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リスティング広告の改善方法を解説!課題・指標別の分析方法と成果を出す施策を紹介

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リスティング広告の改善に取り組んでいるのに、なかなか成果が上がらない。そうした悩みを抱えるマーケティング担当者は少なくありません。しかし、適切な取り組み方と考え方を学ぶことで成果は大きく飛躍します。

本記事では、リスティング広告の改善方法や見るべき指標を解説します。改善の効果を高める方法や見落としがちな原因も紹介しているので、成果が伸びずに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみて下さい。

リスティング広告で効果的に改善する流れ

リスティング広告で効果的に改善する流れのイメージ

リスティング広告で効果的に改善するためには、以下の流れで取り組むと効果的です。

  • KPIとKPIツリーを設計する
  • 定期的に集計してKPIとの差異を発見する
  • 改善が必要な指標ごとに改善を行う

目標に基づいた改善の積み重ねにより、成果を安定的に伸ばせるようになります。それぞれ、くわしく解説します。

KPIとKPIツリーを設計する

KPIツリー設計の図解

リスティング広告を効果的に改善するためには、KPIとKPIツリーの設計が欠かせません。KPIツリーがあれば指標の関係性を俯瞰できるため、広告成果に影響を与えているボトルネックを視覚的にとらえやすくなります。ボトルネックの特定が早ければ、不要な試行錯誤を減らし、検証の負担も抑えられるでしょう。

KPIツリーを設計した後、分析は上位のKPIから行い、修正は下位の指標から着手すると因果関係が整理され、施策の効果がわかりやすくなります。逆に取り組んでしまうと、施策の優先順位を誤ったり、ズレた改善に取り組んでしまったりする可能性があります。

KPI設計は、単なる目標設定ではなく、広告成果を構造的にとらえるためのツールです。成果につながる改善を行うためには、各指標の繋がりを理解して取り組む必要があります。

定期的に集計してKPIとの差異を発見する

KPIを設計した後は、定期的に集計して目標KPIとのズレを早期に見つけられるようにしましょう。早い段階で成果の落ちこみを発見できれば、無駄な予算消化を防げるようになります。

集計は日次や週次の単位で行い、まずは全体的な傾向から把握しましょう。いきなり細かく集計しようとすると、作業量が増えるだけではなく、部分最適ばかりで全体の最適化が遅れる原因になります。

日常的には全体の指標と特に重要なKPIに絞って集計を行い、大きな差異が発生している時に細かく分析すると集計の精度と運用の効率を高められます。

改善が必要な指標ごとにロジックツリーで改善案を企画する

KPI設計と定期的な集計により改善ポイントを発見した場合は、指標ごとに影響を与える要素を分解し、原因と対策を検討していく必要があります。

リスティング広告では、クリック率やコンバージョン率など、ひとつの指標に対して複数の要因が関係していることが少なくありません。再現性のある改善には、要因を分析して具体的なアクションに落とし込む工夫が必要です。

たとえばコンバージョン率の低下が見られた場合、どのキーワード群で数値が落ちているのか、ランディングページへの流入数は変化しているのかなど、考えられる要因を網羅的に抽出し、検証していく必要があります。また、月末や特定の時期になると競合の出稿が増えたり減ったりするケースもあります。

その上で、特定の広告文を調整したり訴求ポイントを調整したりすることで、効果的な改善が実現します。小さな調整の積み重ねが、大きな改善につながるのです。

リスティング広告の主な指標と改善方法

リスティング広告の主な指標のイメージ

リスティング広告の改善は、データに基づいた施策の立案が欠かせません。そこで特に注目したいのが以下の指標です。

  • CV(コンバージョン)
  • CVR(コンバージョン率)
  • CT(クリック)
  • CTR(クリック率)
  • CTC(クリック単価)
  • CPA(顧客獲得単価)
  • imp(インプレッション)

指標を分析する際は、数と率のバランスが重要です。数ばかりを追求して効率が悪かったり、質ばかりを追求して数が少なかったりすると、効果的な改善とは言えません。

各指標の意味や改善方法について解説するので、ぜひ参考にしてみて下さい。

CV(コンバージョン)

CVとは、広告を見たユーザーが商品購入や資料請求などの成果に至る行動を指します。広告における最終的な目標を表す指標であり、様々な指標により成果は変動が発生します。

コンバージョンは最終目標であるため、分析のスタートとしては適していますが、コンバージョンだけで具体的な改善策を見つけるのは困難です。そのため、他の指標と組み合わせて改善ポイントを把握する必要があります。

コンバージョンに直接関係する指標としては、クリック数やコンバージョン率が考えられます。広告をクリックしてランディングページに訪れているのか、訪れたユーザーはどれくらいの割合でコンバージョンに至っているのかを確認することで、次の改善ポイントが見えてくるでしょう。

CVR(コンバージョン率)

CVRとは、広告をクリックした人のうち、実際に成果に至った割合を表す指標です。ランディングページの訴求力がわかるほか、適切なターゲティングができているか、広告との整合性が取れているかなどを判断できます。

CVRが悪化している場合は、興味関心の低いユーザーに広告が届いていないか、広告文の訴求が過剰すぎないかなどを確認しましょう。また、入力フォームの最適化も欠かせません。入力項目の個数だけではなく、フリーテキストが増えるほど離脱率は上がりやすくなります。

訴求の伝え方や導線、入力の負担など、どこがボトルネックになっているのかを分析することが、CVR改善のポイントです。

CT(クリック)

CTRとは、広告が表示された回数のうち、実際にクリックされた割合を示す指標です。広告の訴求力やターゲティングの精度を測る目安になるため、配信効果の判断に欠かせません。

CTRが低下する原因として、検索ニーズと広告の訴求にズレが発生している場合や、ターゲティングの精度が低いケースが考えられます。また、同一ユーザーに同じ広告を配信し続けることによる広告疲れの可能性もあります。

特に、広告疲れが増えるとCTRの改善は難しいため、広告効率が悪化し続けます。日々の配信状況を観察し、こまめな改善の積み重ねがリスティング広告には欠かせません。

CTR(クリック率)

CTとは、ユーザーが広告をクリックした回数を示す指標です。広告の反応や幅広いターゲティングができているかを測る基本的な指標のひとつであり、コンバージョン数につながる重要な役割を持ちます。

クリックが悪化する原因は、CTRの低下のほかにインプレッション数の減少が考えられます。入札単価を下げる、配信対象を絞る、品質スコアが低下するなどの要因によりインプレッションの減少し、クリックの減少に繋がります。

広告が表示されていなければ、どれだけ内容を改善してもクリックにはつながりません。まずは広告表示を増やし、その上でCTRを高めてクリックを増やしていきましょう。

CTC(クリック単価)

CTCとは、1回のクリックに対する広告費を示す指標です。予算の運用効率と密接に関係しており、CTCを抑えられればその分だけクリック数が増えるため、コンバージョン数の増加にも繋がります。

ただし、CTCは低いほど良いわけではなく、低すぎる場合はユーザーの質が悪くなる可能性があります。CTCは競合との入札によって上下するため、CTCが低いことは競合が少ない、つまり入札するだけの価値がないと判断されるケースがあるのです。

CTCを抑えながら質の高いクリックを得るためには、質の良い検索キーワードをリサーチしたり、広告の品質スコアを高めたりする取り組みが効果的です。スコアが高い広告は同じ入札金額でも上位に表示されやすく、結果として低単価でも良質なユーザーに届きやすくなります。

CTCの数値だけで判断するのではなく、送客しているユーザーの質も確認しながら改善に取り組みましょう。

CPA(顧客獲得単価)

CPAとは、1件のコンバージョンを獲得するために発生した広告費を示す指標です。コンバージョン数と並ぶ重要指標の一つで、広告費の運用効率を評価する際の基準となります。

CPAが高すぎる場合は収益性が下がりますが、CTCと同様に、低すぎる場合は獲得したユーザーが売上につながっているかを厳しく確認しましょう。CPAの平均は業界によって異なるため、自社のビジネスモデルや利益構造と照らし合わせて判断する必要があります。

CPAを改善するためには、CVRの改善によるコンバージョン数の増加や、CPCの適正化が欠かせません。コストを抑えながら購買意欲の高い顧客層に広告を配信し、コンバージョンの効率を高めることでCPAが改善されます。

imp(インプレッション)

imp(インプレッション)は広告がユーザーに表示された回数を表し、クリック数やコンバージョン数につながる大元の指標です。ターゲティングや入札単価、品質スコアの適正を評価できます。

広告の品質スコアの低下や入札額の不足、ターゲティング範囲の過度な絞り込みによりインプレッションは減少するため、定期的に配信設定の見直しを行う必要があります。

インプレッションを改善することが、クリック数やコンバージョン数の増加、そしてビジネスの成長につながっていきます。

状況別リスティング広告の改善方法

状況別リスティング広告の改善方法のイメージ

リスティング広告を運用していると、思うように成果が伸びない、あるいは意図しない形で予算が消化されるといった状況に直面することがあります。そこで、リスティング広告の運用でよくある以下の問題について、改善方法を解説します。

  • 広告予算の消化が早すぎる
  • 広告の掲載順位が低い
  • ABテストをしても成果が改善しない

ぜひ参考にしてみて下さい。

広告予算の消化が早すぎる

広告予算の消化が早すぎる場合は、入札単価や配信精度の見直しが必要です。入札単価を調整する際は、そもそも成果がでているのか、またはCPCの高いキーワードに予算が過剰に集中していないかを確認しましょう。

広告予算の消化が早すぎたとしても、CPAが適正であれば改善の優先順位としては下がる場合もあります。それでも、予算全体のバランスを見ながら適切に分配されているかは定期的に確認しましょう。

また、特定のキーワードに対して極端に高い単価を設定している場合、予算が一気に消化されてしまいます。成果がでている場合は段階的に下げるか、もし成果がでていない場合は思い切って配信の停止も検討しましょう。

広告の掲載順位が低い

広告の掲載順位が低い場合は、入札戦略と品質スコアの両面から見直す必要があります。掲載順位は入札単価と品質スコアの組み合わせにより算出されます。品質スコアが低ければ、入札単価を上げても順位が改善されにくく、費用だけが膨らむのです。

品質スコアは、主にCTR、広告文の関連性、ランディングページの利便性で構成されます。検索意図とずれた広告文や、広告とマッチしないランディングページはスコアを下げ、結果的に掲載順位を上げるために必要な入札単価が高騰します。

入札単価は、コンバージョンデータが一定数あれば自動入札の導入も検討してみましょう。手動で調整する場合は、品質スコアを意識しながら段階的に単価を下げ、成果と費用のバランスを整えることが大切です。

ABテストをしても成果が改善しない

ABテストで成果が改善しない場合は、検証項目と対策がズレていないか、因果関係が成立しているかを検証する必要があります。

たとえば、CVRを改善したいという目的に対してボタンの色や配置を変更しても、離脱の原因が誘導するユーザーの質だったり導線の複雑さにあったりする場合、明確な改善にはつながりません。

課題を発見するためには、CTRやCVRなどの指標だけではなく、ページ内の滞在時間や離脱ポイントなど、ユーザーの行動データも確認が必要です。仮説をより細分化し、明確に根拠を持って改善に取り組めるようにしましょう。

リスティング広告で改善の成果を高めるポイント

リスティング広告で改善の成果を高めるポイントのイメージ

リスティング広告の改善で成果を高めるには、施策ごとの調整だけでなく、取り組み全体の見直しが必要な場合もあります。特に、以下の観点を意識すると改善効果に差が生まれやすくなるでしょう。

  • キーワード・広告文・LPのペルソナを合わせる
  • ゼロベースで広告やLPを見直す
  • 継続的に改善してノウハウを蓄積する

それぞれ、解説します。

キーワード・広告文・LPのペルソナを合わせる

リスティング広告で改善の成果を高めるには、キーワード・広告文・LPのペルソナを統一させましょう。ペルソナに一貫性がない広告は検索意図と訴求がズレやすく、クリックされたとしても離脱が増えやすくなります。

キーワードのターゲット設定や広告文では品質で訴求しているのに対し、LPでいきなり安さで訴求すると「本当に品質は問題ないのか」と不安を抱かれるリスクがあります。そのため、検索ニーズに応じて訴求を使い分け、広告からLPまでの導線をペルソナに合わせて整合性を持たせる必要があります。

検索ニーズに合った訴求を整理し、広告からLPまで一貫性のある設計により、成果の安定につながるのです。

ゼロベースで広告やLPを見直す

時には、ゼロベースで広告文やランディングページを見直す視点も重要です。成果が上がらない背景には、そもそもターゲティングがズレていたり、訴求の方向性がニーズと合っていなかったりするケースがあります。その場合、細かな表現の修正だけでは改善につながらない可能性があるのです。

特にCVRが伸び悩む場合、導線の流れがユーザー視点に立っていないケースがあるため、デザインや文章を整えても期待したユーザー行動につながらない場合があります。

そのため、改善を積み重ねても期待した通りの成果が出せない場合は、一度ゼロベースで考え直して一から設計を組み立て直すことにより、成果につながる可能性があります。

継続的に改善してノウハウを蓄積する

改善の成果を高めるには、継続的に改善を繰り返しながら、取り組み過程の検証と言語化が欠かせません。特にリスティング広告の場合、市場や競合の変化が早く、過去の成功事例がそのまま通用しないこともあります。

成果が出ない改善の多くは、結果だけを見て終わっており、なぜその結果に至ったのかという検証が不十分です。そもそも仮説が建てられていないと、何が良くて何が悪かったのかを整理できず、取り組みが次の施策につながらないケースもあります。

小さな検証と振り返りの積み重ねが、変化の激しい広告運用においても、長期的な成果につながる運用力に繋がります。

リスティング広告で効果的な改善ができない原因

リスティング広告で効果的な改善ができない原因のイメージ

どんなにリスティング広告の改善を行っても、成果がでない、もしくは期待したほどの変化が起きないというケースがあります。その原因として、取り組み方そのものではなく、前提が間違っている可能性があります。

特に以下のような状況に心当たりがあれば、今一度、取り組み全体の見直しが必要です。

  • データを集計するだけになっている
  • 仮説を持って改善していない
  • 競合分析ができていない

それぞれ、解説します。

データを集計するだけになっている

リスティング広告で効果的な改善ができない原因は、データを集計するだけで判断が止まっている点にあります。数字を見る行為が目的になってしまうと、その数字が何を意味しているのか、ユーザーのどんな行動や状況が背景にあったのかを想像することが難しくなります。

リスティング広告では、クリック数やCVRといった指標は単なる結果に過ぎず、その数字の上下だけを追っていても本質的な改善にはつながりません。

CTRが悪化している時は、ユーザーが求めている情報と広告文の訴求が合っていないかもしれません。また、CVRが下がっている原因には広告で期待した内容とランディングページの内容があっていない、というケースも考えられます。

再現性のある改善には、データをそのまま受け取るのではなく、その背後にある因果関係に目を向ける姿勢が必要です。データではなくユーザーを見て、データを改善する意識を心がけましょう。

仮説を持って改善していない

仮説を持たずに場当たり的な修正を繰り返してしまう運用も、改善につながりにくい理由の一つです。仮説を立てることで、施策の意図が明確になり、成果とのつながりを把握できるようになるのです。

「なぜこの変更を行うのか」「どの数値にどう影響するか」といった視点により、ただの数値変化ではなく、意味のあるフィードバックとして捉えられるようになります。もし想定通りに変化しなかったとしても、「この取り組みではユーザーに影響を与えられない」という学びになるでしょう。

改善に取り組む際は、仮説をたててから実行し、得られた結果から次回に活かす視点を持つことが大切です。安定的に成果を出すためには、PDCAサイクルに基づいて改善を積み重ねるプロセスが重要なのです。

競合分析ができていない

競合分析の不足も効果的な改善ができていない原因として注意が必要です。広告は相対評価で成り立っているため、どれだけ改善を重ねても、競合を上回っていなければ成果につながりにくくなります。

特にリスティング広告は、明確に入札単価や品質スコアによる競争なので、CTRやランディングページの質で競合を上回る必要があります。

競合分析では、そもそもどのようなプレイヤーがいるのか、広告文は誰をターゲットにし、どのような訴求で、ユーザーの心理にどう働きかけているかを確認しましょう。緊急性や安心感など、訴求方法によってCTRに大きく影響します。

その上で、自社は誰をターゲットにし、他社に対してどう差別化するのかを検討していきましょう。競合の動きを冷静に見極め、自社の価値がより際立つよう戦略的に差別化を図ることが、成果につながる近道です。

リスティング広告を改善して成果を最大化しよう

リスティング広告を改善して成果を最大化するイメージ

リスティング広告を効果的に改善するためには、成果に関連する指標を整理し、定期的に集計しながら改善点を細かく分析する必要があります。データを分析する際は、KPIツリーの上位から始めることで、効率的かつ網羅的に改善点を把握できるでしょう。

また、数値の変化だけではなく、その裏側にあるユーザー行動や心理の変化にも注目しましょう。成果の出る広告とは、ユーザーの検索意図やニーズに対して、適切なメッセージと導線を準備できているものです。広告文、見出し、LPのテーマやターゲットを一貫させ、過不足ない情報提供を心がけましょう。

分析と仮説に基づき、数値とユーザー心理の両面を捉えながらリスティング広告の改善に取り組むことで、効果が改善していくのです。

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この記事を書いた人

小佐
不動産業界メディアの編集長を5年以上務めたのち、現在はWeb系ジャンルで執筆中。別途アウトドア記事の経験もあり。速筆&高品質(自称)をモットーにのらりくらり生きてます。オフは旅行とお酒を楽しみに自堕落生活。

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