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ページエクスペリエンスとは?アップデート内容を振り返りながら改善策やSEOへの影響などを解説!

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SEO

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自社のWebサイトをGoogle検索で上位に表示させるには、「どのような観点からページ順位が決められているか」を理解することが欠かせません。

Googleが検索順位を決定する際、重要な指標の1つとされるのが「ページエクスペリエンス」という基準です。これは主に「Webサイトの使いやすさや安全性」を測定する尺度であり、上位表示を目指すうえでは改善が必須になるでしょう。

この記事では、「ページエクスペリエンスがどのような基準から評価されるのか」をふまえ、過去のアップデートの内容や具体的な改善策について詳しく解説していきます。

ページエクスペリエンスとは?

ページエクスペリエンスとは、「ユーザーがそのページをどれだけ快適に利用できるか」をGoogleが評価する際の指標です。

この指標は、Webサイトを訪れた人が「安全にページを閲覧し、ストレスなく操作できるか」を測定するための基準であり、この結果が検索順位にも影響を及ぼします。

具体的には、「ページが素早く表示されるか」「ボタンなどが正しく反応するか」「画面の表示が安定しているか」「サイトの安全性は確保されているか」など、ページの構造的な部分についての評価が主とされ、後に述べる複数の観点から快適性が判定されます。

ページエクスペリエンスとSEOの関係性

Googleはページエクスペリエンスを測定することで、検索結果において「ユーザー体験の高いページ」を表示することを目指しています。

Googleの検索順位は「ユーザーにとっての有用性」を軸に決定されますが、スムーズな表示や操作性といった要素もこの「有用性」の観点に含まれるのです。

もちろん、ユーザーにとって有益なページを作成するうえで、「ユーザーが求める情報」を整理して提供することは欠かせません。しかしそのような内容面のほかにも、ページエクスペリエンスという「環境面の整備」も重要な評価基準とされています。

つまりサイトを制作する側とすれば、ページエクスペリエンスの改善は、ユーザビリティ向上にとどまらず、SEO対策としても大きなメリットがあるといえるでしょう。

ページエクスペリエンスの向上は、「ストレスなく閲覧できる環境」につながり、ページの直帰率や滞在時間にも影響すると考えられます。検索順位の向上と、ユーザビリティ改善といった両面的な効果により、ビジネスの成果にもよい影響を及ぼすでしょう。

ページエクスペリエンスの評価基準と「良好」のライン

Googleはページエクスペリエンスを評価するうえで、いくつかの基準を導入しています。以下では、評価基準のなかでも重要度の高い5つのポイントについて解説していきます。

Core Web Vitals(コアウェブバイタル)

Core Web Vitalsは、ページの快適性を複合的に評価するための基準です。具体的には、ページの「表示速度」「応答速度」「表示の安定性」という3つの尺度から快適性が判定されます。

■LCP:ページの表示速度
LCP(Largest Contentful Paint)は、ページを構成するテキストや画像といった「主要コンテンツ」が完全に表示されるまでにかかる時間を計る指標です。

Googleは、LCPが2.5秒以内であれば「良好」と評価し、4.0秒以上かかる場合は「不良」、その中間を「改善が必要」としています。

LCPを計測するには、Googleが提供する「PageSpeed Insights」にサイトのURLを入力すると、分析結果画面から実際の数値を確認することができます。

■INP:操作への応答速度
INP(Interaction to Next Paint)は、ユーザーがボタンをクリックしたり、リンクをタップしたりした際に、「ブラウザがどれだけ速く反応するか」を測る指標です。

Googleは、この数値が200ミリ秒以内であれば「良好」と評価し、500ミリ秒を超える場合には「不良」、その中間を「改善が必要」としています。なおINPも上のLCPと同様、Googleが提供する「PageSpeed Insights」から測定が可能です。

■CLS:表示の安定性
CLS(Cumulative Layout Shift)は、「ページの読み込み中、レイアウトがどれだけズレるか」を測る指標です。

Googleは、CLSのスコアが0.1未満であれば「良好」と評価し、0.25以上の場合は「不良」、その中間を「改善が必要」としています。このCLSも、「PageSpeed Insights」から計測できます。

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HTTPSによる暗号化通信

GoogleはWebサイトの安全性を評価する際、「HTTPS」を重要な要素と位置づけています。

HTTPSとは「Hypertext Transfer Protocol Secure」の略であり、SSLと呼ばれる暗号化通信によって情報の漏洩や改ざんを防ぐしくみです。とくにログインページや決済システムなど、機密度の高い情報を扱うサイトでは必須とされています。

HTTPSを導入し、ユーザーの個人情報やパスワードが保護されることで、サイト全体の安全性が高まります。また、ブラウザのアドレスバーに「保護されていない通信」という警告が表示されるリスクを回避できるため、ユーザー離脱の防止にも役立つでしょう。

モバイルフレンドリー(スマートフォンへの最適化)

Googleは、モバイル端末でのユーザー体験を向上させるため、「そのサイトがスマートフォンでの表示に最適化されているか(モバイルフレンドリーかどうか)」を重要な基準としています。

モバイルフレンドリーなサイトとは、スマートフォンやタブレットで閲覧した際、快適に操作できるサイトのことを指します。これを実現するには、どのデバイスでも適切にページが表示されるよう、「レスポンシブデザイン」を採用することが求められるでしょう。

モバイルフレンドリーであるかどうかをテストするには、まず「PageSpeed Insights」の分析結果画面で「携帯電話」と「デスクトップ」の指標を比較する方法が考えられます。「デスクトップは良好なのに携帯電話では評価が低い」といった状況では、改善が必要になるでしょう。

あるいは、Microsoftの提供する「モバイルフレンドリテストツール」にURLを入力し、分析結果からフィードバックを得る方法も有効です。

セーフブラウジング

Googleは、ユーザーが安全にWebサイトを利用できるようにするため、「デバイスやユーザーに悪影響をもたらす可能性のあるサイト」を低く評価しています。

たとえばマルウェアやフィッシング詐欺につながる要因があると、Googleから警告を受けたり、検索順位が低下したりするリスクがあります。

セキュリティ状況を確認するには、Googleサーチコンソールの「セキュリティの問題」レポートをチェックすると、問題点についての分析を確認可能です。あるいは、「Google Safe Browsing」などのツールにより、マルウェアの有無を手軽に調べることもできます。

「煩わしいインタースティシャル」の排除

「インタースティシャル」とは、Webページを開いたときに画面全体を覆うポップアップや広告など、ページのコンテンツ内容とは直接関係しない表示のことを指します。

とくに、ユーザーがページのコンテンツを読む前に強制的に表示されるものや、閉じることが難しいものは「煩わしいインタースティシャル」とされ、ページエクスペリエンスの評価を下げる要因となります。

たとえば誤クリックを誘発するようなレイアウトの広告など、ユーザーが目的とする情報にスムーズにアクセスできなくなるような要素をなくしていく必要があるでしょう。

ただし、すべてのインタースティシャルが低評価につながるわけではなく、必要性の高いものは評価に悪影響を与えません。たとえばクッキー利用の同意画面や、年齢制限の確認画面などは、ページエクスペリエンスの評価を低下させない表示内容とされます。

ページエクスペリエンスのアップデートの変遷

Googleは定期的に検索アルゴリズムを更新し、ページエクスペリエンスの評価基準も見直してきました。とくに2021年の大規模アップデート以降は、Core Web Vitalsの指標がランキング要因として本格的に適用されるようになっています。

以下では過去の主要なアップデートを振り返りながら、今後の傾向についても考察していきます。

2021年のアップデート

2021年のアップデートでは、ページエクスペリエンスの評価基準としてCore Web Vitalsがモバイル検索でのランキングに導入されました。

これにより、Webサイトの読み込み速度や反応のスムーズさ、レイアウトの安定性が検索ランキングの重要な要素として考慮されるようになったのです。

また、従来から評価基準とされていたHTTPSの使用やモバイルフレンドリーの要素も引き続き重視され、より包括的なユーザー体験の向上が求められています。

SEOの観点から見ると、このアップデートによって「キーワードへの最適化」というポイントに加え、「サイトのユーザビリティ向上」が必須になったといえるでしょう。

(参照:Google for Developers|ページ エクスペリエンスの更新に対応するための期間、ツール、詳細情報

その後のアップデートと最新動向

2022年以降、Googleはページエクスペリエンスの評価をさらに厳格化していきました。とりわけ、それまでモバイル向けを主に評価対象としていたCore Web Vitalsの基準がデスクトップ版にも適用されはじめた点が大きなポイントです。

つまりデスクトップ向けのWebサイトであっても、読み込み速度やユーザーインターフェースの最適化が求められるようになり、PCとモバイルの両方で優れたユーザー体験を提供することが重要視されていきます。

(参照:Google for Developers|パソコン向けページ エクスペリエンスによるランキングの導入スケジュール

さらに2024年以降の動向としては、AI技術を活用した検索アルゴリズムの強化が進められており、コンテンツの品質とページエクスペリエンスのバランスを取ることがいっそう求められています。

アップデートの傾向と今後の展望

Googleのアルゴリズムアップデートは、一貫して「ユーザーにとって有益なページを表示すること」を目的として実施されています。

とくに、今後の検索アルゴリズムではAIを活用した評価が進むと予測されており、検索意図をより正確に理解し、ユーザーに最適なコンテンツを表示するシステムが強化される可能性があります。

つまり今後のサイト制作においても、「ユーザーの求める情報」をわかりやすく提供していく視点は引き続き必須になるでしょう。

同時に、「質の高い情報へと安心してアクセスできる環境」を整えるうえで、ページエクスペリエンスの観点も重要であり続けると考えられます。

ページエクスペリエンスを改善する方法

検索順位の向上には、ページエクスペリエンスの評価基準を把握し、それに合わせて最適化していく視点が欠かせません。

まずは現状のサイトについて、「どの程度ページエクスペリエンスが高いか」をチェックしましょう。先に挙げた「PageSpeed Insights」では、主要指標についての定量的な評価のほか、改善すべき点についても詳しく分析してくれるので、ボトルネックの特定が容易になるはずです。

以下では具体的な評価項目について、それぞれの改善方法を解説していきます。

Core Web Vitalsの最適化

Core Web Vitalsは3つの要素から構成されており、「LCP(ページ読み込み速度)」「INP(操作への応答速度)」「CLS(表示の安定性)」をそれぞれ改善していくことが求められます。

■LCP(ページ読み込み速度)
LCPを改善するには、画像や動画のサイズを圧縮し、ファイルのフォーマットなどを適切に変更することが効果的です。

また、サーバーの応答速度を高速化するうえでは、Webサイトのデータ(画像・動画・ページのコンテンツなど)を複数のサーバーに分散させて配信を最適化する「CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)」を活用することも有効でしょう。

■INP(操作への応答速度)
ユーザーの操作に対する応答性を向上させるには、不要なJavaScriptの削減やスクリプトの最適化が求められます。

さらに、プログラムの読み込み方法を工夫することで、ページの応答速度を高める視点も重要です。プログラム上で「即座に必要にはならない部分」の処理方法を見直し、非同期読み込みや遅延読み込みといった方法を活用していくとよいでしょう。

■CLS(表示の安定性)
CLSを改善するには、画像や広告のサイズをあらかじめ固定し、表示領域を確保することが大切です。加えて、フォントの読み込み時にレイアウトが崩れないような設計をしながら、読み込みの遅延につながる要素を適切に配置することで、安定性の向上を図れるでしょう。

モバイルフレンドリーなサイト設計

モバイルフレンドリーなサイトを設計するには、まずレスポンシブデザインを導入し、異なるデバイスで適切に表示できるようにすることが不可欠です。

あらかじめレスポンシブ対応のテンプレートを使ってページを作成するなど、「スマホ前提」のサイト構築をしていくとよいでしょう。

スマホでの操作性を向上させるには、タップしやすいボタンサイズを確保し、ユーザーがストレスなく操作できるようにすることも大切です。その他、モバイル回線でも素早く表示できるよう、画像の最適化やスクリプトの軽量化を行う必要があります。

セキュリティとHTTPSの導入

Webサイトの安全性を確保するには、サイトをHTTPS化することが必須とされています。HTTPSを導入する際は、まずSSL証明書を取得し、Webサーバーに適用することが必要です。

多くのレンタルサーバーにおいては、管理メニューからSSL設定が可能なので、利用状況に応じて設定を進めていきましょう。

その他、問い合わせなどのフォームを用意している場合には、個人情報の漏洩リスクを抑える観点が重要になります。不要なプラグインや脆弱性のあるコードを削除し、定期的にセキュリティチェックを行うことで、サイトの安全性を高められるでしょう。

マルウェアやフィッシング詐欺への対策

サイトの安全性を確保するうえでは、マルウェアなどの有害な要素を徹底して排除することが求められます。定期的にWebサイトのセキュリティスキャンを実施し、不要なプラグインや古いCMSの削除を行うことで、攻撃のリスクを減らしていきましょう。

また、フィッシング詐欺を防ぐためには、不審なリンクや広告の掲載を避け、ユーザーからの入力情報を適切に管理することが重要です。

ページ閲覧を妨げる広告の排除

ユーザーにとってページ閲覧を妨げるポップアップ広告などの「インタースティシャル」を取り除くことで、ページエクスペリエンスを向上させる観点も大切です。

具体的には、「画面の大部分ではなく閲覧の邪魔にならない箇所に配置する」「ユーザーが閉じるボタンをすぐに見つけ、誤操作なく閉じられるようにする」といった工夫が必要になるでしょう。

あるいは強制的に表示するのではなく、クリックやスクロールなどのアクションに応じて表示するといった形式も有効だといえます。

まとめ

ページエクスペリエンスとは、Googleが検索ランキングを決定する際に重視している尺度であり、「ユーザーに快適な体験を提供しているか」を測るための指標です。

とくに2021年からは、ページの読み込み速度や反応速度などに関わる「Core Web Vitals」を中心としたアップデートが行われ、SEOにおける影響も大きくなっています。

ページエクスペリエンスの改善策としては、サイトの読み込み速度の最適化や、モバイルフレンドリーなデザインの採用、セキュリティ強化などが挙げられます。いずれにおいても、「ユーザーが見やすく、使いやすい安全なサイト」を作る意識が必須になるでしょう。

ページエクスペリエンスの向上は、ユーザー満足度だけでなく、検索順位やコンバージョン率にも直結するため、継続的な対策が必要です。自社サイトのページエクスペリエンスを見直し、効果的なWebサイト運営を目指しましょう。

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この記事を書いた人

鹿嶋 祥馬
大学で経済学と哲学を専攻し、高校の公民科講師を経てWEB業界へ。CMSのライティングを300件ほど手掛けたのち、第一子が生まれる直前にフリーへ転身。赤子を背負いながらのライティングに挑む。

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