NovelAIの使い方や料金プランを解説!日本語の設定方法やマスターしたいプロンプトも紹介
AIの生成技術は日々進歩しており、現在では文章の他にイラストなどの画像も生成できるようになりました。その中でも、「NovelAI」は小説やクオリティの高いアニメ調のイラストが生成できることで注目を集めています。
当記事では、NovelAIの基礎知識や特徴、使い方、料金プランについて詳しく解説します。実践で使えるプロンプトや利用前の注意点についても触れているため、AIによる小説執筆や画像生成を考えている方はぜひ最後までご覧ください。
目次
NovelAIとは?
NovelAIとは、AIを使って画像生成や小説執筆できるサービスです。AIを活用したツール制作を行うアメリカのAnlatan社が開発し、2022年に画像生成機能が実装されました。
2023年11月にはデノイジング拡散確率モデル(DDPM)という技術を盛り込んだ「NovelAI Diffusion Anime V3」がリリースされ、これまで以上に質の高いイラストを生成することが可能になっています。
開発会社のAnlatan社はNovelAIで生成した制作物の著作権を放棄しているため、商用利用に関しての制限はありません。NovelAIは50回まで無料で利用できますが、50回を超えて生成を行いたい場合は有料版への加入が必要です。
NovelAIの特徴やできること
NovelAIでできることや特徴は、大きく分けて3つあります。
- アニメ調の画像を生成できる
- 小説や会話を生成できる
- 二種類のプロンプトで調整できる
NovelAIは元々小説の生成がメインであったものの、2022年に画像生成機能が実装されたことで大きな注目を集めました。また、「ポジティブプロンプト」「ネガティブプロンプト」の二種類のプロンプトで生成物を調整できるのも特徴です。
ここでは、NovelAIの特徴やできることについて詳しく解説します。
アニメ調の画像を生成できる
NovelAIは様々な画像を生成できますが、その中でもアニメ調の画像生成を得意としています。NovelAIではアニメ調のイラストを生成する「NovelAI Diffusion Anime」をメインモデルとしており、ユーザーが想像するキャラクターや構図を細かく描画してくれます。
また、NovelAIはキャラクターだけではなく背景を描写することも可能です。キャラクターの特徴や背景、構図と言ったプロンプトを細かく、指定すれば好きな小説をイラストに映し出すこともできるでしょう。
NovelAIは画像を1から生成できる他、生成した画像をアップロードし、複数のバリエーションを持たせることも可能です。
小説や会話を生成できる
AIによる小説やストーリー性のある会話を生成することも可能です。生成の方法は、AIと一緒に執筆して物語のアイデアを膨らませる「ストーリーテラー」、会話や行動をベースにAIが物語を作成してくれる「テキストアドベンチャー」があります。
ストーリーテラーはユーザーが入力した単語や文章を元にAIが文章を作成し、その文章に修正を指示したり自分で手直しをしたりしながら物語を作成できるのが特徴です。テキストアドベンチャーは行動を入力する「Do」、セリフを入力する「SAY」を選択して文字を入力することでAIが物語に沿った文章を作成してくれます。
NovelAIは簡単な単語を入力するだけでも物語のあらすじが作れる一方で、AIが抽出した文章に矛盾がある場合も多いので適宜修正を入れる必要がある点に注意しましょう。
二種類のプロンプトで調整できる
NovelAIでは画像を生成する際、「ポジティブプロンプト」「ネガティブプロンプト」の二種類のプロンプトを使って生成物を細かく調整することができます。
ポジティブプロンプトはAIに生成してほしい要素を指定する際に利用します。プロンプトの種類は多種多様ですが、精度の高いイラストを生成する際に使用されやすい言葉は以下の通りです。
- photo realistic(写真のように)
- best quality(最高のクオリティ)
- finely detail(細かく)
ネガティブプロンプトは、AIに生成してほしくない要素を指定する際に利用します。使用されやすい言葉は以下を参考にしてみてください。
- low quality(低品質)
- missing arms(腕が無い)
- blurry(ぼやけた画像)
これらのプロンプトを活用すれば、より質の高い画像生成が可能です。
NovelAIは日本語でも使える?
NovelAIは、設定を行えば日本語で使用できます。NovelAIはアメリカ発のサービスということもあり、サイト内の表記は基本的に英語です。そのため、初めて利用する場合は困惑してしまうこともあるでしょう。
NovelAIではこれまで日本語対応をしておらず、利用する際は解説サイトを見たり自分で翻訳したりして使用する必要がありました。しかし、2023年3月9日に日本語対応を実施したため、現在では日本語で使用することが可能です。
ただし、日本語対応はサイトに表記されている文字がメインで、プロンプトについては一部の日本語しか対応していない点に注意しましょう。
NovelAIは商用利用できる?著作権は?
NovelAIで生成した画像などのコンテンツは、商用利用することが可能です。NovelAIの利用規約では、「ユーザーNovelAIで作成したコンテンツの所有権を主張しない」旨が記載されています。
利用規約上では、NovelAIで作成したコンテンツに関して商用利用することに制限はありません。ただし、第三者の著作権を侵害することがないように注意が必要です。
NovelAIはAIがネット上のイラストを学習して画像を生成するため、既存のキャラクターなどの著作物に似たものが出来上がることも少なくありません。第三者の著作権を侵害した場合は法的なトラブルに発展する可能性もあります。
NovelAIで作成した画像は商用利用できますが、「著作権を侵害しない範囲で利用が可能である」ということを覚えておきましょう。
NovelAIの料金プランは?無料版と有料版の違い
NovelAIは一部無料で利用できますが、本格的に活用する場合は有料プランへの加入をおすすめします。NovelAIの料金プランは、以下の通りです。
- Paper(無料)
- Tablet(月額10ドル)
- Scroll(月額15ドル)
- Opus(月額25ドル)
無料プランはテキスト生成のみ50回まで利用が可能です。画像生成に関しては有料プランへの加入が必要で、支払いはサブスクリプション形式になります。有料プランは3つ用意されており、一番安い「Tablet」でも基本的な機能は一通り利用可能です。
Tablet以上のプランである「Scroll」「Opus」に関しては、記憶できる文字数が増える他、画像生成のための「Anlas」というサービス内で使える通貨の数にも違いがあります。
利用中のプラン変更は可能なので、まずはTabletからスタートし、慣れてきたらScroll、Opusへの移行を検討するのがおすすめです。
NovelAIの使い方
NovelAIは基本的な流れを覚えておけば、簡単に使用することが可能です。また、最初は無料お試しとして50回まで無料で利用できるため、まずは以下の流れで使用してみましょう。
- 公式サイトで「無料で書き始める」をクリック
- 必要に応じてチュートリアルを確認する
- 「新しい物語」をクリック
- 小説調か会話調かもしくは画像を選ぶ
- プロンプトを入力して送信する
- 画像はまずライセンスに同意する
- プロンプトと設定を入力して生成する
ここでは、NovelAIの使い方について順を追ってくわしく解説します。
公式サイトで「無料で書き始める」をクリック
まずはNovel AIの公式サイトにアクセスしましょう。TOPページに「無料で書き始める」というボタンがあるのでクリックします。
必要に応じてチュートリアルを確認する
「ストーリーテラー」「テキストアドベンチャー」のチュートリアルを見ることができるので、必要に応じて確認しましょう。チュートリアルが必要ない場合は下の「No thanks, let me in!」をクリックするとダッシュボードに進みます。
「新しい物語」をクリック
ダッシュボード画面ではまだ何も作成していない状態なので、「新しい物語」をクリックして文章または画像の生成画面へ移動します。
小説調か会話調かもしくは画像を選ぶ
ストーリーテラー(小説調)、テキストアドベンチャー(会話調)、画像を生成の3つの選択肢があるので、使用したい機能を選択しましょう。
プロンプトを入力して送信する
プロンプトの入力画面では、文章でも単一の単語どちらでも入力してAIに指示を出せます。プロンプトを入力し、「送信」をクリックするとプロンプトの内容に沿った文章が書き出されます。
画像はまずライセンスに同意する
テキスト生成とは異なり、画像生成をする場合はまずライセンスに同意する必要があります。画像にも記載している通り、生成された画像はセッションが終わった後に消えることやプロンプトの指示で使用する言葉には責任を持って利用しましょう。
プロンプトと設定を入力して生成する
画像生成の画面では、プロンプトや除外したい要素、画像サイズなどを細かく設定できます。なお、画像生成にはアカウントが必要なため、アカウントを持っていない場合はこのタイミングで作成することをおすすめします。
NovelAIで覚えておきたいプロンプト(呪文)一覧
NovelAIでは、生成画面に「プロンプト」「除外したい要素」の入力欄があり、それぞれ単語をカンマで区切ったり、{}で囲んで強調したりしてAIに指示を出します。一般的に、生成してほしい要素を「ポジティブプロンプト」、生成時に除外してほしい要素を「ネガティブプロンプト」と呼びます。
ここでは、画像生成時に覚えておきたいポジティブプロンプトとネガティブプロンプトを解説するので参考にしてください。
ポジティブプロンプト
ポジティブプロンプトではおもに絵のタッチや人物、服装、構図などを細かく指定できます。画像生成時に覚えておきたいポジティブプロンプトは以下の通りです。
プロンプト | 意味 |
best quality | 最高品質 |
highres | 超高解像度 |
illustration | イラスト |
anime | アニメ調 |
1 girl, solo | 一人の女の子 |
1 boy, solo | 一人の男の子 |
blue eyes | 青眼 |
black hair | 黒髪 |
white background | シンプルな背景 |
NovelAIでは、ポジティブプロンプトを的確に指定することで理想の画像を生成できます。上記で紹介したプロンプトの他にも、smile1980s(1980年代アニメ)やcinematic(映画風)と言った絵柄のタッチの指定もできるので色々と試してみましょう。
ネガティブプロンプト
ネガティブプロンプトでは、画像の低品質化やテキストの混入などを防ぐために指定します。以下では定番のネガティブプロンプトをまとめました。
プロンプト | 意味 |
worst quality | 最悪品質 |
lowres | 低解像度 |
normal quality | 普通のクオリティ |
worst quality | 低クオリティ |
bad anatomy | 作画崩壊 |
missing | 手足や指の抜け落ち |
chromatic aberration | 色の歪み |
watermark | 透かし |
displeasing | 不快 |
これらはネガティブプロンプトの代表的なものですが、上記を指定しても余分なものが写る場合などは、適宜ネガティブプロンプトを指定して調整するのがおすすめです。
NovelAIを使用する際の注意点
NovelAIは質の高い小説やイラストが生成できるサービスですが、利用する際はいくつか注意しておきたいポイントがあります。
- 無断転載の疑いがある画像サイトの画像を学習している
- 著作権侵害のリスクがある
- セキュリティに不安がある
ここではNovelAIの利用前に知っておきたい注意点を3つ解説するので、生成AIの比較検討としてNovelAIのことが知りたい方はぜひご覧ください。
無断転載の疑いがある画像サイトの画像を学習している
NovelAIは、画像生成において他サイトの写真やイラストを学習しています。2022年9月25日、NovelAIの公式Xアカウントで「Danbooru」と呼ばれるイラスト共有サイトの画像を学習元としている旨の発言がありました。
Danbooruは公式で「NovelAIとは関係がなく、彼らが行っていることを支持または容認をしていない」と発言しており、同サイトにアップされたXやPixivの画像もデータ収集されている可能性についても触れました。
現在は大きな問題にはなっていないものの、NovelAIが無断転載の疑いがあるサイトの画像を学習している点については留意しておきましょう。
著作権侵害のリスクがある
NovelAIに限った話ではありませんが、画像生成AIはネット上にある大量の画像データを学習しているため、その中に著作権で保護された画像が含まれている可能性があります。
前述した通り、NovelAIはサービス内で生成されたコンテンツについて所有権を放棄しており、商用利用が可能です。しかし、生成した画像が特定のキャラクターやイラストに酷似し、かつ商用利用した場合などは著作権侵害となる可能性があります。
NovelAIでコンテンツを生成する際は、一般的な著作権侵害のリスクも踏まえて利用しましょう。
セキュリティに不安がある
NovelAIは、過去に一度ソフトウェアとソースコードが流出し、NovelAIと似たリークモデルが世に出回ったことがあります。
2022年10月に公開されたNovelAIはクオリティの高いイラストが生成できることで話題になりましたが、同月に不正アクセスを受けています。同じ時期にNovelAIのリークモデルが多数流通し、2023年6月23日には「リークモデルを見かけた場合は法的措置を取る可能性がある」と公表しました。
過去にはセキュリティ面に不安があったものの、現在は不正アクセスやソースコード流出の情報は出ていません。特にAI生成サービスは海外のものも多いので、利用する際はセキュリティ面に不安がないかもチェックしておきましょう。
NovelAIはリスクを理解して使うことが大切
NovelAIはアメリカのAnlatan社が開発したAIツールで、おもに小説やアニメ調のイラスト作成を得意としています。2023年11月にデノイジング拡散確率モデル(DDPM)を導入したモデルがリリースされ、より質の高いイラストの生成が可能です。
NovelAIで生成したコンテンツは基本的に商用利用が可能ですが、第三者の著作権を侵害しない範囲で利用することが大切です。生成AIは簡単に文章や画像を作成できる一方で、著作権やセキュリティ面のリスクも認識しておく必要があります。
本記事で紹介したリスクを理解した上で、適切にサービスを利用しましょう。
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