売れる商品名の決め方とは?ネーミングのコツや注意点を解説!
新商品を発売する際には、当然ですが名前を考えなければいけません。その役割は大抵の場合、広報担当者が任されると思いますが、開発者やマーケティング携わる人も案を出さなければいけないケースがあります。
専門分野じゃない、センスがないから無理だと1歩引く人もいるのではないでしょうか。ですが、商品の分析をしっかりし、ユーザー目線にたてばおのずとアイディアが浮かんでくるものなのです。
本記事では、売れる商品名の決め方を徹底解説します!ネーミングのコツや注意点、売れる商品名の共通点なども紹介しています。ぜひ、おしゃれな名前を付けるのに役立ててください。
目次
商品名は売上を左右する重要なもの
大企業などは、商品名を決める際に専門のコピーライターへ命名依頼を行うケースがあります。その理由は、売上・粗利など企業の経済面を左右する重要なものだからです。なぜ重要なのか、簡単に解説していきます。
ユーザーは名前から内容を連想する
ユーザーは名前から、どんな商品・内容なのかをイメージします。そのイメージと商品がマッチしていれば、ユーザーの選択肢の中に残るのです。商品名で購入するかどうかの振るいにかけられるので、企業として力が入るのは当たり前のこと。
たとえば、スーパーマーケットでパッケージを見るのはなぜか。添加物等の情報を知りたいというのが大方の答えでしょう。そのほか意外と多いのが、デザインや名前から内容をイメージするという声。つまり、どうしたって商品名はポイントになっているのです。名前は、中身を連想できる要素であり貴重な情報です。シンプルな話、お菓子の商品名に「ビター」という言葉が入っていれば、ほろ苦いテイストを容易にイメージさせることになるでしょう。ゆえにストレートな特徴が含まれるネーミングは、一定数好まれ存在しているのです。
商品名によっては海外展開しやすくなる
日本らしさを全面的に押し出す、もしくはグローバルな商品名は海外でも覚えてもらいやすいです。ユーザーの思考は、国関係なく似ています。海外ユーザーでも商品イメージしやすい名前にすれば、売上が爆発的に伸びる可能性もあります。
商品名はブランディングに最適
商品名はブランディングにも最適です。覚えてもらいやすい名前だと、〇〇を買うなら▲▲の商品と認識してもらいやすくなります。この商品を買おうという意識づけに、名前が大活躍するということはわかってもらえるはずです。これらは全て、売上に直結する戦略とも言えます。
成功例:商品名で売上が伸びた紳士用靴下
有名な成功例を挙げると、株式会社レナウンの紳士用靴下です。「通勤快足」と名付けられたこの靴下は、名前を変えたことがきっかけで、売上がアップしたという事実があります。ユーモアを交えたネーミングが多くの人々のセンサーに触れ、結果、購入にまで至ったケースです。
そのほか、似たような事例は、靴下だけでなく、冷凍食品やティッシュペーパー、缶コーヒーなど、色々なジャンル・カテゴリで見られます。したがって、商品名の変更前後で明らかに売り上げの違いが見られたなら、ほぼ確信に近い可能性で名前が影響していると思われます。
商品名を考える際に抑えておくべきポイント
ネーミングにはセンスが大切だといわれても抽象的すぎて何をどうすれば良いかはわかりません。むしろそうなると、言葉を巧みに操るアイデアマンだけが勝つ世界になってしまいます。
ですが、大喜利のような秀逸なアイディアを出す必要はありません。商品名を考える際に、以下の5つのポイントを押さえておけば大丈夫です。
- 商品イメージを崩さない
- 覚えやすさ・語呂の良さは重要
- 商品名は30文字以内
- 重要な言葉は先頭に持ってくる
- ネット検索で類似が出てこないか確認
それぞれのポイントについて簡単に解説していきます。
商品イメージを崩さない
商品イメージを崩さないネーミングが重要となります。上手くいけば消費者への喚起をある程度コントロールすることも不可能ではありません。たとえば、「ハッピー」一語を含ませるだけで、ポジティブな感慨をもたらすことができるなど、言葉の力は偉大なのです。
もちろん、商品のアピールポイントを名前にするのも手です。商品そのもののアピールになるので、覚えてもらいやすいです。
覚えやすさ・語呂の良さは重要
商品名は、覚えやすさごとの良さも重要です。思わず口ずさみたくなるようなフレーズは、1度覚えてしまえば忘れられないからです。 「やめられない、止まらない、かっぱえびせん」なんかは、音とともに商品名を覚えますよね。このように、商品名のインパクトがあれば、ふとした時に購入意欲を掻き立てます。
商品名は30文字以内
商品名は30文字以内と言われる理由は、Googleなどの検索エンジンで表示される文字数が最大32文字だからです。ですが、実際はできる限り短いほうが好ましいです。人の脳は単純で、短くて語呂が良いフレーズほど覚えやすいからです。
ただ、ネットショッピングなどで販売する際は、商品名とキャッチフレーズ込みで30文字ほどに収めるのも戦略の1つとなります。
重要な言葉は先頭に持ってくる
商品名もSEOと同じで、ファーストインプレッションが要となります。重要な言葉は先頭に持ってくるようにしましょう。ユーザーの行動は基本、流れるままです。インターネット上には多くの情報が飛び交っています。それゆえ、流し読みされることが大半なので、重要な言葉を先に持ってこないと読まれません。
ネット検索で類似が出てこないか確認
もちろん忘れてはいけないのが競合性。商品名の候補を挙げる前に、ネット上に似たような名前のものが出てこないのか検索してください。類似の名前があった場合は、間違えて覚えられる可能性も捨てきれません。せっかく良い名前を付けても、別の商品に流れてしまったら本末転倒です。
商品名の決め方のコツ・流れ
商品名の決め方のコツは、以下の流れに沿って色々試行錯誤することです。バックボーンがしっかりしている商品名ほど、ユーザーは共感・感情移入しやすくなります。
- 決め方①:アピールポイントの洗い出し
- 決め方②:商品ストーリーを考える
- 決め方③:入れたいキーワードを選出
- 決め方④:キーワードを組み合わせて名前決める
- 決め方⑤:商品名が被っていないか調査
各工程について、もう少し深掘りして解説していきます。
決め方①:アピールポイントの洗い出し
商品名を考える際、商品への理解度は必須です。性能はもちろん、アピールポイントを洗い出しましょう。ほかの商品と差別化できるぽいんとがあれば、全面的に押し出したほうがユーザーの記憶に留まります。仮にメリットを知らないなんてことがあれば目も当てられません。他社比較・分析と合わせて、商品の魅力を確実におさえておきましょう。
決め方②:商品ストーリーを考える
ここでいう商品ストーリーは、開発に至るまでの秘話や開発理由などです。たとえば、お菓子メーカーの亀田製菓株式会社から発売されている「ハッピーターン」は、経済不況からの脱却を願って名付けられたと言われています。ジティブなサイクルを予測させてくれるこのような背景があると、たとえ逆境に立たされても「何か良いことがあるかも」という期待を無意識でも持つようになり、購入へと動く人が出てくるのでしょう。購買プロセス、シナリオさえも描ける構図がここにはあります。
決め方③:入れたいキーワードを選出
アピールポイントや商品ストーリが洗い出せたら、それを元に入れたいキーワードを選出しましょう。日本語でキーワードを出したなら、英語やラテン語に置き換えるなどでキーワードを増やすのも手です。ごろの良さや覚えやすいキーワードほど、名前に有利となります。
決め方④:キーワードを組み合わせて名前決める
キーワードを出し終えたら、いくつか組み合わせて商品名の候補を出しましょう。組み合わせに関しては、単純に2つを掛け合わせても良いですし、複数のキーワードの頭文字をとって造語にするなど試行錯誤してください。
ある程度、商品名の候補が出来たら社内でドラフトしてみるのもありです。開発に携わっていない第三者の意見が大切になります。話題性を出すなら、SNSなどで一般ユーザーに決定してもらうのも1つの手段です。
決め方⑤:商品名が被っていないか調査
商品が決定したら、必ず同じ名前の別商品がないか確認してください。被っていると、予期せぬトラブルになりえるので考え直したほうが良いです。商品名が被ってなければ、決定して問題ありません。
売れるネーミングの共通点
売れるネーミングには実はある程度の共通点があります。これらは、先述したコツに共通するものばかりなので、念頭に置いておいたほうが成功しやすいです。売れるネーミングに繋がる要素を簡単に解説していきます。
ストーリー性を感じる名前
先述した通り、ストーリー性を感じるネーミングはユーザーの共感が得られやすいのです。名前の由来も記憶に残るので、この商品を買おうという意識づけにもなります。売れるネーミングほど、バックボーンがしっかりしているわけなのです。
インパクトがある
名前のインパクトは重要です。衝撃が強いほど、記憶に残りやすいからです。コーラ株式会社が販売している清涼飲料水の「Qoo(クー)」は、ビールを飲んだときの大人のように、満足感を「クー」という言葉で表現していると言います。
その由来を聞くとあまりに率直でなんとも大胆な印象を覚えますが、ゆえに商品名としてもインパクトがあるのでしょう。個人の感想ではありますが、実際に美味しいこともさることながら、コンセプト含めて人気を博すのも当然だと思います。
女性向けの商品はおしゃれさがとくに重要
女性向けの商品は、おしゃれなネーミングほど売れる傾向にあります。とくにお菓子・デザート類や化粧品はその傾向が強いんです。
株式会社ブルボンから発売されている「ホワイトロリータ」や「ショコラセーヌ」などは、女性中心に好評を得ています。名前からしてスタイリッシュでガーリッシュ。ターゲットが若い女性というのもうなずけます。フランス菓子を彷彿させることで、売り上げへ貢献していく算段でしょう。
こうしたニュアンスをおしゃれな雰囲気を持たせることで表現すれば、高級感を演出できます。老若男女に合わせて、そのテイストこそ分けて考えていく必要はありますが、ファッション同様、消費者へこだわりという楽しみを与えてくれる構造であることは、共通して理に適っていて、戦略として納得です。
商品名を決めるときの注意点
商品名を決めるときは「SEO」と「商標登録」の2つのことには注意してきたいものです。前者はマーケティングに必要、後者はリスクヘッジにもなりえます。必ず意識しておきましょう。
- SEO対策しやすい商品名かも重要
- 商標登録済みの名前は使えない
- 未登録の商標は早めに登録したほうが良い
それぞれの注意点について、簡単に解説していきます。
SEO対策しやすい商品名かも重要
のちのち商品専用のページを作成して、検索エンジンの上位に表示させたいと考えているのであれば、SEO対策しやすい商品名なのか調べておくことが大切です。たとえば、商品名候補を実際にGoogleなどで検索してみて、上位に表示される企業が行政・研究所・大企業などになっていないかは、最低限確認しておきましょう。
商標登録済みの名前は使えない
商標登録とは、自社の商品・サービス名を他社のものと区別するための登録です。商標登録しておけば、他社が同じ商品・サービス名を使えなくなります。商標権侵害(被ってしまった場合など)すれば、損害賠償を請求されたり、訴訟にまで発展するリスクがあるので、必ず商標登録されていないか確認しておきましょう。
なお、商標登録は、ジャンルごとにカテゴリーされています。同じ業種でない場合、見逃してしまう可能性があるので全カテゴリーで被ってないか検索しておいたほうが安全です。
未登録の商標は早めに登録したほうが良い
未登録の商品名だった場合は、できる限り早めに商標登録しておきましょう。商標登録は先着順です。万が一人気が出てから登録しようとした場合、悪意を持った人が商品名をすでに登録しているというケースもあるからです。リスクヘッジのために、素早く登録しておくことが重要となります。
おしゃれかつ覚えやすい商品名を付けて売り上げを伸ばそう!
売れるネーミングのコツに関して紹介してきましたが、如何でしたでしょうか。何度も言うように、商品名1つで売り上げが左右されます。おしゃれかつ覚えやすい商品名を付けられれば、成績が大幅に跳ね上がる可能性があるのです。
秀逸なアイディアをひねり出す必要はありません。商品のことを深く知り、段階を経ればおのずと売れるネーミングが思いつくはずです。ただし、あくまで目的は、お客様の心に残すこと。ユーザー目線に立って、どういう名前だと覚えやすいか、ストーリー性があり共感してくれるかを考えてください。きっと魅力的な商品名にたどり着けます。
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