
NAP情報とは?統一する重要性や効果・設定方法・注意点を解説
Googleビジネスプロフィールを上位に表示させたいなら、「NAP情報(店舗名・住所・電話番号)」の統一は欠かせません。
しかし、NAP情報の意味や正しい設定方法を知らずに対策を進めてしまうと、思わぬ順位低下や機会損失につながることもあります。
この記事では、NAP情報の基本から、MEOに与える影響、具体的な統一方法、よくあるミスや注意点までわかりやすく解説します。
MEO対策で後れをとらないために、ぜひ最後までチェックしてください。
目次
NAP情報とは?

NAP情報とは、「Name」「Address」「Phone Number」の3つの要素の頭文字を取ったもので、検索エンジンが店舗や会社を理解するための基本情報です。
- Name(店舗名、会社名など)
- Address(住所、所在地)
- Phone Number(電話番号)
これは、実店舗を持つビジネスにとって特に重要な識別情報であり、Googleビジネスプロフィールや自社サイト、SNSなど、オンライン上のさまざまな場所に掲載されます。
NAP情報は、ローカル検索(地図検索)において検索エンジンが店舗を正確に認識し、適切に評価するための重要な要素です。特にGoogleのローカル検索では、このNAP情報の一貫性が順位を左右する要因となっており、MEO対策の基本中の基本と言えるでしょう。
ユーザーがスマートフォンやパソコンで「近くの〇〇」と検索した際、GoogleはNAP情報をもとに、最適な検索結果を表示します。そのため、NAP情報を正しく統一しておくことは、Web上でお店や会社を見つけてもらいやすくするために、とても重要なポイントです。
NAP情報の具体例
「ABC株式会社」を例に、NAP情報の具体例を紹介します。
Name(店舗名、会社名など) | ABC株式会社 |
Address(住所、所在地) | 東京都千代田区千代田1丁目1番1号 ABCビル3階 |
Phone Nunber(電話番号) | 03-1234-5678 |
上記がNAP情報にあたります。会社や店舗の正式名称、正確な住所、そして連絡が可能な電話番号であり、これらを正確に掲載することが非常に重要です。
たとえば、「ABC株式会社」と「ABC(株)」は、人間であれば同じ会社だと理解できますが、検索エンジンでは別の会社として認識される可能性があります。
そのため、NAP情報はオンライン上のすべての掲載先で、完全に一致した情報を提供することが理想的です。
NAP情報を統一すべき重要な理由

NAP情報を統一することは、MEO対策で自社のGoogleビジネスプロフィールの上位表示を目指すために非常に重要です。
- MEOの順位が下がるリスクがある
- 検索エンジンに正しく認識される
- ユーザーに正しい情報を提供して信頼される
- 口コミを一元化して評価を最適化する
- 競合との差別化する
ここでは、NAP情報を統一すべき5つの重要な理由について、くわしく解説していきます。
MEOの順位が下がるリスクがある
NAP情報が統一されていないと、検索エンジンが別々の店舗として認識してしまい、MEOの順位が下がるリスクがあります。
例えば、ある店舗が「株式会社〇〇」と「〇〇株式会社」の2つの表記で登録されていると、本来1つのビジネスに集約されるべき評価要素が分散してしまいます。NAP情報の一貫性はMEO(ローカルSEO)の基本です。
特に以下のケースでは順位下落のリスクがあります。
- 複数の電話番号が異なるサイトに掲載されている
- 住所表記が「〜町」と「〜丁目」など混在している
- 店舗名の法人表記(株式会社、有限会社など)が統一されていない
自社に当てはまる点がないかを確認し、該当している場合はできるだけ早く改善しましょう。
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検索エンジンに正しく認識される
NAP情報を統一することで、検索エンジンに店舗情報を正確に認識させることができ、評価の分散を防ぐことができます。オンライン上での評価が一つに集約されることで、MEOの順位向上にもつながる非常に重要なポイントです。
一方で、NAP情報が正しく認識されていない場合、次のような問題が生じる可能性があります。
- 同一店舗が複数の店舗として認識される
- 各店舗の信頼度が分散して全体的な評価が低下する
たとえば、「第二ビル3階」と「2号館3F」のような表記の違いも、検索エンジンによっては別の場所と判断されてしまう可能性があります。Googleの情報処理においては、こうした一貫性が実在するビジネスを正確に認識・評価するために不可欠です。
NAP情報を正しく統一しておくことで、検索エンジンから「実体のある信頼できるビジネス」として認識されやすくなります。
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ユーザーに正しい情報を提供して信頼される
NAP情報を統一することは、ユーザーに正しい情報を提供していることになり、信頼を獲得するために重要です。
ユーザーがオンラインで見つけた情報と実際の店舗情報が異なっていると、ユーザー体験は著しく損なわれてしまいます。
例えば以下のようなケースでは、信頼を失ってしまう可能性があるでしょう。
- 検索した電話番号にかけても「この番号は現在は使われておりません」とアナウンスが流れる
- 掲載されている住所に行ったが、店舗が見つからない
- 店舗名が微妙に異なり、正しい店舗か不安になる
こうした体験をしたユーザーは、その店舗への信頼を失うだけでなく、否定的な口コミを残す可能性もあります。
NAP情報を統一することは、ユーザー体験の向上と信頼構築における基本的な取り組みです。正確で一貫した情報提供は、顧客満足度にもつながりますので、意識的に行いましょう。
口コミを一元化して評価を最適化する
NAP情報が統一されていないと、Googleビジネスプロフィールが複数作成される恐れがあり、口コミや評価が分散してしまうという深刻な問題が発生します。
Googleビジネスプロフィールは、ユーザーがGoogleに情報を提供したり、GoogleがWeb上で情報を見つけたりした場合に、自動的に作成される可能性があります。
複数作成された際の主なリスクは以下の通りです。
- Googleマップ上に類似した名前の2つのGoogleビジネスプロフィールがあり、それぞれに異なる口コミが付いている
- 総合評価のスコアが実際より低く表示されてしまう
口コミマーケティングの観点から見ると、これは致命的な問題です。NAP情報を統一することで、すべての口コミが一カ所に集約され、より多くの評価数と適切な平均スコアが表示できます。
また、一カ所に集約されれば、ネガティブな口コミへの迅速な対応や、ポジティブな口コミの活用など、口コミ管理の効率があがるでしょう。
競合との差別化するため
NAP情報を統一することが、競合との差別化において意外な競争優位性をもたらすことがあります。
例えば、以下のような効果が期待できます。
- 検索結果で表示が目立つ(ローカルパックなど)
- Googleビジネスプロフィールでの表示が最適化され、注目を集めやすくなる
- 信頼できるビジネスという印象を与える
競合他社がNAP情報の管理を適切に行っていない場合、この基本的な対策だけで大きなアドバンテージを得ることができるでしょう。
また、ユーザーの心理において、情報が明確で一貫性のある店舗や会社は「安心して利用できる」という心理的効果を生み出します。NAP情報の統一は単なる技術的な対策にとどまらず、ブランド価値を高め、競合他社との明確な差別化を図るためのマーケティング戦略です。
NAP情報の統一で得られる効果

NAP情報を統一することで、Webサイトや実店舗への集客効果を高めることができます。
- MEOの順位が向上する
- 来店や問い合わせが増える
- 企業・ブランドの評価が高まる
- SEOの評価も高まる
ここでは、NAP情報の統一がもたらす具体的な効果を4つ紹介します。
MEOの順位が向上する
NAP情報の統一は、MEO対策において重要な要素の一つです。Googleは情報の一貫性を非常に重視しており、NAP情報が統一されていると、信頼性が高いと判断されやすくなります。
具体的には、Googleマップやローカル検索の結果において、NAP情報が一貫しているビジネスは、上位表示される可能性が向上します。Googleのアルゴリズムは、Web上のさまざまな場所で同じNAP情報が確認できると、そのビジネスが実在し、信頼できると判断するのです。
たとえば、自社サイトやGoogleビジネスプロフィール、各種Webサイトで完全に一致したNAP情報を掲載している店舗は、「近くのレストラン」や「近くの美容院」といった検索キーワードで、上位に表示される可能性が高くなります。
来店や問い合わせが増える
統一されたNAP情報は、情報の正確性を高め、ユーザーがあなたの店舗や会社にスムーズにアクセスできます。その結果、来店や問い合わせの数も自然と増えていくでしょう。
一方で、住所や電話番号が不正確なまま掲載されていると、ユーザーが誤った場所に行ってしまったり、つながらない電話番号にかけてしまう可能性があります。こうした体験はユーザーの不満を招き、機会損失につながるおそれがあります。
NAP情報を統一することで、ユーザー体験を向上させ、来店数や問い合わせ数の増加につなげることが可能です。
企業・ブランドの評価が高まる
NAP情報の統一は、企業やブランドへの信頼感につながり、ユーザーは安心してその企業の情報を受け取ることができます。
また、NAP情報が統一されていることで、Web上の口コミやレビューも適切に集約され、これまで分散していた評価が一つにまとまり、より高い評価につながる可能性も高まります。
さらに、信頼できる情報を提供することで、ユーザーに心理的な安心感が生まれ、初回利用へのハードルが下がります。結果として、新規顧客の獲得や既存顧客のリピート率の向上に貢献し、長期的な企業価値の向上にもつながるでしょう。
SEOの評価も高まる
NAP情報の統一は、MEOだけでなく、全体的なSEOの評価にも良い影響を与えます。検索エンジンはWeb上の情報の一貫性を重視しており、矛盾のない情報を提供しているWebサイトを高く評価する傾向があります。
NAP情報が統一されることで、サイテーションの質も向上します。サイテーションとは、他のWebサイトで自社の情報が言及されることを指し、これは被リンクと同様に、検索エンジンにとって信頼性を判断する重要な要素です。
NAP情報の一貫性は、そのビジネス情報が信頼できることを示し、自然検索で上位表示されやすくなります。このように、NAP情報の統一はMEOとSEOの両面で相乗効果を生み出し、Web上での可視性向上に大きく貢献します。
NAP情報を統一する具体的な方法

NAP情報の統一は、一度で完了するものではなく、継続的に管理していくべき重要な取り組みです。
- 自社サイトを確認・修正する
- Googleビジネスプロフィールの設定・最適化する
- SNSの情報を統一する
- 他社サイトの情報も統一する
- 管理ツールを活用する
ここでは、NAP情報を統一するために実践すべき具体的な方法を5つ紹介します。
自社サイトを確認・修正する
自社サイトは会社情報の基盤となるため、ここが正確であることが非常に重要です。
以下のポイントを確認し、必要に応じて修正してください。
- フッターに記載されたNAP情報が、全ページで一致しているか
- 「お問い合わせ」や「アクセス」ページの情報と、他のページの情報に矛盾がないか
- 電話番号の表記(ハイフンの有無や位置)が統一されているか
- 住所の表記(番地や建物名の書き方)が統一されているか
- 会社名の正式名称(「株式会社」の位置など)が統一されているか
修正する際は、今後すべてのプラットフォームで使用する「標準表記」を決め、サイト全体で一貫して使用するようにしましょう。また、構造化データ(Schema.org)を実装することで、検索エンジンにNAP情報を正確に認識させやすくなります。
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Googleビジネスプロフィールの設定・最適化する
Googleビジネスプロフィールの内容は、ローカル検索やGoogleマップでの表示に直接影響するため、NAP情報の統一において非常に重要なポイントです。
以下のポイントが正確に設定されているかを確認しましょう。
- 基本情報(名称、住所、電話番号)が自社サイトと完全に一致しているか確認する
- 住所は番地まで正確に入力し、建物名や階数まで含める
- 営業時間、定休日、特別営業日などの情報も漏れなく正確に入力する
- ビジネスカテゴリを適切に選択し、サービスエリアを設定する
- 高品質な写真(外観、内装、製品など)を複数掲載する
- 定期的に情報を更新し、投稿機能を活用して最新情報を発信する
また、Googleビジネスプロフィールは定期的に確認し、顧客からの編集提案や自動変更が適用されていないか注意する必要があります。さらに、誤った情報や重複するGoogleビジネスプロフィールが存在しないかも併せてチェックしましょう。
SNSの情報を統一する
Googleビジネスプロフィールや自社サイトからリンクされている各SNS(Facebook、X、Instagram、YouTubeなど)の情報も統一することが重要です。
SNSでのNAP情報統一のポイントは以下の通りです。
- 各SNSと自社サイトやGoogleビジネスプロフィールのNAP情報を一致させる
- Facebookページの「お問い合わせ」セクションは特に詳細に確認する
- プラットフォームによって文字数制限がある場合も、省略方法を統一する
- ロゴや店舗画像も一貫性を持たせ、視覚的にも統一感を出す
- SNSの「場所情報」がある場合は、正確な位置情報を設定する
アカウント名やプロフィール欄だけでなく、投稿内容や固定投稿など、あらゆる箇所の情報をチェックすることが大切です。企業情報を掲載する際は、常に最新の情報を使用しているか確認する習慣をつけましょう。
他社サイトの情報も統一する
他社のWebサイトに自社の情報が掲載されている場合も、できる限り統一することが重要です。食べログやホットペッパーなどのポータルサイト、業界団体や取引先のWebサイトなどに掲載されているNAP情報も確認し、必要に応じて修正を依頼しましょう。
他社サイトの情報修正には時間がかかることがありますが、忍耐強く対応することでNAP情報の一貫性が高まります。
管理ツールを活用する
複数店舗を展開しているチェーン店や、フランチャイズ(FC)経営を行っている場合は、それぞれのGoogleビジネスプロフィールを管理する必要があります。しかし、店舗数が増えるほど管理の手間は大きくなり、対応が煩雑になることも少なくありません。
そこで、効率的に運用するために「Googleビジネスプロフィールマネージャー」の活用がおすすめです。以下のような基本情報を一括で編集・アップロードできるため、作業効率が向上します。
- 店舗名
- 郵便番号・住所
- 電話番号・サイトURL
- メインカテゴリー・追加カテゴリー
- 営業時間・定休日
- ビジネス情報
- ロゴ・カバー写真
- Google広告の情報連携
このように、Googleビジネスプロフィールマネージャーを活用することで、複数店舗の情報を正確かつスムーズに管理できます。ミスや情報のばらつきを防ぎ、ユーザーからの信頼性も高まるため、ぜひ導入を検討してみてください。
NAP情報を統一する際の注意点

NAP情報を適切に統一することは、SEOやMEOにおいて非常に重要です。しかし、その際にはいくつか注意すべきポイントがあります。
- 細かい部分まで統一する
- NAP情報以外の情報もあわせて統一する
- NAP情報を変更した際には、すぐに対応する
- 口コミを一元化して評価を最適化する
- 競合との差別化する
ここでは、効果的にNAP情報を統一するための3つの注意点について解説します。
細かい部分も統一する
NAP情報を統一する際は、細かい部分までこだわることが非常に重要です。例えば、以下のような点に注意しましょう。
- 会社名の表記方法(「株式会社〇〇」と「(株)〇〇」など)
- 住所の表記(「1-1-1」と「1丁目1番1号」など)
- 電話番号のハイフンの有無(「03-1234-5678」と「0312345678」など)
- 英数字の全角・半角の統一(「ABC」と「abc」など)
- 建物名やフロア情報の表記方法(「3階」と「3F」など)
これらの細かい違いは、検索エンジンによっては別々の情報として認識される可能性があります。Googleのアルゴリズムは進化しているとはいえ、完全に同一の情報として正しく認識させるためには、あらゆる箇所で同じ表記を使用することが理想的です。
NAP情報以外も統一する
基本情報は、NAP情報(店舗名・住所・電話番号)だけではありません。以下の情報も統一することで、さらに効果的にMEO対策を進めていけます。
- 営業時間と定休日
- WebサイトのURL(www付きかどうかなど)
- 問い合わせメールアドレス
- 提供サービスや商品の内容
- 店舗や会社の写真
- ロゴ画像
特に営業時間や定休日の情報は、ユーザーの来店有無に直接影響する重要な情報です。これらの情報がさまざまな箇所で異なっていると、ユーザーの信頼を失うだけでなく、実際の来店機会も逃してしまいます。
NAP情報の変更時にはすぐに対応する
住所や電話番号などのNAP情報に変更が生じた場合は、できるだけ早くすべての情報を更新することが不可欠です。
たとえば、以下のような手順で対応するとよいでしょう。
- 変更が決まったら、掲載先のリストを作成する
- 優先順位をつけて(特にGoogleビジネスプロフィールは最優先)更新作業を行う
- 変更後は定期的に検索して、古い情報が残っていないか確認する
情報の更新が遅れると、顧客が古い住所に訪問したり、使われていない電話番号に連絡したりする可能性があります。これはユーザー体験を著しく損ない、店舗や会社の評判にも悪影響です。
また、他社サイトでは情報の更新に時間がかかる場合があります。特に重要な他社サイトでは、情報変更の数週間前から準備するようにしましょう。
NAP情報を統一して集客につなげよう

ご説明してきた内容からもわかる通り、NAP情報の統一は、Web上での店舗や会社の信頼性を高め、検索エンジンからの評価やユーザーからの信頼獲得に直結する重要な施策です。
正確で一貫したNAP情報によりMEO対策が強化され、Googleマップでの上位表示や検索順位の向上が期待できます。これにより地域ユーザーから見つけてもらう可能性が高まり、来店や問い合わせの増加につながります。
まずは自社サイトとGoogleビジネスプロフィールから取り組み、その後、他のプラットフォームにも段階的に展開していくことで、効率的に成果を得られるでしょう。
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