
Movable TypeとはどんなCMS?特徴やWordPressとの違いを解説
Webサイトの構築や運営に欠かせないCMS(コンテンツ管理システム)の中でも、「Movable Type」は高いセキュリティ性と信頼性で知られています。日本語のドキュメントが公開されていることで、日本国内でも採用している企業が増えていることでしょう。
本記事では、そんなMovable Typeについて解説しています。主な機能や特徴、Movable Typeのライセンス別の料金プランや、脆弱性について、WordPressとの違いも紹介しています。どんなCMSか知りたい人は、ぜひ参考にしてください。
目次
Movable TypeとはどんなCMS?

Movable Type(ムーバブル・タイプ)とは、PerlとPHPというプログラミング言語で作られた、Webサイトを構築するためのCMSです。2001年10月にアメリカの「シックス・アパート社」からリリースされました。2003年にシックス・アパート社の100%子会社の日本法人「シックス・アパート株式会社」が設立されました。その日本法人が運用サポートを行っているため、今では国産CMSとして扱われています。
日本でのCMSシェア率はWordPressが8割を占めていますが、Movable Typeもトップ20に入るほど利用されています。日本語でのサポートを受けられるという点が人気の理由の1つかもしれません。
なお、2023年3月時点での最新バージョンは「Movable Type8」となります。
Movable Typeの主な機能
Movable Typeの主な機能をまとめました。
- Webページ制作
- ブログ記事制作
- 画像や動画・音声などのアイテム管理
- 複数ブログの管理
- タグやカテゴリーによる記事管理
- コメント管理
- ブログ内検索
- 日時指定公開・非公開
- 自動保存・履歴管理
- プレビュー生成
- 管理画面の多要素認証
- 細かいユーザー権限管理
コーポレートサイトやサービスサイトからオウンドメディアなど、Webサイトに必要な機能は一通り標準搭載されています。そのほか欲しい機能があれば、プラグインで拡張するか、プログラミング言語で構築することも可能です。
Movable Typeの特徴

Movable Typeには以下のような特徴があります。
- 1アカウントで複数のサイトを管理できる
- 3種類のコンテンツ形式が利用できる
- 静的HTMLを生成するのでページ表示速度が速い
- 独自のタグがある
- ブロックエディタが導入されている
- アカウントの権限を管理できる
- スパム判定機能が備わっている
- サポート体制が整っている
それぞれの特徴について、もう少し詳しく解説していきます。
1アカウントで複数のサイトを管理できる
Movable Typeのクラウド版は、1アカウントで最大10ドメインまでのサイトを管理できます。CMSやアカウントを増やさず複数のサイトをまとめて管理したいという場合に便利です。
3種類のコンテンツ形式が利用できる
Movable Typeで作成できるコンテンツ形式は、「記事」「ウェブページ」「コンテンツタイプ」の3種類です。
お知らせや日記ブログといった適宜更新してサイト内に蓄積されていくページを作成・管理する際には「記事」を、企業情報や問い合わせページのような固定化するページを作成・管理する際には「ウェブページ」を、お知らせや企業情報といったサイト内のあらゆる情報を関連づけて作成・管理する際には「コンテンツタイプ」が適しています。
「コンテンツタイプ」はMovable Type7から加わった形式です。サイト内の各情報を紐づけてここに保存しておくことで、保存された情報が更新された際、その情報が関連づけられたページすべてに更新内容が反映されます。
静的HTMLを生成するのでページ表示速度が速い
いつだれが見ても同じ情報が表示される静的HTMLを生成するので、サーバーへの負荷がかからずページ表示速度が速いサイトを作れます。
もちろん、ユーザーや時間帯に応じて表示される情報が違う、動的HTMLの生成も可能です。用途に合わせて使い分けられます。
独自のタグがある
Webサイトの構築にはHTMLタグを使ったコーディングも可能ですが、Movable Type内だけで動作する「MTテンプレートタグ(MTタグ)」という独自タグが存在します。
MTタグには大きく分けて、サイト内のデータの置き換えられる「ファンクションタグ」と、条件で処理を分けることができる「ブロックタグ」があり、利用することでデータの管理や更新、応用といった操作の効率化が可能です。独自タグに慣れてしまえば、サイト構築や更新が楽になることでしょう。
ブロックエディタが導入されている
ブロックエディタ機能とは、「テキスト」「画像」「ファイル」といった8種類ブロックを配置することでページを編集できる機能です。ページ構築をより直感的に行えます。
各ブロックはドラッグや上下ボタンで簡単に動かすことができ、レイアウトのバリエーションも豊富です。ページ構築の経験が浅い方にとって、ページ管理のハードルを大きく下げてくれる便利な機能と言えます。
アカウントの権限を管理できる
Movable Typeを利用するユーザーが複数人に及ぶ場合は、アカウントを利用するユーザーを任意のグループに分けて管理することが可能です。
権限には大きく分けて、システムを管理するための「システムの管理権限」と、それぞれのウェブサイトやブログを管理するための「ウェブサイト/ブログの管理権限」の2種類があります。それぞれに属するグループごと、ユーザーごとに「編集できる項目」と「編集できない項目」を権限でさらに細かく設定することも可能です。
スパム判定機能が備わっている
Movable Typeには、サイトを訪れたユーザーが投稿したコメントやトラックバック(引用・参照)がスパムかどうか判定してくれる機能が搭載されています。コミュニケーション設定で日数指定を行っておけば、スパム判定されたコメントを自動削除できます。
迷惑度合いでのスパム判定も可能です。最大迷惑-10から0までの数値での評価され、指定した数値のコメントとトラックバックはスパムとみなされます。
サポート体制が整っている
運営元であるシックス・アパート社でのサポート体制が整っています。100%子会社の日本法人を設立、日本語のマニュアルやドキュメントを用意、サポートセンターへの問合せも日本語対応しています。
また、パッケージ版を購入したとしても、年間メンテナンスのパッケージを利用することで充実したサポートを受けられます。サポート期間は、メンテナンスを更新することにより1年単位で希望に沿って延長することが可能です。標準サポートはメールによるサポートのみで、回答には2〜3営業日を要するとしています。
Movable Typeの脆弱性と対策

2021年10月20日に、Movable Typeの公式サイトの「おしらせ」で、XMLRPC APIにおける脆弱性(CVE-2021-20837)に情報が公開されました。すぐに修正バージョンをリリースしましたが、不十分であったため再度バージョンアップを行ったというものです。
この脆弱性が悪用されると、第三者が遠隔で任意のOSコマンドを実行する可能性があります。攻撃を受けた場合は「サーバーログを確認」「不明なファイルやデータがないかを確認」「攻撃前のバックアップデータからサーバを復元から最新バージョンに更新」など、明確な対策方法も記載されています。
直近では、2024年7月にPHP の脆弱性 (CVE-2024-4577) を悪用した攻撃によるお知らせも出ています。このように、脆弱性に対する情報公開やバージョンアップ対応が速いので、安心して導入できることでしょう。そのほか、Movable Typeの特徴的なセキュリティ対策も紹介していきます。
CMSと公開サイトのパスを分離
WordPressのような一般的なオープンソースCMSの場合は、管理画面URLが「https://ドメイン名//wp-login.php」と固定です。そのため、ドメイン名がわかれば、管理画面URLがバレてしまうリスクがありました。
ですが、Movable Typeは、CMSと公開サイトのパスを分離し、別々のURLを用意してくれます。ID・パスワードの総当たり攻撃(ブルートフォースアタック)や事前に用意したリストによる辞書攻撃による不正ログインを防止できます。
認証ロックアウト機能搭載
上記の対策に付随して、一定回数以上のID・パスワードを間違えてのログインで、自動的にアカウントがロックされる「認証ロックアウト機能」も搭載されています。制限自体は一定時間たつと自動解除されますが、ログイン画面でお知らせが表示されるので認証ロックアウトされているかがわかりやすくなります。
なお、この認証ロックアウト機能は、管理画面だけではなく、ステージング認証画面や共有プレビュー認証画面、パスワード認証画面でも作動します。
24時間サーバー監視
Movable Typeは、シックス・アパート者の運用監視システムで24時間365日、サーバーの監視を行っています。障害を検知したら、即座に対応しているほどのスピード感です。自サイトで不審なアクセスがあった場合は、日本語でのサポートを受けることもできます。
Movable Typeのライセンスの種類と料金

Movable Typeには、様々なライセンスが用意されています。買い切りの有料パッケージやサブスクリプション、メンテナンスなどがあります。以下にそれぞれの料金をまとめたので参考にしてください。
種類 | 料金(税込み) |
---|---|
クラウド版 | 月5,500円〜 |
ソフトウェア版 /オンライン |
99,000円 |
ソフトウェア版 /パッケージ |
99,000円+手数料3,300円 |
ソフトウェア版用 メンテナンス |
年33,000円 |
Workflow pack (プラグイン) |
198,000円 |
Staging pack (プラグイン) |
275,000円 |
AMI版(Amazon Machine Image) | 年499ドル |
エンタープライズ向け | |
Premium | 825,000円 |
Advanced | 1,320,000円 |
Premium (Advanced Edition) |
1,650,000円 |
Check Release (プラグイン) |
143,000円 |
Uploader (プラグイン) |
220,000円 |
大企業での大規模な利用を想定したエンタープライズ版は金額が高めですが、通常ライセンスよりも機能強化ができるプラグインが用意されています。また、エンタープライズ向けは多機能だからこそ、業務効率を改善するために「かんたん」に把握できるような機能も備わっています。
個人向けのライセンスは無料
Movable Typeには、非営利目的の個人用に無料ライセンスも用意されています。ブログ記事サイトかつ個人利用であれば、アフィリエイトは許可されています。
ただし、個人ライセンスは、インストール代行やサイト構築代行は利用できません。インストールからサイト構築まで、全て自分自身でできる人向けとなっています。
学校・教育団体向けプランもある
学校や教育団体などに向けて、Movable Typeのライセンス・プラグインを特別価格で提供するプランも用意されています。通常のソフトウェア版だと99,000円ですが、アカデミック価格の場合は79,200円とお得です。詳しくは、以下の公式サイトで料金をご確認下さい。
Movable TypeとWordPressの違い

国内外でCMSの中で最もシェア率が高い「Wordplus」。オープンソースで無料で利用可能、初心者でも扱いやすい、プラグインが豊富などのメリットがあります。ですが、有料のCMSと比べると、セキュリティ性が低かったり、サポートがないなどのデメリットもあるでしょう。
そこで、Movable TypeとWordPressの主な違いを徹底解説していきます。どちらのCMSが良いか迷っている人は、ぜひ参考にしてください。
セキュリティ性
セキュリティ性の高さは、Movable Typeに軍配が上がります。Movable Typeは商用ライセンスを採用しており、高いセキュリティ性を誇ります。企業や官公庁での導入実績も多く、システムの安定性を求めるサイト運営者にとって信頼できる選択肢となります。
一WordPressはオープンソースであり拡張性の高さが魅力ですが、脆弱性が発生しやすいことでも有名です。定期的なアップデートやセキュリティプラグインを活用をし、セキュリティ対策を万全に行っておきましょう。
1アカウントで作成できるサイト数
Movable Typeは1つのアカウントで複数のサイトを作成できるため、企業やメディア運営に適しています。特に複数のブランドや事業を展開する場合、一括管理しやすいのが魅力でしょう。
WordPressでは基本的に1つのサイト運営を前提としています。複数のサイトを管理するには「WordPressマルチサイト機能」を活用しなければいけません。使えないプラグインも多いので、マルチサイト化するなら初心者では難しく感じる可能性が高いです。
カスタマイズの自由度
WordPressのほうが圧倒的にカスタマイズしやすいです。豊富なプラグインが用意されており、コーディングの知識がなくても機能を拡張できます。また、無料・有料のテーマも多数存在し、デザインの選択肢も広いです。
Movable Typeはテンプレートの編集が必要な場面が多く、カスタマイズするなら専門的な知識が必要となります。
SEOにおけるカスタマイズ性の難易度
SEO対策のしやすさはWordPressのほうが難易度が低いです。初心者でも簡単に設定できるSEOプラグイン「Yoast SEO」や「All in One SEO」などが充実しており、メタタグの編集やサイトマップの生成がスムーズに行えます。
Movable TypeもSEOに適したサイト構造を構築できますが、細かいカスタマイズにはHTMLやCSSの知識が求められるため、WordPressほど手軽ではありません。なお、SEO対策の優位性はWordPressもMovable Typeも変わりはないです。
ページの表示速度
Movable Typeは静的HTMLを生成するため、ページの表示速度が速いです。動的にページを生成するWordPressと比較すると、サーバーへの負荷が少なく、安定したパフォーマンスを発揮できるでしょう。
WordPressもキャッシュプラグインを導入することで表示速度を改善できますが、基本的にはMovable Typeのほうが優れています。
デザイン性の高さ
WordPressのほうがデザインの自由度が高いです。多種多様なテーマが揃っており、モバイル対応も標準的に行われているため、簡単にデザイン性の高いサイトを構築できます。
Movable Typeもレスポンシブ対応のテーマが用意されていますが、選択肢はWordPressに比べて少なく、細かいデザインの調整には手間がかかります。
まとめ

アメリカ発のCMS「Movable Type」ですが、100%子会社の日本法人があることから国産CMSとなっています。1アカウントで最大10ドメインのサイトを作れる、セキュリティ性が高い、日本語でのサポートがあるなどのメリットがあり、導入している企業が増えています。
一方、WordPressは豊富なプラグインとテーマにより高いカスタマイズ性を提供しています。また、他にもDrupalやPowerCMSといったCMSも存在し、それぞれ独自の特徴と強みを持っています。最適なCMSを選ぶためには、各CMSの特徴を比較し、自社の要件やリソースに最も適したものを選択することが重要となるでしょう。
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