プッシュ通知とは?iPhone/Android/Webブラウザの仕組み
プッシュ通知とは、スマホやパソコンの画面上に自動的にメッセージを配信する機能のことです。アプリやwebサイトなどの通知を送信することが可能で、ユーザーにリンク閲覧や商品購入といったアクションを促すことが期待できるため、自社アプリの有無を問わず様々な企業が導入しています。
今回は、プッシュ通知とはどのようなものなのか。その仕組みや活用方法などを解説していきます。
目次
プッシュ通知とは
スマホの場合はインストールしたアプリから、パソコンの場合はアプリをインストールしなくても、ブラウザ経由でWebサイトなどからプッシュ通知の受信を設定することができます。ブラウザからのプッシュ通知のことを「Webプッシュ通知」といい、この場合はプッシュ通知を配信しているサイトに訪れ、その際に表示されるポップアップメニューなどから通知をオンにすると受信許可されます。
スマホでアプリからの通知を受け取る場合は、設定画面上でオン・オフの切り替えが可能です。iPhoneでは初回起動時に設定できますが、Androidではデフォルトがオンなので、受け取らない場合は変更する必要があります。
基本的にスマホはアプリからのプッシュ通知が多いですが、Androidではパソコン同様にWebプッシュ通知を受けることもできます。
即時性がある
プッシュ通知は文字や画像、リンクなどの数に制限があるためメルマガより簡易的なものになります。しかし、メルマガにはない即時的なリアクションを得られやすいという特徴があります。新着情報や期間限定のセールなど、すぐに見てほしい情報を扱う場合は、プッシュ通知を使うことでユーザーの購買意欲を高めるなど、様々な効果が期待できるでしょう。
未読メッセージも強調できる
プッシュ通知からアプリが開かれなくても、未読数を赤いマークで知らせるという対応が可能です。この赤いマークは「通知バッジ」や「通知ドット」といった名称で呼ばれています。これにより、ユーザーに対して新着メッセージがあることを知らせることができます。このようにプッシュ通知は一時的なものでなく、継続的にユーザーの目を引くことができるので、高い視認性があります。
幅広い層のユーザーにアプローチできる
プッシュ通知は、ワンクリックするだけでキャンペーンページや商品ページに遷移できるので、ユーザーにとってもアクションのハードルが低く、リピート顧客を増やすだけでなく見込み顧客の獲得にも適しています。また、Webプッシュ通知はアプリのインストールが必要ないため、さらに通知をオンにするまでのハードルが低く、より見込み顧客への効果が大きいといえるでしょう。
プッシュ通知の種類
アプリのプッシュ通知は、リモートプッシュ通知とローカルプッシュ通知の2種類に大きく分けることができます。それぞれ順を追って説明していきます。
リモートプッシュ通知
スマホがオンライン環境にある場合にアプリから発信されるプッシュ通知です。リアルタイムでの通知が可能で、ニュースやキャンペーンなどの告知に適しています。スマホがオフラインになっている場合は通知されません。
ローカルプッシュ通知
特定の条件を満たした場合にアプリから発信されるプッシュ通知です。アラームやカレンダーのイベント通知、位置情報などによってプッシュ通知が発動します。スマホがオフライン環境であっても配信可能です(位置情報を使ったものを除く)。
そのほかのプッシュ通知
プッシュ通知の種類をもう少し細かく分けると、ジオプッシュ、セグメントプッシュ、ビーコンプッシュといったものが挙げられます。ジオプッシュとは、プッシュ通知に位置情報を紐付けしたようなもので、特定のエリアに入ったユーザーに通知を配信するもののこと。例えばユーザーがお店に近づくとクーポンを配布するといった活用方法が可能です。
セグメントプッシュは、ユーザーの属性やアプリの使用状況などによって対象を絞り、パーソナライズされたプッシュ通知を行う方法です。細かな設定を行うことができるので、ピンポイントに発信することが可能です。
ビーコンプッシュとは、ビーコンと呼ばれるBluetooth発信機器を使ったプッシュ通知のことです。スマホがBluetoothの通信圏内に入るとプッシュ通知が行われます。仕組みとしてはジオプッシュに似ていますが、より狭い範囲を指定することができ、オフラインの環境でも利用することが可能です。
このほかにもWi-Fiと連動した種類などもあります。これらをうまく利用することで、プッシュ通知を最大限に活用することができます。
プッシュ通知の仕組み
プッシュ通知の仕組みはiPhoneとAndroid、パソコン(ブラウザ)のそれぞれで異なります。また、先ほど説明したローカルプッシュ通知も仕組みが異なります。では、順を追って説明していきます。
iPhone
iPhoneでは、基本的にAppleのプッシュ通知サービス「APNs(Apple Push Notification Service)」を利用して配信されます。ユーザーがプッシュ通知をオンにすると、「トークン」という端末を識別するためのIDがAppleのサーバーに送信されます。アプリ運営側はそれによって配信端末を認識し、プッシュ通知を行います。なお、トークンには個人情報などは含まれていないため、秘密情報を取り扱うということはありません。
Android
Androidでは、Googleのプッシュ通知サービス「FCM(Firebase Cloud Messaging)」を利用して配信されています。こちらもAPNsと同じような仕組みをしており、ユーザーがプッシュ通知をオンにすると「トークン」がGoogleのサーバーに送信されます。ちなみにFCMはiPhoneへのプッシュ通知を行うことも可能です。
ローカルプッシュ通知
サーバーを経由しないため、アプリ運営側は特別な設定をする必要がありません。
パソコン(ブラウザ)
基本的にパソコン(ブラウザ)では、JavaScriptのpush.jsというものを使用しています。これを実装するとサイトに訪れたユーザーに対してプッシュ通知を促すポップアップメニューなどが表示されます。そしてユーザーが通知をオンにするとそのIDがJavaScriptの配信サーバーに送られ、以降はJavaScriptを経由してプッシュ通知が行われるという仕組みです。ちなみに、Service Workerという技術が使用されていることで、ブラウザが開かれていなくてもプッシュ通知が表示されます。
プッシュ通知の活用場所・活用方法
プッシュ通知はECサイトやオウンドメディア、ニュースサイト、キャンペーンサイトなど様々な事業において活用できます。アプリであれば起動回数、サイトであればアクセス数を伸ばすことが期待できるでしょう。 また、実店舗であってもアプリのプッシュ通知を活用することができます。先ほど紹介したジオプッシュやビーコンプッシュは、特定の位置情報に絞ってプッシュ通知を行えるので、来店者やイベントの来場者に限定してクーポンやお得な情報を配信することができます。
パーソナライズされたプッシュ通知
購買履歴やサイト内のデータ行動などと連携すれば、よりパーソナライズされた情報発信が可能です。例えば特定の商品を購入したユーザーだけにクーポンを配信するといったこともできます。これが先ほど紹介したセグメントプッシュです。
ただし、セグメントプッシュを行う場合は、必ずそのユーザーに適切な情報を届けなければなりません。ニーズとプッシュ通知の内容にギャップが大きいとユーザーは離れていってしまいます。様々なデータを活用して、適切なアプローチをするように心がけましょう。
プッシュ通知は大切なコミュニケーションツール
アプリを利用する際に会員登録が必要な場合を除き、プッシュ通知自体は電話番号やメールアドレスなどの個人情報を取得せずに、ユーザーに対して通知を行うことができます。また、通知を受けてからアプリやサイトにアクセスするまでの工程が少ないので効果が得られやすいでしょう。このようなことからプッシュ通知はユーザーにストレスを与えずに、コミュニケーションを図れるツールといえます。
しかし、手軽に行えるからといって、通知の頻度をむやみやたらに増やしてはいけません。通知が多いと受信オフにされてしまうだけでなく、アプリやサイトへの利用回数も減ってしまうおそれがあります。また、配信する時間帯にも気をつけましょう。緊急ニュースなどを除いて、基本的に早朝や深夜は避けたほうが良いです。
プッシュ通知はタイミングと内容をしっかりと見定めた上で、効率良く活用してください。
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