【必見】Webライターにおすすめの資格6選!
フリーランスや副業でのビジネスを考える際、さまざまな媒体で執筆を手がける「ライター」は、とくに間口の広い職業です。なかでもインターネット上のコンテンツ制作に携わる「Webライター」は、クラウドソーシングなどで案件も多く募集されており、経験を問わず始めやすいといえるでしょう。
しかし、継続的に受注を安定させるためには、クライアントに対して自身の「強み」を積極的にアピールする必要があります。とはいえ「自分の書いた文章」を客観的に評価することは難しく、実績のないうちは「書き手としての自分をどのように差別化するか」に迷うこともあるかもしれません。
第三者の目にもわかるよう、自身の強みを打ち出す方法の1つに「資格の取得」が挙げられます。この記事では、Webライターに役立つ資格について、取得する意義や難易度の観点から紹介していきます。
目次
ライターになるために資格は必要?
「ライター」としての活動を開始するにあたり、特別な資格は必要ありません。キャリアを志したその日から「ライター」を名乗れることが、この職業の魅力でもあります。
しかし、「経験や実績がなくともライターになれる」という事実は、仕事を発注する側にとっては「成果物の質を担保されない」ことを意味します。やはりクライアントとしては、「しっかりとしたものを書ける」根拠を知っておきたいところでしょう。
ライターにとってその「根拠」となるのはまず「実績」です。しかし、経験がない状態で仕事を見つけようとする場合、「資格」の存在が実績の代わりになるケースも考えられます。とくにクラウドソーシングなどでは経験の浅いライターも数多く存在しているため、資格の有無は差別化のポイントとなるでしょう。
ライターとして一定の経験を積んでからも、日本語能力やメディアリテラシーなど、それまで身につけてきたことの復習・確認として資格の勉強は役立つと考えられます。「ライターとしての力量」には限りがないため、勉強を続ければそれだけ多くの力を得られるはずです。
また、Webライターの場合にはとくに、広告規制やメディア利用など「書く力」以外の観点が重要になる場面も多いです。「Webライティングの常識があるか」というポイントは、第三者から判断することは難しいため、資格として「Webコンテンツを扱えるだけのリテラシーがある」ことを示しておく意味はあるでしょう。
読み書き能力を高めるおすすめ資格
ライターはいわば「言葉を扱うプロフェッショナル」です。「書けて当たり前」の職業だからこそ、読み書きに関する基礎的な能力を着実に身につけておく必要があります。
細かな文法知識や語彙力は、「大まかに文意を伝える」うえでは必要とされないケースもありますが、論理的な裏付けを持って書かれた文章には確かな安定感が生まれます。受注を継続していくうえでも、「文章の確かさ」は大きな意味を持つはずです。
また、「ライター」というと「書くこと」に焦点が当てられがちですが、実際に仕事をするうえでは「読解力」が重要になることも多いです。クライアントとのやり取りや、資料の正確な読み取りなど、読む力は業務の円滑化につながります。
日本語検定
総合的な日本語能力を測る検定試験のなかでも、最大級の受験者数と知名度を誇るのが「日本語検定」です。「特定非営利法人 日本語検定委員会」が主催する検定試験であり、文部科学省の後援を受けていることからも、資格としての信頼性は高いといえるでしょう。
内容としては、日本語を扱う力を多角的に測定する試験であり、「漢字」「表記」「敬語」「言葉の意味」「語彙」「文法」といった観点から問題が用意されます。文章における言葉の意味を、緻密かつ論理的に確定する力が求められるため、ライティングにおいて細やかなニュアンスを確実に表現する能力が形成されると考えられます。
難易度:★★★
1級から7級まで用意されていますが、2級が「大学卒業レベル」とされているため、ライターとしてのアピールポイントとするには「1級」取得が望ましいでしょう。
対策としては市販の問題集などを通じた独学が基本となります。合格率は例年1割に満たず、難関資格の部類に入るでしょう。漢字や語彙のレベルも非常に高く、Webライティングにおいては見る機会の少ないような表現が並ぶことも特徴です。
出題範囲として「漢検準1級」相当の漢字が含まれるため、漢検を取得するメリットがある場合には同時進行で取得を目指すのもよいでしょう。時間をかけて対策し、地道に力をつけていくことで、資格取得後まで残るライティング力が身につくはずです。
受験方法
試験は年に2回、6月と11月に実施されます。6月分は3月~5月中旬の申し込み、11月分は8月~10月上旬の申し込みであり、日本語検定のサイト上からオンラインで申請可能です。その他、書店などから直接申し込む方法や、郵送による申し込みにも対応しています。
受験料(税込み)
1級:6,300円
2級:5,300円
3級:3,800円
4級:2,500円
5~7級:各1,800円
文章読解・作成能力検定
「文章読解・作成能力検定」は、漢検で知られる「公益財団法人 日本漢字能力検定協会」の主催する検定試験です。
日本語検定よりも「読み書き」に焦点を当てた検定であり、文章の内容把握、構成能力、表現能力といった力が問われます。実践的な内容が多く問われるのも特徴で、レポートやビジネス文書など、さまざまな形態の文書や資料を読み解く力が必須となるでしょう。
この資格の魅力は、ライティング能力を向上させるための「フィードバック」を得られる点です。検定結果とともに「不足している力」や「不足している力を伸ばす方法」などについてアドバイスが与えられるため、自身の力を客観視する絶好の機会となるでしょう。
難易度:★★
この資格の前身となる「日本語文章能力検定」においては「1級」が最高位とされていましたが、2013年に「文章読解・作成能力検定」として再編されてからは「2級・準2級・3級・4級」というレベル設定になっています。
最高位の2級であっても、求められるレベルは日本語検定ほどには高くなく、ライターとしては是非とも押さえておきたい基礎能力が問われる試験です。
資料や文章の読み取りに関する選択問題のほか、特定のテーマについての論説文作成、場面ごとのビジネス文作成といった記述問題も出題されます。対策としては、公式のテキストや過去問を通じた独学が基本となるでしょう。
受験方法
個人受験は年に1回、2月頃に実施されます。申し込みは公式サイト上から行えるほか、セブンイレブン・ファミリーマート・ローソン・ミニストップに設置された端末からの申請も可能です。
受験料(税込み)
2級:4,000円
準2級・3級:3,000円
4級:2,000円
メディアリテラシーに関する資格
書く能力が高くても、「Webメディアについてのリテラシー」がある程度なければ、依頼の要件やクライアントの意向が汲めず、仕事がスムーズにいかないケースも考えられます。
以下では、Webコンテンツの制作に携わるうえで、押さえておきたい基礎知識に関する資格を紹介します。
ビジネス著作権検定(R)
ライティングにおいては、資料の引用や参照など、他者の著作物を扱う機会は少なくありません。著作権について正しく理解しておくことは、コンテンツをめぐる法的トラブルを避けるうえで必須といえるでしょう。
著作権についての知識を問う検定試験は多くありませんが、代表的なものに「株式会社サーティファイ」の主催する「ビジネス著作権検定(R)」が挙げられます。著作物を扱うコンテンツ制作者向けに、基本的な著作権関係の知識を問う検定です。
著作権の知識は、クライアントからの信頼はもちろんですが、自身がコンテンツを扱ううえでの安心感にもつながります。テキストだけではなく、資料や画像、映像などの著作権についても理解できるため、取得しておく意義は小さくありません。
難易度:★~★★
レベル設定は「BASIC」「初級」「上級」の3段階であり、BASICは団体受験にのみ対応しています。初級は一般常識の範囲で答えられる問題も多く、取得難易度は低いといえるでしょう。
上級の取得も決して難しくなく、50時間前後の勉強で十分に対応できる水準です。対策としては、公式テキストを用いた独学が中心となるでしょう。
受験方法
初級は年に3回(2月・6月・11月)、上級は年に2回(6月・11月)の実施です。申し込みはオンラインでの受け付けとなります。
2021年度から試験形態が変更され、自身のPCを用いた「Web試験」となりました。受験の際には「PCのカメラ」と「スマートフォンのカメラ」両方を利用した「デュアルカメラ方式」が採用されるため、カメラ付のPCのほかスマートフォンも自身で用意する必要があります。
受験料(税込み)
上級:8,000円
初級:5,100円
Webリテラシー試験
「Webリテラシー試験」は、「社団法人 全日本能率連盟」に登録されている「Web検定(ウェブケン)」を構成する4つの資格のうちの1つです。「Web検定」はWeb制作に関わる者を対象とした試験であり、「Webリテラシー」のほか、「Webディレクション」「Webデザイン」「Webプロデューサー」の試験が用意されています。
このうち、Webリテラシー試験はもっとも初歩的な内容が問われる検定であり、Webプロジェクトの企画・進行や制作過程、集客施策など一連のプロセスについて基本的な知識が学べます。
ライティングに直接関係のある内容は少なく、ディレクター向けの傾向が強いものの、受注時や修正時のコミュニケーションにおける齟齬をなくすための知識として押さえておきたい内容も多いです。Web制作に関する前提知識がない場合はとくに、取得しておく意義はあるでしょう。
難易度:★
Web系の資格のなかでは基礎レベルに該当し、合格率は60~70%程度です。基本的には公式ガイドブックの内容から出題されるため、ガイドブックの内容を理解し、公式の問題集で練習する、という形が効率的でしょう。
受験方法
試験は各地のテストセンターで随時実施されていています。会場内のパソコンで回答する「CBT方式」による開催です。
申し込みはインターネットからのみ受け付けており、「J-Testing」のサイトから都合のいい会場・日時を選択する形になります。
資格には有効期間が定められており、2年ごとの更新が必要です。ただし、所持していることで受注の可能性が高まる、という類いの資格ではないため、知識を身につけ合格すれば、更新する意義は薄いかもしれません。
受験料(税込み)
11,000円
業務の円滑化におすすめの資格
Webライターの仕事は「書いて終わり」ではありません。自身の原稿をチェックしたり、クライアントや取材先と連絡を取ったりと、目につきにくい部分がビジネスにおける信頼性につながります。
以下では、ライティング業務を補い、受注の円滑化を図るうえで役立つ資格を紹介します。
校正技能検定
日本エディタースクール主催の「校正技能検定」は、誤字脱字や表記ゆれなどを指摘する「校正者」としてのスキルを測る検定です。
「校正」と「ライティング」は似て非なる技能ではありますが、誤字脱字などの「ミスの少なさ」はライターとして1つの長所となりえます。「校正の資格を持っていること」は、「自分で自分の書いたものをチェックし、正確性を高める力があること」を示すため、クライアントに対するアピールにもなるでしょう。
現在では校正を自動で行えるソフトも存在しますが、細かな文の構造や言葉の意味までチェックできる万能ツールはまだ普及しておらず、「ソフトに任せきり」とはいかない状況です。「文章のどこをどう変えると、文意やニュアンスにどのような変化が生じるか」といった観点は、経験を通じて磨かれていくものであるため、自動化が進む今後においても校正スキルは役立つでしょう。
講座の受講を必須とする検定であることも、校正技能検定の特徴です。取得に時間はかかりますが、校正のスキルを着実に習得できるため、校正の案件にも手を伸ばせるようになるでしょう。
難易度:★★★
難易度の設定は「初級」「中級」「上級」の3段階です。試験の難易度そのものよりも、この資格は「受験資格を得るまでのハードル」が高くなっています。
初級は「日本エディタースクール」所定のコースを履修した者に認定され、中級は校正の実務経験者や日本エディタースクールの校正講座修了者のみが受験資格を得られます。上級の受験には中級取得が条件とされるため、どの級を受験するにあたっても、校正経験者以外は「講座の履修」が必要です。
講座には全日制と夜間とがあり、いずれも期間は半年ほどにわたります。時間数も多く、夜間は2時間×48コマの96時間、全日制では218時間です。学費は夜間で205,940円、全日制で459,950円(いずれも税込み)と、費用面・スケジュール面の負担が大きい資格といえるでしょう。
受験方法
中級は年に2回、上級は年に1回の開催です。受験資格を得たうえで、サイト上に用意されたフォームから申し込みます。
受験料(税込み)
上級:9,900円
中級:8,800円
ビジネス文書検定
「ビジネス文書検定」は、社内外に対するビジネス文書を作成する能力を測る検定試験です。秘書検定などで知られる「公益財団法人 実務技能検定協会」主催の検定であり、文部科学省による後援を受けています。
ライター業を営むうえで、「コンテンツライティングは得意でも、ビジネス文書の作成は苦手」という人は少なくありません。案件をめぐるやり取りはメールなどの文書で行われることが多く、またコンテンツによってはライター自身が取材の申し込みをするケースもあるため、即座に違和感のない文面を用意できることは業務の円滑化につながります。
ビジネス文書検定の資格そのものは、所持していてもクライアントへの直接的なアピールにはなりにくいでしょう。とはいえメールなどの表現に不備があれば、ライターとしての信頼を損なう可能性も否定できません。自信を持って文面を作れるようになるということは、資格を取得する意義に十分なりうるでしょう。
難易度:★~★★
難易度は1級から3級の3段階であり、3級は合格率8割以上、2級も5~6割です。公式問題集も用意されているため、対策も難しくないでしょう。
1級は合格率3割程度とやや難易度が上がり、レベルとしては「部下などの作成した文面に添削・指導できる」水準とされています。ライターにとっては、資格を持つことが目的ではなく、不安なくビジネス文書を作成できることが目標となりますので、レベルとしては2級相当の知識があれば、支障を感じる可能性も低いでしょう。
受験方法
試験は年に2回実施され、申し込みはインターネットまたは郵送で受け付けています。公式ページから「個人受験申込」を行うか、郵送の場合には協会から願書を取り寄せ、必要事項を記入して送付する形です。
受験料(税込み)
1級:5,800円
2級:4,100円
3級:2,800円
専門性を高める資格
ライティングスキルを磨いていくことに加えて、特定の業界の専門知識を持つことで、Webライターとして差別化を図ることができます。
コスメライター資格
「コスメライター資格」は、「日本化粧品検定協会」が認定する資格です。美容ライターとしての基本が学べるベーシックコース(基礎科)と、プロとして評価されるライティングを学べるアドバンスコース(応用科)の2つのコースがあります。
ベーシックコースでは、ライティングや美容知識、薬機法、SEOの基礎など、美容ライターとしての基本を習得することが可能です。アドバンスコースでは、ターゲットに合わせた表現方法や、取材原稿の書き方、魅力的な写真の撮り方など、さらに踏み込んだ内容を学べます。
コスメライターの資格を取得することで、日本化粧品検定協会からライター求人の優先紹介や、出版社、化粧品メーカーなどからスカウトされるチャンスもあるため、美容ライターとして活躍していきたい人にとって、コスメライター資格を取得するアドバンテージは大きいといえるでしょう。
難易度:★~★★★
ベーシックコースの修了試験に合格した人のみ、アドバンスコースの受講が可能です。また、コスメライターの資格取得には、アドバンスコースの合格に加えて、特級コスメコンシェルジュの取得と日本化粧品検定2級の合格が必要となります。
ベーシックコースの合格率は53%(第8回)。アドバンスコースの合格率は37%ほどとなっています。
受験方法
ベーシックコースの試験は年に2回。アドバンスコースの試験は年1回実施。どちらもインターネットからのみ申し込みができます。
コスメライター養成講座の料金と受講料
ベーシックコース
一般:85,800円(受講料:79,200円・受験料:6,600円)
会員:46,200円(受講料:39,600円・受験料:6,600円)
アドバンスコース
一般 171,600円(受講料:158,400円・受験料:13,200円)
会員 92,400円(受講料:79,200円・受験料:13,200円)
受注に直結するのは「各業界の専門資格」
実際の案件を担当する際には、特定分野についての専門知識が要求されることも少なくありません。とりわけ医療や法律、金融・不動産関連などは案件も多く、受注の単価も高くなる傾向にあります。
クライアントとしては当然、専門性の高い案件は「その分野に造詣の深いライター」に担当してほしいでしょう。もともと所持している専門資格があれば、関連する案件を受注するうえで明確なアピールポイントとなるため、積極的にプロフィールなどで打ち出していきたいところです。
とはいえ、士業系やファイナンシャル・プランナーなど、需要の絶えない資格は取得難易度も高い傾向にあります。「その分野の専門ライターとして活動していく」という明確な指針なしには、挑戦することすら難しい試験も多いです。
専門資格の取得を考える際には、その分野の案件の多さと、自身の関心、取得の難易度を総合的に考慮する視点も重要でしょう。美容やファッション、グルメやエンタメなど、募集の多い分野から興味のあるものをピックアップし、関連する資格を探してみるといった方法が考えられます。
まとめ
ライティング関連の資格は、「日本語」という広範な領域を扱うがゆえに、対策に時間のかかるものが多い傾向にあります。「案件の受注を増やす」という観点からすると、リソースに対する効果は薄いかもしれません。
さらに、高い日本語能力を身につけたとしても、それが必ずしも評価につながり、原稿料に反映されるとは限りません。こうして見ると、ライティング関連の資格は「実利的メリット」に直結しにくい傾向にあるともいえるでしょう。
しかし、長く「書く仕事」に携わっていくうえで、資格で問われるような構成力や表現力、語彙力といった要素は、「ライターとしての基礎体力」を形成してくれます。この基礎なしにライター業を長く安定させることは困難であるため、キャリアの地盤を固めるという意味で勉強を進めることも、有効な観点となるでしょう。
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