ネーミングセンスがなくても大丈夫!おしゃれなネーミングのコツや役立つ辞典を紹介!
ネーミングは目印の色や形を決めるもの。
見つけてもらうのです。氾濫するコンテンツのなかに埋もれてしまう前に。
いまの世のなかには、コンテンツが溢れています。
新しいモノを生み出したとしても、コンテンツの海にのまれてしまえば、日の目を見ることなく終わってしまう可能性もゼロではありません。一方で、TwitterやInstagramをはじめとした拡散力の高いSNSの普及が進み、もとのネームバリューがなくても、話題になれば多くの人にコンテンツを知ってもらうことができるのも、いまの時代の特徴です。
”バズる”ためにまず大切なのは、他のコンテンツと差別化する「個性」です。ネーミングは生み出したコンテンツに個性を付与する方法のひとつであり、コンテンツのブランディングにも大きく関わってくるものだといえるでしょう。コンテンツの特徴を的確に捉え、一度聞いただけで頭に残ってしまうネーミングは、強力な個性になることが期待できます。
まさにネーミングは、「コンテンツ制作の仕上げ」なのです。
この記事では、ネーミングについて解説したうえで、ネーミングのときに使えるコツや辞典を事例とともに紹介します。
目次
ネーミングとは
「ネーミング」とは、「名前をつけること」を意味する言葉です。それはなにも、大人だけに関わる言葉ではありません。
愛用のぬいぐるみに名前をつけたり、宿題の読書感想文にタイトルをつけたり、私たちは幼いころから、ネーミングと密接に関わっているのです。
ではビジネスにおいて、ネーミングはどのような意味を持つのでしょうか。
ビジネスにおいてネーミングが持つ意味
ネーミングは視覚だけでなく、聴覚においてもファーストインプレッションを担っています。ブランディングに関わってくるのはもちろん、認知拡大を図るうえで、決して軽視できない重要な要素だといえるでしょう。
ネーミングがビジネスに大きな影響を与えた例も、少なくありません。
伊藤園の「お〜いお茶」は、1989年に「缶入り煎茶」から改名したことで、売り上げが6倍に伸びました(参考:https://news.livedoor.com/article/detail/16162527/)。また、靴下の岡本も「三陰交をあたためるソックス」を「まるでこたつソックス」に改名したことで、売り上げが17倍以上に伸びています(参考:https://diamond.jp/articles/-/162582)。
ネーミングは売り上げを大きく左右する可能性があるだけでなく、良いネーミングができれば、コンテンツの内容をスムーズに伝えることができたり、顧客の注意を惹きつけたりすることにもつながります。
■商品名について詳しく知りたい方はこちら
→商品名の決め方・考え方。売れる名前には理由がある!
良いネーミングは「忘れられない」
良いネーミングとはどういうものなのでしょうか。
ネーミングにおける成功の定義をひとことでいえば、「忘れられない名前」をつけることだといえるでしょう。
「忘れられない名前」は、必ずしも「インパクトのある名前」とは限りません。インパクトがあること、コンテンツの内容が端的に伝わること、耳に残りやすいリズムであること、独自性があること、ブランドのイメージに合っていること、これらすべての要素が「忘れられない名前」につながります。
ネーミングのときに使える8つのコツ
念頭に置くべき要素がわかっていても、理想的な名前を思いつくのは簡単ではありません。ここでは、ネーミングのときに使える発想の仕方、いわゆるコツを8つ紹介します。
2つ以上の単語を組み合わせてシンプルに
大塚製薬の「カロリーメイト(カロリー+メイト)」や亀田製菓の「ハッピーターン(ハッピー+ターン)」のように、もともと意味を持つ2つ以上の単語を組み合わせてネーミングする方法です。
シンプルな発想法なので、ネーミングに使えそうな語を十分に洗い出し、慎重に選定する必要があるでしょう。
接頭語・接尾語+単語でリズムをつける
Panasonicは「すべての」という意味の接頭語「Pan-」と「音」という意味の単語「Sonic」を「a」でつないだ造語です。また、トヨタ自動車が1991年〜2006年にかけて販売していた車の「WINDOM」という名前も、「勝つ」という意味を表す単語「Win」と「〜の状態」という意味を表す「-Dom」をつなげた造語です。
このように、接頭語や接尾語と単語を組み合わせる方法も、ネーミングにおけるコツのひとつに挙げられます。
似ているものに見立てて連想しやすく
そのコンテンツを似ているものに見立ててネーミングする方法もあります。
餡をそぼろ状にした和菓子は「村雨」と呼ばれています。村雨とは、ひとしきり強く降ってすぐにやむ雨のこと。荒い餡の様子をそれに見立てた結果、村雨という名がつきました。
実際にイメージから名前をつくるネーミング方法なので、聞いた方も名前からコンテンツの内容を連想しやすいでしょう。
すでに存在する言葉を「ズラす」
「靴下屋」で知られる株式会社タビオ(Tabio)の社名は、「The Trend And the Basics In Order (流行と基本の秩序正しい調和)」の頭文字であることに加え、「旅」と「足袋」に掛かっています。
「タビ」から「タビオ」を導き出しているように、すでに存在する言葉をズラすネーミング方法も発想として有効でしょう。コンテンツのテーマを暗示させることができるうえ、あからさまにならないのが特徴です。
反対から読んで未知の響きを楽しむ
ダイドードリンコ株式会社の「miu」は、海洋深層水由来の天然ミネラルを使用していることから「海」=「ウミ」をイメージ。加えて、深層水は光の当たらない場所にあることから、表層の反対側、海の反対側という発想で「ミウ」=「miu」と名付けられています。
このネーミング方法は単純な発想に見えますが、予想を超えたキャッチーな響きに出会うこともあります。行き詰まったときに試してみたい方法です。
語呂合わせで覚えやすく
株式会社ジーユーの「GU」というブランド名は、「もっと『自由』に着よう」というメッセージになぞらえて名付けられました。
リズムの良さに加えて、名前から元の意味が連想できるため、直感的に印象に残りやすいネーミングができるでしょう。
略してキャッチーにする
「焼酎ハイボール」は「チューハイ」、「バスターミナル新宿」は「バスタ新宿」というように、もとの言葉を略すのも、ネーミング方法を代表する手段です。
リズムが良くてキャッチーなネーミングは、聞いた側が意味を完全に理解できていない場合でも、忘れられない名前につながる可能性を秘めています。実際に略語のなかには、もとの意味が知られずに広まっているものもあります。
「ライト・アンプリフィケーション・バイ・スティミュレイテッド・エミッション オブ・ラジエーション」が「レーザー」という略語で使われているように、もとになっている言葉では使い勝手が悪いという場合にも便利でしょう。
おしゃれなネーミングは「翻訳」で
「意味が込められた名前にしたいけど、あまり直接的にはしたくない」という場合には、違う言語に翻訳してみるのも良いでしょう。
日本語→英語だけでなく、日本語→フランス語、日本語→イタリア語、日本→ドイツ語のようにあらゆる言語に翻訳してみることによって、音やリズムが、名付けるもののイメージにより合致している言葉が見つかるかもしれません。
また翻訳は、他のネーミング方法と組み合わせることで、さらに可能性を広げる方法です。
フェニックスリゾート株式会社の「シーガイア」は、海を意味する英語「Sea」と、地球を意味する英語の「Gaia」を組み合わせて名付けられたものです。これには、「2つ以上の単語を組み合わせる」というネーミング方法と、「翻訳」というネーミング方法が併用されており、ネーミングの幅を広げています。
■ネーミングのコツを掴んだら読みたい
→ネーミングライツとは?事例や企業側と施設側のメリット・デメリットを解説
センスをカバーする「ネーミング辞典」
ネーミングが苦手という方の多くは、アイデアを出すのが難しいと思っているかもしれません。そんな方の大きな助けになるのが「ネーミング辞典」です。
多くのネーミング辞典は、日本語からその意味を持つ外国語を調べることができます。良いワードを見つけることができれば、そのまま名前につながる可能性もありますし、ネーミングに貴重なアイデアを提供してくれることは確かでしょう。
ネーミング辞典と名のつくものは、書籍にも無料で使えるWebサイトにも存在します。機能や使い勝手はそれぞれ違うので、自分に適したものを見つけてください。
みんなで作る ネーミング辞典
サイトURL:https://naming-dic.com/
ネーミング辞典と名のついたWebサイトです。誰でも無料で使うことができます。
トップページにはピックアップされたキーワードが掲載されていて、その他に「ワード検索」「カテゴリ検索」が可能です。
ワード検索は、ページ下部から、もしくは「さがす」をクリックして表示される検索画面から、日本語か英語(半角abc もしくは カナ)で希望のワードを検索することができます。検索結果には、最大12ヵ国語(英語・ドイツ語・フランス語・イタリア語・スペイン語・ラテン語・ギリシャ語・ロシア語・中国語・韓国語・オランダ語・アラビア語)の候補が表示されます。
カテゴリー検索は、サイドバーにある「人気のカテゴリー」をクリックするか、「さがす」をクリックしたあとに表示されるカテゴリー群から利用できます。
一方で、訪問した人が自由に編集できる形式がとられているので(現在は編集できなくなっています)、オフィシャルなネーミングに活用する場合は特に、より確かな情報源で確認した方が良いでしょう。
創作ネーミング辞典(ことば選び辞典)
紹介サイトURL:https://hon.gakken.jp/book/1230462800
『創作ネーミング辞典』は、学研から出版されている『ことばえらび辞典』シリーズのひとつです。
約1,000語を超えるキーワードが8ヵ国語(英語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ラテン語、ギリシャ語、ロシア語)に訳されていて、8つのカテゴリーに分けて掲載されています。
各カテゴリーの冒頭にサブカテゴリーを掲載しているので、眺めてみて気になった言葉を探すこともできます。ある言葉の言い換えをピンポイントで探したいときには「項目索引」、言葉の響きから探したいときには「カタカナ語の逆引き索引」を利用すると良いでしょう。
「薄い、軽い、小さい」という3つの特徴を備えているので、持ち運びにも適しています。
センスがないと諦める前に
ネーミングはセンスが問われるものです。センスのある人は、素敵な名前をひとつといわず思いつくでしょう。大した案を思いつけない自分との差に愕然とし、思考を放棄してしまいたくなることもあるかもしれません。
センスのある人は他の人となにが違うのか、それはおそらく「観点」です。観点が違うから、他の人と違う角度からネーミングできる。観点が違うから、他の人が思い浮かばないアイデアが湧いてくる。逆にいえば、観点を変えることで、あなたにもセンスのあるネーミングができるようになる可能性があります。
だとすれば、センスはきっとまだ磨けます。
ネーミングのコツがわかれば、新しい観点が身につきます。引き出しが増やせます。真っ向からで敵わないのならば、ネーミング辞典で補いましょう。使えるものはすべて使う。その限り、逆転の可能性はあるのです。
「自分にはセンスがないから」と諦めるのは、できることをすべてやってからでも、遅くはないはずです。
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