海外向けSEOはこう攻める!サイトを多言語化しインバウンド客へアピールしよう
インバウンド客の増加やビジネスのグローバル化が進むなか、Webサイトの多言語化は見逃せないものになっています。この記事では、Webサイトを多言語化する方法や海外向けSEOのポイントについて説明します。
目次
Webサイトの多言語化が必要な理由
日本を訪れる外国人は年々増加しており、日本政府は訪日外国人観光客の目標数を、2020年に4000万人、2030年に6000万人としています。多くの自治体がインバウンド客の集客に力を入れており、今後もその数は増えると予想されています。
インターネットが普及したことにより、世界のどこにいても日本に関する情報が探せるようになりました。多くの外国人が日本を訪れる前に、日本のWebサイトにアクセスし、ショッピングや食事をするための情報を探しています。
Webサイトを多言語化してその人たちに適切な情報を提供すれば、インバウンド客の集客に効果的です。また、物流もグローバル化が進み、簡単に海外へ商品を届けられるようになってきました。
日本の人口は急激に減少することが予想されており、それに合わせて日本国内の市場もどんどん縮小していくでしょう。そのため、海外に向けての情報発信や商品の販売は欠かせないものになっています。海外に目を向け、Webサイトを多言語化することで大きなビジネスチャンスを掴む可能性があるのです。
Webサイトを多言語化する方法
Webサイトを多言語化するための手段として、Google翻訳などの自動翻訳サービスを利用する方法があります。自動翻訳サービスを利用すれば、コストをかけずにWebサイトを多言語化することができます。
ただし機械的に直訳するため、どうしても意味不明な文章になりがちです。外国語のサイトをGoogle翻訳で日本語訳してみるとわかるように、元の文とかけ離れた不自然な文章になってしまうのです。そのため、まったく意図しない文章となってユーザーの誤解を招く可能性も否定できません。
また、ターゲットとする海外のユーザーが検索に使うキーワードを適切に埋め込むことができないので、SEO的に弱いというデメリットもあります。
おすすめなのは、やはりプロの翻訳家に依頼して一文一文をていねいに翻訳する方法です。言語の専門家に依頼することで、ただ意味が通じるだけでなく、細かなニュアンスまで伝わるよう翻訳してもらうことが可能です。
ただし翻訳するページが増えると、当然依頼にかかる費用もそれだけ高くなります。日本翻訳協会によると、翻訳費用の平均は1文字あたり15円となっています。全体で10000字のテキストがあるサイトを翻訳すると、単純計算で15万円のコストが必要です。
海外向けSEOのポイント1:URLの言語別設定
海外の検索エンジンで上位表示させるためには、言語によってWebサイトのURLを分けることが大切です。
同じURL内にさまざまな言語で書かれたページがあると、検索エンジンはどの国に向けたWebサイトであるかを判断しにくくなります。すると、そのページは高く評価されなくなってしまうのです。
URLを分ける方法としては、まず言語によってドメインを別なものにする方法があります。事業がその国に進出している、またはその国でも商品を販売しているという場合は「○○○○○.cn」「○○○○○.fr」のような「国別トップレベルドメイン(ccTLD)」を取得するのもよいでしょう。
また、サブドメインを使ってURLを分ける方法もあります。サブドメインにする場合は、「cn.○○○○○.com」「fr.○○○○○.com」のように言語別や国別にするのがおすすめです。Google Search Consoleの「国によるターゲット設定ツール」を使用すれば、サブドメインごとに、どの国をターゲットにしているのかをGoogleに知らせてジオターゲティングすることが可能です。
サブディレクトリを使って、「○○○○○.com/cn/」「○○○○○.com/fr/」のようにURLを分ける方法もあります。サブディレクトリでもGoogleでジオターゲティングを設定できますが、ユーザーがパッと見でURLから国籍を判断しにくいという欠点があります。
海外向けSEOのポイント2:対策キーワードの決定
海外向けにSEOを行う際にも、日本語でSEOを行うのと同様にキーワードの選定が重要になります。
Googleは検索したユーザーに最適な検索結果を表示しようとしますが、この方針は日本でも海外でも変わりません。そのため「このページにはどんなコンテンツが含まれているのか」を、キーワードを使ってGoogleに知らせれば上位表示される可能性は高くなります。
海外向けのキーワードもGoogleのキーワードプランナーを使えば、どれぐらいの検索ボリュームがあるのかを調べることができます。
集客やビジネスにつながりそうなキーワードをピックアップしてみましょう。さらにそのキーワードで検索し、どんなサイトが上位に表示されているのかをチェックします。
日本国内から検索すると日本向けにローカライズされた検索結果しか表示されません。そのため「RankTracker」などのツールを利用するのがおすすめです。
チェックした結果を踏まえ、日本語で内部対策を行うときと同様の対策を行いましょう。たとえば「各ページのコンテンツを充実させる」「タイトル・見出し・本文にキーワードを使用する」といった対策が有効とされています。
海外向けSEOのポイント3:ホスティング
サイトを多言語化する際には、どの国のサーバーを使用するのかも重要です。Googleは、そのWebサイトのデータがどこに置かれているのかをIPアドレスに基づいて検出しています。
またGoogleは、「検索順位を決めるうえでサーバーの国籍が評価の対象になる」と正式にアナウンスしています。
たとえばイギリスのユーザーに向けたものであれば、日本よりイギリスのサーバーを利用したほうが高い評価につながります。そのため、主なターゲットユーザーがいる国籍のサーバーを利用するようにしましょう。
海外向けSEOのポイント4:タグで言語を設定
ページ内のタグを使って、どの国に向けたWebサイトなのかをGoogleに知らせることも、適切にインデックスしてもらうためには効果的です。「どの言語で書かれたページなのかを知らせるためにはhreflang」タグを使用します。
たとえばフランス語で書かれたページであれば、ページのhead内に、「<link rel=”alternate” hreflang=”fr” href=”http://fr.example.com/”>」のタグを貼り込むことで、フランス語のコンテンツであることを知らせることができます。
海外向けSEOのポイント5:対象国からのバックリンク
Googleでは、サイトを評価する際にバックリンクの数と質を重視しています。たとえば、行政機関や教育機関などからのバックリンクがある場合には、質の高いコンテンツのある信頼性の高いサイトであると判断されます。
海外向けのサイトでもバックリンクは重要です。ただし、どの国からのバックリンクなのかがポイントになります。
中国語で書かれた中国向けのサイトであれば、日本からのバックリンクが多くても高く評価されることはありません。当然、中国国内からのバックリンクの多いサイトが高く評価されます。
また、海外向けのサイトでも自作自演や購入したバックリンクは、不自然なバックリンクとしてGoogleのペナルティ対象となるので、注意が必要です。
海外向けSEOのポイント6:中国向けSEO対策
検索エンジンとしてのGoogleのシェアは高く、世界市場の約80%を占めているといわれます。
しかし、中国においては中国国内で開発された「百度(Baidu)」が検索エンジンの主流となっているのです。そのため、中国向けサイトのSEOを行う場合は、百度を意識したSEOが重要になります。
百度に登録されるためには、まずサイト構築の申請手続きを行うことが必要です。そのうえで、発行されるICP番号をサイトに記載し、百度にサイト登録をします。Googleであれば、サイト構築後に何もしなくてもクローラーが巡回してきてインデックスされますが、百度の場合には登録しなければインデックスされません。
また、インデックスされるまでに時間がかかる傾向があり、1カ月以上必要になる場合もあります。
なお内部対策については、基本的にGoogleと変わりません。
サイトの多言語化と海外向けSEOでビジネスチャンスにつなげよう
訪日外国人客の増加やビジネスのグローバル化に伴い、Webサイトの多言語化は今や必須とも言える対策となってきています。
海外のユーザーへ適切に情報を伝えることができれば、顧客や収益を増やせる可能性が高まります。
サイトを多言語化し、海外向けSEOを行って、ビジネスチャンスにつなげていきましょう。
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