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North Star Metric(ノーススターメトリック)がビジネスを成功に導く!KPIやKGIとの関係性を事例で見る

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North Star Metric(ノーススターメトリック)は、「プロジェクトの成長を実現するために計測すべき最も重要な指標」といわれる、ビジネス上の計測目標です。日本語に直訳すると「北極星指標」となりますが、これは方位磁針がなかった時代に方角を確かめるために北極星が使われていたことにちなんでいます。

ビジネス上の達成目標に対する現在位置を計測するための指標には「KGI(重要目標達成指標,Key Goal Indicator)」や「KPI(重要業績評価指標,Key Performance Indicator)」といったものもあります。North Star Metricはそれらの指標とは役割が異なり、「プロジェクトに関係するすべてのメンバーが常に見定めておくべきもの」とされます。

North Star Metricを定めることで、関係するメンバー全体に共通認識をもたせ、業務の方向性に統一感をもたせることが可能です。KGI、KPIとの違いをしっかりと認識し、プロジェクトにNorth Star Metricを設定してみましょう。

North Star Metricは「ビジネスを成長させる最重要目標」

North Star Metric(北極星指標)とは、「ビジネスを成長させるために、コミットするすべての人間が見定めておくべき目標」のことです。

北極星が他の星と違って夜空の一点から動かないように見えるのと同じように、North Star Metricはひとつのビジネス目標に対して通常ひとつしか設定されません。同じビジネス目標を共有する人たちは、部署や業務の内容にかかわらず、North Star Metricを意識して仕事を進めることとなります。

逆に業務を行う中で「何を目指しているかわからない」という状態になってしまっても、North Star Metricに立ち返ることでいつでも「ビジネスの成長」に向かってブレずにスタートを切り直すことが可能です。

KGI・KPIとNorth Star Metricは異なる

North Star Metricと同じように、ビジネス上の目標に対する進捗を測るための指標として、KGIとKPIがあります。

KGIは「最終的に現れる成果や結果」のことを表します。ビジネス上では売上や利益、収益として表れてくることがほとんどでしょう。North Star Metricは、KGIを達成するために必要な要素でもあります。KPIは、KGIを達成するために必要なNorth Star Metricを分解し、目標に向けた達成度を測るための指標としたものです。

たとえば、メディアサイトの運営を行う場合のNorth Star Metric、KGI、KPIについて考えてみましょう。KGIがサイトから得られる収益だとすれば、North Star Metricは記事のシェア数や読了率。KPIはメディアサイト運営に関する各種の成果指標(新規ユーザー数、平均ページ滞在時間・セッションごとの閲覧ページ数など)となります。

原則としてNorth Star Metricが大きくなれば、それに伴ってKGIも大きくなります。またKPIはNorth Star Metricを細かい業務に分けたものですから、KPIの達成はNorth Star Metricを大きくすることにつながります。

North Star Metricを設定する際のポイント・事例

North Star Metricとは、あるプロジェクトが持つ「ユーザーにとっての価値」と「運営上の戦略」、さらに「収益」が重なる領域で見いだされるものです。そのため、ユーザーにとって価値はないが収益は生まれるというものや、逆にユーザーには重宝されるが収益は得られないというものは、North Star Metricにふさわしくありません。

また、North Star Metricは「先行指標」である必要があります。「先行指標」とは、ユーザーの反応そのものではなく、ユーザーの反応に先駆けて得られる数値であり、「この指標が大きくなることがプロジェクトの成長につながる」というものです。因果関係としては、「先行指標が増えたから、このように成長した」ということになります。

MAU(月間アクティブユーザー数)や、PV(ページビュー数)のことを「North Star Metricである」と考えている人も少なくありませんが、これは誤りです。MAUやPVは「遅行指標」であり、ユーザーによる反応の結果を反映したデータに過ぎません。これらが大きくなったからといって必ずしもKGIの増加につながるわけではないため、やはりNorth Star Metricには適切ではないものだといえるでしょう。

North Star Metricの事例

メディアサイト運営の例に立ち返って考えてみると、収益(KGI)を増やすためには、「より多くのユーザーの獲得」が必要です。より多くのユーザーをサイトに流入させるための方法はいくつか考えられますが、そのひとつに既存のユーザーに情報を拡散してもらう方法があります。

ある記事を読んだユーザーが「この記事の存在をみんなに教えてあげよう」と思うのは、記事を読むことで得られる知見やユーモア、驚きの事実など、記事に何らかの「価値」を感じたからだと考えられます。そのため、記事の「シェア数」を計測することで、ユーザーがどれだけそのメディアに価値を感じているかを、間接的に計測することができるのです。

もちろんこれはあくまで一例に過ぎません。似たようなプロジェクトであっても、KGIの設定しだいでは異なるNorth Star Metricが設定される可能性があります。

North Star Metricは定期的に見直し更新する

「North Star Metricは最も重要な目標である」というと、一度決めたら大きく変更することはできないように感じるかもしれません。しかしNorth Star Metricは、同じものを使い続ける必要はありません。上手に運用するコツのひとつは、定期的に見直して更新していくことなのです。むしろ、はじめから最適なNorth Star Metricを設定できることのほうがまれと言えるでしょう。

特にスタートアップ企業や新たなプロジェクトを始めたばかりの企業は、その事業に関するデータがほとんどないことから、North Star Metricを定めるための基準を「仮説」に頼らざるを得ません。仮説であってもある程度の精度は出せる可能性はありますが、やはり緻密なデータや実証実験に基づいたNorth Star Metricには及ばないでしょう。

また、仮に最初の時点で「この上なく適切なNorth Star Metric」を設定することができたとしても、ビジネスを取り巻く状況は刻一刻と変化していくため、最初に決めたものに固執してしまうのはナンセンスです。環境の変化に柔軟に対応するためにも、North Star Metricを定めたことによる効果や適切さを評価しつつ、PDCAを回して常に最新の状態にアップデートしていくようにしましょう。

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この記事を書いた人

イワタ ヨウスケ
大学時代は外国語、宗教関連の研究に従事。コーポレートサイトやWebメディアのライティング、書籍の出版に携わる。好きな動物は猫。ちゅ〜るは歌いながらあげる派。

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