ポータルサイトとは?意味から種類、例、作り方まで解説
ポータルサイトについて、見聞きする機会こそあるものの、実はよく分かっていない方は案外多いかもしれません。
そこで本記事では、ポータルサイトの基本から応用まで解説。
具体的には、意味や定義に加え、種類、典型的なサイト例、そして作り方と、幅広く取り上げています。基礎知識の習得はもちろん、理解を深めるべく、参考にしていただけると幸いです。
それではどうぞ、ご一読ください。
目次
ポータルサイトとは?作成する意味、役割
ポータルサイトとは、あらゆる情報を集めたWebサイトのことです。機能上、ユーザーがオンラインにアクセスする際の出発点として設計されています。適宜、導線が張られ、より多くの情報に触れられるものと捉えていいでしょう。
過去にはGoogleやYahoo!といった検索エンジンが代表的なポータルサイトに君臨していましたが、現況はお察しの通り、前者だと検索体験に特化したサービスで、後者だと検索機能に加え(ポータルサイトたらしめる)ニュースや辞書などあらゆるコンテンツが集まったプラットフォームとして位置づけられています。 形式や概念がどんどん多様化していくなかで、上述の定義とは別の解釈もおそらく可能かもしれません。そうはいってもやはり、ポータルサイトの役割自体は変わりません。いつの時代も求められるのは、ずばりユーザーのニーズに応えることです。それは単に情報の提供だけを意味するものではありません。あくまで効率的に収集できるよう開かれた門戸であることが、ポータルサイトの本質的な意義だと考えます。
ポータルサイトの主な種類
一口にポータルサイトといっても、タイプはさまざまです。
以下、主な種類について特徴とあわせて紹介します。
総合型ポータルサイト
生活ノウハウ、時事ニュース、天気予報、その他トレンドなどあらゆる情報が掲載されているサイトを指します。どうしてもボリューミーなため、運用コストが高いことがほとんどです。コンテンツの選別、レイアウト、打ち出し方など試行錯誤を余儀なくされるでしょう。ただし、軌道に乗せることができれば、多様なニーズを扱っているため大きな収益につながる期待が持てます。
検索型ポータルサイト
検索エンジンの役割を担うサイトを指します。必ずしも検索体験の提供に特化したものだけではありません。リンク集や記事、動画コンテンツ等々混在した総合型に内包されるサイトも該当します。
地域型ポータルサイト
文字通り、地域に関連する情報が掲載されているサイトを指します。たとえば象徴的なトピックを挙げると、地方の役立つ求人や観光地ニュースなどです。なかには行政や自治体が運営するケースもあります。
専門型ポータルサイト
特定の分野、ジャンルに対して詳しく情報が掲載されているサイトを指します。専門性はもちろん、信頼性や権威性も高く、得てして参照されることが多いポータルサイトです。そのため、SEOにも強く、関連するワードで検索した際、上位表示されやすい傾向にあります。
社内ポータルサイト
社内あるいはグループ企業、協業パートナー、会員向けなどに情報が公開されているサイトを指します。スムーズなコミュニケーションを図ることや連絡・報告はじめ諸々の情報共有が目的です。イントラサイトと呼ばれることもあります。
一般的なポータルサイトとは異なり、閲覧するには権限が必要です。
目的型ポータルサイト
婚活サイトなど、ユーザーの明確な目的を実現させるためのサイトを指します。
業界によっては条件が定められ、免許や許可届が必要です。法的に問題がないかどうかも注意しましょう。
ブログ型ポータルサイト
複数のユーザーにブログスペースを提供し、発信された情報をまとめて表示できるサイトを指します。集まるユーザー次第では、比較的容易に巨大メディアへとグロースさせることが可能です。
ポータルサイトのメリット
今日多くのポータルサイトが生まれている理由は、当然価値があるからだといえます。それは、決して運営者や掲載企業側から見えるものだけではありません。無論、サイトにアクセスするユーザーにおいても同じように浮かび上がってくるメリットが存在します。
以下、それぞれの視点から紹介します。
運営者にとっては安定した収入源になる
運営する側にとってはアクセス数やその先のコンバージョン数につなげたいところでしょう。
ポータルサイトは目的を持ったユーザーが多く出入りする場所です。したがって、良質なコンテンツを提供できればリピーターへの育成や口コミでの拡散に期待が持てます。しからば、SEOの観点でもプラスに評価されるはずです。
結果、好循環の形成につながり、安定した収益を得られるものと思われます。
掲載企業にとっては認知、集客につながる
情報が氾濫するインターネットでは、まとまったポータルサイトにアクセスするユーザーが比較的多い傾向にあります。接点機会を増やせれば、その分、認知や集客の向上につながるはずです。評判の良いポータルサイトであれば尚更だといえます。
また、仮に簡単なものであってもキャプションなど紹介テキストを付与してもらえれば、自社のWebサイトとは別に第三者目線での魅力が伝わるため、客観的評価としてユーザーに信頼を置かれることでしょう。ポータルサイトでの掲載が問い合わせまでの最短距離になり得る可能性は大いにあると考えます。
サイトユーザーにとってはサービスを容易に比較検討できる
商品やサービスの購買、導入の際、他者の声を決め手とするケースは少なくありません。ポータルサイトではそうした口コミや評判まで確認できることが多いため、ユーザーにとっては安心です。また、UI/UXを含めてアプローチしやすい仕組みが整っていることもポータルサイトの特長だといえます。もちろん、これはサイト訪問者にとってありがたいメリットです。ちょっとの回遊ですぐに対象を比較できる点は、やはり便利だといえます。
ポータルサイトの作り方
ポータルサイトの制作を検討しつつも、勝手がわからずになかなか着手できない担当者の方もいらっしゃるでしょう。企業のホームページとの違いに戸惑うケースも考えられます。
ポータルサイトはどのように作っていくのでしょうか。
以下、一般的な手順を紹介します。
要件定義
まず、どのようなポータルサイトを作りたいのかを整理しましょう。その際、必要な機能や条件を洗い出します。いわゆる要件定義です。
制作を進めるなかで当然トラブルも想定されます。その辺りも加味しながら、作業は丁寧に行いましょう。
具体的なサイト設計
要件定義を基に、コンテンツの配置やページ構成、UI/UX、管理画面……等々サイトの設計図(イメージ)を練り上げていきます。
可能であれば、ローンチ後どのようにサイトをグロースさせていくか、期間ごとに更新するコンテンツの量や目標なども設定できると望ましいです。
SEO設計
ポータルサイトの制作でも、当然、集客につなげるにはSEOへの目配りが大事です。どちらかというと運用がカギを握りますが、初期の段階からある程度、上位表示を狙うキーワードを吟味したうえで用意し、サイトのカテゴリ設計やメタタグの最適化を図っていきます。都度、アルゴリズムの傾向を追跡していくことも忘れないようにしましょう。
一方で、SEOのセオリーを重視するあまり、ユーザーニーズとかけ離れた質の低いコンテンツを量産することは避けるべきです。
仮に上位表示されたとしても、ユーザーに嫌われてしまえば失うものの方が多いかもしれません。
デザイン制作
デザインに関しては見栄えに固執せず、先に決定した要件やUI/UXに基づき反映していくことが求められます。また、視認性、可読性、操作性などこの後続くコーディングやシステム構築との兼ね合いも意識すべきポイントです。決して独り善がりにならないよう気を付けましょう。
コーディング
Webブラウザで各ページが意図した通りに表示されるには、コーディング作業が必要です。ぎこちない動きや違和感の残るレイアウト、なかなか読み込まれないリソース……等々、改善すべく繰り返し調整されることも少なくありません。せっかくのアイデアを無駄にしないためにもテストチェックは怠らず、些細なことであっても可能な限り気になる部分は取り除けるようにしましょう。
システム構築
デザインやコーディングなどユーザーの目に触れる部分(フロントエンド)だけでなく、いわゆるバックエンドでのシステム構築も重要な工程です。データ管理はじめ運用面を左右する要素であるため、後々トラブルにならないようあらゆる状況を想定する必要があります。とはいえ、最初の要件定義が盤石であれば、作業自体はスムーズに執り行えるでしょう。
サイトリリース
いよいよサイトリリースです。不具合がないかあらためて品質チェックを行い、すべての問題を潰すことができればその準備は整ったことになります。
もちろん、マーケティング施策など随時必要かと思いますが、ひとまず最低限の機能が実装され表に出せる段階にまでこぎ着けたなら、世にその存在を知らしめるべく公開しましょう。そして、制作チームはもちろん、企画に携わった方全員でリリースできたことの喜びを分かち合いましょう。
ポータルサイトに限らず制作物全般にいえますが、今後の運用あるいは同様のプロジェクトを進行するうえでも、(リリースという)目標を達成した際は、あらためて協業した仲間を労い尊重することが大事だと考えます。それもまた一つのプロセスでありミッションです。
ポータルサイトを作る際の注意点
ポータルサイトを作る際、失敗しないためには以下の注意点をおさえておきましょう。
使用ツールはなるべくメジャーなものに!
プログラミング言語やフレームワークなどあまり知られていないツールを使用した場合、開発を担当された方に依存しなければならない懸念があります。仮に運用においてトラブルが起きれば、当の開発者以外、対処できるエンジニアを見つけられないかもしれません。また修正や追加作業一つをとっても想定外の複雑な仕様に頭を悩ませることは容易に考えられます。他方、メジャーであればあるほどノウハウの数もそれ相応のはずです。調べるとすぐに回答を得られたり、依頼先も多かったりとスムーズに事を運びやすいでしょう。
問い合わせ対応はじめ運用フローを事前に決めておく!
いうまでもなく、運用するポータルサイトが軌道に乗れば、ユーザーや企業からさまざまな問い合わせが寄せられるようになります。にもかかわらず、役割分担やマニュアルなどの準備を怠っていたばかりに、たちまちてんやわんやに陥るケースは意外と多く見受けられます。
公開後に想定できる問題に対して誰がどういった行動を取るか決めておくことは必須です。可能であれば、運用フローにおいても実践的にテストすることをおすすめします。
ポータルサイトの主な事例
ポータルサイトの制作に対して現在構想段階あるいは検討中とはいえまだ方向性が定まっていない方も多いかもしれません。
そうしたなか、もし行き詰っているならば、他社運営のポータルサイトをヒントに活用するのもいいでしょう。以下、典型的な例を紹介します。
Yahoo! Japan
総合型ポータルサイトの代表例に挙げられる「Yahoo! Japan」は、さまざまなコンテンツが集約されています。特徴は先述した通り、膨大な情報によって多くのユーザーが訪れるといったメリットがある一方で、予算や人員に余裕がなければなかなか運営するのに苦労するタイプです。大手だからこそ色々と振り切って打ち出せるポータルサイトだといえます。
SUUMO(スーモ)
「SUUMO(スーモ)」はご存知の方も多いと思いますが、不動産に特化したポータルサイトです。いわゆる専門型に分類されます。目的別、エリア別にサイト内検索できる機能を軸に据え、お悩み系コンテンツ、相談、見積もり……等々幅広くコンテンツを網羅している人気メディアです。徹底したユーザー目線は、大いに参考になるでしょう。
日清食品ホールディングス
日清食品ホールディングスは、食品関連事業を展開する各グループで、情報の発信や共有など円滑な意思疎通を図るべく社内ポータルサイトを構築しています。
実際のところ、業務効率化や社内のコミュニケーション活性化に対して、一定の成果が見られるようです。
運用まで考えたポータルサイトを作ろう!
以上、ポータルサイトについてあれこれお伝えしてまいりました。
メリットや注意点含めて基礎知識を理解したうえで、他社事例を参考にしながら適切な手順に基づき作成すれば、形はどうであれ一つのポータルサイトが生まれるでしょう。
専用の作成サービスを利用すれば、より簡単に仕上げることが可能です。もちろん、制作会社を利用する方法もあります。そうすれば、より手っ取り早く自身が運営するポータルサイトが手に入るはずです。
このように、ポータルサイトを作ることは実はそう難しくはありません。
ただし、運用まで念頭に置かなければ、作っただけで終わることになりかねません。
掲載企業とそれらを閲覧し比較も含め何かしらアクションを起こそうとするユーザーと三位一体となり接点を持つことが、いわばポータルサイトの理想です。そうなれば、結果、相乗効果で収益向上の期待が持てます。
運営側が運用する先までしっかり見据えることはもちろん、掲載企業であれば運用の跡を細かく吟味し、ユーザーなら運用によって更新された情報を逐一チェックするといった状況が自然と生み出せれば、ポータルサイトの価値はより高まるに違いありません。
つまるところ、win-win-winの構図をいかに作っていけるかが、(ポータルサイト制作に)この先着手するにしても肝となるのでしょう。
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