大丈夫?モバイルファーストインデックス(MFI)の影響と対策
計画当初の2016年から注目を集めたモバイルファーストインデックス(MFI)が、実際に2018年3月から本格導入されました。
実際に自分のサイトへ導入された場合にどのような対応が求められるのか不安な方に向けて、モバイルファーストインデックスの基礎知識から実際の対策方法を解説します。
目次
モバイルファーストインデックスとは
「サイトの評価基準が今までのPCサイト重視からモバイルサイト重視に変わり、検索順位の決定要素になる」ということです。
言い換えると、検索結果のランキングはスマートフォン向けコンテンツが充実しているサイトが上位となり、PC向けサイトが下位になります。
モバイルサイトが優先的にインデックス対象になるだけですので、PC向けサイトしかないサイトは今までどおりPCサイトがインデックスされます。
ただし、スマートフォン向けサイトが無いことにより、マイナス評価を受ける可能性があります。
なぜGoogleはモバイルファーストインデックスを導入したのか
この背景にはスマートフォンからの検索利用回数が急激に増えていることが影響しています。
現に、Googleは2015年時点で、PCから検索している人よりもスマートフォンやタブレットから検索しているユーザーの方が多いと発表しています。
また今後も利便性の高いスマートフォンからの検索が増えていくことが予想されます。
そのような状況でPC向けコンテンツをもとに検索順位を決めると、スマートフォンで検索したユーザーにとって使いづらいページが表示され、ニーズに応えられない可能性があります。
そのため、Googleはユーザーの利便性を高めるために、モバイル向けサイトの評価を検索結果の基準にすることに踏み切ったのです。
モバイルファーストインデックスの影響を受けるホームページとは
モバイルサイトを用意しているか、用意している場合でもAMP対応しているかどうか、URLを別々に管理しているかどうかによって設定や対応は異なります。
それぞれの状況に応じてどのような影響があるのか説明します。
PC向けサイトのみ(モバイルフレンドリー未対応):影響なし
パソコン向けのみに制作されたページは、モバイル用のサイトがない状態です。
そのためモバイルファーストインデックスの準備ができていないと評価されるため、影響はありません。
レスポンシブウェブデザイン対応:影響なし
Webブラウザの画面サイズに合わせてレイアウトが変わるため、影響を受けません。
Googleはモバイル対応の際にレスポンシブウェブデザインを推奨しています。
レスポンシブウェブデザインを推奨している理由は下記の通りです。
①アルゴリズムに最適化しやすい
②クローラビリティが向上し、サイト内の多くのコンテンツがインデックスされやすくなる
③一元管理ができるので手間がかからない
AMP作成されたWebページ:影響なし
すべてがAMPHTMLで作成されている場合、影響はありません。
ページの表示速度は検索順位を決定する要因のひとつです。
またユーザーにとってもページ速度が遅いとページ離脱につながるため、AMPのニーズは高まっています。
PCサイトとモバイルサイトで別URL:影響あり
PC向けサイトとモバイル向けサイトを別々のURLで管理している場合は、少々対応が必要です。
まずはモバイル向けサイトを優先してインデックス登録したのち、アノテーション設定をしてGoogleに同一サイトであることを知らせましょう。
この設定をすることで重複コンテンツとして認識されるのを避け、サイト評価が落ちたことによる検索順位の低下や、インデックス削除されるのを防ぐことができます。
さらに複数のURLがあると被リンク評価が分散してしまう可能性もあります。
こちらもアノテーションを正しく行うことで解決することができます。
AMPと非AMPが混在している:影響あり
GoogleはAMP非対応ページを優先的にインデックスします。
さらに、AMPページとAMP非対応ページが混在しているとURLが変わってしまうため、この場合もアノテーションタグを設定する必要があります。
モバイルファーストインデックスへの対応方法
現在サイトを持っている場合、それぞれのコンテンツをどのよういモバイルファーストインデックスへ対応させればよいのでしょうか?
コンテンツ別に詳しく見てみましょう。
コンテンツ
モバイル向けページとPC向けページのデザインやソースが異なることでの影響はほぼありません。
サイドバーコンテンツの省略による影響はないため、メインコンテンツ中心に評価されていると考えられます。
メインコンテンツはモバイル向けページ・PC向けページ・AMPページのすべてを同一にして、ナビゲーションなどのサブコンテンツはデバイス毎にデザイン/レイアウトするのが良いでしょう。
モバイル向けページにもPC向けページと同様の十分なコンテンツを提供された状態を作る必要があります。
構造化データ
リッチスニペットなどを表示させる構造化データもモバイル向け・PC向けページに同一の記述をするのがよいでしょう。
PC向けサイトしか記述していないとモバイルの検索結果に反映されなくなります。
また、AMPカルーセルの掲載にはAMPページ専用に構造化データを記述しておく必要があります。
その他、パンくずリストもマークアップすることで検索結果に表示させるようにしましょう。
構造化データを使っているかどうかはサーチコンソールから確認することができます。
主要タグ(タイトルタグやディスクリプションタグ)
■タイトルタグ
PCの検索結果は最大32文字ですが、モバイルの検索結果は最大100文字程度まで表示されます。
そのため、PC版とモバイル版の双方を考慮して32文字以内に収めるのが良いでしょう。
■ディスクリプションタグ
PCの検索結果は120文字前後が表示されますが、モバイルの検索結果は半分の60文字前後しか表示されません。
※場合により100文字前後まで表示されることはあるようです。
そのため、モバイル版に合わせて60文字以内で収めるのが良いでしょう。
■画像のalt属性
以前のSEO対策では画像のalt属性の設定は必須とされていました。
しかし現在、Googleはalt属性を検索順位評価の基準として参照しないとしています。
とはいえ特に画像内に文字が入っている場合などは、同一のalt属性を設定しておくことでクローラビリティを向上させることが可能といわれています。
そのため、alt属性は可能な限り設定しておく方が好ましいでしょう。
PC向けサイトに設定していても、モバイル向けサイトに設定されていないこともあるのでチェックをしてヌケモレがない状態にしましょう。
アコーディオンコンテンツ
アコーディオンコンテンツとは、開閉可能なコンテンツのことです。
例えば「質問をクリックすると回答が現れるQ&A」といった使われ方が多いです。
初期状態で隠れているアコーディオンコンテンツはPCページでは評価されていませんでしたが、モバイル向けページの場合は評価されていると考えられます。
なぜなら、PCサイト向けのコンテンツをモバイル向けにすべて表示させてしまうと見づらくなるケースがあるからです。
ユーザーの使いやすさを考えて、どのように見せるかの設定をしましょう。
ページネーション
ページネーションとは、1ページの情報量が多くなってしまった場合に複数のページに分けて掲載する方法です。
Googleの検索結果ページもページネーション対応です。
大量の検索結果を1ページのみで表示することなく、一定数の検索結果のみを表示しています。
そして「ページ番号(1 2 3 4…)」や「前へ」「次へ」とリンクを設置することで、分割した情報へもアクセスしやすくしています。
このようなページネーションされたページも、今まで通りマークアップすればモバイル向けページでも大きな問題は発生しないと考えられています。
ページ表示速度
モバイルファーストインデックス適用された場合は、今までのPCサイトのページ表示速度ではなく、モバイル向けサイトの評価が適用されます。
ページの表示速度が検索順位にも影響しているため、Googleが公式で公開しているページ表示速度チェックツールを用いて、チェックしてみましょう。
PC向けサイトとモバイル向けサイトの両方が80点以上で合格です。
万が一、不合格でも改善のヒントを教えてくれるので、その指示に従って改善し80点以上を目指しましょう。
リンク評価
レスポンシブウェブデザインを用いていれば同じURLへ被リンクを受けるため、影響はないでしょう。
PC向けサイトとモバイル向けサイトを別々のURLで管理している場合は、同一サイトと検索エンジンに知らせるアノテーションを設定しましょう。
アノテーションの設定は、以下のタグを対になるページそれぞれのheadタグ内に記述すればOKです。
PC向けページ
<link rel="alternate" media="only screen and (max-width: 640px)" href="スマホサイトのURL">
モバイル向けページ
<link rel="canonical" href="PCサイトのURL">
この設定をしていないと被リンク評価がPC向けサイトとモバイル向けサイトで分散してしまいます。
また、重複コンテンツと判断されて検索順位の低下につながる可能性が高いので正しく設定しましょう。
MFIの影響を知り、しっかり対策しましょう!
モバイルファーストインデックスが実装されたことで、今後はモバイル向けサイトが中心になることは明らかです。
Googleの仕様やアルゴリズムに対応し、ユーザーにとって使いやすいサイトを目指しましょう。
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