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サイト売買・サイトM&Aとは?失敗しない売買術とおすすめサービス9選

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近年、サイト売買・サイトM&Aの需要は高まる一方です。しかし、サイト売買には大きなメリットとともに知らないと損する複数の落とし穴もあります。そこで活躍するのがサイトの売買をサポートしてくれるサービスの存在です。

この記事では、サイト売買・サイトM&Aの市場観をはじめ、失敗しない売買術やおすすめのサービスについて徹底紹介します。

目次

サイト売買・サイトM&Aとは

サイトM&Aイメージ

サイト売買とは、企業もしくは個人が所有するウェブサイトやそれを構成するコンテンツを売買することです。別名「サイトM&A(エムアンドエー)」と呼ばれます。M&Aとは『Mergers(合併)and Acquisitions(買収)』の略で、狭義では「企業間での合併買収」を指しますが、サイトM&Aの場合は「個人での売買取引」も含まれます。

サイト売買・サイトM&Aは成長市場

サイトM&Aサービスイメージ

サイトの価格は、アクセス数や収益額などによって決まりますが、なかには億単位で取引されるものもあります。そのため、サイトを育てて売却し、利益を得るのをビジネスにしている個人事業主や起業家がいるほどです。
では、実際にサイト売買プラットフォーム大手「ラッコM&A」の統計情報をもとに、サイト売買市場の需要と成長性について詳しく見ていきましょう。

累計成約額は10億円を超える

出典:2020年1期~2022年3期「成約数」(数字で見るラッコM&A)
出典:2020年1期~2022年3期「成約額」(数字で見るラッコM&A)

成約数(取引完了数)・成約額(取引完了金額)ともに年々増加傾向です。2021~2022年にかけて多少の停滞は見られましたが、その後また勢いを取り戻しています。現時点(2022年12月末)で成約数の累計は1,509件、成約額の累計は10億8,814万8,463 円にのぼります。

サービス登録者数の増加

出典:2020年1期~2022年3期「登録申請数&掲載数」(数字で見るラッコM&A)

サービスへの登録申請数、掲載数ともに2021年4半期から顕著に増加中です。現在、登録申請数の累計が5,111件、掲載数の累計が3,721件。サイト売買サービスのその利便性から「まずは登録してみよう」というライトユーザー層が増えているのがわかります。

「個人」でのサイト売買がトレンドに

出典:2021~2022年「個人/法人比率 」(数字で見るラッコM&A)

「ラッコM&A」を利用してサイト売買をしている個人/法人比率を見てみると、「売主の80%以上が個人」だとわかります。買主の場合も個人が半数以上を占めています。売主・買主ともに「個人でのサイト売買」が活発になっているといえます。

サイト売買の相場価格は?

出典:2021~2022年「掲載案件における価格分布」(数字で見るラッコM&A)

まず「ラッコM&A」でどのくらいの金額で取引が行われているのかを見てみると、大体の相場をつかみやすいです。

多い順から「30万円未満」が約35%、「30~100万円未満」が約33%、「100~1,000万円未満」が約27%、「1,000万円以上」が約4%の分布です。M&Aという響きから連想する多額の取引だけではなく、「30万円未満の少額での売買」がトレンドだとわかります。

また、ラッコM&A「よくある質問」によると「月の営業利益の12〜24ヶ月分」(引用:ラッコM&A「よくある質問」)が譲渡金額の相場だといわれています。ただし、サイトの種類によって価値が異なるのも事実です。特に近年ではサイト売買の派生であるSNSアカウントの売買も盛んになり、一概に「相場はいくら」と提示しづらいのが現状でしょう。

とはいえ「このジャンルであればこのくらいの価格帯で買い手がつくであろう」という基準はたしかに存在します。そこでわかりやすいように、サイトの種類ごとに大体の売却金額を下記にまとめました。

種類相場
アフィリエイトサイト1ヶ月の利益×12~24ヶ月分
ECサイト1ヶ月の利益×12~18ヶ月分
個人ブログ(雑記)1ヶ月の利益×15ヶ月分
個人ブログ(特化)1ヶ月の利益×23ヶ月分
SNSアカウント1ヶ月の利益×6~12ヶ月分
※1ヶ月の利益=収益からサーバー代や外注費用などの運営コストを除いたもの
サイト売買相場・高く売れるサイトの特徴と種類別の売却相場」(ラッコM&A)を元に作成

上記の計算式で、サイトの種類ごとに大まかな売却金額を算出できます。ただし、売買する際の価値は、収益性だけではなく、アクセス数、会員数、検索結果やページランク、ドメイン、サイトのジャンルなど「複数の要素で決まる」ことを忘れてはいけません。それぞれのサイトやアカウントによって査定額は異なるので、この計算式はあくまでひとつの指標だととらえましょう。

SNSアカウントの売買について

出典:2021~2022年「掲載案件における種類比率」(ラッコM&A)

近年、広告やアフィリエイトで収益化が可能なことから、TwitterやInstagram、YouTubeなどの「SNSアカウントの売買」が増えています。掲載案件における種類比率でもSNSアカウントが約35%近くを占めており、Webメディアに次いで掲載数が多いとわかります。

実際にフォロワーが1万人いるInstagramアカウントが、100万円前後で取引される例もあります。SNSアカウントは基本的に元手0円で開設できる点も人気の一因でしょう。しかし、TwitterやInstagramのアカウントの売買は違法ではないものの「ガイドライン違反」に該当するので注意が必要です。

たとえば、Instagramの利用規約には「弊社または弊社のサービスから取得されたアカウントやデータを販売、ライセンス供与、または購入してはなりません。」と明記されています。そして「ガイドライン違反」は運営による「アカウント凍結」の対象です。

一方、比較的最近にビジネス面で注目され始めたYouTubeにおいては、アカウントの売買を禁ずる規約が設けられていません。ただこのガイドラインも変更される可能性はあるため、気を付けておきましょう。

また、SNSアカウントの多くは無料で開設できますが、登録時に電話番号やメールアドレスなどの個人情報を入力する必要があります。

SNSアカウントの売買を検討する際、買い手は「ガイドライン違反によるアカウント凍結」に、売り手は「個人情報の流出」に十分留意してください。

出典:「利用規約とインプリント」(Instagram)

モール型ECサイトにも注目

モール型ECサイトとは、複数のショップが集まってひとつの大きなモールを形成するECサイトです。さながらWeb上における大型ショッピングモールといえ、ユーザーはひとつのモール型ECサイトにアクセスをするだけで、多くの店舗やサービスと出合えます。

Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングといったモール型ECサイトの市場拡大に伴い、ショップ(出品者)単位の売買が今後増えていくと予想できます。

モール型ECサイトに出店・出品し、安定的な収益を上げることができたら、そのショップには相当の価値がつくため、ショップを売却して大きな利益を上げることができます。逆に安定的な収益を上げているショップを買収して、さらに成長させることも可能です。

スマートフォンを筆頭にインターネットの普及が進むにつれ、こうしたEC市場はますます拡大していきます。事実、経済産業省の調査によると、2020年の日本国内におけるBtoB-EC(企業間電子商取引)市場規模は約372.7兆円(前年比11.3%増)。さらに2021年の日本国内におけるBtoC-EC市場規模は約20.7兆円(前年比7.35%増)、CtoC-ECの市場規模は約2兆2,121億円(前年比12.9%増)でした。

先ほどのグラフ(掲載案件における種類比率)によると、ECサイトが占める割合は現時点で約5%と決して高くないですが、モール型ECサイトの売買は今後注目です。

出典:「令和3年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」(経済産業省)

サイト売買・サイトM&Aをするメリット

サイト売買には、純粋なM&Aと異なる「サイト売買だからこその大きなメリット」が存在します。

買い手のメリット

Webサイトの買い手が得ることのできるメリットは、「時間・コストの削減」と「資産価値」です。しかし、ハイリスク・ハイリターンな一面もあるので、そこはきちんと理解しておきましょう。

サイト制作~収益化の手間が省ける

すでに完成したサイトを獲得できる、つまり、サイト立ち上げからPDCAを回して収益化していくまでの手間のかかる工程を大幅にカットできる点が、買い手にとっての大きな利点です。

通常Webサイトの新規立ち上げ~収益化までには、相当の時間とコストがかかります。
しかし、すでに収益を生み出しているサイトを買収できれば、これらの課題は一発で解決できます。
「すぐに売り上げを立てたい」「ほかの業務と兼業していて忙しい」という方にとって、時間をお金で買えるのは最大のメリットかもしれません。

また、「個人事業主がサイトを買収した場合」「個人がサイトを買収し、個人事業主として開業した場合」「個人がサイトを買収し、法人設立した場合」は、サイトの買収代金のうち、経費計上額の税率分が節税できます。サイトの購入には、節税対策としての一面があることもおさえておきましょう。

投資・資産運用として

現代におけるWebサイトは、オンラインビジネスの主軸資産です。その証拠にサイト買収による一般的な利回り(年間の収入の総額を買収価格で割った数字)は、「50~200%」といわれています。利回り平均が「5~15%」の不動産投資と比較すると「楽にもうかりそう」と感じることがあるかもしれません。

たしかに投資額と収益性(投資回収期間)の観点からみても、数万~数億の投資を1.5~2年で回収可能な傾向があります。ただし、ハイリスク・ハイリターンな投資対象であることは必ず念頭に置きましょう。

不動産投資をはじめとする資産運用は、投資してしまえば比較的手間がかからないので「余剰資金があり、なるべく意識せずに資産運用をしたい人向け」と考えられます。

それに対し、サイト投資はWeb業界の変化や競争に応じて、常にサイトの価値を高める努力が必要です。WebサイトはGoogleのアルゴリズムの変動によって検索順位が一気に下落するなど、外部要因による収益影響を受けやすいのを忘れないでください。

「積極的にサイト運営に携わり、Webの知識や収益獲得スキルを高めたい人向け」の投資こそが、サイト買収だと考えたほうが無難です。現時点でサイトの運営経験があり、Webの知識も豊富なら、おすすめの投資対象といえます。

もしWebの知識が浅く、サイト運営も未経験であれば、まずブログなど比較的簡単なものから自分で運営してみてはどうでしょうか。ある程度の経験と知識を身につけた後、投資するかを検討しましょう。

売り手のメリット

売り手のメリットは、「資金調達」そして「選択と集中」ができることです。経営戦略的意味合いが強いので、ここもしっかりおさえましょう。

まとまった資金を調達できる

サイト譲渡金額の相場は一般的に「月の営業利益の12〜24ヶ月分」です。サイトの評価額はケースバイケースですが、価値あるサイトが適正に評価されたら、少なくとも「収益1年分ほどの資金」をまとめて獲得できます。月間営業利益が30万円あるサイトなら、30万×12か月=360万円です。収入の前倒しという意味でも、売り手にとって最大のメリットでしょう。

選択と集中ができる

M&A戦略のひとつに「選択と集中」という方法があります。これは、事業の多角化が進む企業において、自社の得意な事業領域(コア事業)を明確にし、経営資源を集中的に投下することを指します。要は「力を入れたい(入れるべき)ことにのみ注力する戦略」です。いわずもがな、ノンコア事業(不必要と判断された事業)に位置づけられた場合、売却の検討もされるわけです。

これはサイトM&Aについても、まったく同じことがいえます。
売り手が複数のサイトを運営している場合、一定以上の収益性、成長が見込めないサイトを他者に譲渡することで、他の既存サイトに資源を集中させることができるのです。

サイト売却により、選択と集中を実現させ、既存サイトの成長、拡大につなげるもよし。空いたリソースと、売却で手にした資金をもとに、新規サイトを立ち上げるのもひとつの手でしょう。

サイト売買・サイトM&Aをするデメリット

価値あるWebサイトはそれだけで資産価値がありますが、いわゆる無形資産であることによるデメリットが存在するのも事実。サイト売買の検討材料として、様々な可能性を深く理解しておきましょう。

買い手のデメリット

買い手のデメリットは、賢く取引をしないと思ったような収益が上げられず、むしろ不利益が生じる可能性があることです。では、詳しく見ていきましょう。

売り手の虚偽報告による損失

Webサイトの価値は、売上高やアクセス数、月間営業利益などで決まります。そのため、個人間でサイト売買をしようとなると、売り手側がこれらの数値やデータを虚偽で報告し、あたかも価値あるサイトと見せかけ、高額の譲渡額を提示することができてしまいます。

Webの知識やサイト売買の経験が浅い場合、こうした虚偽報告を見抜くのは困難であり、その結果、本来は価値のないサイトを高額で購入してしまう可能性があります。

しかし、サイト売買サービスを経由して取引すれば、適正な審査が入るため、まず心配ありません。

収益を上げられる保証はない

サイトの買い手にとって一番重要なのは、「購入したサイトが今後も順調に収益化していくのか」ということです。サイト売買サービスを利用すれば、専門家の判断のもとWebサイトの価値が適正に算出されます。

ただし、その算出された価値というのはあくまで「今後も順調に収益を上げる可能性がある」ということで、そこに「絶対もうかる」という保証はありません。

だからこそ、少しでも自分自身で「サイトの価値」を見極める目を養うことが必要です。
投資全般にいえることですが、こうしたリスクが潜んでいることは頭に入れておきましょう。

売り手のデメリット

売り手には買い手ほどデメリットがないのでは?と感じるかもしれませんが、実はそんなことはありません。サイト売却を検討するにあたり、資産・資金面でのデメリットがあるので、きちんとおさえておきましょう。

譲渡金未回収の可能性

売り手のデメリットにはまず、譲渡金の未回収があげられます。「売買契約成立後に買い手に資金がないことが明らかになった」「取引を途中で放棄した」など、理由はいろいろと考えられます。

大事な資産であるWebサイトが手元から離れたのに、それに見合う資金が得られなければ損をしただけです。サイト売買の仲介サービスを利用すれば、信頼の置ける「中立的な第三者」が契約当事者の間に入り、代金決済等取引の安全性を確保してくれるため、そうしたトラブルを避けることが可能です。

安定した収益源がなくなる

安定的に収益を上げているサイトを売却した場合、一括でそれに見合うキャッシュは手に入るかもしれませんが、その後はそれまで継続的に得ていた収入がなくなります。もともと複数のサイトや事業を運営しているならば、選択と集中を実現できるので問題ありません。しかし、売却するサイトだけに収入を頼っていたとしたら、注意が必要です。

目先の資金調達だけではなく、「サイト売却で得た資金を元手に、より収益の見込める新たなビジネスを始める」「サイト運営はまだ継続し、余剰金が増えてから売却する」といったように、資金繰りと綿密な計画を立てながら検討しましょう。

サイト売買・サイトM&Aの事例

サイト売買は、組織再編スキームであるM&Aの手法のひとつであり、多くの場合は事業譲渡という手法が用いられています。実際にどのような事例があるのか見ていきましょう。

IQON(アイコン )

ファッションECサイト大手のZOZOTOWNを運営する株式会社ZOZO(2017年10月19日の買収当時は株式会社スタートトゥデイ)が、「IQON(アイコン)」というファッションメディアを20億円で買収しました。ZOZOは、「IQON」の運営会社であるVASILY(ヴァシリー)社を完全子会社化したため、実質企業ごとセルインしたかたちです。

「IQON」は、200以上のECサイトからファッションアイテムを、ユーザーが自由に組み合わせてコーディネートを作成できるサービスでした。それを運営するVASILY社は、AI(人工知能)を駆使した機械学習・画像認識の分野において高い技術力を有していたので、買収に成功したZOZOは、サイト制作~収益化の手間を省きつつ「新たな技術力」を手にすることができたのです。一方、当時のVASILY社を見ると、累積損失の指標となる利益剰余金が14億円もの赤字となっており、この買収にはその救済策としての側面もありました。

その後、2020年4月6日に「IQON」のサービス自体は終了してしまいましたが、そこで培われた技術やデータは、現在のZOZOTOWNに活かされていると考えられます。総じてこの買収は、両社にとってプラスに働いたのではないのでしょうか。

出典:2017年10月19日「スタートトゥデイ、ファッションメディア「IQON」などを手がけるVASILY社を完全子会社化」(株式会社ZOZO)

転職アンテナ

2021年4月、インターネットのネイティブ(記事体)広告プラットフォームなどを手がけるログリー株式会社が、転職メディア「転職アンテナ」を運営するmoto株式会社の全株式を7億円で買収、完全子会社化しました。

「転職アンテナ」は、もともとmoto株式会社の現代表である戸塚俊介氏が、会社員時代に始めた副業のブログでした。人材業界で培った知見を活かした発信でユーザー数を着実に増やし、年間利用者数は50万人超え。ログリーは、転職アンテナに来訪するユーザーデータとログリーが保有するビッグデータ解析技術を組み合わせることにより、転職潜在層・顕在層の傾向分析が可能となるなど、新たな事業創出の機会につながると判断し、「転職アンテナ」を含むmoto株式会社の買収に至りました。

しかし、ログリーの現状を見てみると2022年3月期第3四半期決算で5億7,400万円の純損失が発生しています。通期でも5億9,800万円もの当期純損失を見込んでいるようです。これは「転職アンテナ」のSEO(検索エンジン最適化)パフォーマンスの悪化により、当初予想の56.4%という大幅な売り上げ減に陥ったのがひとつの要因とされています。

7億円もの金額で買収に踏み切ったログリーからして転職アンテナが「有料メディア」ひいては「優良株」だったのは間違いありませんし、当時、moto売却にはログリー以外にも複数の企業がオファーをかけていたといわれています。それでも、こうして外的な影響を受け、収益が下落したわけです。

個人ブログから始まり、最終的に億単位での売買が実現した事例ですが、リスクヘッジの大切さやSEOなどの外的要因の怖さを教えてくれるM&Aでもありました。

出典:2021年3月30日「ログリー、「転職アンテナ」を運営するmoto株式会社を子会社化」(ログリー株式会社)

最安修理ドットコム

2020年1月17日、ネット型リユース事業を中心に展開する株式会社マーケットエンタープライズが、株式会社ジラフが運営する国内最大級の修理業者情報プラットフォーム「最安修理ドットコム」を7,500万円で買収しました。この事例は、子会社化ではなく純粋なサイトM&Aにあたります。

学生起業家が手掛けた「最安修理ドットコム」は、家電、カメラ、ドローンなど、さまざまな商品カテゴリーにおける修理・メンテナンス可能店舗を掲載するメディアへと発展し、掲載される修理店舗数は19,000店舗、月間110万ページビュー、月間プラットフォーム訪問者数は57万人。マーケットエンタープライズの既存事業であるネット型リユース事業におけるリユース品の買取及び販売に、「最安修理ドットコム」が加わることで、修理・メンテナンスといったアフターマーケットへもサービス領域を拡大させたのです。

また、このサイト譲渡について売り手である株式会社ジラフは、「今後は買取価格比較サイトのヒカカク!やトレカ専用フリマアプリのmagiに経営資源を集中させて事業展開を行っていく」と述べており、まさに選択と集中を実現させるために売却を行ったと考えられます。

出典:2020年1月31日「事業の譲受に関するお知らせ」(株式会社マーケットエンタープライズ)

出典:2020年1月31日「最安修理ドットコムの事業譲渡に関するお知らせ」(株式会社ジラフ)

サイト売買・サイトMAで「売れるサイト」とは

サイト売買市場で多くの買い手がつくサイトには、いくつかの共通点が存在します。

運営歴が長く、集客の安定性がある

サイト運営歴は長ければ長いほど、買い手にとって信頼材料になります。さらにそのなかで安定した集客ができているサイトは、買収してすぐに運営が頓挫するリスクが低いと判断されます。

手間がかからない

下記のように「運営の手間がかからなそう」と感じるサイトは、買い手から興味を集めやすいです。

  • ストックされた記事やコンテンツが多いサイト
  • 専門的なものではなく運営しやすいサイト
  • 定期的な作業があるが、マニュアル化されているサイト

逆に「集客のために頻繁に更新が必要なサイト」や「顧客対応が発生するサイト」は、買い手に時間やコストがかかると判断され、敬遠されがちです。

売り上げが一部に依存していない

サイト内の複数のコンテンツや広告などから、まんべんなく売り上げがあがっているサイトは、買い手に好印象を与えます。

商品の売り上げの出所が偏っている場合、頼りの綱が途切れた際に、一気に売り上げが落ち込むからです。外的要因で収益が左右されやすいWebサイトだからこそ、売り上げが分散化されているものの信頼度は高いといえます。

需要の高いジャンル

アフィリエイトサイトの場合、取扱う商品やサービスの認知度が高く、かつ単価も高いものが人気のジャンルになります。

その中でも特に、金融、人材、恋愛、通信、教育、不動産などは、人々の生活と密接な関係にあり、継続して人気の高い分野なので、買い手からの希望も多いです。リスティング広告において、保険、キャッシング、ダイエットなどの高額なワードに特化しているサイトも価値が高いと判断されやすいです。

「既存メディアとの関連性・親和性」を購入の基準にする買い手も多いため、売却も視野に入れてサイトを運営するなら、比較的人気のジャンルに取り組むといいかもしれません。

伸びしろがある

月間営業利益が特段に高いわけではないけれど、少しのテコ入れで一気に収益を増やせる。そうした伸びしろを感じさせるサイトも、売却しやすいサイトです。

具体的には、コンテンツの質はいいのに網羅性が低いサイト、PVは多いけれど上手くマネタイズできていないサイトは改善余地が高いと判断されやすいでしょう。

また、伸びしろという観点からみると、「SEOに依存しないサイト」の人気も上がってきています。これは昨今、SEOアップデートが頻繁に起こっていることが原因です。

「すでに会員を持っている」「SNS経由の集客が強い」「YMYL(ユーザーの金銭・生命に重大な影響を与える可能性があるトピック)に関わらないサイト」の需要が高まりつつあるのも見逃せません。

サイト売買・サイトM&Aサービスを利用しよう

サイト売買サービスやサイト売買プラットフォームを利用すれば、スムーズに取引を行えます。

直接取引はトラブルを生みやすい

一口にサイト売買といっても、その方法はさまざまです。TwitterなどのSNSを利用し、個人間で取引したり、オークションサイトで取引したりもできます。

しかしながら、個人間で直接取引をすると、「サイトのデータが虚偽だった」「譲渡金が回収できない」などのトラブルが発生しやすいのも事実です。そもそもそのサイトにどれだけの価値があるのか?適正価格なのか?という疑問点も生まれやすいでしょう。

個人間での直接取引には、手数料がかからないというメリットがありますが、最初から最後まで自己責任で行わなければならないため、あまりおすすめできません。

サイト売買・サイトM&Aサービスとは?

サイト売買・サイトM&Aサービスとは、サイト売買をサポートしてくれるサービスです。マッチングサービス(サイト売買プラットフォーム)から、サイト売買のすべての工程を一貫して代行するものまで、その形態はさまざまです。

個人でも法人でも利用できるものが多く、時間を割かずとも安心、安全にサイト売買をすることができます。売り手側は「サイトの情報を登録するだけ」で、買い手側は「買収したい意思を伝えるだけ」で取引を進められるので、非常に便利です。

手数料はかかりますが、適正な価格で売却できないリスクや、価格に見合った価値のないサイトを買収してしまうリスクを考えると、手数料を払ってでもサイト売買サービスを利用するほうが得策でしょう。

サイト売買・サイトM&Aサービスおすすめ9選

サイト売買・サイトM&Aサービスのサポート内容はそれぞれ異なります。単純に売買相手を紹介するだけのサービスから、相談や売却の交渉などを手厚く支えてくれるサービスまであるので、自身の用途に合ったものを検討しましょう。

ラッコM&A

2022年の業界シェア74%以上の成約数を誇るサイト売買プラットフォームです。売却手数料無料で、個人法人問わず利用が可能。WebサイトだけでなくSNS等のアカウントやアプリの売買もできます。

自動査定・GA(Googleアナリティクス)連携・契約書自動生成・サイト移行代行を行ってくれるため、とにかく手間をかけずに売買取引を進められます。また、エクスクローサービス(信頼の置ける「中立的な第三者」が契約当事者の間に入り、代金決済等取引の安全性を確保するサービス)や無料弁護士相談といったサポートもあるため、「金銭トラブルが心配……」という初心者でも安心して取引可能です。

またラッコM&Aは、2021年のサイト売買成約率ナンバーワン且つ「ラッコキーワード」などの他サービスとの連携により、独自集客が強いといえます。売り手も「掲載したのに買い手がつかない!」という事態を避けやすいでしょう。

買主料金に成約額の5%(最低55,000円/税込)かかりますが、それを踏まえても、サイト売買初心者~経験者まで、利用想定者の守備範囲が非常に広く、充実したサービス内容です。サイト売買を検討している方、特に「手軽さ・安全性・集客力」を重視する方は、一度ラッコM&Aを利用してみてはどうでしょうか。

公式サイト:ラッコM&A

ラッコマーケット

ラッコマーケットは、WordPress構築の小規模WEBメディアをリアルタイムで購入・売却できるリアルタイムサイト売買プラットフォームです。「最短5秒でサイトが買える!」のうたい文句どおり、売買交渉・契約締結・サイト移行作業が一切不要。まさにフリマアプリのような感覚で手軽に出品・購入が可能です。

サイトの販売価格は1万円~50万円で比較的少額であり、カード決済に対応しているため、サクッと取引ができます。売却時の利用料は成約金額の15%、購入時の利用料は無料です。

「少額からサイト売買をしてみたい」「フリマ感覚でサイト売買を行いたい!」という、よりミニマムな取引や圧倒的な手軽さを求める方にはもってこいのサービスでしょう。

公式サイト: ラッコマーケット

M&A-WEB

M&A-WEBは、事業M&A・サイト売買プラットフォームで、個人が作成・運営するWebサイトの売買だけでなく、中小・ベンチャー企業が運営する独自性のある事業のM&Aも徹底サポートしてくれるサービスです。

経験豊富なプロに無料で価格査定をしてもらえ、エスクローサービス(無料)はもちろんのこと、電子契約書などの無料サポートも完備しています。また、チャット機能搭載ですので、わからないことや心配な点があっても、オンラインですべて解決できます。

登録・掲載料、売買交渉料、売却手数料は完全無料、購入時の利用料は「成約金額20万円までは1万円」と良心的です。 案件登録から売買交渉、契約・移管〜譲渡完了に至るまで、すべての工程をサポートしてほしいという方は、検討する価値が十分あるでしょう。

公式サイト: M&A-WEB

SiteStock(サイトストック)

SiteStockは、WBC(ワールドビジネスサテライト)に取り上げられた実績もある、国内最大級のサイト売買サービスです。数千社のネットワークを有し、売りたい、買いたい企業を見つけやすいのが大きな魅力でしょう。また、サイト売買に関わらず事業マッチングも可能です。

非公開の案件が多いのが特徴で、自社の事業と相乗効果の高いサイトを秘密裏に買い取ることができます。提携しているベンチャーキャピタル、証券会社への案件紹介サービスもあるため、マッチングに困ることはないでしょう。

サイト査定の専門家が価格をはじき出しますので、適切な価格で売買することが可能です。2022年4月7日から期間限定ですがAIによる無料査定も行っています。(※無料キャンペーンは予告なく終了する可能性があります)売買の交渉については、自らが直接行うか、専任エージェントに仲介を依頼するかを選べるので、自身のスタイルに合ったサイト売買方法で取引を進行できるでしょう。

直接交渉の場合、成約時手数料に成約額税抜の3%(最低55,000円)、その他のサービスは無料。専任エージェントに仲介を依頼する場合は、案件登録料や契約書雛形料は無料ですが、成約時手数料に成約額税抜の10%+消費税、仲介基本料に110,000円という料金体系です。

数千万円以上の非公開案件を多数保有しているため、個人向けとはいいがたいですが、自社の既存事業とシナジーのある案件を探している企業には心強いサービスといえます。

公式サイト:SiteStock

サイトキャッチャー

サイトキャッチャーは、開設から17年(2022年現在)の歴史あるサイト売買サービスです。それだけに、これまでの売買件数は1,000件を超えており、実績に基づいたアドバイスを受けられるのが魅力です。

売買の交渉については、自分で交渉を行う「直接交渉プラン」と、交渉をすべて任せる「サイト売買仲介プラン」の2つが用意されており、好きなほうを選ぶことができます。直接交渉プランであれば、売買代金の3%(最低55,000円(税込))で、サイト売買をすることが可能です。

また、サイト売買に精通した顧問弁護士による譲渡契約書無料テンプレート、5,000件以上査定した経験豊富な専門家によるクイック査定など、信頼できるサポートが充実しています。ホームページには最新の成約事例も掲載されており、実績と歴史のあるサイト売買サービスで取引を開始したい方におすすめです。

公式サイト:サイトキャッチャー

サイトレード

サイトレードは、経験豊富なM&Aアドバイザーが厳選したものだけを案件として掲載する「ハイクラス&良質サイトに特化」したサイト売買サービスを提供しています。日本サイトM&A協会の代表理事の和家氏が代表を務めており、メディアへの露出も多い印象です。

サイトの査定では、売り上げや利益、アクセス数、会員数、運営年数、運用人数などさまざまな項目を分析して適切な価格を導き出します。そして、専門アドバイザーの顔が見える安心した取引を依頼ができることが、他にはないサイトレードの特徴であり強みでしょう。

成約した際の成功報酬は、成約金額により変動しますが、初期相談・売却案件掲載・掲載案件への購入問い合わせ・着手金は無料です。「大型案件が多い信頼のおけるサイト売買サービス」を検討中なら候補に入れて損はないでしょう。

公式サイト:サイトレード

サイト売買Z

サイト売買Zは、通常のサイト売買仲介サービスに加え「サイト買取サービス」も提供しています。管理画面上で直接行うのではなく、サイト売買Zの担当者を介してやり取りを行うため、安心して取引が可能です。売り手、買い手ともにトラブルが起きないようにしっかりとしたサポートもあり、初めてのサイト売買でも安心です。

サイト売買Zの特徴である「サイト買取サービス」を利用すれば、仲介手数料(譲渡価格の3%)がかからない、サイトに掲載せずに非公開で売却を進めることができる、売却までの期間が短いといったメリットがあります。もし、サイト売却を検討していて、下記の「買取対象のサイト」に該当する場合は、利用する価値があるでしょう。

  • ホワイトハット、あるいはそれに準じるサイト。自演リンクがある場合はリンク内容をみて判断。
  • 普遍的なテーマ、あるいは今後5年ないし10年は廃れないテーマを扱っているサイト。不動産売却系サイトは現在買取強化中。
  • 売り上げがすでに上がっているサイト、あるいは売り上げがなくてもアクセスの多いサイト。
  • 上記の他、運営するのがおもしろそうなサイト、ライバル不在のニッチなサービスを提供しているサイトなど。

公式サイト: サイト売買Z

UREBA(ウレバ)

UREBAは、独占案件や手数料の安さが売りとなり、やり取りや管理画面の見やすさなどに定評があるサイト売買サービスです。

収益が発生していなくても掲載記事のクオリティが高い案件を「記事コンテンツ案件」とし、サイト収益に基づいた従来の相場価格とは別軸の評価基準で売買が可能なのも特徴です。収益はないけれどサイトの中身には自信があるサイトの売り手、クオリティの高い記事でサイトを成長させていきたい買い手のマッチングに強いといえます。

また、完全無料で利用できる代理受領サービスと、オプションで利用可能なサイトの移転代行サービスも備えており、成約後のトラブルを防げます。

買い手は成約手数料として成約額の10%(直接交渉の場合は5%)かかりますが、UREBAのみと独占契約してサイトを売却する場合、売り手に手数料は一切かかりません。 総じて良心的な料金で、管理画面も扱いやすい設計なので、安心して利用できるでしょう。

公式サイト: UREBA

SiteBank(サイトバンク)

SiteBankは、「サイト売買サービスのまとめサイト」といえるサービスを提供しています。1日の平均新着案件は6件、日本中のサイト売買(M&A)サービスを網羅することで日本最大級の売却案件数を誇ります。

また2022年現在、サイトバンクでは、サイト売買の契約成立時を含め完全無料で利用できます。しかし、契約書作成や価格交渉などのサポートはありませんので、サイト売買未経験の方にはおすすめできないかもしれません。

とはいえ、無料メルマガによって日本中で発生している最新の売却サイト(M&A)案件を毎日お知らせしてくれる機能もあり、「本当に欲しいサイト」を見逃すことが無くなるのは大きな魅力です。サイト売買を本格的に始めていくなかでSiteBankは心強い味方になるでしょう。

公式サイト: SiteBank

サイト売買・サイトM&Aサービスを利用した売買の流れ

トラブルを避け順序良く取引を進めるために、まず全体の流れを把握しておく必要があります。ここに一般的な売買の流れを説明しますが、売却と買収では多少異なる部分もあるので注意して見ていきましょう。

サイト売却までの流れ

① サイト売買サービスへの登録
サイト売買サービス、サイト売買プラットフォームなどを比較検討し、自身の用途に合ったサービスに登録します。

② 審査を受ける
登録後、登録したサイト売買サービスによる審査が行われます。

③ 秘密保持契約など契約の締結
サイト売買プラットフォーム(マッチング型)の場合は、秘密保持契約の締結、M&A仲介会社の場合は、仲介契約および秘密保持契約の締結を行います。

④ 譲受候補者と面談・交渉
買い手からオファーが届いたら、商談を進めていきます。
月間PV数や売り上げ、営業利益などのデータをもとに価格の交渉を行います。

⑤ 譲受者と契約締結、M&A実行
基本合意を締結後、譲受側の買収監査を受けます。
最終的なサイトの価値(もしくは企業価値)が算出された後、最終契約を結びM&Aが実行されます。

⑥ 譲渡対価の獲得
譲受者より譲渡金を受け取ります。

サイト購入までの流れ

① サイト売買サービスへの登録
サイト売買サービス、サイト売買プラットフォームなどを比較検討し、自身の用途に合ったサービスに登録します。

②案件を検討する
登録先が扱う案件を確認し、交渉を進めたい候補者、つまり「買いたいサイト」をピックアップします。

③譲渡候補者と面談・交渉
候補者との面談、交渉を開始します。

④譲渡者と契約締結・M&A実行
基本合意を締結後、買収監査を行い最終的な価格を決定。最終契約を結び、M&Aを実行します。

⑤譲渡者への対価の支払い
譲渡者への対価を支払います。

サイト売買・サイトM&Aで失敗しないためのポイント

サイト売買で失敗してしまうケースは少なくありません。「あまり価値のないサイトを高額で購入してしまった」「有料サイトだと思ったのにすぐに収益がなくなった」「価値の高いサイトを想定より安く手放してしまった」とならないように、買い手と売り手、それぞれ注意すべきポイントをおさえておきましょう。

買い手が気をつけるべき「10個のポイント」

買い手は、「良質なサイト」「自分にとって価値あるサイト」を見つける必要があります。そして、価値あるサイトを見つけてもすぐに飛びついては危険です。では、どのような点に注意して、買取を進めればいいのかを具体的に見ていきましょう。

新規登録・更新情報の確認

サイト売買サービスに登録したら、一日に数回サイトの確認を行い新規登録、更新情報がないかを確認する必要があります。「ラッコM&A」などの売買サービスだとリアルタイム通知をしてくれますが、自分の目で「良いサイトを追う」意識を持つことが重要です。

良いサイトは、すぐに買い手が付き、成約済みになってしまう可能性があります。サイト売買は「時間との勝負」の一面があることを覚えておきましょう。

まず確認すべき6項目

「このサイトが欲しい」というものを見つけたら交渉に入ります。直接交渉の場合、まず簡単な挨拶から始めることが多いようです。売主から返答があり次第、サイトの骨格ともいえる下記6項目を確認しましょう。

  • サイトURL(ドメイン)
  • 運営年数
  • サイトデザイン
  • 現在のアクセス数
  • アクセスの集客方法
  • 現在の収益額

現在の収益額を確認する際は、「月の最高額」だけではいけません。また数年前のデータも信頼性は低いといえます。直近一年の月間営業利益(直近半年の平均値)を確認できると安心です。

サイトの直帰率

サイトの価値を大まかに判断できる6項目を確認し次第、さらに詳細なデータを確認していく必要があります。

アナリティクスのデータをもとに、購入を検討しているサイトの「直帰率がどのくらいの割合なのか」の確認をおすすめします。

たとえば、直帰率が80%を超えていたら要注意かもしれません。SNSからの一時的な流入や「アクセス・PVだけを稼いでいるサイト」の可能性があるため、しっかりと確認しましょう。逆に、直帰率が30%~50%台であれば、良質なサイトである可能性が高く、コンテンツの中身も充実していると考えられます。

自然検索の検索順位データ

SEOの観点から、自然検索での検索順位を一覧で確認できると安心です。またその際は、売り手の検索環境下で、パーソナライズド検索の影響を受けてない純粋な順位なのかも併せて注意しましょう。

文章・画像データの著作権

サイトで利用している「文章・画像の著作権に問題はないか」の確認を行いましょう。 サイト内コンテンツが、他サイトから複製したものだったり、画像を不正利用していたりする場合、著作権に触れ、サイトが運営できなくなる可能性があります。

無料ブログでの運営に注意

「無料ブログに独自ドメインを充て運営しているサイト」は注意が必要です。

無料ブログは月額のサーバー費用が掛からない反面、カスタマイズ性がありません。また万が一、無料ブログ運営元が閉鎖した場合、同時に無料ブログも運営できなくなってしまいます。

たしかに無料ブログからWordPressなどへの移行も可能ですが、移行には手間とリスクが伴うため、最初から無料ブログではなくWordPressで開設されたサイトを購入したほうが無難でしょう。

売却する理由について

サイトを売却することになった理由や経緯は、念のため確認しておいたほうがいいでしょう。

「売却で得た資金で新たなビジネスに挑戦する」「経営戦略のひとつとしてのサイトM&A」という理由ならば安心して取引ができますが、「収益に将来性がない」といった理由での売却だとしたら、それはなぜかを深堀する必要があります。売り手がネックと感じている部分は、購入後の運営に影響する可能性があるからです。できれば確認し、疑問点を無くしておきましょう。

「競業禁止条項」の契約を結ぶ

価値ある魅力的なWebサイトを購入したにもかかわらず、売買契約成立後、売り手が同じようなジャンルのサイトを立ち上げたら、どうなるでしょうか。買い手にとっては、まさに競合サイトにあたり、せっかく購入したサイトの運営が出鼻から難航するかもしれません。

ただ、Webサイトの制作を規制する法律は現時点でないため、売り手が同様のサイトを立ち上げたとしても、法的措置をとることはできません。

このような事態を避けるべく、売り手には同じようなサイトの制作を禁止する内容を盛り込んだ契約を交わすのが必須です。これを「競業禁止条項」といいます。競業禁止条項を契約に盛り込んでおけば、万が一、相手が破った場合に損害賠償請求や運営の差し止めを請求できるので、購入後のサイト運営も安心して行えます。

価格交渉は慎重に

価格交渉をして売り手に値引きしてもらうには、より専門的なWebの知識が必要になってきます。そこで、価格交渉の材料にしやすい内容を下記にまとめましたので、参考にしてください。

  • SSLを導入しているか(サイトのURLがhttpsか)
  • コンテンツ内のリンク切れはないか
  • 各ブラウザ、各デバイスでレイアウトのずれはないか

SSL(Secure Sockets Layer)とはインターネット上の通信を暗号化する技術です。これが導入されていると、もし第三者が途中で情報を傍受したとしても、内容を解読することができないため、個人情報の流出や改ざんなどの深刻な事態を回避できます。


上記の点に限らず、価格交渉の際はとにかくサイトの隅々までチェックすることが大切です。ただし、やりすぎるのも問題です。

また、現在ではサイト売買サービスの利用者が増え、事前調査中に目当てのサイトが売れていることもあるため、「本当に欲しい」と思ったサイトはまず購入の意思を伝えるのが先決です。常識の範囲内で、気持ちよく取引ができるよう心がけましょう。

信頼できる売買サービスを選ぶ

サイト売買には、サーバーの引き継ぎや著作権問題、運営ノウハウの移管など、知識が無いと判断がつきづらい要素が多いです。

だからこそ、専門性の高い信頼できる売買サービスを選んでください。

「サービス運営期間が浅くなく、多くの成約実績がある」「自身の既存事業にシナジーがあるジャンルの案件が豊富」といった観点で探すと良いサービスに出合えるでしょう。

売り手が気をつけるべき「3つのポイント」

買い手と同様、売り手にもサイト売買を失敗させないためのコツがあるので紹介します。

売値の設定

サイト売買は、少しでも高く売りたいという売り手の思いと、少しでも安く売りたいという買い手の思いがぶつかり合うものです。その取引をうまく進めるため、双方がきちんと納得できる合理的な理由やデータが重要となります。

売り手が、価格設定するとき、相場よりも少し高値にしたいと思うならば、「近年、該当ジャンルが成長しており、何年後かには現在の営利よりもさらに伸びる見通しがある」「競合サイトとはこうした差別化ができている」など、具体的な理由とそれを裏付けるデータがあれば、交渉がうまくいくケースが多いので覚えておきましょう。

デューデリジェンスへの誠実な対応

デューデリジェンスとは、投資を行うにあたって、投資対象となる企業や投資先の価値やリスクなどを調査することを指し、サイト売買の場合、基本的に登録したサイト売買サービスが審査してくれます。

当たり前のことですが、売り手は「正確なデータ」を提示する必要があります。収益やアクセス数などの数値を実際より高く記載するのは言語道断です。これをしてしまうと売り手としての信頼を失うのに加え、虚偽表示をしたとして契約解除や違約金を請求されることもあります。

安全性の高い取引を行うためにも、デューデリジェンスには誠実な対応が求められます。Googleアナリティクスの閲覧権限を渡す、収益画面のキャプチャ(無加工)を共有するなど、正確なデータの提示を行いましょう。

売るベストタイミング

自分で手塩にかけて育てたWebサイトを売却するのは、少し名残惜しいかもしれません。しかし、サイトを売却するベストタイミングは、「自分が売りたくない時」です。

収益がどんどん伸びている、将来性が感じられる、安定したPV/UUがある。そうした「絶好調のサイト」を売却すれば、相場より高い値段だとしてもすぐに買い手がつくでしょう。

サイトは無形資産であり水物という側面を持ち、いつなんどきその価値が下がるかわかりません。「あのとき売っていたらな……」と後悔しないよう、ベストタイミングを見計らっての売却をおすすめします。

まとめ

サイト売買・サイトM&A市場は、今後もさらなる活発化が予想されます。その取引には、たしかにリスクが存在しますが、見込めるリターンも素晴らしいものがあります。

サイト売買を行ううえで、売り手・買い手に共通していえることは「とにかく両者が気持ちよく、ウィンウィンの取引ができるようにしよう」ということです。

そのためにも、サイト売買サービスにサポートしてもらうのはもちろんのこと、自分自身でも注意すべきポイントを深く理解し、最新の情報を追ってWebの知識をアップデートすることを心がけましょう。

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この記事を書いた人

いけだ
占いライターやエンタメコンテンツ大手のディレクター経験を経て、サングローブへ入社。前職ではメールマーケティングにて、月1億円以上の売上達成に貢献。現在は、SEOとダイレクトマーケティングの間で揺れている。

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