検索エンジンの種類を一覧で紹介!仕組みやブラウザとの違いも簡単に解説
私たちが常日頃使っているGoogleやYahoo!以外にも、世の中には無数の検索エンジンが存在します。個人情報保護に強いものもあれば、複数の検索エンジンの結果をまとめて表示するもの、自然言語検索が可能なものや、演算が得意なものまで様々です。
本記事では、日本・海外で人気の検索エンジンや、個人情報に強い検索エンジン、独自性がありユニークな検索エンジンを一覧にしています。特徴を把握したうえで、用途によって使い分けるのもありです。ぜひ試してみてください。
目次
検索エンジンとは
検索エンジンとは、検索窓に入れたキーワードに対して、世界中から関連性の高い情報を探し出して一覧表示してくれるシステムのことを指します。「サーチエンジン」とも呼ばれています。
日本国内、海外ともに1番有名な検索エンジンは「Google」です。スマートフォンやパソコンで、当たり前のように使っている人も多いです。
検索エンジンの仕組み
検索エンジンは、当初は人手で情報収集・登録を行う「ディレクトリ型」でしたが、近年はプログラムが自動的に収集したキーワードで検索する「ロボット型」が支流です。
クローラーと呼ばれるロボットが「クローリング(情報の発見)」をし、回収した情報をデーターベースに「インデックス(情報の蓄積)」します。このインデックスの中から、関連性の高いページを自動的に選出して「ランキング(順位付け)」を行う仕組みとなっています。
検索エンジンとブラウザの違い
ちなみに、混同されやすい検索エンジンとブラウザは全く別物です。ブラウザは、Webサイトを閲覧するための箱(ソフト)で、検索エンジンは情報を検索するための手段(ツール)です。ブラウザの設定で、利用する検索エンジンを変更できます。
日本で定番の検索エンジン
参照:Search Engine Market Share in Japan | Statcounter Global Stats
2024年4月時点で、日本国内の検索エンジンのシェア率は「Google」「Yahoo!」「Bing」の3種類がトップです。中でもGoogleはダントツで利用者が多いです。
各検索エンジンがどういったものなのか、簡単に解説していきます。
公式:Google
Googleは国内外ともにトップシェアを誇る検索エンジンです。検索アルゴリズムという独自のプログラムを利用して、いろんな指標から検索結果を決定しています。アルゴリズムは定期的に更新されており、頻繁に順位変動しています。
検索結果の上位に表示するためには知識やテクニックが必要とされていますが、ユーザーファーストをいう企業理念に基づいているので、ユーザーのことを第一に考えた検索結果になっています。調べたいことをすぐに調べられる、使い勝手の良い検索エンジンです。
Yahoo!
公式:Yahoo!
Yahoo!は、Googleが誕生する2年ほど前からある検索エンジンで、国内では名前を知らない人はいないほどです。現在、Yahoo!のアルゴリズムはGoogleのものを採用しているので、検索結果の精度はほぼ同じと言えます。
ただ、Yahoo!が検索以外に提供するサービスも同時に利用してもらえるよう、独自のカスタマイズをしています。検索以外の機能も使いたいなら、Yahoo!は便利です。
Bing
公式:Bing
Bingは、Microsoft社が提供している検索エンジンです。Microsoft Edgeブラウザでは、Bingしか利用できません。検索エンジンのプログラムは独自の技術が使われており、細かい絞り込み検索が可能です。
中でも、動画検索には定評があり、サムネイル表示がわかりやすい、カーソルを当てればプレビューが表示されるなど使いやすさも考慮されています。動画検索においては、Googleよりも検索しやすい検索エンジンと言えます。
海外で人気の検索エンジン
海外で人気の検索エンジンは、日本同様に「Google」です。9割のユーザーが利用していると言われているほどです。そのほか、海外で人気がある検索エンジンを3つ紹介します。
Yandex
公式:Yande
Yandexは、ロシアで人気の検索エンジンです。アメリカのシリコンバレーに子会社を設立したので、ロシア以外でも徐々に利用されています。検索エンジンの仕様自体は、機械学習のアルゴリズムを使用しているのでGoogleに似ています。UIもシンプルで使い勝手は良いです。
自国のロシア語以外に、英語・日本語・トルコ語にも対応しています。多言語対応が求められる観光向けのインバウンドマーケティングとして活用するならアリです。
DuckDuckGo
公式:DuckDuckGo
DuckDuckGoは、ユーザーの個人情報保護をポリシーに掲げていることから、プライバシーに関する不安に対して徹底的に向き合っている検索エンジンです。個人情報や検索履歴は一切記録されないので、情報漏洩などのリスクを懸念する人に人気が出ています。
また、搭載システムが優れている点も無視できません。検索窓の最初に“!”を入力することでサイト内検索を行える「!bang」やキーワードとの組み合わせでQRコードを生成できるなど、独自で魅力的な機能が搭載されています。
百度(Baidu)
公式:百度
百度は、中国のGoogleと言われており、中国語を中心とした全文検索が得意な検索エンジンです。検索機能のほか、ニュース、Webサイトナビ、知恵袋(Q&A)、ドキュメント共有など多くのサービスが展開されています。
そもそも中国では、海外の検索エンジンや、Twitter・InstagramといったSNSを使用することができません。なぜなら、「グレート・ファイアウォール」と呼ばれる中国全土に敷かれたネット検閲システムがあるからです。そうした背景もあり、飛躍的に認知が向上した結果、現在のように世界規模で使われる検索エンジンにまで成長しています。
個人情報保護に強い検索エンジン
先に紹介した「DuckDuckGo」もそうですが、個人情報保護に力を入れている検索エンジンは豊富にあります。そういったセキュリティ面が強い検索エンジンをいくつか紹介していきます。
Gibiru
公式:Gibiru
Gibiruは、フィルターをかけないプライベート検索が特徴です。アドオンをダウンロードすれば、全ての検索がプロキシIPアドレスを経由します。これによりフィルターがかかってないプライベートな検索結果を表示できます。また、検索履歴もサーバーに保存されません。
バランスの取れた情報を入手したい場合やプライバシーを重視したい方にとっては、間違いなく適している検索エンジンと言えるでしょう。
StartPage
StartPageも、DuckDuckGo同様にユーザーのプライバシー保護を重視した検索エンジンです。検索履歴の保存、ユーザーの追跡を一切行わないので、情報漏洩の心配がありません。
複数の検索エンジンの結果を一目で見れるのも特徴的です。これは「メタ検索エンジン」と呼ばれ、入力したキーワードを複数の検索エンジンに送信して情報を表示するものです。プライバシーの保護も考慮したうえで、Google、BINGなどをまとめて検索したい人におすすめです。
SearX
公式:SearX
SearXは、GitHubでコードが公開されているオープンソース型のメタ検索エンジンです。検索結果のパーソナライズを行わないため、サーバーにデータが保存されません。コードが公開されているので、独自のカスタマイズも可能です。ほかの検索エンジンにはないほど、自由度が高いのが特徴です。
Disconnect Search
Disconnect Searchは、トラフィックの暗号化によって追跡を防ぎ、ユーザーアクションを匿名のものにしてくれる検索エンジンです。掲げている「Stop search engines from tracking your searches(検索エンジンによる追跡を停止)」のコンセプトを地で行っています。
その他、公衆でWi-Fiを使用する際にIPアドレスを隠せる点も安心です。プライバシー保護にとことん寄り添っている検索エンジンです。
Swisscows
公式:Swisscows
Swisscowsは、スイスの企業「Hulbee AG」が提供する検索エンジンです。ユーザーの個人情報の収集や追跡を行わない点もさることながら、検索結果にポルノコンテンツを含まない仕組みが何より大きな特徴です。
なお、サーバーはヨーロッパで最も安全との呼び声も高い、アルプスの地下にあるデータセンター「SWISS FORT KNOX」に置かれています
MetaGer
公式:MetaGer
MetaGerは、プライバシー保護に焦点を当てたメタ検索エンジンです。ドイツの非営利団体が運営しているため、サービスに不可欠なデータ以外は断固として収集しない徹底ぶりなので信用できます。
GoogleやYahooといった有名度どころ含めて、50を超える検索エンジンから情報を収集しています。ユーザーの情報を保護するとともに、多様選に富んだ検索結果を表示してくれます。ちなみに、MetaGerをデフォルト設定するためのプラグインも用意されています。
Oscobo
公式:Oscobo
Oscoboは、ユーザーの匿名性を強化した安全性の高い検索エンジンです。トラフィックが暗号化されるため、追跡されることはまずありません。スクリプトやサードパーティーを使用していないので、ハッキングの心配もないです。個人情報の悪用に対しては必要以上に十分な備えを施しています。
Chromeの拡張機能を使えば、ChromeバーからOscoboで検索できるようになります。
Lukol
公式:Lukol
Lukolは、Googleカスタム検索を搭載している検索エンジンです。個人情報を収集しないため、匿名性を保ったまま使うことができます。また、通常のWeb検索だけでなく、画像検索、動画検索、ニュース検索などにも対応しています。用途が広く、検索エンジンに設定しておくと便利です。
ユニークな検索エンジン
実用性が高い検索エンジンがたくさんある中、独自でユニークなものも存在します。いくつか紹介していきます。
Infinity Search
Infinity Searchは、独自のインデックス技術を活用している検索エンジンです。検索履歴が残らないうえ、検索結果の高速表示、サイドバーによる複数検索など、機能が盛りだくさんです。オープンソースなのでカスタマイズも自由自在。怪しいWebサイトをブラックリストに登録して弾くこともできます。
Gigablast
公式:Gigablast
Gigablast はデータの追跡を行わず、マーケターやスパム業者からユーザーを保護してくれる安心の検索エンジンです。インデックス登録可能ページは120億以上、完全一致や言語・ファイルの種類などのフィルター検索、パーソナライズ用のオプションなど、痒いところに手が届く機能が盛りだくさんです。アドバンスドサーチ機能も備わっています。
WolframAlpha
公式:WolframAlpha
WolframAlphaは、Mathematica社が提供している検索エンジンですが、「応答エンジン」「計算知識エンジン」などと呼ばれることもあります。独自のアルゴリズム、知識ベース、AIテクノロジーを用いており、明確な質疑応答やサイト比較ができます。高度な数学の問題も難なく処理してくれる専門家向けの検索エンジンです。
Ecosia
公式:Ecosia
Ecosiaは、環境に優しい検索エンジンです。運営会社「Ecosia GmbH」が、検索広告で得た利益の80%以上を、植林・森林再生活動を行う非営利団体へ寄付しているからです。上記の画像でもあるように、実際にどれくらいの植樹を植えたのかをカウントしています。過去には、ブルキナファソ北部で砂漠を再緑化するプロジェクトにも支援しているほど環境問題に取り組んでいます。
Ask
公式:Ask
Ask(以前はAsk Jeeves)は、Q&Aサイトの情報を含んだ検索結果が表示される、自然語検索が可能な検索エンジンです。質問を入力すれば簡単に情報を得られるので、検索に不慣れな人や高齢者でも使いやすい仕様となっています。
Boardreader
公式:Boardreader
Boardreaderは、オンラインフォーラムやメッセージボードから情報を見つけることができる検索エンジンです。検索キーワードを含むメッセージボードや、ユーザー同士が議論しているコンテンツを探すことで、欲しい情報が手に入りやすくなります。
SEO対策するならGoogle一択で良い
Webサイトを運営していてSEO対策を行う人であれば、検索エンジンは「Google」一択で良いです。その理由は、日本・海外ともにトップを誇るシェア率、かつGoogleが世の中のSEOの基準になっているからです。
Googleの検索エンジンの仕組みを読み解き、公式ガイドライン「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」を理解することがSEOへの近道です。
別の目的があるなら検索エンジンを使い分けるのも一興
無数にある検索エンジン。何となく使うなら、すでにスマートフォンやパソコンに導入されている「Google」「Yahoo!」「Bing」で十分です。ですが、Web業界にいるのであれば、馴染みがないからといってスルーのはもったいないです。
個人情報を保護したいときは「DuckDuckGo」、メッセージボードを見つけたいときは 「Boardreader」 、計算結果を知りたいときは「WolframAlpha」のように、目的別で検索エンジンを使い分けてみると良いです。思ったよりも使いやすい可能性があります。本記事を見て気になった検索エンジンがあれば、ぜひ使ってみてください。
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