営業資料の作成方法を解説~デザイン、構成、作り方の基本を紹介~
営業職に従事する方々は、自身で作った資料を使い、顧客に商品やサービスの案内をする機会が多いと思います。
もちろん、受注につなげるにはプレゼンテーションの巧拙が大きく関わってくるとはいえ、営業資料の見やすさ、分かりやすさも重要です。
顧客やターゲット層によって、内容を細かく調整するなど工夫や配慮も求められます。
テンプレートを用いる場合でも同様です。訴求ポイントをどのように表現するかで結果は変わってくるでしょう。
本記事では、資料作りに悩む営業パーソンへ向けて、デザインや構成、作成の流れなどを取り上げます。
大事なのは考え方です。
苦手意識がある方はぜひ、参考にしてみてください。
なお、こちら、動画でも取り上げています。
目次
営業資料を作る際の心構え
営業資料を作成する際には、意識しておきたいポイントがいくつかあります。
当たり前のことですが、案外疎かにしている人も多いのではないでしょうか。
しっかりと念頭に置くようにしてください。
さまざまな人の目に触れる可能性がある
営業資料は、営業先の担当者だけでなく決裁権限を持つ上層部、そして社長まであらゆる人の目に触れる可能性がある文書です。作業に取り掛かるときには、このような事情を踏まえて、誰が読んでも理解しやすく、適切な表現でまとめたフォーマルな資料に整えておく必要があります。営業資料は独り歩きするものです。面識がある担当者だけを想定して、軽い気持ちで作成するのは避けましょう。
資料が使われるのは一度だけではない
打ち合わせなどで営業先の担当者に渡した資料は、その後、ほかのシーンで使われることも考えられます。
提出された営業資料が高評価を得た結果、複数のコンペにノミネートされることもあるでしょう。
一つの案件に対する資料がきっかけで、大型受注も夢ではありません。
だからこそ、なるべく普遍的に伝わり、汎用的に使えるものを作るように意識しましょう。
資料は企業全体の信用度にもつながる
営業資料の良し悪しによって信用度に関わってくるのは、決して営業担当者(作成者)だけではありません。所属する組織、そう、会社全体に影響を及ぼす可能性が高いといえます。企業間同士の関係を良好に築くうえでも、営業資料は一役も二役も、否、それ以上買うものなのです。
営業資料を作るときのコツ
営業資料の作成に、果たしてコツはあるのでしょうか。
強いて述べるならば、スムーズに進行できる手順は存在すると考えます。
いざ着手するときに困らないよう、以下、チェックしてみてください。
プロセスを踏んで作成を進める
営業資料の作成は、準備、作成、見直しといったプロセスが大事です。これらを設けることで進捗管理も容易に行えると思います。
なかでも準備は必須。具体的にはターゲット層の設定など、商品を売り込む前段階の情報整理が肝要です。
加えて、マーケティング分野での定番のフレームワーク「AIDMA」を活用してもいいでしょう。
消費者の心理状態を、Attention(注意)、Interest(興味)などの複数の段階にわけ、資料作成に落とし込めれば、シナリオ展開もスムーズになるものと思われます。
戦略がロジカルに機能するため、営業活動全体においても良い影響を与えるはずです。
状況に応じたボリューム、様式を選ぶ
関心を集めやすい営業資料を作るには、ボリュームや様式も大切な要素です。
いうまでもなく、量と質は比例しません。むしろ、不要な説明を多く盛り込んでしまっては、もっとも伝えたいポイントが薄まる可能性も出てきます。もちろん、必然であればボリューミーな資料でも構いません。
また、様式に関しても、伝える相手の心情に寄り添うことは意識しておきたいところです。
たとえば、テキストメインではなく写真や図版、ギャラリー中心の資料の方が、うまく訴求できるかもしれません。
読む人に対する配慮は、どうしたって大切です。
営業資料の内容でおさえるべきポイント
心構えやコツを踏まえて、やはり肝心なのは内容です。
営業資料は、相手の心を動かすもの、ひいては行動喚起につながるものとして機能させなければなりません。
そう伝えると難しく思えますが、実は意外とシンプルです。
顧客側にとってのメリットをアピールする
営業資料は、独り善がりのものになってはいけません。
サービスのウリや強みがただあるだけでは、価値は生まれないのです。
いくら、特長をアピールしても伝える相手のメリットにならなければ、心を動かすことはできないでしょう。
あくまで言及すべきは、その機能、特長が顧客にとってどのようなメリットになるのか。
加えて、どう悩み解決へとつながるのか。
さらにいえば、ふさわしいデータはどれか。
この辺りのシナリオ展開をコストパフォーマンスとあわせて丁寧にまとめて伝えられたならば、おそらく利用や導入を前向きに検討してもらえるチャンスは広がるでしょう。
注釈の徹底、一般用語への変換
営業資料の中に頻繁に専門用語や略語が登場するのは、正直あまりおすすめできません。
分かりにくい、小難しい資料は、ストレスを与えかねません。
専門性が高い分野の商品、サービスについては、特に注意が必要です。
「注釈を付ける」、「正式名称も併せて記載する」「一般用語で説明する」「親しみやすい例を挙げる」……等々、細部にこだわるようにしましょう。
営業資料のデザインについて
営業資料において、もちろんデザインも大事です。
かといって見栄えにこだわりすぎる必要はありません。
大事なポイントはやはり、読む人の立場になることです。
読みやすさを優先する
営業資料で大切なのは、読みやすさです。カッコよさでもオシャレな風合いでもありません。そのうえで意識すべきは、まず使用するカラーです。
カラフルな資料よりも、白、黒、もう1色の計3色程度の方が読みやすくなります。
次に、文字と図のバランスです。読み手に与えるストレスを減らすべく、セオリーとしてはテキストの量をページ全体の4割以下におさえるといいでしょう。
そして、フォント。一般的に視認性として優れるのはゴシック体といわれますが、臨機応変に統一感のあるタイプを選べば問題ありません。
いずれの要素でも伝えたいのは、あまり凝りすぎると、かえってよくないということです。時間の浪費も感心できません。
“シンプルイズベスト”の考え方が無難です。
各ページ内で伝えるメッセージ(趣旨)は一つ
視認性を考慮するならば、訴求ポイントが一つのページに集中することも避けたいところです。
読み手の混乱を防ぐ点もさることながら、1ページごとに趣旨が独立している方が、メッセージのインパクトを高めるうえでも効果的でしょう。
営業資料の構成を工夫し、論理性を強化させる方法
構成は、営業資料を作るにあたって、もっとも大事な要素の一つといっても過言ではありません。
ただ漠然と商品の良さや費用が羅列されていても、そこにロジックがなければ、読み手がメリットだと認識することはなかなか難しいと思います。
資料で伝えたいことをしっかり理解してもらうには、どのような構成、展開であればいいのでしょうか。
そういうわけで、常套手法として一般的なものを本章にて挙げます。
初心者や資料作りに慣れない方は、ぜひ試してみてください。
顧客の悩みや問題を起点にする
資料の起点に、顧客の悩みや問題を置くことで、当事者である相手の興味を引く可能性が高まります。
導入文も大事です。課題を並べ、同じような悩みを抱える人が多いことなどに言及しましょう。
読み手の心情を考えると、ページを追うごとにうまくいかなかった理由や解決策などが露になれば、徐々に期待値が向上していくはずです。
その結果、読後に紹介した商品やサービスへの興味がピークになりやすいと考えます。
最終目標を明確にする
当然、ゴールを意識させることが営業資料には欠かせません。
つまりは、購入や契約に結びつけることです。
いうなれば、営業側の最終目標に向けて説明を展開していく必要があります。
前述の通り、導入部分で悩みや問題を意識づけさせ、その理由を紐解き、自社の商品、サービスの特徴やメリットを具体的に紹介すれば、段々と惹きつけることができるでしょう。
プレゼン説明も加われば、相乗効果で目標地点にグッと近づくはずです。
営業資料を作るときの注意点
ここまで述べてきたコツやセオリーだけでも、うまく反映することができれば、最低限の営業資料として仕上がるとは思います。しかし、落とし穴があるのも事実です。
本章で紹介する注意点もしっかりおさえておきましょう。
インパクトに固執しない
資料にインパクトを与えることをテクニックの一つだと考え、デザインスキルが追いつかないにもかかわらず、派手な色使いやレイアウトを設ける方が時々見受けられます。
確かに、それらを上手に活用すれば一定の成果が期待できるかもしれません。しかし、大抵は逆効果です。
デザインや構成のインパクトにこだわるあまり、自社の商品やサービス、伝えたいメッセージの印象が隅に追いやられてしまっては、本末転倒も甚だしいでしょう。
主張がぶれないようにする
説明過多になることで主張がぶれるケースがあります。軸となるメッセージは何か。そこをはっきりさせたうえで、各ページ間での矛盾が起きないよう、慎重に作成することが大事です。
防止策はいたってシンプル。できあがった資料の見直しをきちんと行うことです。
プレゼンの際も軌道修正が難しくなるため、営業資料内での齟齬にはくれぐれも注意しましょう。
基本に忠実な営業資料を作成しよう
質の高い営業資料を作るためには、意外にも基本に忠実であることが肝要です。
予備知識がない人が読んでもわかるシンプルな説明文やデザイン、丁寧な構成は、いずれも重要。もはやこれらは顧客に対する思いやりの寸度といってもいいかもしれません。
闇雲にその商品、サービスの魅力を伝えるのではなく、無理やりに相手を納得させるのではなく、まずは読む側の視点で、欲しい情報は何かを考えるようにしましょう。
そうこう手順立ててトピック(ページ)を積み重ねていけば、立派な営業資料ができあがるはずです。
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