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音声検索のSEO「VSO(音声検索最適化)」とは?特徴や対策方法をくわしく解説!

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自社の認知を広めるうえで、「Web検索における上位表示」がもたらす効果は非常に大きなものです。そのため現在では、自社メディアの「SEO対策」がWebマーケティングにおける基本戦略の1つとなりました。

一方で、ユーザーによるWeb検索のあり方はさまざまに変化しています。なかでも近年では、音声アシスタント機能の普及により、「音声検索」を利用するユーザーが増加傾向にあります。

このような動向から、音声検索に対して自社コンテンツの上位表示を目指す「VSO」という観点が注目を集めているのです。

この記事では、VSOの概要に加え、音声検索ならではの対策方法について、これまでのSEO対策との違いをふまえながら解説していきます。

VSOとは

VSOは「Voice Search Optimization」の略であり、日本語で「音声検索最適化」を意味します。たとえば「近くのレストランを探して」など、音声アシスタントを通じて行われた検索に対し、自社のコンテンツを上位に表示させるためのさまざまな施策を指す言葉です。

従来では、Web検索全般に対して上位表示を目指すSEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)がマーケティングの場面で重視される傾向にありました。しかし近年、SiriやGoogleアシスタント、Alexaといった音声アシスタントの普及を背景に、「SEOの音声版」であるVSOの重要性が指摘されるようになったのです。

音声検索においては、テキストによる検索とは「異なる語彙や言い回し」が用いられる傾向にあります。ここから、多様な検索形態において上位表示を目指すうえで、これまでのSEO対策に加え、別の角度からのアプローチが必要になると考えられています。

SEO対策については以下の記事・動画で解説しています。

SEOとまったく別の対策が必要なわけではない

ユーザーによる音声検索の機会が増えているとはいっても、従来のSEO対策がまったく無効になるわけではありません。後述のように、SEOの観点がVSOにおいても引き続き求められる面は多々あります。

一方で、音声検索の利用率が増加するにつれ、上位に表示されるページの傾向に多少なり変化が生じると予想されます。今後の対策として、これまでのSEOの観点に音声検索ならではの「プラスアルファ」を加えていくことが、VSOの基本的な考え方になるでしょう。

音声検索の利用シーン

音声検索の大きな特徴は、テキスト検索の場合に比べて「入力時間が短く済む」点と、「デバイスを触らず、画面を見ずに入力できる」点にあります。

一方で、検索の際に発声する必要があるため、衆人環境での利用は控えられる傾向が指摘できるでしょう。

こうした特性から、音声検索は「運転中」や「家事の最中」など、ユーザーがプライベート空間におり、なおかつ別のことで手が離せない状況で利用されやすいと考えられます。質問の内容としても、料理のレシピや近隣店舗など、インスタントな答えを期待するものが多くなると予想できるでしょう。

音声検索の普及状況

実際のところ、音声検索はどの程度利用されているのでしょうか。

アメリカ合衆国のコンサルティング会社「Perficient」が2020年に行ったアンケートでは、音声検索を「週に2回以上」行うユーザーが全体の4割を超えるとの結果が示されました。さらに、情報を調べる際によく使う手段として、上位3つまでに音声検索を挙げたユーザーは5割以上に上ります。

(参照:Perficient, Inc.“Mobile Voice Usage Trends in 2020”)

また、音声アシスタントの市場規模について、シンガポールの調査会社「Canalys」によるリサーチでは、スマートスピーカーの設置台数は2024年に世界で6億4000万台に上ると予想され、2020年から倍増するという見通しが示されました。

(参照:Canalys Newsroom “Global smart speaker market 2021 forecast”)

一方で、2019年に東京都の「株式会社イード」が行った調査においては、日本では米国や中国に比べて音声アシスタントの利用率が低い傾向が指摘されています。米国と中国では音声アシスタントに「日常的に話しかけている」あるいは使用経験が「10回以上ある」割合が約5割に上りますが、日本の場合には2割程度に留まりました。

(参照:U-Site「音声アシスタントに関する国際アンケート調査(1)」)

音声アシスタントは全般的に普及期にある技術と見なされており、他者の目がある環境はもちろん、現段階ではデバイスに話しかけること自体を躊躇するユーザーもいると考えられるでしょう。

とはいえ国内においても、音声アシスタントの需要は増加傾向にあります。東京都の「MMD研究所」の調査によれば、スマートスピーカーの所有率は2019年の14.7%から2021年には21.6%まで向上。Amazon EchoやGoogle Homeといったデバイスが普及するとともに、音声検索に対する抵抗感も薄れていくことが期待できるでしょう。

(参照:MMD研究所「スマートウォッチとスマートスピーカーに関する調査」および同サイト「スマートスピーカーに関する調査」)

その他、IoT家電やカーナビゲーションなどに音声アシスタント機能が搭載される例も多く見られるようになり、今後も音声検索が用いられる場面は増えていくと考えられます。

VSOでも重要なSEOの観点

音声検索においても、「ユーザーの検索意図に応えるページを表示する」というGoogleの基本方針は変わりません。そのため、これまで重視されていたSEOの観点は、VSOにおいても引き続き重要になってくると考えられています。

以下ではSEOにおいて重視される観点のうち、VSO対策としても必須となるポイントを解説していきます。

表示速度やセキュリティ

ページの表示速度やHTTPSによる保護など、SEO対策のベースとなる技術的なポイントは、VSOにおいても引き続き重要です。

とりわけ、PC・スマートフォンへのレスポンシブ対応は、スマートフォン等による利用が多く見込まれる音声検索において大前提といえます。ユーザビリティの面でも、レスポンシブへの対応や表示速度の向上は明確な差につながりやすいので、Webサイト構築の際にはまず意識しておきたいところです。

わかりやすく質の高いコンテンツの制作

ユーザーに役立つコンテンツを提供することは、SEO対策の基本であり王道ですが、それは音声検索への対策においても変わりません。ユーザーの疑問に答えたり、悩みを解消したりするうえで、情報を理解しやすい形で提示することがコンテンツ制作の原則だといえます。

たとえばテキストを作成する際には、なるべく専門用語を避け、1文が長く複雑になることを控えるなど、対象とする読者層を広く見込んでおくことが重要です。

さらに、見出しタグを適切に使い、目次を設定することで、「求めている情報がどこにあるか」を一目でわかるようにすることも意識するとよいでしょう。

そのほか、ホームページのアクセス数を増やす施策については以下の記事で解説しています。

強調スペニットを意識

テキスト検索においてはもちろんのこと、音声検索においてはとくに「強調スニペット」の重要性が指摘されています。強調スニペットとは、言葉の定義などを尋ねる検索に対して、関連性の高い文章を検索結果の最上部に表示する枠のことをいいます。

スマートスピーカーなど「ユーザーの音声検索に対してデバイスが音声で回答する形態」においては、このスニペット内の文章が読み上げられるケースが多いため、コンテンツを制作する際にはスペニットのフォーマットを念頭に置くとよいでしょう。

なお、オンライントレーニングを展開する米国の「BACKLINKO」がGoogle Home上で行われた音声検索1万件分のデータを分析した結果、強調スニペットとして読み上げられる文章は英文で「30語程度」の簡潔なブロックであることが示されました。

日本語においては90字~150字程度の文が表示される傾向にあり、「○○とは」という疑問に対し、キーワードを端的に定義づける文をページ内に意識的に用意する観点が求められるでしょう。

(参照:BACKLINKO“We analyzed 10,000 Google Home search results”)

VSOの対策ポイント

VSOにおいては、やはり音声ならではの対策ポイントにも留意する必要があります。以下では従来のSEO対策に加えて、VSOにおいて重視すべき観点を解説します。

会話表現を意識したキーワード選定

テキストベースでの検索に比べ、音声検索はより「自然な表現に近い言葉」で行われる傾向にあります。たとえば文字入力では「新宿 ランチ」と打ち込まれていたものが、「新宿でご飯を探して」というように、1つの会話文として検索がなされることになるでしょう。

VSO対策に向けた観点としては、キーワード選定において会話体に近い語彙を選択するなど、「自然言語による表現」を意識した対策が求められます。

ロングフォームコンテンツで長いキーワードに対応

会話表現を用いた音声検索では、キーワードが長くなり、言い回しのバリエーションも豊かになっていくと考えられます。しかし、こうした傾向への対策として「それぞれのキーワードに対して逐一ページを作成しなければならない」わけではありません。

先に挙げたBACKLINKOの調査によれば、音声検索に対して「タイトルタグに正確なキーワードが現れる確率」はわずか1.71%であったといいます。こと音声検索においては、タイトルや見出しにおける「キーワードの完全一致」は重要なポイントではなく、むしろ「長文コンテンツ中にある小さなブロック」が抜き出される傾向が指摘されています。

ここから、「1つのキーワードに対して1つのページ」を用意するのではなく、「さまざまなキーワードに対して、ロングフォームコンテンツで対応する」ことが重要だとされているのです。

「質問に回答するコンテンツ」の掲載

音声検索を使う際、多くのユーザーはデバイスに会話調の質問文を投げかけます。そのため、「想定される質問への直接的な答え」を掲載したコンテンツの重要度が高まると考えられるでしょう。

具体的な方法としては、「FAQ」のページを用意し、質問と答えをセットで提示する対策が挙げられます。その際には1つの質問に複数の要素を混在させるのではなく、シンプルな質問に対して過不足のない回答を提示することで、検索意図に応えることが重要です。

「何」「誰」「どこ」「いつ」「なぜ」「どのように」という5W1Hを念頭に置き、ユーザーが知りたいポイントに対して「的確かつ端的な答え」を示すことが求められるでしょう。

ローカル検索への対策も

音声検索を利用する場面として、家から近隣の店舗を探したり、ドライブ中にハンズフリーで施設を探したりといったケースが想定されます。

位置情報と紐づいて行われるローカル検索は、実店舗をもつ企業などにとってダイレクトにビジネスチャンスへとつながります。音声検索を通じて、「近くのケーキ屋を探して」など、来店を目的とする質問も増えると考えられるため、Google ビジネスプロフィールへの登録などローカル検索への対応を充実させることが望ましいでしょう。

ローカル検索において重要な「MEO」の観点については以下の記事・動画で解説しています。

このように、VSOにおいては「ユーザーがどのようなシーンで音声検索を用いるか」という場面の想定と、「どのようなフレーズで検索をするか」といった表現面への配慮が求められます。「検索意図の把握」はSEO対策においても重要ですが、音声検索への対応としても、「誰がどんな状況で何の情報を求めるか」を常に意識したいところです。

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この記事を書いた人

鹿嶋 祥馬
大学で経済学と哲学を専攻し、高校の公民科講師を経てWEB業界へ。CMSのライティングを300件ほど手掛けたのち、第一子が生まれる直前にフリーへ転身。赤子を背負いながらのライティングに挑む。

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