WordPressとは?できることや始め方をわかりやすく解説
世界で最も使われているCMSのWordPress。ペラサイトをはじめ、企業のコーポレートサイトなど、幅広い用途に活用できます。しかし、「結局何ができるのか」「どう始めればいいのかわからない」という方も多いはずです。
そこで本記事では、WordPressの基本情報について解説します。ぜひ参考にしてください。
目次
WordPressとは
WordPress(ワードプレス)とは、ブログやホームページを簡単に作成できるソフトウェアです。「マット・マレンウェッグ(Matt Mullenweg)」と「マイク・リトル(Mike Little)」によって開発され、2003年5月27日に初版がリリースされました。
また、WordPressはCMS(※1)の一種です。プログラミング言語などの専門知識を必要とせず、初心者でも本格的なwebサイト運営が可能ということもあり、シェア率は世界で43.1%(※2)、日本では84.3%(※3)にのぼります。
個人ブログや店舗のホームページをはじめ、企業や官公庁のwebサイトなど、幅広いシーンで活用されています。
また、WordPressは定期的にアップデートされており、最新バージョンは2022年5月24日にリリースされた「6.0(Arturo)」です。
コアとなるソフトウェアなどにPHPファイルが多いのは事実ですが、そのような知識がなくても問題なく利用できます。
※1 Contents Management System(コンテンツ管理システム)の略称
※2 W3Techs.com「Usage statistics of content management systems」(2022 年 11 月 7 日))
※3 W3Techs.com「Distribution of content management systems among websites that use Japanese」(2022 年 11 月 7 日)
WordPressが人気の理由
圧倒的なシェア率を誇るWordPressですが、ここまで人気なのには理由があります。具体的には以下のとおりです。
- HTMLやCSSなどの専門知識が不要
- 無料でかつ手軽に利用できる
- 本格的な運用にも対応している
それぞれ詳細をチェックしていきましょう。
HTMLやCSSなどの専門知識が不要
WordPressを利用するにあたって、HTML・CSSなどの専門知識は必要ありません。記事の編集から公開、後述するテーマのカスタマイズまで、初心者の方でも簡単に行うことが可能です。
また、WordPressは多くのユーザーが利用しているので、操作に関する様々な情報がネット上に公開されています。多少のトラブルに関しては、Google検索で解決できる場合が多いです。
無料で利用できる
WordPressは完全無料のソフトウェアです。利用するにあたって、月額費用などが請求されることはありません。ランニングコストの心配がない点が大きな魅力でしょう。
しかし、以下の場合はお金がかかります。
- 有料テーマを購入する
- 有料プラグインを追加する
- サーバーとドメインを契約する
有料テーマ・有料プラグインに関しては、無料テーマ・無料プラグインで代替可能です。個人ブログや企業のコーポレートサイト程度であれば、全く問題ありません。
ただ、サーバーとドメインに関しては、必ず有料のものを契約しましょう。無料サービスを利用した場合、SEOの観点から集客に影響を及ぼす可能性が高いです。
本格的な運用にも対応している
手軽に始められるだけでなく、本格的な運用に対応している点もWordPressの魅力です。名刺代わりのペラサイトをはじめ、店舗集客用のホームページ、自社商品の販売サイト、企業サイトなど、幅広い目的に活用できます。
参考までに、「自社でサイト構築」「WordPress」「無料ブログサービス」の特徴を比較した表を作成しました。
自社でサイト構築 | WordPress | 無料ブログサービス | |
---|---|---|---|
HTML/CSSの知識 | 必須 | ほぼ不要 | 不要 |
サーバーの知識 | 必須 | 必須 | 不要 |
カスタマイズ生 | 高い | 高い | 低い |
特別な事情がない限り、初心者の方はWordPressでのホームページ開設をおすすめします。
WordPressのメリット
ここでは、WordPressのメリットについてご紹介します。
具体的には以下のとおりです。
- webサイトを簡単インストールで開設できる
- IT知識が無い方でも使いこなせる
- 豊富なプラグインで機能をカスタマイズできる
- 幅広い種類のwebサイトに対応可能
- テーマ設定でデザインにこだわれる
- 開発情報がネット上に出回っている
- チーム単位で編集できる
- スマホアプリに対応している
それぞれ詳細をチェックしていきましょう。
webサイトを簡単インストールで開設できる
WordPressで新規サイトを開設する場合、レンタルサーバーの「簡単インストール」を利用可能です。レンタルサーバーの管理画面から操作し、画面の指示に従えば、WordPressをそのままインストールできます。
IT知識が無い方でも使いこなせる
WordPressはITの専門知識がなくても使いこなせます。直感的な操作に対応できるよう、UI(ユーザーインターフェース)が非常に洗練されているからです。
HTML/CSSの知識がなくても問題ありません。画像の挿入や文字装飾など、編集作業も簡単に行なえます。
WordPressの使い方に関しては、こちらの記事で詳細を解説しています。
豊富なプラグインで機能をカスタマイズできる
プラグインとは、WordPressに新たな機能を追加できる仕組みのことです。上級者向けではありますが、以下のようなプラグインを利用すれば業務効率化を期待できます。
- Akismet
- Google XML Sitemaps
- Broken Link Checker
- All in One SEO
- Contact Form 7 など
WordPress公式が提供しているプラグインもありますが、その多くはサードパーティー製です。基本的にはPHPというプログラミング言語で作成されています。しかし、プラグインの追加自体はボタン1つで操作できるので、専門知識は不要です。WordPressでできることを増やしたい方は、色々試してみるのもいいでしょう。
幅広い種類のwebサイトに対応可能
WordPressは幅広い種類のwebサイトに対応可能です。個人ブログをはじめ、企業のコーポレートサイト、飲食店のECサイトなど、目的に合わせて作成することができます。
また、前述したプラグインを活用すれば、ECサイトの決済システムなど、必要に応じた機能を搭載することも可能です。
テーマ設定でデザインにこだわれる
WordPressには「テーマ」と呼ばれる機能が存在します。ホームページの外観を整える役割を担っており、ユーザーのサイト回遊率に影響を与えます。プラグインとの違いは以下のとおりです。
テーマ | WordPressのサイトデザインを整える |
---|---|
プラグイン | WordPressに追加機能を搭載する |
WordPressのテーマに関しては、世界中のデザイナーが作成したもので溢れており、幅広い選択肢が用意されています。
ただ、なかには有料のテーマも存在するので、導入する際はチェックしておきましょう。
開発情報がネット上に出回っている
WordPressは世界で最も使用されているCMSです。そのため、開発情報がネット上に出回っており、多少のトラブルならGoogle検索で解決できます。もちろん、日本語で書かれた開発情報も豊富です。
一方、マイナーなCMSの場合、Google検索で解決策が見つからないケースがWordPressより多いでしょう。開発情報が見つかったとしても、英語でしか書かれておらず、自ら翻訳して対処しなければならない可能性もあります。
チーム単位で編集できる
WordPressは複数のユーザーによる編集を想定しており、管理機能が充実しています。チーム単位でwebサイトを運用することが可能です。また、編集権限に関して細分化されている点もポイント。
ユーザーの種類 | 権限 |
---|---|
管理者 | シングルサイト内のすべての管理機能にアクセスできる |
編集者 | 他のユーザーの投稿を含むすべての投稿を公開、管理できる |
投稿者 | 自身の投稿を公開、管理できる |
寄稿者 | 自身の投稿を編集・管理できるが、公開はできない |
購読者 | プロフィール管理のみを実行できる |
(参考:WordPressサポート「ユーザーの種類と権限」)
大規模なwebサイトの場合、投稿する記事を外部ライターにお願いすることがあります。社外の人間がWordPress上で操作を行う際、このような権限設定が役に立ちます。「誤って記事を削除してしまった」「他ライターが執筆した記事を勝手に編集された」など、さまざまなトラブルを回避することが可能です。
スマホアプリに対応している
WordPressはスマホアプリに対応しています。パソコン作業ができない環境で記事を編集したり、投稿したりすることが可能です。通勤途中の電車内など、スキマ時間を活用してwebサイトを運営できます。
WordPressのデメリット
ここでは、WordPressのデメリットについて解説します。具体的には以下のとおりです。
- サポート窓口がない
- システムやプラグインのアップデートがある
- 本格的なカスタマイズは専門知識が求められる
- セキュリティ対策が必要
それぞれ詳細をチェックしていきましょう。
サポート窓口がない
WordPressにはサポート窓口がありません。公式サイトは用意されていますが、電話での個別対応は行っていません。トラブルが発生した際は、Google検索などを利用して、自ら解決する必要があります。
システムやプラグインのアップデートがある
WordPressのシステムは頻繁にアップデートされます。基本的にはwebサイトの管理画面から1クリックで対応可能です。
ただ、プラグインのアップデートの場合、WordPressのバージョンによっては対応していないことがあります。プラグインが正常に作動しない原因になるので注意が必要です。以上のことから、あまりにも多くのプラグインを搭載することはおすすめしません。
本格的なカスタマイズは専門知識が求められる
WordPressを本格的にカスタマイズする場合、専門知識が求められます。サイトデザインを調整する場合はHTMLやCSSの知識が必要ですし、プラグインでカバーしきれない機能を追加するなら、PHPやJavaScriptでコードを書く必要があります。
また、プログラミング言語だけでなく、WordPress自体の構造に関して、込み入った知識が求められるでしょう。
セキュリティ対策が必要
世界トップシェアを誇るWordPressは、人気の反面、ハッカーによる攻撃のターゲットになりやすい側面があります。セキュリティ対策をしっかりしなければ、思わぬトラブルを招いてしまう可能性があります。
原則、WordPressのバージョンは最新状態を維持しましょう。本体アップデートがあれば、その都度更新してください。
専門知識がなくても利用できるWordPressですが、その手軽さゆえに、セキュリティ意識の低い運営者も多いと思います。また、何から手をつければいいかわからない方も多いでしょう。
そんなときは、以下の3つを意識してください。
- バックアップを定期的にとる
- セキュリティ対策用のプラグインを追加する
- セキュリティ対策機能が用意されたサーバーを契約する
それぞれ詳細をチェックしていきましょう。
バックアップを定期的にとる
WordPressのバックアップは定期的にとりましょう。サイバー攻撃の被害にあったとしても、消失したデータを元に戻すことができます。
また、自然災害、人為的ミス、機器の故障など、バックアップをとることで対処できることは多いです。
セキュリティ対策用のプラグインを追加する
セキュリティ対策用のプラグインを追加するのも効果的です。二段階認証を設定したり、特定のIPアドレスからのアクセスを制限したり、さまざまな機能を搭載できます。
セキュリティ対策機能が用意されたサーバーを契約する
レンタルサーバーのなかには、WordPress用のセキュリティ対策機能を用意しているサービスが存在します。
たとえばエックスサーバーの場合、「WordPressセキュリティ設定」を活用することで、国内IPアクセス制限やログイン試行回数制限などが可能です。
WordPressの始め方
ここでは、WordPressの始め方を解説します。具体的には以下の3ステップです。
- レンタルサーバーを契約する
- ドメインを取得する
- WordPressをインストールする
それぞれ詳細をチェックしていきましょう。
レンタルサーバーを契約する
WordPressを利用するためには、まずレンタルサーバーの契約が必要です。基本的には最もスタンダードなプランで構いません。サービスごとに料金は異なりますが、概ね月額1,500円前後です。
また、レンタルサーバーのなかには「簡単インストール機能」が搭載されているものがあります。画面の指示に従えば、専門知識がなくてもWordPressをインストールできます。詳細は後述します。
ドメインを取得する
レンタルサーバーを契約した後は、ドメインを取得しましょう。ドメインとは、インターネット上における住所のことです。
ドメインには独自ドメインとサブドメインが存在し、本格的なホームページ運営を検討しているなら、独自ドメインを取得する必要があります。
WordPressをインストールする
最後に、WordPressをインストールして完了です。WordPress公式サイトからインストールする方法もありますが、基本的にはレンタルサーバーの簡単インストールが便利で楽です。
詳細はこちらの記事で解説しています。
WordPressでホームページを作成したあとは、必ずSLL化し、セキュリティレベルを上げておきましょう。
WordPressと無料作成ツールの違い
ホームページや店舗サイトを開設する場合、WordPress以外にも無料の作成ツールが存在します。ただ、SEOやコストパフォーマンスを比較すると、WordPressで事足りることが多いです。
ここでは、WordPressと無料作成ツールの違いを解説するので参考にしてください。
WordPressはSEOに強い
一般的な無料作成ツールと比較して、WordPressはSEOに強いです。独自ドメインを設定できたり、SEO用のプラグインを追加できたり、カスタマイズ性に富んでいます。
一方、無料作成ツールの場合、基本的にはサービスが提供する機能しか利用できません。カスタマイズ性に注力している無料作成ツールも存在しますが、WordPressには劣ります。
無料作成ツールには有料プランが存在する
完全無料で利用できるWordPressと違い、無料作成ツールには有料プランが存在します。矛盾して聞こえるかもしてませんが、無料作成ツールではオプション機能を追加する際、別料金がかかるということです。
無料作成ツールの詳細に関しては、こちらの記事を参考にしてください。
WordPressで作ったホームページ
ここでは、WordPressで作られたホームページをご紹介します。
有名企業をはじめ、日本を代表する大学や世界の行政機関でも使用されています。
WordPressのまとめ
本記事では、WordPressの基本情報について解説しました。押さえておきたいポイントは以下のとおりです。
- WordPressは世界トップシェアのCMS
- 幅広い種類のwebサイトに対応可能
- レンタルサーバーと独自ドメインが必要
- SEO目的ならWordPressがおすすめ
はじめてホームページを開設する場合、WordPressは強い味方です。集客目的に活用できるので、長期的な運営を想定している方にもおすすめします。
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