O2Oとは?OMOやオムニチャンネルとの違いやメリットを解説!
私たちの生活の身近なところに、実は「O2O」が存在します。O2Oとは、オンラインからオフラインへユーザーを誘導する手法なんです。そう、アプリやLINEなどでクーポン券を配布し、ユーザーが実店舗で利用する行為がO2Oです。日本に限らず世界中でマーケティング手法の1つとして利用されています。
そんなO2Oですが、OMOやオムニチャンネルなど類似の言葉がたくさん存在します。それぞれの違いや、O2Oの主な施策、メリットや企業の成功例を本記事で紹介していきます。マーケティングを行う上で知っておきたい知識なので覚えておいて損はありません。
目次
O2Oとは?
O2Oとは、「Online to Offline」の略で、オンラインからオフラインへユーザーを誘導させる動きのことを指します。つまりは、ネット上で情報を見た後、実店舗に足を運んでもらい商品購入に繋げる手法です。読み方は「オー・ツー・オー」です。
楽天・アマゾンなどのECサイトの流通が拡大した、2013年ごろからアパレル・化粧品・飲食店を中心に様々な企業が取り入れています。
O2OとOMOの違い
O2Oはオンラインを情報源・オフラインを販売として分けています。一方でOMOとは、「Online Merges with Offline」の略で、オンラインとオフラインの融合を意味します。
ネット上でも実店舗でも、どちらでもユーザーにとっては同じです。UX(顧客体験)の向上を目的としたマーケティング手法です。
オムニチャンネルとの違い
ちなみに、OMOと混同しやすい「オムニチャンネル」は、オンラインとオフライン関係なく、あらゆる販売網でユーザーを獲得する戦略のことです。
たとえば、ECサイトで購入した洋服を実店舗で受け取る。実店舗で貯めたポイントをECサイトで利用するなどが当てはまります。
O2Oが重視され始めた理由
2013年ころから始まったマーケティング手法ですが、近年では急激に加速しています。O2Oが重視され始めた理由を3つ紹介します。
スマートフォンの普及
スマートフォン(以下スマホ)の普及により、いつでもどこでもネットを経由して情報を獲得できるようになりました。出先で気になるお店をスマホで探し、そのまま来店したことはないでしょうか。このように、ネット上で情報を確認し、実店舗に足を運ぶ機会が多くなったため、O2Oの名前が急速に広まっています。
SNSを利用した情報発信の一般化
SNSでの情報発信・拡散が当たり前のように一般したこともO2Oが普及した理由の1つです。
低コストでお店の宣伝ができることから、実店舗の独自アカウントとして広告代わりに使っている企業は多いです。また、SNSであれば顧客との距離が近く、よりリアルな口コミを確認できます。
実店舗の存在意義の再評価
ECサイトの需要が増えていますが、その反面、実店舗の存在意義も再評価されています。写真だけでイメージが伝わらない、実物を見て買うかどうか決めたい、試着したいなど、実店舗でしか体験できないことがあるからです。
とくに、ECサイトの買い物で1度でも失敗したことがある人は、実店舗の利用が増える傾向にあります。
O2Oマーケティングの主な施策
O2Oマーケティングを行う上で、よくある施策を紹介していきます。
- Webサイトの運営
- SNSで情報発信
- アプリと連携
- クーポンの配布
- QRコードの活用
- GPSの位置情報を活用
- 店頭受け取りサービスの提供
それぞれ、どういう風に活用すれば良いのかも解説しているので、参考にしてください。
Webサイトの運営
ECを含めてWebサイトの運営は、商品を販売する企業にとっては必須と言えます。オンラインでの販売ができるだけでなく、コンテンツマーケティングで商品情報の発信ができるからです。
また、Webサイトは定休日も営業時間もありません。いつでもサイトに訪問できるうえ、実店舗に来れない顧客の獲得にも繋がります。
SNSで情報発信
SNSはアカウントさえ作ってしまえば、低コストで情報発信ができる優れものです。気になったユーザーが拡散してくれる可能性もあるので、広告替わりに運営するのはアリです。
ちょっとした情報であればX(旧Twitter)、画像メインであればInstagram、動画配信をするならYouTubeがおすすめです。
アプリと連携
公式アプリは情報発信だけでなく、EC機能や会員カードとしても利用できます。スマホにアプリをダウンロードしておくだけで、いつでもどこで使えるのが利点です。
店頭での購入履歴も紐づけられますし、データー管理としても活躍します。アプリのプッシュ通知は、メールよりも手軽なのもメリットと言えます。まさに、企業とユーザーどちらにとってもメリットが大きい存在です。
クーポンの配布
SNSやアプリを通じてクーポンを配布し、実店舗に誘導するのも効果的です。とくに最近では、LINEを利用したクーポン配布をしている企業が急増しているほどです。
ネットを通じてお得情報をゲットして実店舗で商品を購入する。理想的なO2Oの姿とも言えます。
QRコードの活用
QRコードはスマホで読み込むだけで簡単に利用できるので、O2Oとの親和性が高いです。たとえば店頭の商品情報。QRコードで読み込んだ先に情報をまとめておけば、ユーザーが店員を読まなくてもどういう商品なのか確認できます。
ほかに、公式サイトやアプリへの誘導、会員登録を即すもの、クーポン配布など使い方は様々です。新規ユーザーの囲い込みにも利用できます。
GPSの位置情報を活用
チェーン店やフランチャイズ店が多い企業であれば、GPSの位置情報を活用して、店舗ごとや地域ごとに情報配信できます。一番近いお店の表示もできるので、ユーザーにとってはいちいち検索する手間を省けます。
また、位置情報を利用して、来店者限定でキャンペーンを行うなどの活用もできます。
店頭受け取りサービスの提供
「店頭受け取り送料無料」「店頭受け取り手数料300円」など、通販の送料と差別を図れば、店頭にユーザーを呼びこむことが可能です。
オンラインでは「〇円以上送料無料」と書いていても、1点だけ欲しいというピンポイントのニーズを叶えられます。また、実店舗に来てくれれば、そのほかの気になる商品を手に取ってもらえる可能性も高くなります。
O2Oマーケティングのメリット
O2Oマーケティングは、企業にとってのメリットが大きいです。そのうえで、ユーザーにとってのメリットもあるので、双方にとっては良いこと尽くしです。企業・ユーザーに分けてメリットを紹介していきます。
企業側の主なメリット
- 新規顧客を獲得できる
- リピーターになる可能性が高い
- ニーズにあった施策を打ちやすい
- 即効性がある
企業側のメリットは、何と言っても顧客の獲得ができることです。新規・リピーターともに売り上げが見込めます。実店舗だけだと営業時間などの制限がありますが、オンラインも利用できれば様々なユーザーにアプローチできます。
また、オンラインだと顧客のデータを収集しやすいです。ターゲットを明確にできるので、ニーズにあった施策を打てるのもO2Oのメリットです。クーポンを発行すれば、期間内に来客が増えるので即効性もあります。
ユーザー側の主なメリット
- クーポンや送料分がお得
- 実物を見てから購入できる
- 買い物で失敗しにくい
ユーザー側からすれば、実店舗に行く前に情報が手に入るうえ、クーポンなどで通常よりもお得に購入できます。満足度が向上することが最大のメリットと言えます。また、オンラインと違って実物を見れるので、買い物で失敗しにくいのも魅力です。
O2Oを活用している企業の成功事例
今や大手企業のほとんどがO2Oを活用していると言っても過言ではありません。成功している企業が多いからこそ気になりますよね。以下で、大手企業でO2Oの成功事例を少し紹介していきます。
ユニクロ:SNSを活用したO2O
ユニクロは2019年にInstagramを活用したキャンペーンがO2Oの成功として有名です。ユニクロで購入した商品を試着し、その写真をハッシュタグ付きでインスタに投稿すると公式から「いいね!」がもらえるキャンペーンです。
企業の認知度向上・フォロワー増加・顧客のリアルな着用感の情報提供など、あらゆる方向でメリットがありました。結果、実店舗への来客が増え売り上げも上がっています。
スターバックス:モバイルオーダーを導入
スターバックスは「Mobile Order&Pay」というモバイルオーダーを導入しています。アプリもしくは公式サイトから利用可能で、事前に注文を予約できるサービスです。
スターバックスはカスタマイズが人気で、レジが混みやすいんです。そのマイナス面を解消しつつ、スムーズなオーダー・商品の受け取りができることから、ユーザーアビリティが向上しています。
ニトリ:画像を使った商品検索が可能
ニトリは「カメラ de サーチ」という、気になる商品を撮影すればデータベースの中から類似の商品を探して表示する機能があります。写真メインで視覚的に商品を確認できますし、他製品であってもニトリで類似を探せるので便利です。
また、ニトリは「O2O推進室」という部署がありO2Oを強化しています。ネットで注文した商品を実店舗で受け取り、お気に入り商品のバーコードを保存していつでも買い物ができるなど、様々な角度からユーザーの購入意欲を刺激しています。
ガスト:アプリを最大限に活用
ファミリーレストラン「ガスト」はスマホアプリを活用したO2Oを展開しています。プッシュ通知でアプリ限定クーポンが届く、GPS機能で近くの店舗を検索できる、ポイント獲得・利用が可能など、実店舗に来てもらうための工夫が盛りだくさんです。
リリース当時は2か月で150万ダウンロードを突破したほど有名です。飲食店であれば、マネしたいO2Oと言えます。
O2Oの今後の課題
O2Oはユーザーをオンラインからオフラインに繋げるために、情報をたくさん提供しています。ですがそれは「一方通行」のものでしかありません。クーポンなどで安くするからお店に来てと呼び込んでいるようなものです。
新規ユーザーの獲得や実店舗に来てもらうことが目的であれば達成しますが、リピーターの定着や競合他社との差別化ができません。なんなら、オンラインでたくさん情報があるからこそ、他社の類似の商品と比べて比較したうえで負けるということもあります。
今後は、O2Oは1つの手段として考え、オンラインとオフラインどちらでもユーザーの購入意欲を掻き立てるようなものを考えたほうが良いです。O2Oのメリットである即効性を上手く活かして、より良いマーケティングをしてみてください。
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