
リスティング広告を自分で運用するやり方を解説!初心者でも成果を生み出すノウハウとは?
リスティング広告を自分で運用するためには、基本的な設定のやり方や運用の考え方を、正しく理解する必要があります。間違った知識のまま広告を運用すると、無駄な広告費が増え、ビジネスの成長に貢献できなくなることもあるでしょう。
そこで本記事では、初めて広告を運用する方に向けて、リスティング広告を運用するために必要な準備や成果を出すポイント、身につけたい広告指標を丁寧に解説します。
本記事を参考に、自分に合った運用方法を身につけていきましょう。
目次
リスティング広告を自分で運用するための準備

リスティング広告の運用を自分で始めるためには、以下のような準備が必要です。特に、初めて広告を運用する初心者の方は、一つずつ確実に準備を進めることが大切です。
- 配信する媒体を選ぶ
- クレジットカードを用意する
- ランディングページを用意する
リスティング広告は、主にGoogle広告とYahoo広告があります。そのため、どちらを使うのか、または両方を使うのかを決める必要があります。また、Google広告を利用する際にはGoogleアカウントの取得も必要です。
広告出稿費の支払いは、Google広告もYahoo広告もクレジットカードによる登録制になっているため、事前に用意しておくとスムーズです。
広告の費用対効果を高めるためには、ランディングページの準備も重要です。ランディングページは、広告と連動してユーザーの行動を促します。広告を配信しても、実際のコンバージョンにつながらなければ広告費が無駄になるため、申し込みや購入を促す専用ページを用意し、効率的にコンバージョンを促していきましょう。
自分でリスティング広告を運用するやり方【初心者向け】

自分でリスティング広告を運用するためには、事前に準備を行い、適切なやり方で設定を行う必要があります。以下の流れに沿って、一つひとつ丁寧に取り組んでいく必要があります。
- 広告戦略をまとめる
- 広告アカウントを作成する
- キャンペーンを設定する
- 広告を作成する
- 配信エリアを設定する
- 予算を設定する
- 支払い詳細を入力する
- 広告審査が通ったか確認する
- アカウントに広告費を入金をする
それぞれ、具体的に解説します。
リスティング広告の戦略をまとめる
リスティング広告で成果を出すためには、戦略的な広告構造とキーワード設計が欠かせません。
リスティング広告には、「キャンペーン」「広告グループ」「広告」の三カテゴリが用意されています。キャンペーンは目的単位で設定し、広告グループは商品やサービスの分類として機能します。
それぞれに予算や配信ターゲット、配信地域を適切に設定することで、配信内容とユーザーのニーズとのミスマッチ、意図しない予算投資を最小限に抑えられます。また、キーワード選定では指名検索と一般語句を分け、購入や問い合わせの見込みが高い語句を優先して設計しましょう。
予算配分や訴求内容を調整するためにも、グループを分けて管理し、見込みの高いキーワードに予算と注力を集中させる運用が欠かせません。
広告アカウントを作成する
広告配信の準備が整ったら、まずは広告アカウントを作成します。媒体ごとに細かい仕様は異なりますが、いずれも管理用のメールアドレス、ビジネス名、所在地、そして支払いに使うクレジットカードの情報は必須項目です。
加えて、タイムゾーンや通貨の設定はアカウント全体に影響し、作成後に変更できません。時間帯に合わせた配信スケジュールや、通貨ごとの予算管理に関わるため、初期の段階で慎重に設定しましょう。
一度登録すると変更が難しい項目も多いため、慎重に広告アカウントの作成を進めていきましょう。
キャンペーンを設定する
キャンペーンは、広告配信の目的ごとに構造を分けて整理するための単位です。配信ネットワークや日ごとの予算設定の他、配信するターゲティングの設定や地域・時間帯・曜日などの基本条件を設定します。
ターゲティングや予算の適切な設定により、広告を届けたい層に対して無駄なくアプローチできるようになります。また、目的に合わせてキャンペーンを分けることで、それぞれに適した配信条件や入札戦略を設定できるため、効果測定もしやすくなるでしょう。
事前に準備した広告戦略に基づいたキャンペーンの設定により、広告運用全体の精度と効率が大きく向上します。
広告を作成する
広告では、見出し・説明文・表示URL・リンク先URLといった項目を設定します。それぞれにルールや文字数の制限があるため、コンパクトかつインパクトのある内容になるよう、工夫が必要です。
設定した広告は配信前に審査を受ける仕組みになっているため、事実に基づかない表現や過度な誇張などは配信不可となる場合があります。
Google広告、Yahoo広告ともにABテストができるため、複数の広告文を用意し、効果の分析と改善を繰り返しながら広告の精度を高めていきましょう。
配信エリアを設定する
配信エリアの設定では、都道府県・市区町村・半径指定などを使って広告が表示される地域を設定できます。店舗ビジネスやエリアを限定したサービスでは、商圏に合わせた配信エリアの設定が欠かせません。
配信後にはエリアごとの成果も確認できるため、実績を見ながら配信地域の見直しも重要です。反応の良い地域を広げ、成果が見込めない範囲を縮小し、費用対効果の向上と継続的な成果につなげていきましょう。
予算を設定する
予算設定では、「1日あたりの予算」と「月間予算」を決められます。キーワードやターゲット次第で、意図せず急激にクリック数が増えるケースもあるため、始めは少額から配信を開始しましょう。
蓄積されたデータからクリック率やコンバージョンの傾向を確認し、その内容に基づいて配信量を調整すれば、費用を無駄にせず効率よく運用できるようになります。
広告運用は一度設定したら終わりではなく、データを見ながら少しずつ調整していく必要があります。適切に予算管理し、効果の出やすい時間帯や曜日に集中させながら予算を再配分することで、広告効果を向上させましょう。
支払い詳細を入力する
Google広告とYahoo広告は、どちらもクレジットカードによる支払いが基本です。銀行振込にも対応していますが、反映までに時間がかかる場合があるため、計画的な運用が求められます。
Google広告の支払い方式には「自動入金(自動支払い)」と「手動入金(前払い)」の2種類が用意されています。また、利用実績によっては請求書払いも可能です。
自動入金では、広告費用が一定額に達するか毎月一日のタイミングで、クレジットカードから自動的に引き落とされます。配信実績に応じて都度課金されるため、残高管理を意識せずに運用できます。
一方、手動入金はあらかじめ広告アカウントに一定額を入金しておき、その残高の範囲内で広告が表示される仕組みです。残高が尽きると自動的に配信が停止するため、予算を明確に管理したい場合に向いています。
Yahoo広告では、原則として前払い方式を採用しています。事前にクレジットカードからアカウントに入金することで、広告が掲載されるようになります。
広告審査が通ったか確認する
リスティング広告を始めるためには、広告審査を通過する必要があります。審査が完了しない限り広告は配信されないため、キャンペーン開始日が決まっている場合は、余裕を持った準備が必要です。
広告審査では、掲載内容が広告ポリシーに沿っているかが審査されます。禁止コンテンツや制限コンテンツ、編集要件、リンク先のページ内容など、「Google広告ポリシー」や「Yahooの広告掲載基準」を確認し、適切な広告制作に努めましょう。
なお、審査には数時間から数日かかる場合があるため、想定より時間がかかる可能性を考慮しておくと安心です。特に初めて広告を運用する際は注意が必要です。
アカウントに広告費を入金をする
審査に通過し、全ての準備が整ったらアカウントに入金し、配信を開始します。
銀行振込を使う場合は反映までに数営業日かかる可能性があるため、希望の配信開始日から逆算して手続きする必要があります。また、クレジットカード払いであっても限度額の上限や支払いタイミングによっては、配信が止まる可能性があります。
リスティング広告は、設定した予算内で自動的に消化されていきます。残高が尽きて配信が止まると、集客に影響が出るだけでなく機会損失にもつながります。日常的に残高を確認し、必要に応じて早めに補充する意識が重要です。
自分でリスティング広告の成果を生み出すポイント

リスティング広告は、設定するだけではなく、適切な運用に基づいて成果を生み出す必要があります。特に、自分で運用する際に意識したいのが以下の項目です。
- リスティング広告の特徴を理解する
- キーワードごとのユーザー属性を理解する
- クリックだけではなくコンバージョンも重視する
- ランディングページの改善に取り組む
- ABテストで広告文の改善に取り組む
それぞれを理解し、着実に取り組むことでリスティング広告はビジネスの成長に貢献するでしょう。それぞれ解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
リスティング広告の特徴を理解する
リスティング広告で成果を出すためには、検索キーワードに連動して広告が表示される仕組みの特徴を理解する必要があります。
検索するという行動自体が興味・関心を持っている証拠であるため、すでにサービスを比較・検討している段階のユーザーに届きやすく、効率よく成果につながる傾向があります。
ただし、認知度の向上を目的とする場合は費用対効果が悪くなる傾向にあります。検索行動を起こしたユーザーにしか広告が表示されず、クリックされてもコンバージョンに繋がりにくいため、費用対効果が悪化しやすいのです。
リスティング広告を活用する場合は、目的を明確にし、対象となるターゲットを中心に配信することが重要です。
キーワードごとのユーザー属性を理解する
キーワードごとのユーザー属性を理解することも、リスティング広告運用の成果につなげるために重要です。
検索キーワードにはDo・Know・Go・Buyといった分類があり、それぞれ検索意図や購買段階が異なります。「使い方」や「メリット」などのキーワードはKnowクエリにあたり、潜在層が多く含まれます。一方で「おすすめ」「比較」のようなBuyクエリは顕在層に多く、コンバージョンにつながりやすい傾向があります。
リスティング広告の特徴も踏まえ、BuyクエリやDoクエリを中心に広告を配信することで、より費用対効果の高い広告運用が可能です。
クリックだけではなくコンバージョンも重視する
広告運用で見るべき指標として、クリックだけではなくコンバージョンの重視も欠かせません。リスティング広告は検索ユーザーを送客するための手段であり、コンバージョンにつながらなければ費用だけが増えてしまいます。
コンバージョンを増やすためには、成果につながるキーワードの戦略に基づき、広告文やランディングページの内容を最適化して、行動につながる導線を設計する必要があります。
クリック数やクリック率はあくまでも中間指標として評価し、コンバージョン数やCPAから広告効果を判断していきましょう。
ランディングページの改善に取り組む
リスティング広告の成果向上には、ランディングページの改善も不可欠です。リスティング広告のクリックはあくまで入口であり、コンバージョンが発生するかどうかはランディングページにおけるユーザーの行動が成果を左右します。
中でも、ファーストビューの訴求が弱いと、ページ全体を読む前に離脱される可能性が高まります。訴求内容やデザイン、CTAの位置など、一つ一つの要素がユーザーの期待を満たしているかを検証し、CVRやヒートマップなどの実際のデータを見ながら改善に取り組みましょう。
ランディングページの改善は、クリックの価値を高める施策です。広告運用とあわせて改善に取り組むことで、成果の最大化が見込めるでしょう。
ABテストで広告文の改善に取り組む
ABテストによる継続的な広告文の改善も、積極的に取り組むようにしましょう。広告文はユーザーのクリックに直結する要素であり、似たような内容でも、フレーズの違いや語順の変化によって、クリック率やCPAに明確な差が出るケースは少なくありません。
ABテストを実施する際は、どの訴求がターゲットに響くかを明確にしてから仮説を立てましょう。価格、ベネフィット、実績などユーザーが重視しそうな要素を軸に複数パターンを用意し、実際の反応から最適な表現を見極めていくことが重要です。
継続的なテストと改善の積み重ねが広告費の無駄を抑え、成果の底上げにつながります。
自分でリスティング広告を運用するために知っておきたい用語

自分でリスティング広告を運用し、効果を高めるためには、適切な指標を定期的に分析し、効果の悪い指標がないかを確認する必要があります。特に注目すべき指標は以下の三種類です。
- CPA(顧客獲得単価)
- CTR(クリック率)
- CVR(コンバージョン率)
いずれも、広告の費用対効果を判断するために欠かせない指標です。それぞれ解説するので、ぜひご自分で分析できるように理解を深めていきましょう。
CPA(顧客獲得単価)
CPA(Cost Per Acquisition)とは、1件の成果(購入や問い合わせなど)を得るために投じた広告費を指します。一般的には数値が下がるほど効率的に広告を運用できていると判断されます。広告費用の効率性を明確に捉えられるため、広告運用の健全性を判断する基本指標の一つです。
CPAは、クリック数だけが過剰に増える、もしくはコンバージョン数が期待に満たないと悪化します。そのため、CPAを改善するためにはキーワードの見直しや広告文・ランディングページの改善に取り組む必要があります。
自分でリスティング広告を運用する際は、まずCPAを適切に集計できる体制を整えるようにしましょう。
CTR(クリック率)
CTR(Click Through Rate)とは、広告が表示された回数に対してクリックされた割合を示します。CTRが高いほどユーザーが広告に興味を持っていることを表す他、広告の品質スコアを算出するための重要指標にも参照されます。
CTRを改善するには、検索キーワードに合わせたフレーズを使用しているか、適切な訴求やターゲティングができているかなどが重要です。ABテストを行いながらタイトルや説明文を見直し、より反応のよい広告文を追求していきましょう。
CTRは、広告効果を測るうえで欠かせない指標のひとつです。ユーザーニーズや行動の変化に注目しながら日々検証を重ねることで、より安定した成果につながっていきます。
CVR(コンバージョン率)
CVR(Conversion Rate)は、広告がクリックされた回数に対して、どれだけの割合で成果につながったかを表す数値です。ランディングページの質を判断できる他、リスティング広告で質の高いユーザーを誘導できているかを判断する指標でもあります。
CVRを向上させるためにはランディングページの改善が欠かせませんが、それ以外にもフォームの項目数や入力手順のわかりやすさ、ページの表示速度といった要素もCVRに大きく影響します。ユーザーの離脱を防ぎ、行動完了までの流れを円滑にする取り組みがCVRの向上には欠かせないのです。
ただし、CVRの高さだけに目を向けると、登録後の売上に貢献しない質の低い顧客獲得になるリスクもあります。数字と質の両面から捉え、総合的な費用対効果を評価しながらリスティング広告を運用していきましょう。
自分でリスティング広告を運用する際の注意点

リスティング広告に携わる場合、誰もが注意しなければいけない点があります。特に、ご自身で運用する場合は以下の内容に注意が必要です。
- 継続的に成果を生むにはノウハウの蓄積が必要
- ツールの変化に対応が必要
- 予算設定や出稿範囲に注意する
それぞれ解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
継続的に成果を生むにはノウハウの蓄積が必要
リスティング広告は、市場や競合の変化により成果が変動するため、ノウハウの蓄積が欠かせません。設定直後に成果が出たとしても成果が継続されるとは限らず、同じ施策でも市場環境の変化により反応が鈍るケースは少なくないのです。
安定した運用を目指すには、広告文やランディングページ、ターゲティングのPDCAを回しながら日々のデータを積み重ね、成果の良し悪しに繋がった原因を分析しながら、次の施策に取り組みましょう。
ユーザーが離脱したフェーズやページの箇所も分析し、ユーザー体験を高めていくことも重要です。小さな取り組みの積み重ねが、再現性のある広告運用に繋がります。
ツールの変化に対応が必要
Google広告やYahoo広告は、管理画面の仕様変更や、機能の追加・廃止・変更などが定期的に行われているため、情報をキャッチアップしながら対応していく必要があります。
過去には、完全一致の定義変更や自動入札機能の導入、拡張テキスト広告の廃止など、大きな仕様変更が段階的に行われてきました。これらの変更は、設定の見直しや運用方針の再検討が必要になるケースもあるため、常に新しい仕様に対応できるように柔軟に対応する必要があります。
リスティング広告の運用は、常に変化に対して調整する前提で考える必要があります。適切な活用により成果を向上させるチャンスにもなるので、変化を味方につけて運用効率を高めていきましょう。
予算設定や出稿範囲に注意する
自分でリスティング広告を運用する場合、予算設定や出稿範囲にも注意が必要です。多くの人に届けるために出稿範囲を広げすぎると、無関係なユーザーへの配信が増え、想定以上に予算消化が早くなる可能性があります。検証も改善もできないまま、予算が尽きてしまうケースもあるでしょう。
リスティング広告は、費用をかけたからといって成果が得られるとは限りません。関心の薄い層に広告が表示され続けるとクリックされてもコンバージョンに繋がらず、費用対効果は下がってしまいます。
まずは少額から出稿して様子をみて、データをもとに少しずつ改善しながら出稿を拡大していくと無駄なく広告予算を活用できます。
自分でリスティング広告を運用して費用対効果を高めよう

自分でリスティング広告を運用するには、綿密に事前準備を行い、少額から広告を配信して効果の検証から始めるのが基本です。十分な広告効果が確認できてから配信を拡大すれば、無駄な広告費を抑えつつ成果につなげられるでしょう。
今回ご紹介した始め方の流れや、成果を高めるためのポイント、注目すべき指標を参考にしながら運用すれば、効率的なリスティング広告の運用が見込めます。
適切なリスティング広告の活用は、ビジネスの成長に大きく貢献します。基本を押さえ、PDCAを意識しながら、費用対効果の高い広告運用が実現していきましょう。
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