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2024年のSEOを振り返る~SEOの今後や最新トレンド~

2024年のSEOを振り返る~SEOの今後や最新トレンド~

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2024年はSEO業界にとって大きな変化の年だったといえます。計4回のコアアップデートや漏洩したGoogleの内部文書など、業界に大きな影響を与えた出来事があったため、SEOの本質を改めて考えるきっかけとなりました。

そこで、本記事では2024年に起こったSEO関連の出来事を振り返ります。SEOの今後や最新トレンドとあわせてご覧ください。

2024年のSEOに関する主な出来事

2024年に起きたSEOに関する出来事を月ごとにまとめました。特に重要な出来事をピックアップしていますので、ぜひご覧ください。

1月:「この結果について」からキャッシュボタンが削除

Googleが、「この結果について」からキャッシュを確認できるリンクボタンを削除しました。

以前は、URLの横にある縦三点リーダーをクリックした際、「この結果について」のパネルの最下部にページのキャッシュを確認できるリンクがありましたが、現在では削除されています。
現在、「この結果について」は「ソースについて」に名称変更されています

2月:SEOスターターガイドの改訂版をリリース

Googleは、「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」を改訂しました。英語バージョンのみでしたが、日本語バージョンも公開されています。

今回の改訂は、初心者向けに不要なセクションが削除・簡潔された内容になっています。大きく変更された内容は以下のとおりです。

用語集

  • 改訂前は、SEOに関する専門用語をまとめた用語集が存在しましたが、削除された代わりに個々の用語を文章内で説明しています。

構造化データ

  • 多くのCMSでは自動化が進んでいるため削除されました。

モバイルフレンドリー

  • 現在では、サイトやプラットフォームのほとんどがモバイルフレンドリーになってるため削除されました。

サイトパフォーマンスの分析

  • 内容が初心者向けの資料には不向きなため、セクションが削除されました。

その他、重複コンテンツのセクションの追加や、動画用の短いセクションなども追加され、初めてSEOに触れる方でも把握しやすい内容に改訂されました。

3月:コアアップデートとスパムアップデートが開始

2024年3月5日に「March 2024 core update」と「March 2024 spam update」が開始され、検索アルゴリズムの見直しと、寄生サイト対策を展開しました。

通常よりも複雑なコアアップデートのため、「ロールアウトに最大1ヶ月を要する可能性がある」「通常のコアアップデートよりもランキングの変動が大きくなる可能性がある」と公式でアナウンスされました。

スパムアップデートでは、「期限切れのドメインの不正使用」「大量生成されたコンテンツの不正使用」「サイト評価の不正使用」の3つのスパムポリシーを追加しています。

また、同じく3月5日は、検索品質評価者向けガイドラインが更新された日でもあります。AIによる低品質なコンテンツによってサイトの信頼が損なわれたり、人による関与がみられないコンテンツはE-E-A-Tの評価が低くなったりするなど、軽微な更新がありました。

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4月:「このページの詳細」が日本語で利用可能に

コンテンツ提供元に関する詳しい情報を表示できる「このページの詳細」が、米国では「more about this page」という英語名称で2023年4月に導入されていましたが、2024年4月に日本語でも利用可能になりました。

検索結果に表示されているWebコンテンツ内の情報ソースやトピック、画像などの情報を、日本語でより詳しく確認することができます。

5月:Googleでハッシュタグ検索が可能に

Googleでハッシュタグ検索が可能になったため、最新のトレンドを一目で把握しやすくなりました。キーワードの前に「#」をつけて検索するだけで、SNSやYouTube動画などのハッシュタグが使われた投稿のみ表示できます。

また、2024年5月は、Googleの内部文書が漏洩したニュースも忘れてはいけません。詳細は後述しますが大きな話題を呼びました。

6月:AIによる機械翻訳は高品質であれば問題ないと回答

GoogleのWebマスタートレンドアナリストであるJohn Mueller氏が、AIによる機械翻訳について「高品質であれば問題ない」と回答しました。
(参照:Google Search Central Blog

Googleでは、AI生成コンテンツに関するガイダンスで「品質の高いコンテンツであれば制作方法を問わず評価する」と述べているため、AIを活用してコンテンツを作成している方にとって信頼性を高めた有益な情報ではないでしょうか。

7月:Googleが内部リンクを活用したSEO対策動画を公開

2024年の7月に重大なニュースは特にありませんが、Googleの公式YouTubeチャンネルで、内部リンクを最適化してSEOを改善する方法の動画が公開されました。

動画内では、「適切なHTMLの使用」「目的に合致したアンカーテキストの使用」「コンテンツ構造を理解しやすい適度な量の使用」など、リンク構造だけでなく、ユーザー視点で内部リンクを設置するヒントについても解説しています。

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8月:Googleの新機能「AI Overview」が日本で展開開始

AI Overviewとは、Googleの検索結果に表示されるAIによる概要です。2024年8月26日に日本で展開開始しました。

検索クエリに対して複数の情報源から関連情報を統合し、検索結果として表示されるため複数のサイトを閲覧して情報を収集する手間を省くことができます。

ただし、検索結果ページでアンサーが表示されることで、サイトにアクセスせずに情報を得られるゼロクリック検索が増加する恐れが考えられます。

今後はAI Overviewを意識したSEO対策も意識する必要があるかもしれません。

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また、3月に続いて2024年の2回目のコアアップデートが開始されました。今月のコアアップデートだけに関わるような大きな特徴があったわけではないため、展開完了に必要な期間も一般的でした。

9月:Google検索のキャッシュ提供が完全終了

2024年1月に検索画面からキャッシュを確認できるリンクボタンが削除されましたが、同年9月にキャッシュ提供が完全に終了しました。

また、ページのURLの先頭に「cache:」を付けるだけで確認できるキャッシュ表示も削除されました。全てのURLに対して「cache:」コマンドで検索してもエラーページが表示されます。

「cache:」コマンドで表示されたエラーページ
「cache:」コマンドで表示されたエラーページ

10月:Googleがサイトリンク検索ボックスの廃止を発表

サイトリンク検索ボックスは2014年9月に導入された機能でしたが、2024年11月21日に提供を廃止するとGoogleから発表がありました。「利用頻度の低下」「検索結果をよりシンプルにするための取り組み」が主な削除理由です。
(参照:Google Search Central Blog

サイトリンク検索ボックスの廃止は、あくまでも視覚的な影響でしかないため、廃止にあわせたSEO施策はあまり話題になりませんでした。

11月:Googleが「ページレベルとサイトレベルのシグナルを使用している」と発表

Google検索ランキングシステムガイドが更新され、「ページレベルとサイトレベルのシグナルを使用している」ことを明確化しました。特に注目したい点は以下の記述です。

  • Google のランキングシステムはページレベルで機能するように設計されている
  • サイト全体のシグナルや分類子も使用され、ページの理解に役立っている

価値のあるページを作らなければ、ページの評価だけでなくサイト全体の評価も下がってしまう危険性があります。そのため、ドメインパワーによって高い評価を得ていたサイトの順位が下がる傾向があると推測できます。

また、同年11月に3度目のコアアップデートが実施され、Googleは「ユーザーが本当に役立つコンテンツをより多く表示し、検索表示で良い結果を出すためだけに作られたようなコンテンツをより少なく表示すること」と述べています。

Today we released the November 2024 core update to Google Search.
This update is designed to continue our work to improve the quality of our search results by showing more content that people find genuinely useful and less content that feels like it was made just to perform well on Search.

引用:Linkedin

近年のコアアップデートで、検索ニーズに合致していないページにも関わらず高いドメインパワーが理由で検索順位上位に表示されていたサイトが、クエリでの下落が顕著に生じていました。やはり、ユーザーニーズと独自情報が豊富に含まれたコンテンツが上位に表示される傾向があるようです。

12月:2024年4度目のコアアップデートが実施

11月のコアアップデート完了からわずか1週間で再びコアアップデートが開始されました。連続で実施された要因に何か特別な理由があったわけではなく、通常の運用に沿ったアップデートだと強調しています。

公式発表によると、コアアップデートを時間をかけず素早く完了したいというのがランキングチームの目標のようです。そのため、コアアップデーもリアルタイムで更新され、アナウンス自体がなくなる日も近いかもしれません。

また、12月にはWebP形式の画像がindex未登録となる状態が多数検出されました。しかし、未だ明確な原因は明かされていないため、Google公式から何か発表があるまで待つか、別の拡張子への置換が考えられます。

当メディアの画像がindex未登録になった推移
当メディアの画像がindex未登録になった推移

8月30日に、Google検索でAVIFが正式にサポート可能対象になり、AVIF形式の画像がindex登録されるようになったことが把握できます。AVIFは高画質かつ圧縮率が高いため、画像が多いコンテンツのページ速度の最適化が期待できます。

いち早く取り入れて競合サイトとの差をつけるのも良いでしょう。

漏洩したGoogleの内部文書から考えるSEO

2024年5月末にGoogleの内部文書が漏洩したニュースは、2024年のSEOに関する情報のなかで特に注目されたニュースではないでしょうか。

漏洩した情報では、Googleの検索アルゴリズムに関する詳細が含まれていましたが、これまで公式から発表した内容と乖離がある情報も含まれていました。特に注目すべき内容は以下のとおりです。

  • Chromeデータの使用
  • ドメインオーソリティの存在
  • クリック情報の重要性
  • 独自性の重要性とページの鮮度

Chromeデータの使用

Googleはこれまで、クリック数やChromeのユーザーデータが検索順位に影響しないと発表していましたが、漏洩した文書にはChromeのデータを収集・使用している可能性が示唆されています。

具体的にどのデータが検索順位のアルゴリズムに影響しているかは明らかになっていませんが、UXやサイトパフォーマンスの向上が検索順位に直接影響すると考えられます。

ドメインオーソリティの存在

Googleは、ドメインオーソリティの存在について否定していました。しかし、漏洩した文書には「siteAuthority(サイト権威)」の概念が存在するため、検索順位に影響を与えることが確認できます。

ドメイン全体における信頼性の評価が検索アルゴリズムに影響することを意味するため、信頼性の高いコンテンツの維持が重要といえます。

クリック情報の重要性

Googleの内部文書には、クリック情報が検索順位に影響を与えることも確認されました。「NavBoost」という検索シグナルが、検索クエリとページの関連性を測るため、過去13ヶ月分のクリック情報を学習しているとのことです。

また、Navboost関連のモジュールの配下に「goodClicks」「badClicks」「lastLongestClicks」「unsquashedClicks」などのクリックデータが収集されていることも明らかになりました。

特に、質の低いクリック数に該当する「badClicks」は、サイトにアクセスした直後にブラウザバックする行動を示すため、UXやユーザーニーズに寄り添ったテキストの重要性が窺われます。

ページの滞在時間を伸ばし、サイト全体の回遊性を高める施策がより重要になるため、A/Bテストの実施も効果的だと考えます。

ページの鮮度と独自性の重要性

ニュースサイトやトレンドに敏感なコンテンツなど、ページの鮮度が高いページが検索順位上位に表示されやすいという旨が改めて示唆されました。

また、以前から重要とされていた独自性ですが、漏洩したデータからも重要視されることが明白になりました。AIを活用した似たようなページが上位に表示されるとユーザーニーズにそぐわないため、より独自性のあるコンテンツが求められると考えます。

2024年の動向からSEOを考察

2024年の動向からSEOを考察

2024年は、合計4回のコアアップデートや、漏洩したGoogleの内部文書の内容など、さまざまな反響を呼んだ1年でした。2024年の動向から今後のSEOを考察します。

AIの活用拡大

ChatGPTを筆頭に生成AIの普及はSEO業界に大きな影響を与えました。手軽にコンテンツを量産できるようになったため、低品質コンテンツが検索順位に悪影響を与えるケースも見受けられます。

AI生成コンテンツに関するガイダンスでは「品質の高いコンテンツであれば制作方法を問わず評価する」と述べているとおり、ユーザーニーズに沿っていない記事や低品質コンテンツを含んだページは検索順位上位に表示されない傾向があります。

「AIの力を借りた記事」と「AIに書かせた記事」は大きく異なります。AIと人間の力を組み合わせたアプローチが、質の高いコンテンツへと導くことでしょう。

AI Overviewを意識したSEO対策

2024年8月にGoogle検索結果で「AI Overview」が表示される機能が日本でも導入されたことで、検索結果1位に表示されるページがAI生成の概要になる可能性も考えられます。

AI OverviewはWebサイトからの引用だけでなく、YouTubeからも関連情報を統合して引用します。8月以降に310%、9月以降は200%もYouTubeの引用が増加していると報告があったため、動画コンテンツの最適化が重要です。
(参照:Search Engine Land

また、AI Overviewは、Knowクエリで検索した場合に表示される傾向があります。そのため、「〇〇とは」「〇〇と△△の違い」などの疑問形や比較表現を含むキーワードを見直してみましょう。

ただし、記事と動画の両方がAI Overviewの情報元になれば、Google検索画面内にユーザーが求めていた情報が簡潔に表示されることで、サイトにアクセスする必要性が薄まります。

そのため、ゼロクリック検索が増える恐れも否定できませんが、一方で、AI Overviewと検索画面の両方でユーザーの目に付きやすい箇所に表示された場合は、流入量の増加が期待できます。

見通しが立たない内部対策ではありますが、急なリリースに備えるためにも今からAI Overviewを意識しておくことが大切です。

TikTokが新しい検索方法として台頭

Adobeが実施した調査によると、TikTokが検索エンジンとして利用されていることが明らかになりました。調査結果は以下のとおりです。

・アメリカ人の5人に2人以上がTikTokを検索エンジンとして利用
・Z世代の10人に1人近くは、検索エンジンとしてGoogleよりもTikTokを利用する傾向が強い
・半数以上のビジネスオーナー(54%)がTikTokをビジネスのプロモーションに利用しており、月平均9回投稿している
・中小企業オーナーの4人に1人が、商品販売やプロモーションのためにTikTokのインフルエンサーを利用している

参照:Adobe

TikTokが検索エンジンとして利用されている理由は、「ショートで簡潔な動画」や「ストーリーテリング」など、情報を得るのに適しているからと考えられます。他にも、パーソナライズされたコンテンツをコメントでレビューのように確認できる点も、好まれている要因かもしれません。

あくまでもアメリカで行われた調査のため、日本でそのまま適用することはできません。しかし、日本でもTikTokは人気のあるSNSのため、TikTokが検索エンジン代わりに使われる傾向は高まっていくのではないでしょうか。

若年層向けにBtoCビジネスを展開しているなら、SEO施策だけでなくTikTokといったショート動画を活用したマーケティング施策にもリソースを割くのが重要でしょう。

E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の必要性

2022年12月に、これまでの「E-A-T」に「Experience(経験)」が加わり「E-E-A-T」になったため、2023年のSEOでは実体験に基づくコンテンツが信頼を得やすくなると考察しました。

2024年は、2023年と比較してE-E-A-Tの重要度が大きく増加したかというと議論の余地がありますが、生成AIの台頭によって「Experience(経験)」は前年以上に重要になったと思われます。

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2024年のSEOまとめ

2024年のSEOまとめ

近年のAI技術の進化に伴い、ユーザーの検索意図を的確に捉えながら高品質で独自性のあるコンテンツを作成する重要性が高まっています。

2024年のSEOは、今まで正しい情報だと思っていた施策が、漏洩したGoogleの内部文書の内容と差異があったことで、混乱を招いた年でした。

TikTokを始めとしたショート動画やChatGPTが台頭してきたことで、検索エンジンのシェアが分散化している傾向があるため、検索結果の改善とSEO対策の重要性がより強調されたように感じます。

Googleの最新アップデートでは、E-E-A-Tの要素が重視されているため、経験や専門性、ユーザーニーズを考慮した「従来のSEOだけに頼らないコンテンツ制作」がより一層必要になるのではないでしょうか。

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この記事を書いた人

ニシオカ
美容外科のWebマーケ/ライターの経験を経て、サングローブへ入社。前職ではWebページだけでなく書籍の出版も担当。音楽を聴きながら執筆すると捗る。

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