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LTVとは?顧客生涯価値の計算方法や施策事例をわかりやすく解説!

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自社で商品・サービス販売を行っているマーケティング部門の人なら「LTV」という言葉は知っておいたほうが良いです。これはLife Time Valueの略で、顧客生涯価値を意味します。

近年では不特定多数の人にアプローチするのではなく、一人一人の顧客を大切に育てることで売り上げが伸びる傾向にあります。そのため、LTVを活用して新たな対策を企てたほうが売上が伸びる可能性があるのです。

本記事では、初心者向けにLTVとは何かをわかりやすく解説します。企業がLTVを重視する理由や計算方法、最大化させるためのコツ、有名な成功事例なども紹介しています。ぜひ参考にしてください。

LTVとはどういう意味?

LTVのイメージ画像

LTVとは、Life Time Value(ライフタイムバリュー)の略で「顧客生涯価値」を意味します。1顧客が生涯ベース(ライフサイクル)で自社に対してどれだけの価値・利益を与えてくれるかを示す言葉です。

たとえば、洗濯洗剤。1つ400円で1か月持つとします。1年で4,800円、5年で24,000円ほど1顧客で売り上げが上がることになります。これを企業が想定する取引が終わるまでの期間で利益を計算した数字がLTVです。

LTVは1回の購入だけでなく、その後継続して購買行為を追跡することが特徴です。数値の高さは、顧客の企業への信頼度、愛着度を示すものと言えるでしょう。

LTVがマーケティングで重視される理由

LTVがマーケティングで重視される理由のイメージ

LTVは顧客1あたりに対する打ち上げをわかりやすくするだけではありません。企業にとって多くのメリットがあるからこそ、マーケティングで重要視され始めています。

  • 新規顧客の獲得難易度が上昇
  • 顧客ロイヤルティーが求められている
  • データ分析の精度が向上

重視される理由を、それぞれ簡単に解説していきます。

新規顧客の獲得難易度が上昇

「国内人口の減少」「物価高騰」「手取り額の減少」など、さまざまな理由で商品・サービスの購入を控える人が増えています。そのため、顧客一人一人を大切にしなければ、購入にまで至らないのが現状です。

LTVは、まさに顧客1人に対する生涯コストを考えて数字化する指標です。現代の流れに合っており、新規顧客の1人ずつのニーズに合わせて対策が打てるので売り上げが上がりやすくなるのです。

顧客ロイヤルティーが求められている

先述と同様の理由で、顧客の満足度や愛着・信頼などを示す「顧客ロイヤリティー」が求められる時代でもあります。一人一人にあった対策を打つことで、競合の流出を防ぎ、継続的に商品・サービスを購入してくれる見込みが上がります。

これは、不特定多数に向けたマスマーケティングから、一人一人に訴求する「パーソナライズマーケティング」への移行に繋がります。

データ分析の精度が向上

データ収集用ツールの進化や分析の精度向上も、LTVの注目度に関わる要素です。顧客の属性や行動履歴をもとに商品やサービスを改善できれば、リピート率向上やアップセルにつながる期待も持てます。加えてデータから抽出できる項目や見て取れる結果が増えたり、明確になったりすると、LTVの測定もスムーズです。

そのため、データを広く活用するなら特に、この指標を使いたいと考える向きが増えるのは自然な流れと言えるでしょう。

LTVの計算方法

LTVの数値を計算で出そうとするイメージ画像

LTV(顧客生涯価値)の計算方法は、2種類あります。まずは、一般的な算出方法を解説します。

一般的なLTV計算方法

  • LTV=購入金額×年間購入頻度×継続年数

上記の継続年数は「1年間÷離脱率」で計算してください。離脱率が20%の場合は「1÷0.2=5年継続」となります。

次はサブスクリプション型でサービスを展開している場合のLTV計算方法です。

サブスク型のLTV計算方法

  • LTV=購入金額÷解約率

サブスクの場合は、解約率(チャーンレート)を利用します。これにより、1人あたりのLTVの数値化が可能です。

LTVを最大化させる具体的な施策

LTVを最大化させるイメージ

LTVを上手く活用できれば、売上ないしは顧客満足度の大幅アップに繋がります。まさに、企業のミッションで最も重要なものといっても過言ではありません。そのためには、LTVで数値化するだけではなく、以下で紹介する施策も併せて検討しましょう。

  • 競合や既存製品との差別化
  • 広告や宣伝媒体で露出を増やす
  • メルマガ配信でアプローチする
  • 顧客管理システムを導入する
  • 行動心理学で顧客の心を揺さぶる

結果が良好であれば、新商品の開発など躊躇せずに踏み出すことができ、サービスだけでなく組織の活性化にも期待が持てます。

競合や既存製品との差別化

最も初歩的な手法ですが、商品・サービスを新しく展開するときは、競合や既存製品との差別化を図りオリジナリティを出しましょう。他よりも秀でているところがあれば、ユーザーが興味を示すアピールポイントとなります。

新規顧客の獲得がしやすくなるうえ、他社より良いものであればリピーターになってくれる可能性が高くなるはずです。

広告や宣伝媒体で露出を増やす

LTVは顧客全体から平均値を出すやり方が一般的ですが、広告や宣伝媒体で露出を増やすことで顧客数という母数を拡大できます。

予算があるならアフィリエイトやGoogle広告を活用するのも良し、低コストで宣伝したいならX(旧Twitter)やInstagramなどのSNSを使って不特定多数の人にアプローチするのも良しです。上手く露出を増やし、LTVを最大化させましょう。

メルマガ配信でアプローチする

購入頻度・継続期間を延ばすためには、メルマガ配信でのアプローチも有効となります。既存の顧客と定期的に接点を持てるからです。

特に新商品の発表やキャンペーンの実施など、広く宣伝するトピックがある場合はメルマガがあることで機会損失を防げる可能性が高まります。同様に、ダイレクトメールも効果的です。顧客維持率の下落を回避すべく、ぜひ活用してみてください。

顧客管理システムを導入する

顧客の獲得・管理・意地にはどうしてもコストがかかります。顧客管理システムを導入して効率化を図ることで、LTVがしやすくなります。自社にあったCRMやBIツールを探してみてください。

況やニーズにあわせて臨機応変にメールを送るなど先述した各種アプローチを効率的に行うことが可能です。結果、中長期的にはコスト削減の実現が期待できます。

行動心理学で顧客の心を揺さぶる

行動心理学とは、相手の何気ない行動から科学的に本心を探る学問です。マーケティングにおいても、いかに顧客の心を揺さぶるかが重要なので親和性があります。

LTVにおいては、価格が違うプランを3つ用意して選ばせる「松竹梅の法則」が有効です。消費者心理として、中間価格で購入する人が出てきやすくなります。

LTVを向上させた成功事例

LTVを向上させた成功事例イメージ

LTV向上のための施策を講じたからといって必ずしも上手くいくわけではありませんが、それでも一定の成果を出す企業は数多存在します。その中でも、LTVの大幅改善に成功した有名事例を3つ紹介します。

紹介している3つの成功例は、顧客のニーズに寄り添った対策を行った結果LTVが改善しています。どういう対策を行ったのかを参考にし、自社の課題に落とし込みしましょう。

化粧品会社「FTC」はLTV4倍に成功

株式会社FTCは、素肌美をコンセプトにしている化粧品メーカーです。有名化粧品メーカーやオーガニック化粧品が数多く存在するため、新規顧客の獲得に悩んでいました。そこで目を付けたのがLTV。

美容に関心が低い人はもちろん、年齢層関係なくアプローチするためにマンガを活用して商品を知ってもらう取り組みを行いました。その結果、LTVが4倍にも伸びた実績を残しています。広報活動を取り入れたLTV成功例と言えます。

食品メーカー「カゴメ」は電話対応でLTV改善

トマトケチャップ・トマトジュースで有名な食品メーカーであるカゴメは、主力商品でのリピーターが減少していました。実際に顧客アンケートを行うと「長期契約のメリットがない」という声が多数発生。

そこでまず行ったのが注文経路の洗い出しです。老舗メーカーなのでオンラインよりもオフラインでの注文が多いため、自社の強みであるコールセンターを活用することに決定。コールセンタースタッフの判断で、顧客に合わせて特別なサービスを実施してよいと通達したところ、顧客満足度が上がりLTVが改善したという成功事例です。こちらは、顧客一人一人の囲い込みが成功しています。

ビールメーカー「KIRIN」はサブスクでLTVを最大化

KIRINは、「新鮮でおいしいビールが飲みたい」という顧客のニーズを実現するために、ビールサーバーの無料レンタル&ビールボトル配達というサブスクリプション「KIRIN Home Tap」サービスを開始。

また、いつでも申し込みできるわけではなく、不定期再開することでプレミア感を持たせることに成功しています。おかげで、新規・リピーターともに顧客獲得ができたうえ、顧客満足度も大幅アップしています。サブスクもLTVと親和性が高い手法と言えるでしょう。

AI技術の発展によりLTVで顧客分析しやすくなっている

LTVにAI技術を活用するイメージ

LTVは顧客1人あたりの「購入金額×年間購入頻度×継続年数」を数値化した売上指標です。AI技術を活用することで、さらに効率化を図れるのです。

既存顧客全員のLTVの洗い出しはもちろん、見込み顧客に対する未来のLTV予測、離脱・解約を想定したパターン化、各種分析のレポート化など、あらゆるデータを瞬時に導きだしてくれます。また、チャットボットなどで課題を相談すれば、自社にあった対策を立ててくれる可能性もあります。

ますますLTVを活用したマーケティングが行いやすくなります。売上と顧客満足度アップを課題にしている企業は、ぜひLTVを試してみてください。想像以上に売り上げがアップするかもしれません。

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この記事を書いた人

おさだ
不動産業界メディアの編集長を5年以上務めたのち、サングローブに入社。前職以外では、旅行・登山などアウトドア系の記事経験もあり。とにかく記事を書くことが大好きです。

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