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Web(ウェブ)アナリスト検定は意味ない?取得のメリットや難易度について解説

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インターネットの普及とともに、マーケティングにおいて「Web上の施策」の占めるウエイトが年々大きくなっています。同時に、Web上のさまざまなユーザー行動がデータ化されるなか、「数値をベースにした戦略立案」が経営に小さからぬ影響を及ぼすようになりました。

これにともない、現在ではマーケターやコンテンツ制作者にとって「Web解析の知識」が必須となりつつあります。こうした知識を体系的に身につける際には、「資格取得を通じた勉強」が有効な手段といえるでしょう。

この記事では、Google アナリティクスを中心としたWeb解析について学ぶ「Webアナリスト検定」について、概要や難易度、学習方法を解説していきます。

Webアナリスト検定とは

Webアナリスト検定は、一般社団法人日本Web協会(JWA)の運営する検定試験です。Webページのアクセス解析などを通じて、マーケティング戦略の足場を整えるための手段を学ぶことが目的とされています。

扱う内容としては、Web解析の基本的な知識や用語、分析手法に加え、とくに「Google アナリティクスの読み取りを通じたマーケティング施策の改善」に焦点が当てられています。Google アナリティクスにおいて「どこをどう見たらいいのか」、さらに「それをどのように改善につなげるか」を知ることが主眼とされているのです。

Webアナリスト検定の試験は単一のレベル設定であり、難易度としては初学者であっても十分に対応できる水準だといえます。そのため想定される受験者層としては、新人のマーケターやWeb担当者など、Web解析の基本的な知識や観点、データの活かし方を体系的に学びたい人が主に該当するでしょう。

Webアナリスト検定は意味ない?

現在、Web解析においてGoogle アナリティクスは欠かせないツールの1つです。しかし、具体的な数字の見方やマーケティング施策への活かし方について、体系的に学べる場は限られているのが実情だといえます。

もちろんデータ解析に関する検定資格は複数ありますが、Webアナリスト検定のように「Google アナリティクスの基本的な使い方」をメインに扱い、かつ「初学者でも学びやすい内容」を扱っているものはそう多くありません。

たとえばGoogle アナリティクス関連の資格としては、Googleが運営する「Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)」が知られていますが、これは初学者にとってハードルが高い面もあります。Googleによる専用の学習ガイドが公開されてはいるものの、カリキュラム体系や専門用語の使い方といった面で、Webに精通していない人にはわかりにくい部分も見られ、ゼロから学んでいくことが難しいケースも考えられるでしょう。

※Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)については以下の記事でくわしく解説しています。
Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)を解説!難易度や勉強方法は?

一方、Webアナリスト検定は、公式テキストのほか講義も用意されており、とくに「いきなりWeb担当にアサインされた」など基本的な知識の習得に急を要するケースにおいて有効な資格だといえます。

ただし、より発展的・専門的な知識やスキルを身につけたり、そのスキルを証明したりする必要がある場合には、他の資格へとステップアップしていくことが必要になるでしょう。

Webアナリスト検定で扱う範囲

Webアナリスト検定は、JWAの公式テキストに沿って出題されます。テキストは10章から構成されており、このうち基本的な検定範囲は以下の7章までです。

1.Webアナリストとは

Webアナリストに求められるスキルや、扱う業務の内容、データの基本的な扱い方について学ぶ単元です。

2.ユーザーフローに沿ったデータ分析の考え方

ユーザーが自社のWebサイトなどを訪れ、関心を深めていくフローを「流入」「回遊」「コンバージョン」「リテンション」という4つのプロセスに分け、「どの段階で離脱が起きているのか」を特定しつつ改善につなげていくための視点を学びます。

3.集客・流入

Web検索や配信メール、各種Web広告など、自社のWebサイトにユーザーを集めるためのさまざまな方法を知り、指標の見方などを学ぶことで具体的な流入状況を把握できるようになるための単元です。

4.回遊

Webサイトを設計する際には「ユーザーへの導線」を引くことになりますが、導線を最適化するには「実際のユーザーが設計に沿って動いているか」をチェックすることが必要です。ここでは、サイトのどの部分でユーザーの関心が低下しているのかを見きわめるため手法や計算式について学びます。

5.コンバージョン

Webサイトを訪れたユーザーのうち、どの程度が問い合わせなどの「成果」につながる行動をしているのか、という点を確認するための観点です。どのような経路で流入してきたユーザーが、どのような行動を経て成果に至っているのかを見定めるとともに、成果に至らないケースにはどのようなボトルネックがあるのかを指標から読み取る方法を学びます。

6.リテンション(リピート)

一度コンバージョンに至ったユーザーが、自社への関心を維持しているか、再び期待される行動を取っているのかを追っていくための観点です。どのような属性の顧客がどの製品を購入したかを検証するなど、リピーター獲得に向けた戦略を練るうえで欠かせない分析方法を学びます。

7.デジタルマーケティング概論

多様なデバイス、多様なメディアを包括したデジタルマーケティング一般について、さまざまなルートにおける顧客との接点の作り方や、多岐にわたるデータの活かし方を概説的に学ぶ単元です。

Webアナリスト検定の難易度

Webアナリスト検定の難易度は、初学者でも十分に対策できるレベルに設定されており、適切なステップを踏むことで着実に合格に近づけるでしょう。以下、検定の合格率や必要な勉強時間、対策方法について解説していきます。

Webアナリスト検定の合格率

JWAの公式サイト上では、所定の講座を受講した場合の試験合格率は80%程度と公表されており、資格試験としては相当に高い水準だといえます。

試験時間は80分であり、選択式の問題が70問出題されます。全体で75%の正答率で合格となりますが、各分野においてそれぞれ40%以上の正答率が必要です。

公式の過去問はなく、講座を通じた学習が推奨される

学習は基本的にJWAの公式テキストで進めていくことになるでしょう。さらに公式サイト上では、テキストの1章から7章を学習したうえで、所定の講座を受講することが推奨されています。

講座の受講は必須ではありませんが、公式テキストはボリュームがあり、要点を絞って学習することが難しい面もあります。一方、講座内では各章の重要事項についてポイントを絞った解説がなされるため、効率的に学習したい場合には受講を検討するとよいでしょう。

なお、公式の過去問は公開されていませんが、講座内では多くの練習問題が出題されますので、試験の形式にも慣れておけると考えられます。

必要な勉強時間

公式の講座は5時間(1日で完結)であり、事前に公式テキストを学習しておくことで、初学者でも十分に試験対策が可能とされています。公式テキストを独学するための時間を含め、概ね10時間~15時間程度の勉強が必要になると考えられるでしょう。

Webアナリスト検定の受検方法

Webアナリスト検定の試験は、所定の日程および会場で行われ、エリアによって試験の運営会社が異なる場合もあります。2023年6月現在、試験と講座は主に「株式会社Too」によって運営されており、講座はオンライン(Zoom)上で行われますが、試験は東京または大阪の会場での開催です。

各会場において試験は毎月実施されており、現状のところ東京では月に3日、大阪では月に2日のペースで開催されています。以下では具体的に、申し込みから試験までの流れを解説します。

受講日および試験日の選択

まずは公式ページの試験日程から、都合のよい日取りと会場を選択し、詳細リンクに移行します。

遷移先となる株式会社Tooの該当ページから申し込みフォームへと進み、試験のみを受けるか、講義とセットで申し込むかを決め、日程を選択しましょう。

その後、必要事項を記入したうえでフォームを送信すると、登録したメールアドレスに案内用のメールが届くので、それに従って検定料金を支払いましょう。

料金は講座と試験のセットで税込22,325円試験のみの場合で税込17,600円です。公式テキストは別途購入が必要なので、早めに購入しておくとよいでしょう。

なお、講座を受講する場合には、「受講した月から3ヶ月以内」に受験を済ませる必要があります。申し込み後に試験の日程を変更することも可能ですが、変更は「2回まで」と定められていますので注意が必要です。

講座を受ける場合

講座を受ける場合には、事前に公式テキストを購入し、試験範囲となる1章から7章に目を通しておくとよいでしょう。

申し込み後、講座の1週間前を目安に、講座で用いる資料が郵送されます。内容物をチェックたうえで保管しておきましょう。また、登録メールアドレスに受講用のURLが送付されますので、こちらも紛失しないよう注意が必要です。

その他、Zoomアカウントをもっていない場合には事前に作成し、カメラやマイクなどの環境面に問題がないか確認しておくことが望ましいでしょう。

検定試験

試験の1週間前までに受験の案内がメールで送付されるので、内容をよく確認しておきましょう。

当日は所定の会場に向かい、指示に従い試験に臨みます。試験はコンピューター上で行うCBT方式であり、試験後すぐに合否がわかるシステムです。

合格した場合には、2ヶ月ほどで認定証が発行されます。不合格の場合は、税込5,500円で後日再受験が可能です。

合格した際の特典として、JWAの会員権が1年間無料で与えられます。勉強会への参加や、会報誌・メールマガジンを通じてWeb業界の動向がチェックできるので、こちらも有効に活用していきたいところです。

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この記事を書いた人

鹿嶋 祥馬
大学で経済学と哲学を専攻し、高校の公民科講師を経てWEB業界へ。CMSのライティングを300件ほど手掛けたのち、第一子が生まれる直前にフリーへ転身。赤子を背負いながらのライティングに挑む。

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