしょう。
友だちリスト(タグ管理)
セグメント配信の精度をより高めるのがタグ機能です。Lステップには、デフォルトの機能として年齢や性別、住所などの顧客管理システムが用意されています。しかし、業種によってはそれだけでは足りない場合があるでしょう。
そこで役立つのがタグ機能です。
Lステップではタグを自由に設定できます。特定のアクションを起こしたかどうかもタグとして登録できるため、適切に設定することで、よりユーザーに最適化されたセグメント配信やシナリオ設計ができるようになるでしょう。
リッチメニュー
リッチメニューは、トーク画面の下部分に固定のメニューを表示させる機能です。ECサイトへのリンクや地図アプリのリンクを設置したり、クーポンを表示したりできます。
メニューは最大20個まで設定が可能で、サイズと位置を自由に配置できます。また、ユーザーのステータスやタグによってメニューを出し分けられるのも大きな特徴です。
リッチメニューは目立ちやすくクリックされやすいため、顧客管理と紐づけることで効果の向上が期待できます。
予約管理
Lステップには、イベント予約機能とカレンダー予約機能もあります。イベント予約機能は特定の日程に開催するイベントへの参加予約を受け付ける機能です。
一方、カレンダー予約機能では、美容室の予約のようにユーザーがカレンダーから予約を受けることができます。定休日や営業時間を設定して空いている時間にユーザーが予約を入れられるため、電話対応の必要が減り、ユーザーにとっても利便性が向上します。
リマインダ配信と予約管理機能を合わせて利用することで、ユーザーが予約を忘れることが減る点もメリットといえます。
Lステップでできる主な分析機能
Lステップではメッセージの配信だけでなく、顧客分析機能が充実しています。以下4つのLステップで利用できる分析機能について説明しましょう。
- 流入経路分析
- ファネル分析
- クロス分析
- URLクリック測定
各項目について、くわしく解説していきます。
流入経路分析
流入経路分析では、ユーザーがどの媒体からLINE公式アカウントに登録したのか分析できます。
LINE公式アカウントに登録する際のQRコードは1つだけであり、どの媒体から流入したか調べることはできません。しかし、LステップではSNS用やチラシ、店内に設置するポップなど登録用のURLやQRコードを複数種類発行可能です。
流入経路分析によって、登録ユーザーが多い媒体に力を入れたり、効果が薄い集客方法を改善したりなどの対策も実施可能です。また、流入する媒体が違うことからユーザー層の違いを発見した場合は、Lステップで配信するメッセージを変更するといった対応もできます。
流入経路分析はプロプラン限定の機能ですが、経路を把握することでビジネスをより加速できるでしょう。
ファネル分析
ファネル分析は、Lステップに登録しているユーザーの行動を集計し、どのフェーズで離脱が多いかをグラフで表示する分析機能です。配信するシナリオのどこで離脱しているかが
把握できるため、改善すべきメッセージを明確化できます。
また、複数のシナリオを設計してそれぞれの離脱率を比較することで、どのシナリオが優れているのかをテストしたり、効果がいいメッセージだけを残したりすることも可能です。
各メッセージの効果をグラフと数字で分かりやすく判断できるため、PDCAを回すための重要な指標となるでしょう。
クロス分析
クロス分析は、2つ以上の項目を掛け合わせてユーザーの行動を分析できる機能です。縦軸・横軸を幅広い項目で選択できるため、自由度が高いクロス分析が可能です。
クロス分析の例として、以下が挙げられます。
- 流入媒体×CV数
- 流入媒体×スコアリング
- アンケート結果×購入数
どの流入媒体がCV数が多いのかやスコアリングが高い、つまり質が高いのかや、アンケート結果と購入数から購入者は何に興味を持っていることが多いのかなどを分析できます。
クロス分析を活用することで、自社が重視するべきユーザー属性や取り組むべき施策の優先順位が明確にできるでしょう。
URLクリック測定
URLクリック測定は、特定のURLをクリックした数やクリック率を測定できる機能です。クリック数やクリック率を測定することで、配信したコンテンツに問題があるのか、移動先のページの訴求方法が悪いのかなどの課題を明確にできるでしょう。
また、クリックを行ったユーザーをタグ付けすることで、ユーザーのセグメント分けに活用することもできます。
測定するURLを管理画面上でフォルダ分けしたり、一斉配信ごとやシナリオ配信ごとに計測したりできるため、どの配信方法の効果が良いかを効率的に分析できるのも便利な機能の1つといえます。
Lステップの利用料金
Lステップは導入時の初期費用は発生しませんが、月間配信数や機能に合わせて月額の利用料金が発生します。詳細は以下のとおりです。
プラン名 | スタートプラン | スタンダードプラン | プロプラン |
---|---|---|---|
月額費用(税込) | 5,000円/月 | 21,780円/月 | 32,780円/月 |
月間配信数 | 5,000通まで | 30,000通まで | 5,000通まで |
主な機能 | 基本機能のみ |
全てのプランで利用できる基本機能は以下のとおりです。
- チャット
- 個別トーク
- シナリオ配信
- 一斉配信
- セグメント配信
- キーワード応答
- テンプレート
- 回答フォーム
- リマインダ配信
- タグ管理
- 友だち情報欄管理
- カスタム検索管理
- 予約管理
- アクション管理(スケジュール実行なし)
- データ移行
- 通知機能
- オペレーター機能
スタートプランで利用できるのは基本機能のみとなっており、リッチメニューやURLクリック測定、クロス分析、ファネル分析などより高度な機能を利用したい場合はスタンダードプラン以上の利用が必要です。
また、月間50,000通を超える配信を希望する場合は、別途用意されているLステップの大量送信プランを利用しましょう。大量送信プランは、プロプランの機能を全て利用でき、最大100万通まで月間配信可能です。
プラン名 | 10万通プラン | 30万通プラン | 50万通プラン | 100万通プラン |
---|---|---|---|---|
月額費用 | 87,780円/月 | 131,780円/月 | 142,780円/月 | 197,780円/月 |
月間配信数 | 〜100,000通 | 〜300,000通 | 〜500,000通 | 〜1000,000通 |
Lステップの導入に向いている業種とは
LステップはBtoBでもBtoCでも利用可能ですが、BtoCビジネスならどのような業種でも幅広く活用しやすいツールといえるでしょう。
飲食店や美容室のような店舗ビジネスだけではなく、オンラインサロンのようなWebビジネス、人材紹介ビジネスも効果的といえます。
BtoBビジネスの場合は、見込み客が業務でLINEを使用しているかがポイントとなります。ただし、個人に比べれば業務における利用率は下がるため、展示会や名刺アプリなどの導線を確保して活用することが大切です。
Lステップの始め方
Lステップの導入は、以下の手順を踏むことで最短で申し込み当日から利用を開始できます。なお、事前にLINE公式アカウントを用意しておくと導入がスムーズに進められます。
- Lステップの申し込みページから申込む
- LINE公式アカウントとの連携
- Lステップ利用開始
まずは、Lステップの申し込みページからプラン選択と合わせて申し込みを行いましょう。その際、支払いのためのクレジットカード認証も行われます。実際の支払いは、利用開始から30日ごとに初回の引き落としが行われ、そのあとは1ヶ月ごとに引き落としが発生します。
クレジットカードの認証が完了するとLINE公式アカウントとLステップの連携画面に遷移します。連携作業が完了したら、Lステップの利用が可能です。審査等はないため、すぐに利用を開始できます。
なお、基本操作や設定など不明点がある場合は、個別でアドバイスを受けられるスポットコンサルの利用がおすすめです。
Lステップの配信方法
Lステップのステップ配信の方法を説明します。新規でメッセージを作成する場合は、以下の手順を踏んで操作を進めましょう。
- 管理画面から「ステップ配信」をクリック
- 「新規メッセージ作成」を開く
- 基本設定でタイトル・タイムゾーン・有効期間・配信数上限を設定
- 配信開始条件を設定
- メッセージを設定
- 条件分岐の設定
- 利用開始をクリックして配信設定完了
配信開始条件では、「友だち追加」と「オーディエンス」を選択できます。友だち追加を選んだ場合は、経路にかかわらず全ての人に配信するか、特定の経路で流入した人のみに配信するかを選択できます。
また、オーディエンスでは、性別や年齢のような「属性」での条件ではなく、メッセージを開封したり、特定のリンクをクリックしたりといったアクションを条件として配信を開始できます。
同様に、条件分岐でもオーディエンスを選択したり、複数の属性を組み合わせて分岐させたりできます。さまざまなステップを試しながら、最大限の効果を高められるシナリオを構築していきましょう。
Lステップのよくある質問
Lステップを利用するにあたって、よくある質問を紹介します。事前に不安な点を解消し、安心して導入できるようにしましょう。
Lステップは個人でも利用できる?
Lステップは個人でも利用でき、スタートプランであれば月額5,000円から使用が可能です。最初の30日間は無料で利用できるため、まずはトライアルで試しながら自分のビジネスにあっているかを試すことが可能です。
士業の方やフリーランスの方が導入する事例も増えているため、検討している方はまず試してみると良いでしょう。
サービスの解約はすぐにできる?
Lステップのサービス解約は、解約申請から2〜3営業日以内にサービスが停止されます。ただし、無料期間内はいつでも解約申請が可能ですが、初回の課金が発生すると申請ができるのは最低3ヶ月は解約申請ができないことに注意しましょう。
Lステップのサービス解約は、Lステップの管理画面「解約申請フォーム」からメールを送るだけです。
ただし、サービス解約時点で次回の課金日まで日数が残っている場合でも、日割り計算で返金されることがない点に注意が必要です。
既存の友達はLステップに組み込める?
Lステップ導入前からの既存の友達は、Lステップに認識させる操作を行うことで、Lステップに組み込めます。
Lステップに既存の友達を認識させる方法は、メッセージやスタンプといった「何かしらのアクションを友達からもらう」ことです。
友達からアクションを待つだけでは効率的でないため、自分から既存の友達全体に向けてメッセージを送信し、アクションを促していく必要があります。
Lステップを有効活用して事業課題を解決しよう
LステップはLINE公式アカウントと連携して、メッセージのシナリオ配信やユーザーの行動分析などが可能なツールです。
Lステップを利用するメリットは以下が挙げられます。
- 顧客のデータを細かく収集できる
- 行動分析やマーケティング戦略の改善を行いやすい
- ヒューマンエラーやコストを削減できる
マーケティングを効果的に行うための施策や課題改善だけでなく、ユーザーの行動分析から新しいマーケティング戦略の立案、新規ターゲットユーザー層の発見なども可能です。
企業・個人問わず、見込み客がLINEを使用する場合はLステップの活用が効果的なので、Lステップを導入して、事業課題の解決を目指しましょう。
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