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インスタライブの新機能「Live Rooms」とは?配信者枠が「4人」に拡大!

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SNS上でフォロワーとの関係を深める際、とりわけ有効なのが「ライブ配信機能」。
そこでしか得られない情報という特別感や、同じ時間を共有していることによる親近感など、普段の投稿からは得られない配信者と視聴者の一体感が魅力です。

Instagramはこれまで「インスタライブ」と呼ばれるライブ配信機能を提供しており、フォロワーにリアルタイムの映像を届けられるサービスとして人気を博してきました。
著名人やインフルエンサーはもちろん、一般ユーザーにも広く親しまれているインスタライブですが、2021年3月の発表において新たに「Live Rooms」という機能が搭載されることが明らかとなっています。

これまで、インスタライブに配信側として参加できるのは2人まででしたが、Live Roomsの実装により“4人まで”の参加が可能になり、活用の道が広がると期待されている状況です。

Instagramは同時に、ライブ配信における“投げ銭”システムとして試験的に導入されている「バッジ機能」を強化するなど、クリエイターや企業がマネタイズしやすいプラットフォームを整えていく方針を示しています。

ユーザー同士のコミュニケーションの充実化はもちろん、ビジネスユースにも適した環境が整っていくと考えられるInstagramのライブ配信機能ですが、具体的にどのような面での変化が考えられるのでしょうか。

この記事では、インスタライブの概要をまず紹介したうえで、インスタに最近追加された機能や、Live Rooms実装後に考えられる活用法について説明していきます。

そもそも「インスタライブ」とは?

Instagramのライブ配信機能は「インスタライブ」の通称で親しまれており、配信者(スピーカー)と視聴者(オーディエンス)のコミュニケーションの場として活用されています。特別な装置は必要なく、スマホだけで手軽に配信を行えることから、幅広いユーザーに楽しまれている機能です。

基本的な形としては、スピーカーがリアルタイムの映像を流し、それに対してオーディエンスがコメントなどで反応する、というものです。寄せられたコメントは通常、配信画面に反映されるため、スピーカーはそのコメントに対して反応を返すこともできます。

1人のスピーカーがフォロワーとの交流を深める場として利用するケースが多く見られますが、スピーカーの枠は2人まで設けられているため、トークセッションなどの「コラボ企画」も可能です。

ライブ配信を行っている最中は、フォロワーのホーム画面上部にある「ストーリーズ」の並びに配信中の旨が表示されるため、注目を集めやすいことも特徴です。スピーカーが2人であれば2人分のフォロワーにライブ中であることが伝えられ、相乗効果による視聴者数の増加なども期待できるでしょう。

インスタライブの主な機能

インスタライブには配信をスムーズに行うための機能が用意されており、これらはLive Rooms導入後も基本的には引き継がれると考えてよいでしょう。

オーディエンスからの意図しないリアクションなどに不安を覚える場合には、コメントの可否や、不適切な言動をするユーザーに対するブロック、NGワードを非表示にする、といった設定が可能です。

オーディエンスによるコメントは基本的に画面に表示されることになりますが、質問した本人と配信者しか見られない「質問」という機能も用意されています。配信画面に表示されないことで、オーディエンスが気軽に質問できることはもちろんですが、スピーカー側も答えやすい質問に答えていけることがメリットです。なお、この質問についても、スピーカー側で受け付けない設定にすることができます。

さらに、スピーカーが配信している最中にオーディエンス側が「自分も一緒に話したい」と思った場合には、スピーカーとして参加することを配信者にリクエストする機能も備わっています。フリーのFAQコーナーなど、スピーカー側の進行で参加を促すことにより、いっそう距離の近いコミュニケーションが可能となるでしょう。

配信は配信者が任意のタイミングで終了できます。配信終了時にアーカイブを残すかどうかを選択できるため、見逃したフォロワーにも後ほど見てもらうことが可能です。

インスタのライブ配信はビジネスユースにも効果的?

Instagramはもともと「ビジュアルを楽しむ」ことに特化したプラットフォームであるため、ユーザー側でも直感的な視覚情報に対する期待感や受容性が高いと考えられます。
とりわけ動きのある「映像」によって多くの情報を提供できるインスタライブは、ビジュアルを楽しみたいユーザーのニーズに合っているといえるでしょう。フォロワーとの信頼関係を構築するうえで、顔の見える安心感やライブの一体感が大きな意味を持ちうるのです。

ライブ配信がもたらす親近感は、企業アカウントのマーケティングにおいても効果的に作用します。メーカーなどが新商品の機能についてライブで説明したり、体験型の施設などが実際の雰囲気や魅力を映像で伝えたりしながら、オーディエンスからのコメントにリアクションしていくことで、顧客がその商品やサービスをより身近に感じることができるでしょう。

ライブ配信を積極的に行うことで、フォロワーからの関心も高まりやすくなり、普段の投稿やストーリーズに対するエンゲージメントの向上も期待できるため、ビジネスユースにおいてもライブ機能の活用は非常に有効だと考えられます。

インスタライブをビジネス活用するための新機能

先述のようなマーケティング上のメリットを引き出せるよう、Instagramは2020年に新たな機能を搭載しています。

4月にはライブ配信した動画をアーカイブとして「IGTV」上に共有できる機能を実装しました。IGTVはスマートフォン用の縦長画面に特化しながら、長尺動画を配信できるプラットフォームであり、これによりライブ配信を見逃したユーザーに対してもアプローチが可能となりました。

10月にはライブ配信時間の上限が「1時間」から「4時間」まで延長され、アーカイブ期間も最大30日までとなりました。さらにライブ配信終了後、オーディエンス側に関連動画を表示するリコメンド機能も強化されていくことが発表され、ビジネスアカウントなどにとっては興味領域の近いユーザーに見つけてもらえるチャンスが広がると考えられます。

ライブ配信から実際の商品購入へのシームレスな導線を形成する「ライブショッピング」機能も、現在搭載に向けテストが行われています。あらかじめ配信前に商品をタグ付けしておくことで、ライブ配信中にオーディエンスがその商品の詳細情報を確認したり、購入したりすることが可能となる見込みです。

Live Roomsで何が変わる?

Live Rooms実装により、インスタのライブ配信におけるスピーカーの枠が「4人」に拡張されることになります。これにより、一層多くのフォロワーを巻き込む形での配信が可能となっていくと考えられますが、具体的にどのようなメリットが生じることになるのでしょうか。

シナジー効果の向上に期待

「スピーカーの枠が2人から4人に増える」というと形式上の変化に過ぎない印象ですが、発信側の人数が倍になることで、注目してくれるアカウントの数も増加し、波及効果が高まると考えられるでしょう。FacebookはLive Rooms実装のキーワードとして“double-up”という言葉を使っており、これには「効果を倍増させる」という意味のほか、「分け合う」「相部屋に住む」「関係を固める」といったニュアンスが含まれています。

これまでのインスタライブ同様、配信中にはフォロワーのストーリーズ部分にライブ中であることが優先的に表示されるため、4人での配信であればそれだけ多くのフォロワーの目を引けるようになります。影響力のあるアカウント同士が集まれば、それだけライブの波及効果も倍加され、リアクションも活発になることが期待できるでしょう。

もともと自分とは異なるスピーカーをフォローしていたユーザーが、配信を見て自分に興味を抱いてフォローしてくれる、という可能性もこれまで以上に広がることになります。一緒に配信を行うアカウントが自身と近い関心領域を持っていれば、フォロワーの傾向も近くなると考えられますので、フォロワー増加も期待しやすくなるでしょう。あるいは、自身とは異なるジャンルのアカウントの場合でも、これまでアプローチできていなかった層に訴求するチャンスとなるかもしれません。

どんな配信の仕方が考えられるか

従来の「2人までのスピーカー」という形式では、グループによる配信など、1つのアカウントの配信画面に複数人が映り込むという状況も多く見られました。Live Rooms実装によりスピーカー枠が倍になることで、配信者が同じ場所に集まる必要性も薄くなり、開催の都合もつけやすくなっていくでしょう。

スピーカーが増えることでトークセッションやコラボイベントにおいて配信できるコンテンツの幅が広がることはもちろんですが、スピーカー同士の役割分担がより柔軟にできるようになることもメリットの1つです。司会者と複数のパフォーマー、インストラクターと受講者役など、場面に合わせた形態をとりやすくなり、コンテンツとしてのエンターテイメント性やわかりやすさを高められると考えられます。

Facebookの発表資料では、ライブ機能の具体的な用途として「ラップバトル」といったユニークな例も挙げられています。オーディエンスからの飛び入り参加を受け付け、コンテスト形式のイベントを開催する、といった使い方にも柔軟に対応できるでしょう。

Live Roomsの使い方

現状の資料においては詳しい使い方が明示されておらず、「Live Rooms」の開始方法のみが示されている状況です。通常のライブ配信同様、ストーリーズの作成画面から「ライブ」の項目までスワイプし、ライブルームのタイトルを入力、一緒に配信を行うゲストに招待を送る、という手順が示されています。

基本的にはこれまでのライブ機能を引き継ぐことが予想されますが、発表資料においては“moderator control”といった機能が提供されると言及されており、進行役としてのモデレーターを指名できるような形が採用されるかもしれません。

Live Rooms実装に向けさらなるマネタイズ機能の強化も

Instagramは、ライブ視聴者による配信者へのサポート機能として「バッジ」を段階的に導入しています。これはその他のライブ配信サービスにも取り入れられている“投げ銭”に該当する機能であり、日本でも2020年10月から一部のクリエイターを対象にバッジ機能が適用されるようになりました。

現状は、1回の配信につき各オーディエンスがバッジを購入できるのは1度で、額は「120円」「250円」「610円」と3段階の設定です。購入するとコメントした際の表示アカウント名の隣にバッジが表記され、他のオーディエンスと差別化される仕組みです。

Live Rooms機能の実装をアナウンスする資料においては、このバッジ機能の充実についても示唆されており、ライブ配信機能の拡大にともなって投げ銭の仕組みも整えられていくと予想されます。具体的には、バッジ購入者に対する特典に自由度が生まれる、といったことが考えられるでしょう。

さらに、同発表資料においては「ライブでの募金キャンペーン」や、ショッピング機能との連携強化などについても言及がなされており、クリエイターや企業がさまざまな形態でサポーターを募ったり、販促を行ったりできるようになると予想されています。

まとめ

利用者のアイディアでさまざまな活用法が見出されうるSNSは、新たに発見された「刺さる方法」に合わせて随時その機能を更新していきます。
翻って考えれば、プラットフォームの変化が「どのような発信のあり方を想定したものか」を見据えることで、届けたい層に的確にアピールする方法が見えてくる、ともいえるでしょう。

今回のInstagramにおけるLive Roomsを中心とする変化も、新型コロナウィルスの感染拡大という状況下において、ライブ配信機能が多様な形で活用されていることを受けてのことであると考えられます。リモート状況でのリアルタイムなコミュニケーションの可能性がさまざまに広がっていくなか、配信者の枠を増やすことで配信内容の幅を広げることが狙いとしてまず指摘できるでしょう。

同時に、「限定的な場で親密な関係を構築すること」が現在のSNSマーケティングにおける1つの動向となっている点も見逃せません。「Live Roomsの実装にともない、マネタイズ機能も強化されていく」という事実から読み取れるのは、「ライブ配信で多くのユーザーに親近感を抱いてもらうことが、ビジネス上の効果にもつながっている」という背景です。

Instagram上でのライブ配信において今後見定めておくべきは、「どのようなアカウントとコラボし、どのようなコンテンツを配信すれば、ターゲットに対する的確なアプローチが可能となるか」ということです。Live Roomsにおいてキーワードとなる“double-up”の効果、すなわち波及力を「倍増」させ、フォロワーからの注目を「分け合う」というシナジー効果をモノにできるかが、これからのライブ配信において鍵となっていくでしょう。

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この記事を書いた人

鹿嶋 祥馬
大学で経済学と哲学を専攻し、高校の公民科講師を経てWEB業界へ。CMSのライティングを300件ほど手掛けたのち、第一子が生まれる直前にフリーへ転身。赤子を背負いながらのライティングに挑む。

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