MEOを成功させるコツ~集客効果と対策事例で紐解く法則~
今や店舗ビジネスに欠かせない集客手段が、俗にMEOと呼ばれるプロモーションです。そして、そのMEOを成功させるためには、いくつかコツがあります。
元来、効果が生まれやすい性質を持ち合わせているからこそ、同エリア、業種・業態のライバルとの競り合いは熾烈です。そこで差別化を図るには、おさえておきたいセオリーに加え、ちょっとした工夫、小技、テクニックがやはり必要になります。
そうしたMEOを成功に導くための要領をお伝えするのが本記事です。集客効果や対策事例を基に解説します。
集客との相性の良さを考慮すると、接点機会をみすみす逃してしまうのは、どうしたって勿体ないことです。うまく活用すべく、以下、どうぞご参照ください。
目次
MEOの成功によって集客効果が見込める理由
たとえば飲食店を探そうと「エリア 業態」の形式(「西新宿 ラーメン」など)でGoogle検索を行うと、以前は大手のグルメサイトが最上部から順に並んでいました。
現在、その一等地に露出されるのはGoogleマップ枠(以下ローカルパック)です。この配置での掲載は、リスティング広告や自然検索枠(SEO)よりも上位である分、視認性が高く、ユーザーへ効果的にアプローチできます。
また、ローカルパックを実際にクリックした先には、該当エリア周辺のお店が大量に出てきます。各店舗の基本概要、評判、現在位置からの距離……等々ユーザーが求めている情報が瞬間的に表示されるその様は、実に明瞭です。加えて、表示画面上で電話ができたり、経路案内のサービスを受けられたりと、情報収集後のアクションにも容易に移せるつくりです。そのシンプルな導線設計は、リードの多くが顧客へと変わるのもうなずける、高い利便性を湛えます。
さらに、検索エンジンが進化した昨今では、検索意図が“行きたい”に分類される検索クエリ(Goクエリ)のほとんどでローカルパックが表示されます。具体的には「近くの和食」「雰囲気の良い居酒屋」などです。
その結果、何軒ものお店を連続して渡り歩く場合、一軒目は検索ページの上位に君臨するローカルパックから、二軒目以降はそのままマップ検索で近くを探すといった使い方が定着するようになっています。それゆえ、発信側が販促やPRの主戦場をGoogleマップへと変えていく動きも如実に見受けられます。
そもそも、Googleビジネスプロフィール(旧名:Googleマイビジネス)に登録するだけでも有利に運用できる要素がてんこ盛りです。
具体的には、Googleが日本の検索エンジン市場を大きく占めていることや、Google広告と連動できる点、写真や動画での訴求、リアルタイムでの情報発信、口コミ管理……等々が挙げられます。
Googleビジネスプロフィールの内容を充実させ、Googleマップを行き来するユーザーとの接点強化に結びつけられれば、上述の集客効果が大いに期待できます。
つまるところ、マップの最適化、そう、MEOが肝要なわけです。
今後はさらにGoogleマップ内外でのユーザー行動の増加が見込まれます。然らば、MEOの成功がもたらす反響は、注力コストを補って余りある恩恵として捉えることができるでしょう。
MEOの成功がみられた対策事例
MEO対策を行うことによって、ローカルパックでの露出が実現し、結果、表示回数や閲覧数が激増することも少なくありません。
以下、巷で評判の話も含めてどう成果へとつながったのか、対策された事例をいくつか挙げて簡単に補足説明します。
目黒にある居酒屋
目黒にある日本酒が評判の某居酒屋では、写真訴求や内部状況の調整に一工夫入れた結果、地図検索で見事1位へと躍進(Google検索で露出)したといいます。写真の枚数や不自然なキーワードの排除が功を奏した模様です。
神保町にあるステーキ屋
神保町のとあるステーキ屋では、基本情報の整備や写真の拡充、外部要因の強化も相まって一般検索で一等地に露出(Goo地図検索での3位以内を記録)。表示回数も大きく上昇し、Webサイトのアクセス数増加にもつながったといいます。
横浜にある建築会社
横浜の某建築会社の場合、各支店や営業所の情報を区分けし、職場の様子を収めた写真を多く使用したところ、閲覧数増加につながったとのこと。業態問わずビジュアルマーケティングは有効だと実感でききる事例です。
横浜にある施工会社
同じく横浜の足場工事に定評のある某施工会社の事例は興味深いものでした。
MEOは、情報の補足や不備の修正だけでも効果がみられることがあります。ここでの例がまさにそれ。地図検索にて順位が上昇し、閲覧数は同期間比較で倍以上を記録。MEOの核となるのは凡事徹底だとつくづく思います。
とある地方のヘアサロン
総数こそ多くなくとも、変化の数が顕著にみえるのが地方の集客施策です。某ヘアサロンでは、MEOをきっかけにWebサイト流入が大きく増えたといいます。
都内の整体院
「西新宿 整体」のように整体院は「エリア 業種」で検索されることが多く、とりわけMEOとの相性の良さがうかがえます。都内の某整体院で対策を講じたところ、表示回数、閲覧数が着実に伸びていったようです。
とある地方の不動産会社
駅の近くに多い不動産会社は、MEOの成果が見込める業種です。
裏を返せば、駅チカにもかかわらずMEOでそのアドバンテージを生かさないのは勿体ないといえます。実際に、とある地方の不動産会社では、表示回数に比例するように問い合わせ(電話)の数が増えたようです。
都内の矯正歯科
「駅名 矯正歯科」や「駅名 歯並び」ですでに上位の兆しがあったなか、商圏を広げて対策したところ、表示回数が増加。その後運用していくなかで、Webサイトへのアクセス数、ルートの照会数、通話数、それぞれ伸びた模様です。MEO対策による集客効果が如実に見えた事例だといえます。
都内のリラクゼーションサロン
検索ボリュームを考えると「エリア リラクゼーションサロン」以外に「エリア マッサージ」で狙うのが理想とのことで、難易度の高さは承知のうえ地道に運用していったという都内の某店舗。競合ひしめくなか、なんとかローカルパックに名を連ねるほどに。店舗名を知らない多くのユーザーへアピールできていることは、立派なWeb広告として、MEO対策の成功を意味しています。
関西の学習塾
「エリア 塾」での上位表示を狙うと同時に、検索ニーズを意識し特徴(ターゲットに当たる“小学生”や“中学生”、方針に当たる“個別指導”など)をビジネス情報でうまく組み込んだところ、相乗効果(あらゆる検索クエリ)で集客増加に結びついたようです。“MEOはいかに視野を広く持てるか”が、後述する成功ポイントやセオリー、コツに加え大事であることが分かります。
MEOの成功に必要なポイント
「集客効果が見込める」「成功事例が多い」といったプラスの要素や材料が目立つMEOですが、成功させるには当然おさえておくべきポイントが存在します。いうなればMEOに対する考え方です。同時にMEOの仕組みや特徴を理解することについても、必要性の高さがうかがえます。
まずは下記事項について、しっかり認識しましょう。
検索クエリとGoogleビジネスプロフィールの関連性
ユーザーとの接点を構築すべく、想定し得る検索クエリに対してはGoogleビジネスプロフィールの情報が一致していなければなりません。ユーザーファーストを掲げるGoogleだからこそ、評価されるためには両者の関連性が求められます。もはやわざわざ挙げる必要がないといっても過言ではないほどに大事なポイントです。
距離に基づく自社、自店舗の商圏理解
検索エリア、とりわけ駅から近い店舗は比較的上位表示されやすい傾向にあります。ユーザーファーストに沿った考え方と思えば、至極当然のアルゴリズムです。加えて昨今は、距離の指標がより強化されているようにも感じます。そのため、自社や自店舗の商圏を理解したうえで対策を図ることが、ますます大切です。地図検索の最適化すなわちMEOの成功には欠かせないポイントだといえます。
知名度の高さ
対象の会社、店舗、施設等々の知名度も上位表示するにあたっては重要なポイントです。
オフラインに限らず、オンラインで名前や情報が頻繁に言及されていることも同様にGoogleの観点からは知名度として扱われます。この要素はサイテーションともいわれ、多くのブログや他サイト、SNSで取り上げられることで高まる(増える)仕組みです。したがって、MEO成功のためには、Googleビジネスプロフィールの整備以外でも注力していくことが求められます。
話題性の高さ
知名度に加え話題性の高さもMEOに影響を及ぼすポイントとして挙げられます。
特にGoogleビジネスプロフィール上でのクチコミやレビューは大事な要素です。それらは話題に上っていることの一つのシグナルと見なされます。
他方、そこでのスコアが順位に作用するとつい思われがちですが、どうやら評判の良い投稿が多ければ多いほど価値が上がるといったわけではなさそうです。というのもGoogleのヘルプ記事では、むしろ肯定的、否定的、両方に価値があるとはっきり言及しています。否定的なレビューを無理に集める必要はありませんが、否定的なレビューがあるからこそ信頼性が高まることも、理解しておいて損はないでしょう。
クチコミへの適切な対処
ユーザーが投稿するクチコミに対しては、丁寧に返信することをおすすめします。結果、ユーザーからの印象だけでなく、Googleからの評価向上すなわちMEOに及ぼす効果も期待できるかもしれません。
以下、返信する際の推奨ポイントを端的にお伝えします。
必ず返信する
必ず返信することで、投稿者だけでなく他のユーザーにも誠実に対応していることを示せます。
すぐに返信する
クチコミに対してはなるべく早く対応するようにしましょう。投稿者の多くが、速やかな返信を期待しています。
否定的なコメントにはまず謝罪する
こちらの不備により迷惑を掛けていた場合、きちんと謝るのは当然です。経緯や事情もあわせて丁寧に説明してください。その際、責任回避のための言い訳に聞こえないよう注意しましょう。そのうえで、再発防止のための具体的な対応を提示、案内します。
他方、仮に投稿者に非があったとしても、まずは謝ってください。否定的なコメントに対して反論したい気持ちはぐっとおさえましょう。不快感を与えたことは事実です。(若干小賢しくも思えますが)このスタンスを開示することによって結果的に信頼を集められる期待が持てます。
場合によっては1対1で直接対応する
誰もが閲覧できるオープンな場所で、もつれにもつれたいざこざや揉めごとを見せてはいけません。
レビュー欄でのやり取りが複雑化していくと判断した場合は、電話番号かメールアドレス、および担当者の名前を伝えて個別に1対1で直接対応するようにしましょう。
MEOを成功に導くためのセオリー、コツ
いざMEO対策を実行するにあたっては、先述の意識したいポイントに加えて、いわゆるセオリーを踏襲しコツを駆使しなければ、そう易々と成功にはたどり着かないでしょう。以下、集客効果や対策事例の段で触れた内容、浮かび上がった共通項をヒントに本章ひいては拙稿全体の主題に迫ります。
開示情報の不備や齟齬を無くす
Googleビジネスプロフィール内での情報に不備が生じている場合や、Webサイトに書かれている内容や表記との齟齬があれば、低評価につながる可能性が高いです。誤字・脱字、事実誤認は論外として、オンライン上で開示されている表記も統一しなければMEOはおろかSEO自体においても支障をきたす恐れがあります。
キーワードを適切に扱う
検索クエリに対する回答としてふさわしい情報を、ユーザーが一瞥して気付く場所にGoogleは露出したいと考えます。では、発信側はどう伝えるべきか。たとえば、西新宿店、梅田店のようにエリアごとに店舗がある場合、Googleビジネスプロフィール内では(対象の店舗名まで)屋号に含めるなどわかりやすく記載しておくことが鉄則です。業種、業態も然るべき入力欄で漏らさず明記しましょう。来社、来店につながるキーワードをうまく取り込み整備していくことは非常に大切です。その因果は、何よりも過去の成功事例が物語っています。
写真を積極的に活用する
写真を多く掲載することで魅力を伝えやすくなります。そもそも視覚的情報は一枚でも膨大な量が含まれているため、訴求するのに実に効果的です。実際のところ、反応率はテキストに比べて倍以上だといいます。加えて、オンラインからオフラインへの誘導も、写真によってイメージがつきやすい分スムーズな傾向にあります。
まさに百聞も百読も一見に如かずの状況は、無論Googleも加味しているはずです。そのため、ビジュアル訴求を積極的に行うことは必然の流れだと考えます。先に挙げた成功事例がそうであったように、あるいはSNSマーケティングにて主流となる現状を鑑みても分かる通り、是が非でも取り入れるべき手法でしょう。
MEOで失敗しないための注意点
ここまで述べてきたMEOに対する心構えやセオリー、コツをおさえてもなお油断は大敵です。行き過ぎたMEO対策はガイドラインのポリシー違反に抵触する恐れがあります。
以下、失敗を避けるべく絶対に把握しておきたい注意点について取り上げます。
ビジネス名に店舗名以外のキーワードを含めない!
代表的なポリシー違反の一つです。上位表示させたいキーワードを不自然にビジネス名に含めてしまうと、アカウントの停止や削除を余儀なくされるケースがあります。
過度にキーワードを詰め込まない!
ビジネス名に含める語句を欲張ることがご法度であるのに加え、概要欄に関してもいたずらにキーワードを詰め込むことはおすすめできません。限られた文字数のなかで詳細かつ適切な説明に終始しましょう。
あわせてコツを伝えるならば、「何を行っているのか」「何ができるのか」に焦点を当てるといいでしょう。他方、セール情報や価格については明記を避けるのが無難です。
検索ボリュームの少ないキーワードでは対策しない!
上位表示を実現したところでアクセスが見込めなければ、そのキーワードでの対策はおすすめしません。せっかくの注力が徒労に終わらないよう、検索ボリュームのチェックは必須です。そのうえで、来社、来店につながるキーワードを選定しましょう。
サードパーティポリシーにも注意!
サードパーティとは、Googleビジネスプロフィールにて他のビジネスオーナーが所有するビジネス情報の管理に対して承認を受けた代理人を指します。具体的には、MEOあるいはSEO、SEMサービスを提供する会社やアフィリエイトネットワークの事業者などです。
利用にあたってはポリシーが策定されています。
同意なしのビジネス申請や、虚偽や誤解を与える主張・現実味のない主張、迷惑行為・脅迫・信頼性に欠ける言動、Googleによる変更や提案された編集内容を自動的に元に戻す……といった行為に依頼先が及んでいないかどうか確認が必要です。これらの禁止手法が遵守されていない場合、アカウント停止などのペナルティが科されます。
ユーザー理解の徹底がMEOの成功に寄与し集客へとつながる!
MEOの注目度が高まるにつれて、対策方法も一筋縄ではいかなくなりました。大なり小なりアルゴリズムが変動するなか、次の一手に腐心する担当者は決して少なくないように思います。が、シンプルに捉えるならば、カギを握るのはやはりユーザー目線と行動フローにあるはずです。対策を講じるうえでいかにペルソナを描けるか、あるいはその立場で考えられるか、さらには憑依できるか。のめり込んだ分だけ勝機がクリアになるでしょう。
潜在する効果も、事例から帰納法的にたどり着く最適解も、結局はユーザーを把握することでみえてきます。したがって、MEOを成功させるための本質的なコツひいては集客につなげるために肝要なのは、果たしてユーザー理解の徹底です。
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